旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

信州の峠道「馬籠峠」にて

2020-09-05 | 日記・エッセイ・コラム

 木曽へのプチGo-To、最後の試練は中山道トレイル約8キロ、馬籠峠越えを敢行する。
コロナ禍でインバウンドが全滅、なによりこの猛暑、整備された馬籠宿に人影は無い。

今回は馬籠宿から妻籠宿へ、皇女和宮花嫁行列のルートを往く。
恵那山の雄姿に背中を押され渋々山道を登りはじめるのだ。
「なにもこんな炎天下に」っと心の声。

峠は馬籠側は急坂だが距離も短く総じて楽だと云う。
小1時間で達した馬籠峠790m、馬籠(旧山口村)が美濃に寝返って中津川市と越境合併、
2005年からこの峠が岐阜・長野県境となっている。

 峠から妻籠宿へは緩やかな下り坂が続く。途中、築250年と云う茶屋跡で小休止。

さらに中山道を少しだけ外れて男滝・女滝で涼をとる。噴き出した汗が嘘のようにひく。
小さなドライブインで詰めてもらった "栗おこわ弁当" を広げる。美味いな。
ほんの一寸だけ歩いてよかったと思った。いいや気のせいだろう。

     

石碑や道標が顔を出す石畳の坂を下るとやがて大妻籠の集落、妻籠宿まではさらに10分。
格子造りに蔀戸の家々が連なる風景は、江戸の昔に放り込まれた様な錯覚に陥るのだ。
なにはともあれ、最後の試練を終えて束の間の夏休みが終わる。幹事氏に感謝。

人生の空から / 松山千春 1980