小雨降るロンドンの裏町にでも紛れ込んだ気にさせる佇まいが博多川の端に在る。
オーセンティックではないにせよ、落ち着いた雰囲気のカウンターは老舗バーそのものだ。
淡緑色がカクテルグラスに注がれてライムの香りが広がる。すでに “ギムレット” には早過ぎる時間ではない。
生ハムを巻いたクリームチーズをつまむ。軽く焼いてあるバケットもいい感じなのだ。
シングルモルトは “GLENLIVET” の12年、ほんのりバニラの香り、初級者にはこんなところからか?
空いた小腹に辛みのある “サラミピザ” を口に放り込むと人心地つく。
ときおりボールアイスをカランと鳴らしながら博多の夜は更けていくのだ。
酒場の騒めきがなんとなく億劫な気分の夜、たまにはこんなバーカウンターもいい。
Say Goodbye To Hollywood / Billy Joel 1981