旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

風を感じて! わたらせ渓谷紅葉とZと十割蕎麦と

2022-11-23 | 単車でGO!

 快晴の土曜日、ちょっと寝坊して8時前にZのシートカバーを剥がす。久しぶりだね。
単車で走るなら断然高速よりも一般道の方が楽しい。R 17を北上してバイパス上部道路をクルージング。
世良田インターを降りたら、あとは県道69号線でわたらせ渓谷までまっしぐらだ。

大間々の高津戸峡、狭隘な渓谷に両岸から覆いかぶさるような紅葉の紅や朱そして黄色が美しい。

渓谷をさらに遡る。右へ左へ緩やかに登るワインディングが楽しい。いつしかボクらは草木ダムの堤頂へ。

ダム底へと続く細道を降りてみた。堤高140mの巨大コンクリート構造物はさすがに迫力があるね。
左右から迫る山々の紅や黄色に囲まれて、白い壁がずいぶんと弱々しくなった陽を反射している。

草木橋の袂の蕎麦処も錦秋の中、真っ赤なモミジに隠れた古民家に「新そば」の札が掛かっている。

ぼそぼそっと十割蕎麦、さっと汁に浸してズズッと一気に啜る。濃密な香りとともに新そばが美味しい。
モミジ、ぎんなん、まいたけ、天盛りの中にも秋が散りばめられて、ちょっと遅めのランチが楽しいのだ。

わたらせ渓谷鐵道(旧足尾線)の沢入駅付近にやってきた。撮り鉄氏が三脚を構えている。何か来るのかな。
甲高い警笛一声、ディーゼル機関車が牽くトロッコ列車がおっとりやってきた。なるほど車両も錦秋だ。

見頃を終えた山々が枯れるのを待っている。渇水期の低い湖面と相まってなんだか寂しげだ。
もう少し走ると峠を越えて日光に抜けるのだけれどすでに時間を費やした。この辺で踵をめぐらす。
帰る頃には真っ暗だなぁ。ジャケットのジッパーをいっぱいに引き上げて、西陽に向かう駆り人なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
On My Way / 安全地帯 1982