太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ワークショップ

2014-04-24 08:25:43 | 絵とか、いろいろ
2月の或る日、私のコラージュのメンターであるスーザンが、突然私の職場を訪れて言った。

「シロ、来月からスタジオを借りてワークショップやることにしたわよ。何曜日が休みなの?」

「なるべく木曜になるようにして」

そして翌日、3月から7月の第1週まで月に2回、ホオマルヒア ボタニカルガーデン内で

ワークショップをやる旨のメールが来た。

ただ、スタジオを借りられるのは火曜日だけ。



休みが取りにくいのと、作品の準備が進まないのとで3月は見送りで、先週、ようやく参加した。

新しい作品は間に合わず、やりかけで放っておいた作品を持って行った。


ホオマルヒア ボタニカルガーデンは我が家から車で10分あまりのところにあって

広大な敷地に、キャンプができる場所や、ギャラリーや静かな池があったり、ウォーキングシューズをはいて歩くだけで

体の芯からキレイになるようなすがすがしいところだ。

入園は無料で、9時から4時まであいている。





この日来ていたのは私を含めて6人。

パティとアリソン、マイテとリー、そしてスーザン。

一人でこつこつと制作するのは好きだけれど、集まって制作するのも大好きだ。

こうしたいイメージがあるのに、どうしてもそこに辿り着けずに手が止まってしまうとき、

(今回まさに私はその状態の作品を持っていったのだが)

ちょっとしたアドバイスで、スーっとその先に進めるし、人の作品も刺激になる。




アリソンの旦那さんがダイバーで、マーシャル島やタヒチで集めた貝を持ってきてくれた。



自然の造詣を見るたびに、この世界を創った存在の芸術的センスに脱帽する。





スーザンの作品(やりかけ)

アリソンが持ってきた貝が、さっそくモチーフに入っている。




物静かでほがらかなパティ。

「コラージュって難しいわよね。たった1つの小さな色が全体をダメにしちゃうんだもの。でもそこがおもしろいんだけど」

パティの言う通りだ。

水彩やパステルは、ひとつの作品を仕上げるのに時間がかからない。特に水彩などは、短時間で仕上げたほうが

いいものができるような気がする。


このパステルは1時間


この水彩は2時間


コラージュは、何ヶ月もかかることがある。

どう仕上げていこうか、夢にまで出てくる。


これが私の作品。




BEFORE


AFTER



まだまだ完成には至らないけれど、みんなのおかげで完成までの道筋は見えてきた。




お昼はいつもポトラック(持ち寄り)。

メキシカンの豆サラダを作ってくる人もいれば、デザートを持ってくる人もあり、

フルーツやお寿司、打ち合わせをしないのに、不思議とバランスがとれていて、しかも美味しい。

持ち寄りにすれば、1種類だけ用意すればいいからラクだし

人数が多ければ、立派なバフェ(バイキング)になる。



こうして作品を作っているとき、心の底からワクワクが湧いてくる。







ハワイに来たばかりの頃、いつか私はココで私だけの社会を作りたいと思っていた。

日本にいたら友達もいるし、仕事もあるしで、そんなことは決めなくたって、あって当然だった。

最初の半年はあっという間に過ぎ、1年がたち、私は焦り始めた。

家にいるだけの生活で、知り合いは叔父叔母とか、夫や両親を通じての知り合いだけ。

日本語は教えていたけれど、それ以外に家族を離れた私の社会はなかった。

「自分だけの社会を作りたいって言っていたじゃないの、そろそろ仕事とか始めたら?」

という叔母の言葉にも、私の中のどこかがとても怖がっていた。

言葉の壁がある場所で、私にできることなど何もないように思えたし、

それはまるで飛び込み台の上でウジウジとしている子供のようでもあった。




「おもしろい作品をみたわよ!」

といって叔母が教えてくれた、スーザンのコラージュ。

そうしてスーザンに出会い、思いがけずコラージュという技法にはまり、

なんとなく本屋で働く気持ちになって、今に至っている。



飛び込もうと身体に力が入っているうちは、飛びこめなかったのに、

気がついたら、私は既に飛び込んでいて、不器用ながらもすこしずつ泳ぎ始めていた。


3年かかったな。

楽しい仲間と過ごしながら、しみじみとそう思った。

それは長くもあるし、そうでもないようにも思う。









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