太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

幻の羊羹

2016-12-01 19:07:12 | 日記
友人が、日本の和菓子屋で働き始めた。

その店は、日本にあっても高級和菓子の店だと思う。

「思う」というのは、どこからが高級というのかわからないからで、

デパートの地下に恭しく店を構えているからには高級なのだろう、ということだ。



先日、その友人に会った時、仕事はどうか聞いたところ、

「新しいことばかりで新鮮なんだけどさ。覚えることが多くてね」

「お菓子の名前や値段を全部覚えたりしなくちゃならないだろうね」

「それがさ、羊羹なんだけど、

私の見間違いか、値段の書き間違いかと思って同僚に聞いたことがあってね」

「へー」

「だってね、88ドルって書いてあるんだよ」

「セットじゃなくて?」

「普通の大きさの羊羹1本だよ」

「そりゃ私でも聞くワ。でも間違ってなかったんだね・・・?」

「間違ってなかった。正真正銘88ドル羊羹だった」

「皇室御用達でも、もちっと安いかもよ・・・・」




それは栗羊羹なのだが、いくら高級店といっても、

いくらここがハワイだといっても、88ドルという設定はいかがなものか。

日本円にしたら1本1万円近くなる。

素朴な疑問をぶつけてみた。


「それを買う人がいるの?」


それを売ったことがある人はいないらしい。

そして、賞味期限が過ぎそうになったら試食にし、期限が過ぎたら廃棄するのだそうだ。


それってどうなの?


価格設定が高すぎるために、誰も買わず、そのうち試食になって廃棄するぐらいなら

半額ぐらいにしてコンスタントに売ったほうが儲かるんじゃないか。

まあ、半額にしたって 44ドル だけどもね。


友人と私はその羊羹を 幻の羊羹 と名づけて様子を観察することにした。









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