涙腺が、ヤバイことになっている。
職場に、ミドルエイジの人がその親とともに来て、そのやりとりを見ただけで
胸に熱いものがこみあげてくる。
それが日本人であったら、なおさらである。
「おかあさん、これ見て。これなんか○○さんにいいんじゃない?」
「どれどれ、ああ、そうだねえ、これにしようか」
いいなあ、母親と旅行して買い物なんて、いいなあ。
もっと母と一緒に過ごせばよかったと、今になって思う。
って、母はまだ生きてるけども。
日本にいたとき、実家まで車で1時間余のところに住んでいた。
たった1時間のところにいたのに、なぜもっとたくさんの時間を両親と過ごさなかったのだろう。
母の手料理を、なぜもっと食べておかなかったのだろう。
先日、父が家の中で転んで、大腿骨を骨折し、入院した。
血液をさらさらにする薬を飲んでいたので、手術まで10日以上待たねばならない。
手術したら数週間は病院にいて、そのあとはリハビリ病院に行くというのだけれど、
父の年齢を考えたら、もう自分で歩くことができないかもしれない。
母は、ゆっくりだけれど自分で歩く。
けれど病気で、得意だった洋裁はむろん無理だし、簡単な料理しかできない。
両親が年をとってゆくことはわかっていたのに、私は何もわかっちゃいなかった。
祖父母をみてきたから知っているつもりだったのに、私の両親にはそれは起こらないと、
私はどこかで高をくくっていた。
「もうハワイには行けないなあ」
3月に日本に行った時、父がぽつりとそう言った。
その時はまだ骨折はしていなかったが、20分も歩くと腰に力が入らなくなっていた。
それでも、あのとき日本に行っておいてよかった。
両親を連れて桜を見に行けたし、父は元気に歩いてお蕎麦屋にも行った。
妹が父を検診に連れていった間に、母と一緒にランチを食べに行った。
元気だったころは夫婦で毎週、繁華街に出かけていたものだ。
ランチのあと、デパートで洋服やバッグなどを少し見て、母は楽しそうだった。
近くにいたら、もっと頻繁にこうして母を連れ出すことができるのに。
今は、なるべく母に電話をする。
洋服が好きなのに、もう買い物にも行けなくなった母に、似合いそうな洋服を送る。
そんなことしか、できない。
どんなに心を尽くしても、もっとああすればよかった、と思うものだと人は言う。
それを私は、できるのに、じゅうぶんにしなかったのだから、悔やんでもそれは自業自得だろう。
日本からみえた、母より若いご婦人が、お金が入っている封筒を取り出した。
どこにでもある茶封筒の裏側に鉛筆で
『楽しい旅行をしてきてくださいね』
と書かれているのを見たら、いきなり涙腺崩壊して、それをごまかすのに困った。
この人が、ほんとうに楽しい時間を過ごせますように。
にほんブログ村
職場に、ミドルエイジの人がその親とともに来て、そのやりとりを見ただけで
胸に熱いものがこみあげてくる。
それが日本人であったら、なおさらである。
「おかあさん、これ見て。これなんか○○さんにいいんじゃない?」
「どれどれ、ああ、そうだねえ、これにしようか」
いいなあ、母親と旅行して買い物なんて、いいなあ。
もっと母と一緒に過ごせばよかったと、今になって思う。
って、母はまだ生きてるけども。
日本にいたとき、実家まで車で1時間余のところに住んでいた。
たった1時間のところにいたのに、なぜもっとたくさんの時間を両親と過ごさなかったのだろう。
母の手料理を、なぜもっと食べておかなかったのだろう。
先日、父が家の中で転んで、大腿骨を骨折し、入院した。
血液をさらさらにする薬を飲んでいたので、手術まで10日以上待たねばならない。
手術したら数週間は病院にいて、そのあとはリハビリ病院に行くというのだけれど、
父の年齢を考えたら、もう自分で歩くことができないかもしれない。
母は、ゆっくりだけれど自分で歩く。
けれど病気で、得意だった洋裁はむろん無理だし、簡単な料理しかできない。
両親が年をとってゆくことはわかっていたのに、私は何もわかっちゃいなかった。
祖父母をみてきたから知っているつもりだったのに、私の両親にはそれは起こらないと、
私はどこかで高をくくっていた。
「もうハワイには行けないなあ」
3月に日本に行った時、父がぽつりとそう言った。
その時はまだ骨折はしていなかったが、20分も歩くと腰に力が入らなくなっていた。
それでも、あのとき日本に行っておいてよかった。
両親を連れて桜を見に行けたし、父は元気に歩いてお蕎麦屋にも行った。
妹が父を検診に連れていった間に、母と一緒にランチを食べに行った。
元気だったころは夫婦で毎週、繁華街に出かけていたものだ。
ランチのあと、デパートで洋服やバッグなどを少し見て、母は楽しそうだった。
近くにいたら、もっと頻繁にこうして母を連れ出すことができるのに。
今は、なるべく母に電話をする。
洋服が好きなのに、もう買い物にも行けなくなった母に、似合いそうな洋服を送る。
そんなことしか、できない。
どんなに心を尽くしても、もっとああすればよかった、と思うものだと人は言う。
それを私は、できるのに、じゅうぶんにしなかったのだから、悔やんでもそれは自業自得だろう。
日本からみえた、母より若いご婦人が、お金が入っている封筒を取り出した。
どこにでもある茶封筒の裏側に鉛筆で
『楽しい旅行をしてきてくださいね』
と書かれているのを見たら、いきなり涙腺崩壊して、それをごまかすのに困った。
この人が、ほんとうに楽しい時間を過ごせますように。
にほんブログ村