太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

庭の絵

2019-12-25 11:38:23 | 日記
今日から仕事に戻った。
こんなとき、行く場所があってよかったと思う。
気がまぎれるし、同僚たちのあたたかい気持ちもありがたい。
ただ、高齢の親と一緒に来ているお客様を見ると、ちょっとつらくなる。

お通夜のとき、父の油絵を何点か会場に飾ることになり、
アトリエで作品を探していたら、夫が偶然、
ハワイの我が家の庭を描いた作品をみつけた。
9年前に私たちがハワイに移住するときに、私の両親もつれてきて、
10日ほど滞在した。
父は庭に椅子とパラソルを出して、スケッチを描いていた。
それを油絵にしたのだろうが、父はそんなことを一言も言わなかったから
それを見つけたときは驚いた。

父が描いた庭の絵

これは形見にもらって帰ってきた。

親をすでに亡くした人を、私はある種の尊敬をもって見ていた。
親を亡くすということが、どれだけ辛いことなのか想像できなかったから
この人はそれを乗り越えてきたのだな、と思ったものだ。

何年たっても、父を思えば、心の同じ場所がうずくのだろう。
悲しくなくなることも、寂しくなくなることもないのかもしれない。

何年も前、ハワイと日本で父と電話をしていたときのことだ。
「死んじゃったら、飛行機にも乗らずに一瞬でハワイに来れるね」
「そうだね、じゃ、死んだらすぐに行くよ」
「夜はヤメテ、怖いから」
「アッははー」
笑って話すほど父は元気で、私はノーテンキだった。

昨夜、眠れなくていたときに、
「夜でもいいよ、ちょっと怖いけど」
とつぶやいてみた。