太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

駆け足年末

2019-12-30 16:07:56 | 日記
父の葬儀を終え、23日にハワイに戻ってきてからというもの、
まさにあっという間に晦日だ。
職場は戦場のような忙しさで、おかげで余計なことを考える間もない。




クリスマスは、前の晩からの嵐で迎えた。
雨はともかく、ものすごい風で、庭の木々が360度にしなって
あちらこちらで木の幹が割れる音がし、
折れた枝やらが、庭を真横に飛ばされてゆく。
そしてお約束の停電。
倒木が電線を切ってしまったからなのだが、2時間たっても復旧しない。
午後になったら叔父叔母と友人がやってくるというのに、
このままだとオーブンが使ええない。
叔母に電話をすると、叔母の家は電気があるというので、
午後になっても復旧しなかったら、急遽叔母の家でクリスマスを祝うことにする。

いよいよ叔母の家に行くための荷物を作り始めたころ、電気復旧。
今度は叔母の家が停電だという。

ツリーの前にはプレゼントの山

いくつになっても、プレゼントは嬉しい。
一人あたり5個から10個のプレゼントをもらい、わくわくしながらあける。
サンクスギビングデーに七面鳥を食べたので、
クリスマスはシュートメがラザニアを作り、お寿司やお刺身、何種類ものチーズにクラッカー、エビのカクテル、山盛りの野菜スティックなどを、
めいめいが好きに食べる。
クリスマスのときだけに使う、特別なグラスや食器がテーブルを彩る。
シアトルに住む、義兄から電話があり、一人ずつ電話をかわりながら話しているうちに、
嵐はおさまり、青空がみえてきた。

ふと、日本の家族を思う。

クリスマスは、家族を思い、家族と過ごす日。
父の写真を、みんながいる部屋に置いた。
「オトウサンは賑やかなことが好きだから、きっとここにいるね」
夫が言う。
「うん。でも相当なせっかちだから、1か所に長くいられないよ」

父の話をするとき、父のことを思うとき
父はほんとうにいなくなってしまったのだろうか、と、思う。
冷たくなってゆく父を見た。通夜もして、葬儀もやった。
けれど、ハワイにいると、父はまだ日本にいるような気がしてくる。
会いたくても、すぐには会えない距離にいるだけで
今までと何も変わっていないのではないかと思えてならない。
大事な人をなくした人に、
『その人は今はあなたの心の中にいて、いつでも一緒にいる』
と言うことがあるけれど、
これは、そういうことなのだろうか。
それとも、私はいまだに父の死をちゃんと認めたくないんだろうか。


夕方、外に出ると、草と木の呼吸の匂いと土の匂いが満ちていた。
嵐が、よぶんなものを全部なぎ倒し、洗い流してくれたのだ。
日本に住んでいたときも、クリスマスはハワイに来ていたから
Tシャツと短パンで過ごすハワイのクリスマスも、今年で13回目になった。