日本人の元同僚から、
「クリスマスカードを送ってもいいかな、喪中だよね?」
というメールが来た。
そういう風習があったのをすっかり忘れていた。
アメリカには喪中という文化はなく、夫に言わせると
「日本とは正反対で、身内を亡くしたからこそ元気を出してね、とか、
来年はすごく良い年になるよ、とか書いて励ますんだ。プレゼントもたくさん用意したりしてね」
ということらしい。
日本では、年賀挨拶欠礼のはがきを印刷したりして、わりとちゃんと喪中を守っている。
喪中とは、故人の死を悼み祝い事や贅沢ごとは慎む、という意味だが、
個人的には、アメリカの考え方のほうがしっくりくる気がしているので、友人には、是非カードを送ってねと返信した。
昨日で、父が亡くなって丸2年。
姉と義兄と妹で、お墓参りをしたという。
「2年後におかあさんまでいなくなってしまうなんて思わなかったよね」
姉がそう言って、
「でも、お父さんはおかあさんが来て大喜びだろうけどさ」
と付け加えた。
子供のように無邪気に喜んでいる父の横で、ちょっと困ったような笑顔で立っている母が目に浮かぶ。
両親も、私たちが喪に服しているより、普段通り日々を楽しく過ごしているのを見るほうがいいんじゃないかと勝手に思っている。