太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

タンジェリン ~懐かしいミカンの味

2022-01-10 15:02:30 | 食べ物とか
庭のタンジェリンの樹が、今年もたくさん実をつけた。
最初の数年は酸っぱさが勝っていて、絞ってジュースにしていたが
昨年あたりから、ぐっと美味しくなってきた。


大きさは、日本のミカンとネーブルオレンジの間ほど。
見た目はこんなふうできれいじゃない。
スーパーマーケットでも、「ロコオレンジ」といって売られている。

スパっと半分に切ると、ぶわーっと果汁があふれ出る。
まな板の上で切ると果汁が無駄になるので、お皿の上で切る。
皮はごく薄い。
味は、甘さが4、酸味が6。
でもこの酸味が、あと引くさわやかさで、ネーブルオレンジなど甘すぎて物足りなくなる。


静岡はミカンの産地で、比較的甘いミカンを食べられたけれど、昔のミカンは酸っぱかったと思う。
夏ミカンなど、強烈に酸っぱいのがごろごろあった。
よく母が、夏ミカンを全部ホロから出して剥いてタッパーに入れたのに、砂糖をふりかけて冷蔵庫に入れておいたものだ。
そうすると、そのままでは酸っぱくて食べられない夏ミカンも美味しく食べられた。
きんきんに冷えた夏ミカンに砂糖がからまって、夏のお風呂あがりのおやつにうってつけだった。
大人になり、それが食べたくなって自分でやってみたら、ホロから出す手間暇に比べて、食べるのは一瞬で、改めて母の労力を思った。


日本のスーパーマーケットで、糖度が書かれた果物が売られているのを見たことがある。
改良されて、果物がどんどん甘くなって、食べる前から甘いのを選ぶこともできるようになった。
けれど、それはほんとに良いことなんだろうか。
もちろん、こっちのスーパーでは糖度表示などあるはずもない。
だから、みんな美味しい果物の選び方を知っている。
オレンジは、お尻を見て、でべそになっているのが美味しいし、
パイナップルは、ヘタの部分を引っ張ってみて、軽く抜けるのが熟している証拠。
グレープフルーツは、しっかりと固くて重いのがいい。
バナナやパパイヤ、マンゴーは、それを何日間で食べきるのかを計算する。
今日、この色なら、何日で熟すかがなんとなくわかるから、熟しすぎないで食べきることができるというわけだ。
バナナの場合、欲しい本数を勝手にもいで買うことができるのが便利。


今朝も、庭のタンジェリンを収穫してきて、汁を垂らしながら食べた。
懐かしいような、酸っぱいミカンの味である。