太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

便利という名の不便

2022-01-27 08:02:08 | 日記
テレビが、いきなり壊れた。
家を建てたときに買ったから、まだ7年。いや、もう7年?
週末にテレビを買いに出かけた。

壊れたのと同じ大きさの50インチで、ブランドはどこでもいい。
ちなみに今までのはLG。
売り場の中で、私たちは途方に暮れた。
あまりにも種類が多すぎて、何がなんだかさっぱりわからない。
真っ先に声をかけてきてくれた、イーライ君に説明してもらった。
画面の上下の黒いバー部分にイーライ君のスマートフォンのカメラを当てると、ある機種はカラフルな色が出る。
「億単位の細かいライトが常に点滅してるんだ。それを〇〇と言って・・ぺらぺらぺらー」
要するに鮮やかすぎる画面は、目にはよくないということらしい。(わかったのはそれだけ?)


イーライ君にお礼を言って、結局私たちはサムソンの、セールになっていたテレビを買った。
ゲームもしないし、普段は1日に1時間もテレビを見ないのだから、普通に映ればそれでいい。
売り場の人が、接続するスタッフが必要か、と聞いてきた。すると夫が
「いや、自分でできるから大丈夫!」
と胸を張った。
私だったら、必ずプロに頼むんだけど。
メカのことなんか全然わからないし、家に持って帰って接続できなかったら二度手間だ。


さて、新しいテレビを夫が接続し始めた。
今までのテレビの裏には、DVDをフックする丸い穴がいくつかあったのだが、新しいテレビにはそういうものがない。
どうやってDVDを観るんだ?
説明書らしきものも、ぺらっとした紙が2,3枚だけで、接続の仕方などは書かれていない。
無料で観られる映画とか、フェイスブックとか、いろんな機能が画面に溢れているのに、私たちが欲しいものはひとつもない。
ただDVDと普通の番組が観られればそれでいいのだ。

何か知らないけど、サムソンのアカウントをPCで作った。
ケーブルテレビの番組をインストールした。
それなのに、番組が放映されない。
が、DVD機器と接続してないのに、DVDは観られる。

なんで???

テレビと奮闘すること1時間。
とうとう夫は諦めて、買った店からプロを派遣してもらうことにした。
だから私は言ったんだ。
7年前に前のテレビを買った時には自分で接続できたものが、今はもうできなくなっている。


昔のテレビはよかった。
買ってきて、コンセントさしたらそれでよかった。
昔はよかったと言いたくはないが、言いたくもなる。


テクノロジーが発達して、どんどん便利になってゆくように見えるけれど、
その便利、ほんとに必要なのかと疑問に思う。
誰かにとっては必要な便利も、それが必要じゃない人にとってはただの不便でしかない。
それが必要じゃない人のための物もちゃんとあるのが、本当の便利というものじゃないだろうか。

携帯電話を初めて持ったとき、どこにいても電話ができることに感動した。
写真が撮れるようになって、驚いた。
メール機能がついて、相手の都合を考えずに連絡がとれることに感動した。
インターネットに接続できるようになって、いつでも知りたいことを検索できることに感動した。
でも、私が必要なのはそこまでだ。


蛇足だが、最近の車にはCDプレイヤーがついていないという。
私の車を買ったのは10年前で、たぶん、そのあたりがCDプレイヤー付きの最後だったのかもしれない。
スマートフォンで、すべての事が足りる。
クロゼットの中の膨大なCDを眺めて、思う。これらは死蔵品か。



便利という名の不便の中で、私はこうして取り残されてゆくのかも。