太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

いい人やめる勇気

2023-09-27 08:24:23 | 日記
職場のマネージャーになって、4か月近くがたつ。
職場の管理をするマネージャーは私を含め3人で、1日に2人ずつ(たまに1人になるときもある)働く。
あと二人のマネージャーのうち、Cはオーナーの義妹で60代、Kはマネージャー歴5年の40代。それぞれに良い人で、私はツイている。

Kが、私に言う。

「もっとリラックスして、なにもかもやろうとしなくっていいんだよ」

私は ( ゚д゚)ハッ! とした。
これって、日本で父の会社にいたときと、まったく同じだ。


今私は職場を走り回り、常に在庫をチェックし、他の従業員の声を上にあげる橋渡しになるべく努力し、上からの指示を忠実に守り、私がいてよかったと思ってもらえるように努力している。
しかし私は、みんなを幸せにしようとして、自分は疲れていた。



あの頃、あれもこれも背負い込んで、父と喧嘩をし、何度も辞表を書いて、それでもまだきっと私にできることがここにあるのではと思って、石にかじりつくように働いていた。
20年余、どうなったか。
私は再婚し、夫の住む街に引っ越して、そこにある営業所に転勤することになり、本社勤務最後の日。
労ってくれたのは身内だけで、私は帰りにタイムカードを押すときに、近くにいた従業員に「私、今日が最後だから」と言ってみた。
机に寄りかかって携帯電話を眺めていた彼は、ちょっとだけ目を上げて私を見て、
「あ、おつかれさんです」
と言い、すぐに携帯電話に目を戻した。
その時、私の中で何かがガラガラと崩れた。
この20年、私は何をやってきた?怒りや悔しさではなく、あまりのバカバカしさに笑いがこみあげてきた。
自己満足、空回り。
骨身にしみた私は、転勤先の営業所では8時きっかりと5時きっかりにタイムカードを押し、のびのびと過ごした。


あのとき、骨身にしみたはずなのに、私は今また同じことをしている。あー、バカバカ!!

再び、K。
「私も最初の1年ちょっとはそうだった。だけど、やればやるだけガッカリすることも多くなって、どんなにやっても自己満足でしかないんだと気づいたよ。だからね、できることだけ無理せずやって、職場が普通に回っていさえすればそれでいいって思ってやってるよ」

Kにも空回りの時期があったのか。
KもCもけっこうゆるく働いているように見えていたけれど、そのぐらいでちょうどいいのだ。

私は、みんなを幸せにできて初めて自分が幸せを感じるのだ、と再び大勘違いをしていた。
この厄介な癖は、最初の結婚時代から引きずっているもので、あの頃は、こんなことを我慢できるのは私だけ、という方向にベクトルが向いており、前夫を心の中で見下すことで人間的に優越感を感じていたのだと思う。

再び、K。
「シロのことが私は大好き。だから言うんだけど、NO、という勇気を持たなきゃだめだよ。もちろん私に対しても、だよ?できないものはできない、やりたくないものはやりたくない、それだけ。
NOと言っても、誰もシロを責めたりはしないんだよ」

ありがとう、K。

以前、夫にも言われたことがあった。

「断ったら相手に嫌な思いをさせるから、無理してやりたくないことをする、ってこと?
人に嫌な思いをさせるのはだめで、自分には嫌な思いをさせてもいいわけ?


あの時だって、目ウロコだったのに。
断ったことで相手がどう思うかは、その人でなければわからない。
私は自分の幸せに責任がある。
誰もが自分が良い気分でいることに、責任があるのだ。
相手が望むことを私がしなくても、それは全然悪いことじゃない。心のどこかが痛むのは、私がまだ古い信念を捨てきれていないからだと思う。

今度こそ、私は私をもっと幸せにしよう。