太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

にぎらずにできないおにぎり

2023-11-08 10:33:32 | 食べ物とか
同僚から、

「近所の人に、いったいこれが何だかわからない、といってもらったんだけど、いったいこれが何だかさっぱりわかんないんだけど」

と言って手渡されたもの。


『にぎらずにできる携帯おにぎり』

と書いてあるから、おにぎりなんだろう。

「ライスボールだね」

「ライス?でも、乾いた音がするよ」

降るとカシャカシャと音がする。説明を読むと、熱湯か水を入れるとおにぎりになる、とある。
てことは、生米が入っているのか。

「熱湯を入れたら15分、水だったら1時間待つとライスボールになるらしい」

家でひとつやってみる、といって、残りは全部私にくれた。


さっそく、休日に昆布おにぎりを作ってみた。
開封して、中の保存のためのコブクロを取り出して、赤い線までお湯を注ぐ。
口を閉じたらよく振って(20回ぐらい)15分待つ。

15分後。
袋を開けたら、あらまあ!きれいなおにぎりがそこにある。

















ワケないよなぁ。
そうだよね、んなわけないとは思った。


そこには、オジヤに近いような雰囲気の昆布入りの米飯が、なんだか所在なげにいるだけだった。

これを、どうしたら「おにぎり」と呼べるのか。
これをおにぎりにするには、袋から全部出して、自分で握らなければならない。
しかし握るには水分が多いし、お米自体も頼りない。


商品化の際の会議で、揉めなかったんだろうか。

「いや、これはおにぎりにしてしまうには、ちょっと勇気が・・」

「何を言う。おにぎりにするかしないかは消費者が決めればいいことだ」

「でも、おにぎりと書いてあるからには、おにぎりでないと何かと苦情がくるのではと・・」

「だから、にぎらずにできる、とちゃんと書いてあるじゃないか」

「そう言いましても、にぎらずとも、おにぎりはできないわけでして」

「君もいちいち細かいことを言うね。今はおにぎらずなんていうのが流行っているんだよ。それに乗っからない手はないと私は思うね」


味は、見た目のとおり。
5年保存できるらしいから、乾パンみたいに災害時の保存食にはいいかも。
おにぎらずが流行ったときに、日本にいなかった私は、おにぎらずを食べたことがない。
にぎらなかったらそれはおにぎりじゃないんじゃないの?なんていう反論が出てくるのは、私がおにぎらずを知らないからか。
知らぬ間に、にぎってなくても、おにぎり、と呼べる時代になったのか。
小さな疑問が渦巻きつつ、完食した。





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