太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

天使に出会った実話 9

2023-05-16 07:29:07 | 天使に出会った実話
Carmel Reilly著『True Tales of Angel Encounters』より


キャシー(58) テキサス アメリカ

私はナースで、大きな病院で働いている。病院では、よく天使にまつわる話を聞くが、病院という場所が、助けを必要としている人たちが集まっているからなのか、あるいは都市伝説のようなものなのか。15人のナースたちが集まって話をしていたとき、そのうちの7人が病院で天使を見たことがある、と言ったから、約半数のナースが見ていることになる。

私はといえば、ずいぶん昔のことになるが1度だけある。
難産で、子供は無事なのだが、母体の状態が回復しないでいる女性患者がいた。
旦那さんは家に戻り、彼女は酸素吸入器をつけて個室に一人でいた。
真夜中、私のシフトの最終チェックで彼女の病室に行ったら、病室に入るなり何かが変だということに気づいた。
彼女は寝た状態のまま、大量の出血をしていたのだ。それはもうすごい出血で、このままでは死んでしまうと思うぐらいだった。
私はすぐに叫んで助けを呼びつつ、ナースコールのボタンを押した。

すると、すぐに男性が病室に駆け込んできた。医者でもナースでもなく、若い男性で、普通の服を着ていた。
私は彼に、アナタは誰?と聞いたが、彼は、心配しないで、どうすればいいかわかってるから、と言った。
そして私に、今すぐ助けを呼んできてくれと言うと、患者のそばに駆け寄り、ゆっくりと手のひらを額に当てた。
ただ、それだけ。
なぜ私が彼を信用したのか、わからない。怪しい人かもしれなかったのだ。
けれど彼はとても落ち着いていて、信用に値するように思えた。患者の額に手を当てている彼を残して、私は医師を呼びに走った。

救急当直の医師を連れて病室に戻ったら、彼はそこにはいなかった。私が病室を空けたのは2分かそこらだった。
彼女はベッドの上に置き上がり、顔色は青かったが、しっかりしていた。
診察した医師は、出血は既に止まっていて危機は脱しているけれど、その状態でなぜ出血が止まったのかわからない、と言った。

彼女は順調に回復し、子供を抱いて元気に退院した。
あの男性は誰だったのだろうか。
あれから、あの男性を見たことは1度もない。



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