太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

いまさらの塩麹

2014-04-22 08:14:25 | 食べ物とか
いまさらの、塩麹である。

日本では、もうずっと前に(同僚は、2年はたっている、と言っていた)ブームだったそうだ。


1月に帰国した際、姉が塩麹をくれた。

プラスティック容器にはいった、甘酒みたいなもので

「コレは何?」と聞くと

「なんに入れても美味しいから食べてみて」と言う。


といっても、私は料理をしないし、これは和食っぽいし、

開封しなければしばらくはもつだろうと寝室に(キッチンは義母のテリトリーであるから)置いてあったのだが

今、夫の両親は旅行で不在で、食事は私と夫だけなので

せっかくの塩麹を試してみようと持ってきた。



ネットで塩麹を調べてみる。

これでもかとレシピが出てきた。

野菜で浅漬けもできるし、肉でも魚でも、ただマリネしたのを焼くだけ。

鶏肉を買ってきて、朝、塩麹を塗って冷蔵庫にいれておき、

夕飯に焼いてみた。

料理好きな同僚によれば、塩麹は焦げやすいから、焼く前に小麦粉を軽くはたくといいというのでそうした。


鶏肉が焼けたら肉を取り出し、そのフライパンに玉ねぎともやしを入れて、さっと炒めた。



美味しかった。



もっと塩辛いかと思ったけれど、割とマイルドだ。

塩麹の量によって塩辛さが変わるのだろう。

これなら魚の切り身に塗っても美味しいだろうけれど、魚焼きグリルがないからなあ・・・・

あのバカでかいオーブンで焼くのも、あれだし。

魚を焼こうとすると、庭にあるバーベキューグリルしかない。

二切れかそこらの魚のために、バーベキューグリルを使うのも面倒。

無煙ロースター的なものも売っているけれど、それを買うほど焼き魚を食べるわけでもなし

結局、日本料理店に行ったときに、普段は食べられない焼き魚を食べている。




同僚が、チャーハンに入れても、焼きそばでも美味しいんだよ、という。

さらに彼女は、自分で塩麹を作っているらしい。

「買うと高いし、自分で作ったほうが美味しいしね」


麹菌を培養して自分で作るなんて、その昔、カスピ海ヨーグルトが流行ったときのことを思い出すなあ。


この塩麹を使い切って、まだ私のヤル気が残っていたら(ここが肝心)

培養に挑戦してみよう。








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ドライクリーニングと衣替え

2014-04-17 07:53:38 | 日記
滅多に洋服をドライクリーニングに出さなくなった。

ウールのセーター類を着ないのもあるし、ドライクリーニングに出すようなオシャレな服を

あまり着なくなったのもあるけれど

なんといっても、高いから。



それでも、たまにはオシャレな服を着ることもないではなくて、

久しぶりにワンピースをクリーニングに出した。

シルク混の薄い生地のワンピースが一つで 25ドル だった。

ワンピースが1個で 2500円 税抜 。(くどい)

よく覚えていないけど、日本じゃもっと安かったような気がする。

1月に帰国したときに使ったマフラーと手袋だって、たった二つで35ドルぐらいとられた。

義母に借りたのじゃなかったら自分で洗ったのに・・・・



ハワイには白洋舎があるけれど、ドライクリーニング自体、日本ほど需要がない。

まず、ネクタイを締めるようなワイシャツやスーツを着る人が極端に少ない。

たいていアロハシャツで、普通のシャツでもネクタイはしないし、上着も着ない。

夫のスラックスは全部洗濯機で洗えるものばかり。

女性の服装だって、非常にカジュアル。



しかし、ハワイでドライクリーニングが流行らない1番の理由は

衣替えがないからじゃないかと思っている。

衣替えをしないから、クリーニングの出し時がわからない。




たとえばスカートやスラックスは、1度着用したぐらいじゃ私は洗わない。

1年に1回か2回ぐらいしか着ないそれらを、いったいどの時点で洗えばいいのか悩む。

サンドレスもしかり。

食事に行く時に数時間着るだけだから、

あと1回着たら洗うかな、と思ってクロゼットに吊るしておく。

次は別のサンドレスを着る。

それもまた、あと1回着るまでとっておこう、と思って吊るしておく。

次はまた違うのを着る。

それもまた、まだいいかなと思って吊るしておく。

そして3年が過ぎる・・・・・・・



延べ何回ぐらい着たかすっかりわからなくなったサンドレス類を眺めつつ

これらをクリーニングに出したら、いったいおいくらまんえんかかるかしらん、と思って青ざめる。




というわけで、やっぱりハワイじゃ、洗濯機に入れてガンガン洗えるものに限る。

家で洗えるかどうか、というものは、それほど高価じゃないものを買って家で洗うに限る。









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ルバーブ クランブル

2014-04-15 14:49:27 | 食べ物とか
ルバーブなんていう植物は、ハワイに来るまで食べたことがなかった。

山中湖(富士五湖の一つ)に行ったとき、菜園のような場所で

夫がルバーブを見つけて、教えてくれた。

「これでパイやジャムを作るとすっごく美味しいんだよ」

と言われても、茎が赤い大きなカブのような植物から、おいしいパイやジャムを想像するのは無理。

まさかそのとき、私がルバーブにハマルとは思いもよらなんだ。



昨日、夫の叔母が夕飯に招いてくれた。

メニューは、ラムのシチューと、ルバーブクランブル。




これがルバーブ


ルバーブは酸味があるらしい。

ジャムやパイにするときには、たいてい同量ぐらいのイチゴとあわせる。

夫の母は、これでジャムを作る。ヨーグルトにとてもよく合う。

ただこのルバーブは、アクがあるというのか、日持ちがしない。

ジャムも3日ぐらいで食べきらないと、お腹をこわす(夫の父が体験済み)



このルバーブで作った、クランブル。




オーブンから出したて


料理上手な叔母は、何を作っても美味しいんだけれど、これも絶品!!



クランブルというのは、小麦粉とバターとブラウンシュガーを合わせたもので、

さくさくとした歯ざわり。

リンゴを煮たものを使ってアップルクランブルもよくある。

イチゴとルバーブと、クランブルのさくさくと、ああもうなんともいえないハーモニー。


バニラアイスクリームを添えて食べたら

熱いのと冷たいのとで、申し分なし。

ものすごいカロリーになることも間違いなし。




ルバーブを使ったケーキを

お店で売っているのを見たことがないんだけど、それは日持ちのせいからなのか?

家庭で食べる、家庭の味なのかもしれない。











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モンステラ

2014-04-14 07:10:46 | ハワイの自然
もう何ヶ月も作品を作っていない。

10月にはまた展覧会があるというのに、いっこうにエンジンがかからない。

メンターであるスーザンが、月に2回、ボタニカルガーデン内にスタジオを借りて

都合のつく人が集まって、それぞれの作品を作る機会を作ってくれたのだけれど

それに持ってゆく作品がないので、行きたいのに行けず、

行くには前もって仕事を休む計画をたてなければならずで、ずるずると4月になってしまった。



とにかく、キャンバスだけでもと思って、今日買ってきた。


頭の中で、モンステラのイメージだけはぼんやりあるので、

本物を見て、そのイメージを固めるために、フード付長袖の重装備で庭に出た。


確か、あの木の下あたりにモンステラがあったような・・・・





茂みをかきわけかきわけ、モンステラ発見。

モンステラといえば、ハイビスカスに並んでハワイアンなモチーフの代表ともいえる。





完璧な形の葉がないけど、仕方ない。

もっと下のほうまで探したらあるのかもしれないけど、この時点で やぶ蚊 の襲撃にあっているので

1枚だけ撮って退散。

ホノルルには蚊がいないらしい。

それは乾いているからだと誰かが言っていた。湿気が蚊の数を左右するのだとしたら

しょちゅう雨が降っているこのあたりに大量の蚊がいるのも納得だ。

庭でのんびりスケッチなんかするには、養蜂業者のような装備が必要。絶対必要。





いつのまにか生えていた野生のパパイヤが、いっぱいフルーツをつけていた。

パパイヤの種を庭に投げていたから、そのうちのどれかが芽を出したと思われる。

しかし、実を収穫するには、庭のずーっと奥、ジャングルの入り口まで行かねばならず、

誰がとりに行くかでもめそうな気配。





庭の石垣に、1年前に買った蘭の茎が大きく育って、花が咲いていた。

買った時は、かまぼこ板みたいなやつに、根っこがホチキスで止めてあるだけだった。

どんな花かもわからずに買ったのに、咲いてみたらけっこうかわいい。

根はすでに石垣を這って、しっかりとくっついている。


日本だと、蘭を育てるのは温度管理などが大変だというけれど、

ハワイじゃ、放っておけば育つ。

うちの庭の蘭は、雨ざらし、日ざらしでも毎年律儀に花をつけるもの。



モンステラの写真も撮れたことだし、デザインを練る前に今日の日本語クラスの準備でもすっか、

と思って始めたら、あっというまに時間がたって

とうとう何も描けないまま、生徒がやってきた。


いったい、いつ次の作品ができるんだか・・・・・・







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こゆきさん

2014-04-13 08:34:17 | 人生で出会った人々
日本で働いていた職場に、時々やってくるおばあさんがいた。

名前は「きたこゆき」さんといった。

職場の近くに住んでおり、キャスター付のカートを押して来るのだが

腰が曲がっていて、カウンターのこちら側に座っていると、こゆきさんの姿は見えない。

いくつぐらいだったのかわからない。

腰は曲がっていても、いつも着物を着て、髪をじょうずにお団子にしていた。



職場は、建物内の電気配線をする会社だった。

こゆきさんは一人暮らしで、コンセントが壊れたといってくることもあれば、

電気がつかないといってくることもあった。

そしてその仕事の依頼のついでに、電気釜やラジオの話になる。



電気釜が壊れたら困る、というのだ。

ラジオが壊れたら困る、という。

「でもまだ壊れていなくて、使えるんでしょ?」

と言うと、今は使えるが、これが使えなくなったら困るのだという。

だから、壊れたときのために別の電気釜を買ってある。

「それなら、今のが壊れても大丈夫じゃない?」

しかし、もしその別の電気釜が使えなかったら困る。



コンセントの修理に行った同僚が戻ってきて、言った。


「こゆきさんち、すごかったスよ。炊飯器やラジオやいろんな同じものが

いくつもゴロゴロしてました」




こゆきさんが亡くなったと聞いたのは、それから半年以上たったころだったろうか。

こゆきさんは、心配して備えて、それでも心配して

心配しながらいってしまった。

たくさんの電気釜やラジオなんかを一杯残したまま。





私は心配性だと思う。

気を抜くと、いつのまにか心配をしている。

心配は、放っておくと最悪の想定にまで膨れ上がる。

いっしょうけんめいに心配しているとき、その最悪の想定を「願っている」のと同じで

解決もしなけりゃ、いいことなんか何もないのだとわかっているから

心配している自分に気づくと、大根をスパっと切るように断ち切る。



何も知らず、心配を垂れ流して生きていた頃の私に比べたら

今はずいぶん楽観的な人間になったと思うけれど、

何かが起きて、心配したがりな自分がムズムズと顔を出そうとするのに気づくとき

私はこゆきさんを思い出すのだ。



『電気釜』は、そのまんま、今ある幸せ だ。




電気釜を「今この瞬間」や、「今もっているお金」や「家族」や「健康」に

おきかえてみる。

心配している間は、今この瞬間にある幸せに気づけない。

困ったときのために、今困る必要はないのだ。





ある出来事があり、やっぱり心配したがりな私は健在していた。

そして今度もまた、こゆきさんが教えてくれた。









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