太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ライリー・キーリー・トレイ

2023-03-23 18:27:27 | 日記
昨年、隣の家に越してきた家族の3兄弟の名前である。
8歳、6歳、4歳という感じの、碧眼金髪、絵に描いたような子供たち。
高齢化が進む界隈に、彼らの元気な遊ぶ声が響き渡って、「ここはアニマルキングダムか?」という一角になった。
隣家のフェンス沿いに15mほどのドライブウェイがあり、そこを歩いて我が家に出入りするようになっている。
ドライブウェイを歩いていると、木に登っていた子供たちが目ざとく見つけて声をかけてくる。
「どこ行くの!」
「ポスト見にいくんだよ、じゃあね」
「あ!ちょっと待って!!!」
1番下のトレイがそう言って、走って家に入り、すぐに紙を持って出てきた。
「これ、描いた」

「ダーツをありがとう、すごい楽しい! トレイ」

これはユニコーンか?
ガレージに置いてあったダーツのおもちゃを、あげたのだ。
見ているだけで、顔がにんまりしてくる。

先日、夫が一人でドライブウェイを歩いていたら、庭で野球をしていた子供たたちが駆け寄ってきた。
「ねえー、野球したことある?」
「うん、子供のときにリトルリーグにいたけど、今はやってない」
「あのね、ただバットとボールさえあればすぐできるよ、そしたらと一緒にできるよ

あたし、妹になってる (*´Д`)・・・・・・・・?

義両親がいて私たちがいるから、自分たちの家族のように、父と母と二人の子供、と思っているのだろう。
アメリカでは人種の違う子供を育てるのは普通にあるからなのか、それとも子供だからなのか。
このぐらいの年齢の子供って、なんにもとらわれていなくて、それがすごいなと思う。


私は身近に子供がいなかったせいか、子供を相手にするのが苦手だ。
姉の息子が5歳ぐらいのとき、姉が抜けられない仕事があって半日ほど甥と過ごすことになった。
姉が勤める病院の隣にある広い公園の遊具で遊んでいるのをボーっと眺め、そのあと歩いて伊勢丹デパートに行き、おもちゃ売り場を見て、同じ階にあったカフェで何かを食べた。
甥が喜びそうな話題も知らず、当然会話など弾むわけもなく、甥のほうが気をつかっていたような気もする。
姉から仕事終了の電話が来た時には、ド~っと疲れ果てたが、それは甥も同じだったかもしれない。


家庭で撮ったおもしろビデオの番組をみていると、子供たちが大人が想像もつかないようなことを言ったり、やったりする。
隣家の3兄弟は、毎日がおもしろビデオなんだろうなあ。
私の3人の子供たちは、生まれないままアッチ側に帰ってしまったけれど、子供がいればよかったと思うことは1度もない。
むしろ、自分のことで手一杯で、これで子供がいたらと思うとゾッとするぐらいなのだが、
奇想天外な子供のおもしろさを、私は今回の人生ではすっかり見逃してしまったのだなと、トレイの描いたユニコーンを眺めて思うのである。






うらしま度

2023-03-21 09:17:13 | 日記
ハワイ在住の、猫好きの日本人の友人から4匹目の猫を飼ったというLINEがきた。
『名前は翔平、ってつけたの』
『人間ぽい名前だね、なんでまた?』
『だって大谷翔平じゃん』
『て、誰?』
『えーーー!知らないの?』
『知らん、ジャニーズかなにか?』
『野球選手だよ、ほんとに知らないの?』

この話を、別の日本人の友人にした。
「おおたにしょうへい、って知ってる?」
「知らない、誰それ?」
「やっぱり?知らないよねえ!友達が猫にしょうへいって名前つけたっていうんだけどさ、おおたにしょうへいは人気野球選手らしいよ」
「それさー、おおたにじゃなくておおやだよ、おおやしょうへい。それなら知ってる、みーんな知ってる」
「私以外はね」
「そ、あなた以外は」

私のうらしま度の高さは年々高くなり、私はどんどん情報の中州に取り残されてゆく。
松田聖子さんの娘さんが亡くなったことも、わりと最近友人に聞いて知った。
いつか記事にもしたと思うが、焼き鳥屋のテレビで日本の番組を放映していた。
昔子役だった人が司会をしていて、毎日お昼に放送しているのだと友人が言った。
「じゃあ、笑っていいとものライバル番組なんだね」
「・・・・・・笑っていいともはとっくの昔に終わってるよ、あんた」


その友人は、家のテレビで日本の番組が観られるように設定しており、毎日日本と同じ番組をみている。地元の番組は観られないが、それでもいいのだという。
「オリンピックなんか、こっちのテレビみてても面白くないやん」
アメリカのテレビは当然アメリカ主体で放送するから、日本の活躍がよくわからない。
猫に翔平と名付けた友人は、テレビはアメリカ番組だが、いつも日本人向けのラジオ番組を聞き、毎日ヤフージャパンなどで情報をアップグレードしているらしい。

私に足りないものは、そういう貪欲さか。それとも、単に興味の対象がズレているのか。
日本に住む友人に電話で、
「そんなわけで、私はどんどん取り残されている気がする」
と言ったら、
「日本にいた時から情報からはちょっとズレてたじゃん。今に始まったこっちゃないよ、安心しな」
と笑った。
ここは安心するところなのか、どうだろう。

そういえば、二十歳の時に買った茶色の膝丈スカートに、ブーツを合わせるのが気に入っていて、10年たっても同じ格好をしていたら、その友人が
「これ読んでみな」
と言って何冊かファッション雑誌をくれたことがあった。
私にとってファッション雑誌ほど読むところのないものはなく、パラパラとページをめくっているうちに、あっというまに終わってしまう。
だから美容院には、必ず自分の読みさしの本を持ってゆく。

「流行遅れだから、これ見て勉強しろってことか?」
「いや、流行遅れというよりか、流行の外にいるのかな。でも一応、今はこういうのが流行しているというのは知っておいてもいいんじゃない?」

友人の好意もむなしく、雑誌はほぼ読まないままリサイクルに出してしまい、私はいまだに流行の外にいる。

小学1年の父兄会のとき、母が担任の先生に、
「シロちゃんにもっといろんなものを見せてあげてください」
と言われて、顔から火が出そうだったと母が言ったことがある。私がものを知らなさすぎるというわけだ。
父は出かけるのが好きで、毎週のようにいろんなところに家族を連れて行ってくれたのに、私は興味があるものしか覚えていない。
たとえば熱海の温泉に行っても、電柱の下でカエルがぺちゃんこになっていたことのほうが記憶に残っている、という具合に。

そんな私は、うらしま度が高くなる素質充分だったということだろう。




ベティのご招待

2023-03-20 08:04:01 | 日記
ファミリーフレンドのベティが、私たちをディナーに招待してくれた。
ベティのダンナさんは義父の歯科医仲間だったが、若くして亡くなってしまった。
一人娘はデンマークにお嫁にいっていたから、ベティは一人で高校の教師をしながら暮らしてきた。
1年のうち、4か月ほどはデンマークで過ごしているが、ハワイにいるときにはクリスマスやサンクスギビングなどにベティを招待したり、きれいなお花を届けたりしている。
ベティは85歳になる今も、週に2日か3日、高校でフランス語を教えている現役で、おしゃれで、朗らかで、こんなふうに年を重ねられたらすてきだなと思う。


昨年7月に、デンマークから孫のマーカスがやってきた。
高校を卒業とともに、アメリカでの生活を体験してみたかったのだそうで、クッキーのお店で働いたりもしていた。
ベティとマーカス

そのマーカスが、今月末のデンマークに帰ることになった。
誕生日を祝ったり、ハイキングに行ったり、ツーリングに誘ったりして過ごしたお礼として、ベティが私たちを招待してくれたのだ。


ベティのお宅のラナイから。
雨がこちらに移動してくる。

雨だ!

5分後、雨が通過していった。



テーブルにはセッティングが進められていて、
料理が運ばれてくる。
ポテトのクリーム煮と、ハム、大きなサラダと、完璧に茹でられたアスパラガス。デザートはクランベリーのシャーベット。

マーカスはデンマークで大学に行き、ベティは5月から夏の間、デンマークで過ごす。
楽しいベティが、好き。
ずっとずっと元気でいてほしい。




カイルアビーチの朝日

2023-03-18 18:13:50 | ハワイの自然
仕事がある日の朝は、4時45分に起きる。
休日の朝も、5時半には起きている。
休みだというだけで開放感がみなぎり、たっぷりその日を楽しみたくて、寝ていられないのだ。
休日はお昼近くまで寝ている、という人もいるが、なんともったいない!と思ってしまう。

その日は5時ごろに起きて、まずは猫たちに朝ごはん。
そして窓から煌々と輝く月を眺めながらコーヒーを淹れた。
夫が降りてきて、夫はアイスコーヒー、私はあついコーヒーを飲む。外はまだ暗いが、東の空がうっすらピンクになりかけてきて、庭の樹で寝ている鳥たちが起きだしてくる。

仕事の日は二人とも同じ朝食をとるけれど、休日はそれぞれの好きにする。
起きたら何か食べたい私は、エゼキエルブレッドをチーズトーストにしたのとヨーグルトを食べたりし、夫は9時過ぎに、卵を料理して食べたりしている。

晴れそうなので、朝日を見ながら泳ぐことにした。

ビーチについたら、まさに太陽が出てくるところ!間に合った!






秒単位で色が変わってゆくから、瞬きするのも惜しい。

海水に浸かって空を眺める。
オレンジ色が薄くなり、下地の青が少しずつ鮮やかになってゆく。
空の高い所でがんばっていた月が、ゆっくりと山の稜線に向かって降りてゆく。
海底に足をしっかりつけて立っていると、引く波が足の下の砂をさらっていき、寄せる波が新たな砂を足の上にそっと残してゆく。
小さな魚が、束になってすいすいと泳いでいる。
10mほど先に、ウミガメがひょっこりと海面から頭を出すのが見える。

「地球、ありがとーーーーーーー!!!!!!」

まわりにそれほど人もいないので、大声で言ってみる。(怪)
この肉体は、いいこともそうじゃないことも、ただ体験するための借り着であり、ほんとうの私は自然の一部だということを思い出す、貴重な時間。




壊れたはずが勝手に復活したもの

2023-03-16 08:00:18 | 日記
いや、タイトルどおり。
ここのところ、3件立て続けに、壊れていたものが復活したのだ。

ひとつはフラガールの踊る人形
キッチンの窓辺にあり、ソーラーで腰を振って踊ってくれるお気に入り。
これはプレゼントにすると意外と人気者だ。
猫のコーちゃんが何度もシンクの中に落としてしまい、半年前にとうとう動かなくなってしまった。
そのまま窓辺に置いてあったのだが、先月、突然踊りだした。

二つ目は、プリンター
クロゼットの中に収納していたプリンターを使おうとして出したら、アリの巣になっていた。(その記事はコチラ
無数のアリが卵を運んだりしているのを、そのままゴミの袋に入れて殺虫剤をたっぷり振りかけ、口を堅く閉じておいた。
1週間ほどして恐る恐る袋を開けてみたら、アリは全滅ぽいが、どこまで入り込んでいるのかわからない。買い替えるつもりでいたけれど、ダメ元で使ってみた。
そしたら、普通に動いたので驚いた。
特殊な工具でないと開けられないガラス面の下に、多数のアリの死骸が見えるのは、まあ仕方がない。


3つ目は、車のリモコンキー
1年ほど前に、リモコンが効かなくなった。
電池切れだろうが、別に手動でもできるので放っておいた。
それが先月、突然復活したのだ。



お気に入りのフラダンサーが再び踊ってくれるのは嬉しいし、プリンターを買い替えなくても済んだのはありがたいし、車のリモコンキーは、やっぱり便利。
不思議なことってあるんだなあ。