「九州新幹線の開業の日、上りと下りの一番列車がすれ違う瞬間を目撃できれば、奇跡が起きて願いがかなう」
なんていう話は聞いたことありません。
でも、JR九州が全面的にバックアップした九州新幹線の全線開業をモチーフにしたストーリーなのだからそれもアリです。
ただ、是枝監督、JR九州から、
「新幹線さえ出れば、あとは自由に」という条件に、大胆にも新幹線は数十秒しか映ってない映画をつくりました。
また、監督はオーデションに現れた「まえだまえだ」を見て、ストーリーをガラっと変えてしまったのだそうです。
前田兄弟を含む7人の子役たちには脚本を渡さず、撮影しながら自由にしゃべらせたそう。
だから、自然に見えるけれど、おもしろくない会話もしてたりして。
でも、それがリアルな子どもたちの姿ですよね。
この映画、九州新幹線に初めて乗る前に観ようと思ってたのに、タイミングが合わなくて、九州旅行から帰ってから、レンタルDVDで観ました。
母親と一緒に母親の実家のある鹿児島に住むことになったまえだ兄が、毎日桜島の降灰の影響を受けざるをえない生活に「意味わからん」とボヤいたり、かるかんを食べたりするところや、見覚えある場所が出てきたり、懐かしい^^思いがしました。
子どもたちはたくましく行動しました。大人のサポートもありました。
結局、父と弟、母と兄がもう一度4人いっしょに暮らす「奇跡」は起こらなかった―少なくともすぐには―けれど、明るい現実は目の前に広がってくるのです。
(スチル写真は映画.comより借用しました)