行政学者、藤井誠一郎さんが歌舞伎町や新宿二丁目を含む新宿区で9カ月間にわたって、実際にごみ収集車に乗り、回収、清掃工場に運び込むなど、まさに現場体験のレポート。
清掃車に乗って考えた地方自治という副題がついていますが、私は明快な結論があったとは読み取れませんでした。
今年の、いや毎年の自然災害であふれるように出る災害ごみ、増える一方で行き場を失っている原発ごみ、地球規模で回遊している生活ごみ。
ごみのことを考えると私は今から20年以上も前に自死した伊丹十三さんのことを思い出します。伊丹さんは医療廃棄物の取材を進めていました。そのテーマを快く思っていない人たちがいました。
ごみ問題は闇を抱えていますね。
ごみ収集の仕事が奥の深い誇り高い仕事だときれいごとでくくれないことも多いはずです。
にも関わらず、ごみ収集の民間委託がすすんでいます。
必要以上のコストカットがルールの乱れを呼ばなければいいのですが・・・。
東京23区には自前の清掃(焼却)工場を持たない区があるそうです。よその区の清掃工場に処理を依頼するわけですが、分類の仕方が区によって違うのに一緒に焼却するのです。おかしな話ですね。
でも、一番大切なことはごみを捨てるほうがいい加減なことをしてはいけないってことです。