篠田桃紅さんは今年3月、107歳で亡くなりました。
最後まで現役でした(多分)。
この本は桃紅さんが残したたくさんの言葉の中から選び抜いた言葉と思い出、自伝的な出来事の2段組で構成されています。
私の中に残っている桃紅さんは、HNKのスイッチインタビュー達人たちで医師日野原重明さんと対談する姿です。
放送当時、日野原さん104歳、桃紅さん103歳。
さすがに日野原さん途中でうつらうつらして、桃紅さんに起こされたりしていましたが、お2人とも頭ははっきりして英語を含む語彙も豊富で特に桃紅さんは言いよどむこともありませんでした。
生涯を着物で通した桃紅さん、生まれは大連ですが、粋な江戸っ子言葉に聞こえました。
小股が切れ上がった女っていういまや死語になったほめ言葉は桃紅さんのような女性に対して使えるのでしょうね。
もっとも、彼女はこんな古めかしい言葉気に入らないかもしれません。
桃紅さんの墨による抽象画は前衛的で海外での評価も高く、実際ニューヨークに滞在して創作活動をした時代もありましたが、気候が墨と合わずに帰国して作品を生み続けました。
お2人の長寿の源は生涯を貫く仕事と規則正しい食生活だと思えるのですが、その両方をもう手放してしまった私には、そろそろお呼びが来てしまうの^^ではないかと覚悟しています。