昨日は村上の宮尾酒造さんの恒例行事「呑み切り」へ。
出荷前のお酒の出来を確かめることが目的なのですが、毎年申しておりますようにこれから熟成して風味が変わっていきますので、よほど突出した要素がない限り今の状態で良し悪しは判断できないと思います。今 味見して「おっ!」と感じたものが秋になったら意外と平凡になってしまったり、またその逆があったりなんてのも全然珍しくないですからね。早い話が「今年の酒も順調に育っております。ご安心ください。」とのお披露目会だと私は捉えております。
今回は蔵の改修工事中に当たったため、会場はこちらをお借りして。
普通酒から純米大吟醸まで、同じ規格でも熟度の違うものが3種類ほど並べられておりますので、市販酒と合わせると30点ほどを口に含んでは出すの繰り返し。だんだん嗅覚も味覚も鈍ってきますので休み休み行います。
目まぐるしい醸造技術の進歩によりバラエティ豊かな風味のお酒が市場に出回っている昨今、どのように個性を出すかが造り手の腕の見せどころ。平均水準が上がるほどそれぞれの差異が感じられにくくなるのは避けられないんですよね。
そんな中で とても気になったのがこちら。
〈B6502 吟醸〉
若かりしころ、初めて吟醸酒というものを口にしたときの驚きを思い出させてくれた1本でした。
決して古いタイプというわけではないのですが、いつの間にやらこの味を忘れていたのかも知れません。
温故知新ですねぇ。
だからお酒は面白いですわ。