夏の終わりとともに、私のプチバブルも終焉を迎えた。
うう。
「達者でなぁー」。
涙ながらに見送る私。
その横で、奥さんとチビは満面の笑みを浮かべていた…。
うう。
しかし、その日は無慈悲にやってきた。
いろいろとチェックする陸送のお兄ちゃん。
ピカピカだろっ! 新車みたいだろっ!
泣き崩れる私である。
トレーラーに積まれる黒カブ君。
「ドナドナドーナードーナー…」である。
「売られていくよー…」である。
うう。
あーあ、淋しいなあ。
こんなクルマ、もう乗れないだろうなあ。
フツーのリーマンとしては、まあ限界値に近いもんなあ。
全般的に「なあ…」の心境である。慨嘆調である。
うう。
あえて理屈を付ければ、
「頑張らない」とか「意地を張らない」とか、
そんな心持ちを体現し、
自分にも言い聞かせる存在であった黒カブ君。
ともすれば、メインストリートに歩み寄ってしまいそうになる私。
それを戒める存在でもあった。
まあ80%は、単に欲しくなっちゃっただけなんだけどね(笑)。
「いいの? マジメになっちゃうの? それでいいの?」
そんな目で問い掛けてくるころっけでありました。