高山れおな選
天井裏ジャズのリズムの嫁が君 東京都 岡村一道
嫁が君は、鼠のことです。正月のめでたい時期には、忌み嫌ってこういう言い方をするのです。ちょっと宮中言葉みたいですね。で、ジャズ風の足音を立てるというのが、とっても面白くて楽しいです。
稲畑汀子選
白鷺城我が物顔の寒鴉 姫路市 西村正子
地元の方が詠んだ句ですね。白鷺城と鴉の黒の対比が、素敵です。冬の色という感じがします。
長谷川櫂選
目隠しの世界紅福笑ひ 東京都 青木千禾子
九年経ち未だフクシマと呼ばる春 いわき市 馬目空
一句目、青木さんは、「小さな恋の物語」を描いたみつはしちかこさんですね。懐かしいです!二句目、その思い、本当にそうだと思いました。なのに、来年で国の追悼式は終えるとかって、ひどいですよ、許せませんね!復興の足を引っ張って、何がオリンピックだ!!
大串章選
読初は星の王子か世界の子 東京都 片岡マサ
サン・テグジュペリの星の王子様、大好きです。あの挿絵も、彼自身が描いたものなんですね。その挿絵の切手が、近所の郵便局では売り切れになってしまっています。買っておいて、よかった~!
俳句を始めて2年半、まだまだよくわからない世界です。でも、あまりに古臭い表現は、私はどうしても好きになりません。たとえば、「なりにけり」「ありにけり」という具合のものです。それだけで5文字ですよ。これっておかしくない?と思う私の感覚が、おかしいのかしら。今の時代を切り取ってこその文学だと思います。