ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日俳壇1月26日

2020年01月26日 15時35分19秒 | 俳句

高山れおな選

天井裏ジャズのリズムの嫁が君       東京都 岡村一道

 嫁が君は、鼠のことです。正月のめでたい時期には、忌み嫌ってこういう言い方をするのです。ちょっと宮中言葉みたいですね。で、ジャズ風の足音を立てるというのが、とっても面白くて楽しいです。

 

稲畑汀子選

白鷺城我が物顔の寒鴉          姫路市 西村正子

 地元の方が詠んだ句ですね。白鷺城と鴉の黒の対比が、素敵です。冬の色という感じがします。

 

長谷川櫂選

目隠しの世界紅福笑ひ          東京都 青木千禾子

九年経ち未だフクシマと呼ばる春     いわき市 馬目空

 一句目、青木さんは、「小さな恋の物語」を描いたみつはしちかこさんですね。懐かしいです!二句目、その思い、本当にそうだと思いました。なのに、来年で国の追悼式は終えるとかって、ひどいですよ、許せませんね!復興の足を引っ張って、何がオリンピックだ!!

 

大串章選

読初は星の王子か世界の子        東京都 片岡マサ

 サン・テグジュペリの星の王子様、大好きです。あの挿絵も、彼自身が描いたものなんですね。その挿絵の切手が、近所の郵便局では売り切れになってしまっています。買っておいて、よかった~!

 俳句を始めて2年半、まだまだよくわからない世界です。でも、あまりに古臭い表現は、私はどうしても好きになりません。たとえば、「なりにけり」「ありにけり」という具合のものです。それだけで5文字ですよ。これっておかしくない?と思う私の感覚が、おかしいのかしら。今の時代を切り取ってこその文学だと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇1月19日

2020年01月19日 10時32分46秒 | 俳句

大串章選

百年の旅の途中の柚子湯かな     鯖江市 木津和典

 人生100年時代と言われ、お金も足りないのに100年生きるなんてとっても不安ですが、芭蕉の奥の細道のように人生自体が旅だと考えたら、何もかもが楽しくはなるのかもしれませんね。柚子湯も楽しみの一つです。

 

高山れおな選

冬帝に拳かざして島噴けり      鹿児島市 青野迦葉

無精独楽愛は回転させるべし     さぬき市 鈴木幸江

 最初の句は、鹿児島は桜島の景。この方は、桜島の句をたくさん作っていらっしゃるそうです。とても勇壮な表現で素敵ですね。二句目、独楽が勢いがなくなって、ころんと倒れる様子を想像しました。夫婦間も独楽のようなのかなあ、たまには勢いつけて回さないといけませんね。自動運転というわけにはいきません。

 

長谷川櫂選

杜甫の如その落第を糧とせよ     北本市 萩原行博

圧政に屈せぬ意志のマスクかな    石川県能登町 瀧上裕幸

 一句目、一度の落第よりも、その後の人生は長いのですから、あきらめずに挫折を乗り越えてこその人生です。先日、大学の先生が、レポートを期限までに提出しなかった学生に単位をあげないということで、その学生に襲われました。ありえますか?当たり前でしょう、提出しなかったんだから。その学生のあまりに自己中心な考え、彼が卒業したところでそんな考えなら社会でも通用しなかったでしょう。多分彼は退学になって、元も子もない結果になりましたけど、愚かにもほどがあります。入院していたりとか、不可抗力で提出できなかったのなら先生も相談にのったでしょうけれど、一時の自分勝手な感情で犯罪を起こすのって、あまりに幼稚、大学で学ぶ資格もなかったってことじゃない?

 二句目。香港のデモの事ですね。私は政治的な俳句が好きです。今を切り取らなくては意味がないと思っていますから。時事俳句、がんばりたいですね。

 実は昨日、新年句会がありました。3句出して、予選(ダメな句です)ふたつも!よく言われるのが、ただの説明や報告に過ぎないのは俳句としてだめだってこと。私が今回の一覧を読んだ中でも、それがどうしたってようなものが多かったような気がしました。それ以上の事をわつぃが読み取れなかったのかもしれません。だからこそ、鑑賞は大事なんですね。このところ忙しすぎて、瞼の痙攣も起きるし、昨日は帰宅後にものすごく肩が凝っていたし、スケジュールがありすぎるのって、還暦すぎの人にとっては厳しいのかなあ。

 この地球の気候が温暖になったから文系が生まれたそうです。今、地球温暖化(温暖というイメージでは危機感が伝わらないけれど、今そこにある危機そのものなんです)により、とんでもないことがおきています。人類が原因を作ったこともあるはずですが、もともと、人類の文明は今がピークなんじゃないでしょうか。後は滅びるだけなんですよ。人類は地球のがん細胞、滅びたほうがいいのです。アメリカの大統領がトランプになったのも、その一因ですよ。安倍さんもそうかもしれません。

 私は管理されることを望みません。最後まで自由でいたいです。香港、台湾、がんばれー!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇1月12日

2020年01月12日 15時18分02秒 | 俳句

長谷川櫂選

やはらかく押し合ふダウン冬の朝     大阪府島本町 池田壽夫

 みんながダウンを着ている通勤電車の車内を想像しました。面白いです。

 

大串章選

競走馬白息の差を競いけり     神戸市 金澤健

 ゴール前の鼻差ほどでしょうか、臨場感たっぷりで、素敵です。

 

高山れおな選

気のせいか出あひし狸目礼す    千葉市 鈴木一成

彼の国の光る行列嫁が君      横浜市 前島康樹

 一句目、狸との出会いがなんともユーモラス。二句目、嫁が君は、ねずみのことです。ディズニーランドのミッキーですね。面白い表現。なんたって、ミッキーの誕生日はあのディズニーランドは大騒ぎ。でも、ねずみですよ。不思議です。ごめんなさいね、私はディズニーランドは一回しか行ったことないので。あの商業主義にはちょっと抵抗があります。子供のころは、ディズニーワールドというテレビ番組を夢中で見ていましたが、大人になっても夢中なのが、不思議。いつまでもおとぎの国にいる大人って、どうよと思ってしまうのです。まあ、日本人で本当の大人がいるのかっていうと、もしかしたら、あまりいないのかもしれません。

稲畑汀子選

冬芽みなことば蓄へゐるごとし   群馬県東吾妻町 酒井大岳

 春を待って芽が大きくなる様子を、ことば蓄えるようだと言っているのが言いえて妙。取らせていただきました。

 先日、電車の優先席に、家族で座っているのを見たんです。優先席って、子どもは座っていいのかなあ?目の前にはその家族よりもずっと高齢の人が立っているのに、なんだかヘンだと思いました。そうかと思えば、その優先席にお年寄りのおじいさんが、コートから缶ビールを出して飲んではまた隠す行為を繰り返しているんです。電車でビール飲むのも、どうかと思いました。さらに、チコちゃんくらいの年齢の女の子とお母さんが優先席に座っていて、女の子がいろいろ聞いても、ほとんど無視。たまの返事も、ぶっきらぼうで全くひどい表現なんです。ずっとスマホ見ていて、女の子はかわいそう。まさか、虐待していないよね?

 明日は成人の日です。大人って、何なんだろうと改めて考えることも大切です。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

種田山頭火

2020年01月05日 10時51分00秒 | 俳句

 自由律の俳句で、先月の奥の細道の講座で話が出た山頭火。講師のおすすめの本を図書館で借りて、読みました。岩川隆著「どうしやうもない私~わが山頭火伝」です。そこではじめて山頭火の人生を知りました。本当に、どうしようもない自堕落な人間でした。自分では働かず、友人に頼って、返す当てもない借金ばかりして、そのお金で酒を飲む、女を買う!許せないのが、女を買うことです。それも他人のお金で、ですよ。だから、私は絶対にこの山頭火を好きになれない。いい加減で本当にサイテーな人。

 でも、俳句だけを作品としてみたら?

 それでも、それが生まれた背景があの人生だったら、やっぱり許せない。彼は生きている間は周囲に残残、迷惑をかけた。得度もしていないんじゃない?乞食坊主の俳人です。

 結社を作ってお金を集めては、それを酒や女に使った、今では本当に信じられない人生です。ある意味、詐欺師ですよ。

 酒を飲み過ぎては、反省する。まるで亡くなった夫みたい。ほんのちょっとずつ、それは誰にでもあてはまることだから、心にひっかかるのでしょう。でも、彼を聖人のように崇めるのは、絶対に間違っています。そもそも、女を買う男、私は絶対に認めない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇12月29日

2019年12月30日 15時46分18秒 | 俳句

 遅くなりました!昨日の朝日俳壇です。もう、あと1日半で今年も終わってしまいます。でも、月日は流れるんだから、何処で区切りをつけるかなんて、自由です。私はこんな寒空で大掃除なんか、しません。風邪ひいたら元も子もありません。健康が一番の宝ですから、無理しないで、正月も別に朝から飲まなくてもいいし(飲んじゃよくないですよねえ)。

稲畑汀子選

教皇が踏みしめた広島は冬       寝屋川市 今西富幸

 ことし、バチカンの教皇がいらっしゃいました。彼の平和への思いを世界中で共有しないといけないと思います。

 

長谷川櫂選

冬の蜂てのひらに来て動かざる     川越市 大野宥之介

落された巣のあたり飛ぶ冬の蜂     豊岡市 山田耕治

 私は生き物が好き。蜂も嫌いではないのです。なんだか、気の毒ですよね、冬の昆虫は生きることが大変だもの。

 

大串章選

夜廻りの町の細道知り尽くす      大阪市 今井文雄

 この季節、そう、年末ですから昔はよく、町内会の人たちが拍子木で火の用心と声をかけて回っていましたよねえ、懐かしいなあ。今はあまり聞かなくなりました。でも、防犯にもなるし、「我が町」ですから、みんなが防犯に参加しなくては?そういえば、昔はマッチ1本火事の元って言っていましたが、マッチは今はもう、ほとんど使う人はいません。若いころはお店のマッチとかコレクションしていたのに。世の中は変わっていくものですねえ、ああ、昭和は遠くなりにけり・・・。

 

高山れおな選

ノヴェンバー静寂(しじま)は音の結晶体   宇城市 光永金司

容赦なき妻の散髪木の葉髪          広島市 谷脇篤

 ノヴェンバーという言葉の響きが大好きです。そういえば、武満徹の曲に「ノヴェンバー・ステップス」というのがありました。素敵な句です。次は、なんか笑っちゃいます。奥さんがご主人の散髪をするけれど、「容赦なく」切っちゃったんですね・・。日頃の恨みもうっぷんもあったのでしょうか?でも、素敵な夫婦じゃないですか、いいなあ。「容赦なき」が効果的です。季語は木の葉(冬)ですね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇12月22日

2019年12月22日 16時31分47秒 | 俳句

高山れおな選

一人づつ枯野へ人を配るバス         羽咋市 北野みや子

湯豆腐をあふあふ猫の行方訊く        大阪市 中島晃

 一句目は、限界集落のコミュニティバスでしょうか、寂しい風景が見えました。二句目、猫の句ですね。内田百閒みたい。

 

稲畑汀子選

雪国の太陽いつも中空に          北海道音更町 信清愛子

 雪国自体が、冬の季語。雪国の冬の太陽は、きっとこうなんだろうな、と思いました。ぱーっと晴れてはいないような感じ。

 

長谷川櫂選

アフガンに懸けし生涯冬北斗          長野市 縣展子

返り花こんなに長く咲かずとも         小金井市 小林るり子

 一句目、中村哲さんの追悼句。本当に、悲しい。二句目、私も同感です。この異常気象だからなのでしょうか、遊歩道の酔芙蓉もまだまだ咲いていますし、青梅線の柵のコスモス、この前見たら、まだ咲いていました。不思議ですねえ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇12月15日

2019年12月15日 21時50分18秒 | 俳句

 

 Eテレでトン・コープマンがN響を指揮してモーツァルトのレクイエムを演奏しています。それを聴きながら、今日の朝日俳壇を鑑賞していますが、今日の私はちょっと疲れ気味で、あまり心に刺さる句が見つかりませんでした。鑑賞力不足ですね。

高山れおな選

寒烏さみしいほうが上の枝    京丹後市 小谷正和

 寒烏、冬の烏の切なさを感じました。私、鳥類はすきなんです、特に猛禽類が。それに、烏はいつも嫌われ者だけれど、いろんな鳴き声を出します。聞いていると、面白いですよ。濁点がついているようなのから、妙に色っぽいのとか・・。烏はそれに、意外とデカい。昔、原宿でOLしていたころ、自社ビルの屋上で洗ったタオルを干していたら(女子にはそういう仕事もありました)急に烏が飛んできて、近くに止まりました。デカっと恐怖を感じましたが、逃げたら追いかけられると思って、友好的に挨拶したら、けげんな顔していなくなっちゃいました。

 

長谷川櫂選

瑠璃光の一瞬奔る鰯かな      神戸市 高橋寛

汚染土の十万年の山眠る      福島県伊達市  佐藤茂

オリオンよ翼ください車椅子    横浜市  森山吐鬼

 一句目。新鮮な鰯の肌の美しさを見事にとらえました。二句目、除染した土の置き場が、もうなくなってきていますが、いったいどうするのでしょう。ずーっとずーっと汚染が消えない。こんなことして、原発は二度と稼働してはいけないはずなのに。負の遺産だらけの日本人は、本当に恐ろしい。
 赤い鳥の「翼をください」を思い出す句ですね、三句目は。冬の星座といったら、オリオン。前の家に仕事終わって帰恵って来た時、庭から見上げるオリオンがきれいでした。そうだ、今日ももしかしたら双子座流星群が見えるかも!       

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇12月8日

2019年12月08日 16時57分10秒 | 俳句

長谷川櫂選

出世とはみな縁遠くおでん酒       川西市  上村敏夫

冬濤の向三国両隣            岐阜市  阿部恭久

 今度の句会の兼題が、「おでん」と「冬の波」なんです。いいなー、こんな句が詠めるなんて。

 

大串章選

行き先は極楽と決め日向ぼこ       三重県明和町 西出孝

 のほほんと長閑な老後の姿が、素晴らしいと思いました。

 

高山れおな選

香港も冬 火の海に雨傘が        高岡市  池田典恵

連絡はせぬと連絡冬籠り         神戸市  金澤健

冬の蠅そんなに好きか俺のこと      須賀川市  伊東伸也

 私は選者の中で、高山れおなさんが好きです。独特な感じがします。社会派的なものも選んでいるし、ユーモアのある句もいいですよねえ。一句目は社会派、そのあとはユーモアたっぷりで、ほんわかします。

 

稲畑汀子選

話しかけないで毛糸を編む背中      鹿児島市  青野優子

二階から猫降りてくる漱石忌       尼崎市  ほりもとちか

 今回は稲畑汀子先生もユーモア句満載でしょうか?わっかるなあ、編み物の大変さ。昔はよく編んだものでした。この年になると、肩がこるのですっかりご無沙汰。二句目は、「吾輩は猫である」を思い浮かべる句です。漱石は、なんだか父親像とだぶらせていたのですが、美術評論で相手を無茶苦茶酷評していたのを知り、漱石のことが嫌いになりました。木島櫻谷に対してのあまりの仕打ちに、ぞっとしました。

 そうそう、昨日のワークショップで、ルールを学びましたが、それが「ひ・と・み」の約束というものでした。
ひ・・・批判や否定をしないこと
と・・・とにかく話す、書く(付箋を使って)
み・・・みんなで進める

 リアルで他人とテーブルを囲み、話をする。それはとっても大切なことだと思います。きっと、朝日俳壇の選者の先生方も、集まって俳句談義をしているのではないでしょうか。かつてはそこに、金子兜太氏もいたんですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇12月1日

2019年12月01日 17時53分06秒 | 俳句

 今年ももう残り1ヶ月です。あっという間でしたねえ。今日は、電車に乗って青梅に行きました。でも、道路は閑散としていて、警察車両があって、何ごと?と思ったら、奥多摩女子駅伝でした。私は津雲邸で古文書を見たいと思ってでかけたのでした。その方は政治家で、昭和初年の建築の建物の意匠が素晴らしく、さらにその方のコレクションが・・。でも、だんだんとなんだかつらくなってきたんです。だって、そんなにお金のかかる趣味って、それだけお金持っていたからでしょう?政治家って、今も昔もそうなのかとうすら寒くなりました。それに、日本家屋だからとにかく底冷えしてたまりませんでした。「安政見聞誌」は必見です。安政大地震のことが書かれていますし、絵でもその様子を描いていました。

稲畑汀子選

鷹柱沖へ沖へと崩れつつ        高知市 森脇杏花

 私、猛禽類が大好きなので!高知ではよく見えるんでしょうね、いいなあ。

大串章選

手のとどく盥の月を掬ひけり      茨城県阿見町 鬼形のふゆき

 メルヘンですねえ。

高山れおな選

狼と安全神話消えにけり      村上市 鈴木正芳

門司港は烈風なりき開戦日     清瀬市 中村格

 最初の句、鋭いですね。原発の安全神話と狼を取り合わせたのが面白いです。私、動物が好きだし。二句目も、愚かな戦争を始めてしまった日本のその時の門司港・・。戦争は絶対にだめです。国の過ちは国民は知らないまま、大勢が殺されたし、大勢殺したことでしょう。反省の意味を込めて反戦です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日俳壇11月24日

2019年11月24日 23時29分31秒 | 俳句

 1週間があっという間でした。来月はもっともっと早く時間がたってしまうのでしょう。さて、今週の朝日俳壇、鑑賞しました。忙しいので、心がすさんでいるのかなあ、あまり心に引っかかる句がありませんでした、鑑賞力不足です。

高山れおな選

口裂けし土嚢の砂に草の花        富津市  三枝かずを

 台風の被害を受けた地域の方の句です。情景がありありと浮かんで、つらい・・。心からお見舞い申し上げます。早く元の生活ができるようになることを願っています。

 

長谷川櫂選

首里城が鮮血を噴く碇星(いかりぼし)  長崎市  里中和子

 

 この句は、大串章さんも選んでいます。ニュースで見たときは本当にびっくりしました。なんでこんなにも沖縄がひどい目にあってしまうのか、悲しいし悔しい・・。なんとか復元してがんばってほしいです。

 

大串章選

絆はや柵(しがらみ)となり冬隣り    町田市  佐藤隆市

逆縁を怺(こら)へし庭の松手入     仙台市  柿坂伸子

 

 絆絆とやたら言っていたあの東日本大震災の頃を思い出しました。押しつけではない、そっと寄り添ってくれるような絆ならいいけれど、ちょっとしたボタンの掛け違いで、柵にもさらに諍いにもなってしまうことがあります。でも、孤立してしまうのは、絶対によくないです。ほどよい関係って、なかなか難しいですね。

 2句目は、お子さんを亡くしたのでしょう、そのつらい気持ちを抱えての庭の手入れの様子が思い浮かびます。時間がつらさを和らげてくれるのを待つしかないのでしょう。

 逆縁ではないけれど、7年前に夫を亡くし、その辛さもだいぶ?癒えてきました。「年金もらうまでは生きたい!」と悔しがっていたのが忘れられません。この年齢になると、そのうちそっちに行くからね、とのんきに構えられるようになりました。生まれてきた以上、誰もが必ず死ぬのですから。それまでは、好き勝手しようぜっ!!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする