ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇12月17日

2023年12月19日 10時21分14秒 | 短歌

 最近は短歌も作っていないし、日曜日の朝日歌壇もあまりよく見ていないのですが、なんとか鑑賞しました。

佐佐木幸綱選

山奥の狐ヒャーンと啼くけれど歌の中ではコンコンと啼く   京都市 中尾素子

 狐の鳴き声は聞いたことがないのですが、コンコンではないんですね。そういえば鹿野鳴き声もよく歌に詠まれています。タヌキはどんな声出すのかしら?

高野公彦選

麻酔なくスマホのライトにメス握る医師の腕には包帯巻かれ   中津市 瀬口美子

歯医者にてオフコースの曲流れ来て昔を旅する口開けたまま   京都市 赤見坂千春

 一首目は馬場あき子さんも選んでいます。ガザの病院の光景です。爆撃を受けて停電している中での医療活動、医師自身もけがをしているのです。スマホの明かりを頼りに手術していますが、そのスマホだって、充電できなければもう使えない。こんな世界があっていいのでしょうか?パレスチナの人たちがすべてハマスではないはずなのに。もちろんテロは絶対に許されることではないけれど、イスラエルのあまりに非人道的な行為は許せません。自分たちがうけたジェノサイドを、今そうしているという実感はないのでしょうか?同じ医療の話でも、こちら日本はなんとも穏やか。懐かしい曲を聴いて当時を思い出しながら、歯の治療を受けているのです。私も、3か月に一度、歯周病のチェックと歯のクリーニングを受けていますが、その時は目をつむって海外のリゾート地の海を思い浮かべてやり過ごしています。

永田和宏選

二対一これが我が家の民主主義妻と娘がいつも勝つんだ    郡山市 寺田秀雄

 ちょっとかわいそう。でもきっとやさしい夫であり父なのでしょう。

馬場あき子選

瓦礫の山にポツンと残る観覧車ガザにはもう乗る親子なし   京都市 森谷弘志

 これもガザ攻撃の光景です。あまりにも残酷。平和な日常が壊された象徴のような観覧車。ユーミンの歌にも「かんらん車」という曲があります。冬のかんらん車。

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朝日歌壇12月10日

2023年12月11日 21時06分50秒 | 短歌

高野公彦選

熊鈴をつけて下校児歩道ゆく令和五年の盛岡の秋    盛岡市 福田栄紀

柿を取る空の青さに深入りし一個一個を大切に取る   熊谷市 内野修

鹿の鳴く声聞いて入場を待つ時間も正倉院展のうち   奈良市 山添聖子

 一首目、この歌は永田和宏氏も選んでいます。今年は異常なほどのクマの人的被害が多く、クマ好きの私としては本当に心苦しい毎日です。毎日の気温の変化も激しくて、クマはちゃんと冬眠できるのでしょうか、心配です。東京では圏央道は越えないだろうと予想していたのに、最近、それを越えて八王子市役所近辺に出没したとのこと。お願いだから、クマさん、山に帰りましょう。人間のいるところには来ないでください。二首目、柿はクマの好物です。秋の青空にとても映えますよね。深入りという表現がとても面白くて選びました。三首目、そうです、正倉院展は私も学生時代に何度か行きましたよ、史学科ですから。同じ古代史専攻のクラスメートと勉強会を作ってあこがれの助教授に正倉院文書を習いましたっけ。鹿も今では害獣ですが、短歌では昔から鹿の鳴く声はたくさん詠まれていました。うちの猫も、今なんだか泣いています。最近はだみ声か声が出ないか、彼女も高齢になってしまいましたから。困るのは、なんで泣いているか理由がよくわからない。

 最近、感性が鈍っているのか、歌壇の歌を読んでもよくわからなくなりました。中近両用メガネもなかなか慣れないし、年を取るということは、今までと少しずつ変わっていくことなんですね。あまり気が滅入らないようにしたいと思います。

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朝日歌壇11月26日

2023年11月27日 23時11分46秒 | 短歌

 昨日は夜、福生のカフェドノエルのジャズライブに行っていたので、朝日歌壇をよく鑑賞する時間がありませんでした。でも、取り上げたい歌があったので、遅くなりましたが書きます。

永田和宏選

税下げりゃ支持率上がると思うとはナメられたものよ我ら主権者    朝霞市 岩部博道

 本当にその通りですよね。国民を馬鹿にしています。何も変わらないまま自民党政権がこれほど続いているのは、国際的に見ても異常ですよ。社会は変わっていかなくてはいけないのに。男女平等なんてうそっぱちですよね。これほどまでに国会議員が信用できなくて、正直、議員ってお金のためと選挙のためだけにやっているとしか思えない。そして税金無駄遣い。こちらはレシートをいつもチェックしているのに、いまどき領収書もいらない使い方するなんて、好き勝手してますよね。良識ある人間のすることじゃないっていうような議員ばかり。でもそれを選んでいるのが私たちなんだよね。私も現役世代だったら、本当に悔しいと思ったはず。頭の古いじじい議員、束にして燃やしたいくらい。国民に選ばれたという自覚がない。すべての収支をきちんと明記して、1円までしっかり合わせてもらいたい。だって、会社や組織の決算はみんなそうじゃない。政府や政党がそうできないなんて、それは組織としての資格がないってこと。安倍総理の時から、ずっと怪しいと思ってた。桜を見る会なんて、私物化してましたよね。

馬場あき子選

「クマっぷ」はかわいい名だが恐ろしき熊出没を示す地図なり    富士市 村松敦視

 この前までせっせとキャノンペーパークラフトでクマを作っていました。昔は木綿生地でミニベアをたくさん作っていました。今年はクマの人的被害が多すぎて、クマをかわいいと言えなくなっちゃいました。本当に悲しい。

佐佐木幸綱選

かわいいというイメージが崩れ去りクマさんの絵を描けないでいる  横浜市 菅谷彩香

 本当にそうですね。今年だけが特別なのかなあ・・。どうか早くクマ出没被害が収まりますように。

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朝日歌壇11月19日

2023年11月20日 16時20分14秒 | 短歌

 昨日の朝日歌壇、常連で私がとても好きな方の短歌を紹介します。

あちこちの壁に当たりて向き変えるルンバのごとき総理の施策    観音寺市 篠原俊則

壁薄き下宿ラジオを耳に当て一人アリス聴いていた夜         同上

この子らが泣くためだけに生まれしとは思いたくなきガザの映像    同上

 一首目は高野公彦選。ころころ変わる総理の施策をルンバと表現したのは面白いです。もう誰も聞く耳持たなくなるんじゃないかしらね。この国はどうなってしまうのか、リーダーがあれじゃあねえ。風刺が効いていていい歌です。二首目は、永田和宏選。ほかにもアリスの谷村新司を追悼する短歌がいくつかありました。私たちの世代は、アリスとともに青春時代をすごしましたから。今度、Vn合奏で友人が弾く「いい日旅立ち」の伴奏を弾く予定です、Vnで。三首目、ガザ攻撃をやめないイスラエル、病院や学校を攻撃して子どもを平気で殺すことに、なんの罪悪感もないのでしょうか?イスラエルがやっていることは、かつてナチスにやられていたことと同じではないのでしょうか?パレスチナ人へのジェノサイドだと思いますが、誰も止められない。ウクライナ戦争への注目度も下がって、混沌とした地球になってしまいました。本当に恐ろしいです。高齢者の私だから言いますが、高齢者が死ぬのと子どもが死ぬのと、同じ命の重さだとは思えないのです。未来が奪われる、なんと残酷なんでしょうか。

 

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朝日歌壇11月5日

2023年11月06日 17時15分04秒 | 短歌

永田和宏選

デ・キリコの少女にふっと会えそうな街中の午後ペダル踏みゆく  高山市 松井徹朗

 キリコの絵を思い浮かべてなんだか素敵な雰囲気だなあと感じました。この感覚、好きですね。思い浮かべる絵は「通りの神秘と憂愁」で、影でわかる少女のことだと思います。この絵のタイトルは、メランコリーを憂鬱と憂愁と、どちらにも訳しているので、どっちでしょうかねえ。Melancholy and Mystery of a Street 原題で鑑賞したほうがいいのかもしれませんね。と言っても、キリコはイタリア人だから、原題はイタリア語、ですよね。

佐佐木幸綱選

木洩れ日と風のさざめき鳥のこゑもろとも失くす欅を剪(き)りて 羽咋市 北野みや子

 欅(けやき)は大木になります。地元の石川酒造でも、大欅が見事です。そんな神が宿るような欅を簡単に切ってしまうのは、とても悲しいことです。

高野公彦選

<春夏冬中(あきないちゅう)>本当に無くなりそうでだから一杯飲んでいこう  袖ヶ浦市 一尾弘志

 この夏は長かったですね。11月でも夏日があるので、今も夏なのかもしれません。日本の四季でとても味わいのある「秋」がなくなるというのも本当かもしれません。俳句の季語では秋がたくさんあるのに、それが無くなるとなると、日本の四季のよさがどうなってしまうのか。そもそも、地球温暖化って、人類にも責任があるのでは?SDGsというのも、もう手遅れなのかもしれません。だって、いまだに戦争がなくなりませんもの。少子高齢化が激しくなるというのに戦争なんて、若者の命を失っていいわけがありません。人手が足りなくて農業放棄地も増えたらますますクマが街中に出てきてしまいます。ニュースで子熊2頭が駆除されたって聞けば、胸が苦しくなります。もちろん、人の命が最優先ですが、なんとか共生はできないのでしょうか。先日はやせ細った北海道のヒグマを見て、これも胸が苦しくなりました。私はこのまま、心臓病になってしまうのでしょうか・・。ああ、生きるのも苦しい。

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朝日歌壇10月22日

2023年10月23日 22時27分12秒 | 短歌

高野公彦選

十月の雨に学徒の出陣を見しや外苑の樹木危うし    中央市 前田良一

スーパーで車を停める定位置が日陰になりて秋を感じる 埼玉県 永井久恵

戦争をしたがる人は行かぬ人御霊(みたま)に哀悼捧げるだけで 東京都 塩田泰之

 一首目、1943年10月21日に神宮外苑競技場(今の国立競技場)で、それまでは大学生は召集免除になっていたけれど戦況悪化(という表現はしていなかったけど)で学生にも召集がかかって壮行会が雨の中行われたのでした。その様子は、何度もテレビで放映されていました。当時、今と違って誰でも大学生に慣れるわけじゃなかった。旧制高校に行っていれば旧制帝大に入るのは当たり前だったでしょうけれど、将来を学問や研究にささげるつもりの若者が、いつ死ぬかもしれない戦争に駆り出されてしまうのです。当時は本音なんか言えない社会だったはず。そして、大勢の未来ある若者が悲惨な戦争で命を落としたのでした。私は高校生の時だったかな、彼らの遺書や手記をまとめた「きけ わだつみのこえ」を読みましたが、涙なしには読めないものでした。今のウクライナ戦争だって、イスラエルとパレスチナの紛争も、子どもや若者が大勢犠牲になっています。こんな社会でいいのか?その若者の命と同じように、再開発で外苑の樹木が伐採されようとしているのです。森を壊すという行為は、いいことなのでしょうか?坂本龍一さんも反対していました。樹は何年も何十年もかけて育つものなのに、簡単に伐採していい訳がありません。二首目、停車位置の陰のつき方で季節の変わり目を感じるというのは、面白い視点だと思いました。あの猛暑がウソのように終わりましたが、まだまだ昼の日差しの強さは感じますね。ただ朝晩の冷え込みは、やっと秋が来たと思えます。外出するときは何を着ていけばいいのか悩みますね。三首目、靖国神社にお参りして、ケロッとしている国会議員たち。自分たちは兵士になるわけじゃないからって、いい気なものですよね。プーチンも同じ。あんたのせいで、どれだけの血が流れているか、わかっているのか、極悪人!

永田和宏選

「してやる」の「やる」は要らない団塊の夫の優しさ男の顔よ 横浜市 井上優子

 そうなんですよ、してやるなんて、何様だと思いますよね、上から目線です。それは本当の優しさじゃないし、対等ではないですね。いい加減、変わらなければいけませんよ。言葉の問題では、かつては若い社員が「こういうヤツ」という表現をしたときにとても違和感を感じたし、同じように「ラ抜き言葉」にも抵抗があったけれど、今は当たり前になってしまいました。そして、他人に両親の話をするときに「父は」とか「母は」とかいうのが常識だったのに、「お父さんは」「お母さんは」というのが当たり前になってしまって、なんだか慎みがなくなってしまったような気がします。テレビでもみんな当たり前のように言ってますよね。謙譲語というのが減ってきてしまっているのかしら。とはいえ、言葉は社会が変えていくものですから、受け入れなくてはいけませんね。そう、LGBTQやジェンダーのことなど、社会はもっともっと変わらなくては、日本は本当に国際的に取り残されてしまいますよ。同性カップルが気持ち悪いなんて言っていた議員は、議員の資格なしです。そういうヤツって、けっこう女性蔑視なんですよね。医学的な性差はあるけれど、男女は対等なのですから。異次元の少子化対策なんて、本当にできるのかしら?専業主婦という考え自体が対等じゃない。共に働き、ともに正社員で同一賃金を得ること。女性が多い職種の賃金を引き上げること。国会議員の報酬を思い切り減らせば減税につながるんじゃなくて?ろくでもないヤツらばかりだしね。選挙のためにしか働かないし、長期計画してないし。いつか日本は流浪の民になって、かつてのユダヤ人みたいになるのかも?まあ、結束力もないから、永遠に流浪なのかもね。それはそれで、しょうがない。考える程、未来が明るく思えません。とにかくお金のかかることはやめましょうよ、オリンピックとか万博とか。あ~、くだくだと書いてしまって申し訳ありません。もう寝ます、とほほ。

 

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朝日歌壇9月24日

2023年09月24日 16時56分59秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

「一定」とは何を指すらむ「一定の理解を得た」と流す処理水  長井市 大竹紀美恵

 この歌は永田和宏氏も選んでいます。この通り、国民はみんなそう思いますよね。理解なんかしてないし、ちゃんと説明も受けていないのに、保守政権ってこれだから嫌だ。先日も、羽鳥モーニングショーで玉川さんが言っていました。もう何十年も保守政権が続いているので、何も変わらないし、変えようとしないんですって。だからか~、と納得しました。女性大臣が5人いても、大臣の下の人間に女性がまったくいないとか。どう活躍できるっていうのか。それに、いまだに「女性の感性で」とか言っていること自体、あまりに古すぎですよ。森喜朗って、まだ国会議員だったっけ?そして麻生太郎、この古だぬきが政権にいる限りなにも変わりません。どんどん世界水準から遠ざかって、ガラパゴス国家で、どうしようもなくなりますよ。観光にだけは外国人は来るでしょうけどね。斜陽の国、心も経済も貧しい国、ニッポンだね。

高野公彦選

ヘルメットの下は長髪自由の風起こして慶応優勝したり    埼玉県 小林淳子

 今回は、高校野球の慶応優勝の歌が多かったですね。もう、坊主刈りの時代は終わるべきです。そして、スポーツのあり方も変わらないと。ただコーチや監督にしごかれてパワハラを受ける時代ではないのですから。スポーツは科学ですし。でも、決勝で慶応の応援の声が大きすぎて負けたほうはやりにくかったでしょう。応援する方もきちんとマナーを守ってもらいたいです。

永田和宏選

人もまた可燃物なり母が語る大空襲に夏の夜寒し       佐世保市 近藤福代

 考えてもみなかったけれど、当たり前のことでしたね。私の母も、東京大空襲を経験していました。生きているうちにいろいろ話を聞いておいてよかったです。戦争とはなんと残酷なものか、むなしいものか。プーチンはまだ戦争をやめようとしない。あんな奴に殺されるロシア国民やウクライナ人、死んでも死にきれないですよ。

馬場あき子選

捨てるとは言わず放出するという言い替え文化はびこる日本   横浜市 白鳥孝雄

 いや~、その通りです。言い換え文化ですか、悲しいですよね。真実をごまかしているみたい。今の日本の政治って、それこそごまかしだらけなんじゃないかしら。それに、ショリスイ放出で中国がどうするかなんて、想定できたはずなのに、無策の政権にはもうあきれるしかありません。そんな奴らが高給取っていますよ、税金から。ま、私は所得なしの高齢者だからそんなに税金払ってませんが。こんな日本の政治で、いいのですか???あ~、白内障手術で遠くは見えるけれど、近くが見づらくてメガネも注文したけれどすぐにはできないので、市販の老眼鏡でこうして頑張っているけれど、疲れます。もーやだ。新聞も本も読みづらくて、とほほです。借りた本も延長したけれど、中近メガネが出来上がらないと、とても読めません。楽しみを奪われた生活してます。愚痴ったところでメガネは出来て来ないけどねえ。うぇーーん。

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朝日歌壇9月17日

2023年09月18日 14時17分06秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

卒塔婆の文字少し幼し住職の息子さん父を継ぎつつあるらし  水戸市 檜山佳与子

 なんともほほえましいと思いました。住職と言うカ行は特殊ですが、それを受け継いでくれるのはうれしいことです。檀家さんもほっとしますよね。説教話もきっと慣れることでしょう。

高野公彦選

地上での七日の命憐れめど我とて宇宙の中の蜩(ひぐらし) 五所川原市 戸沢大二郎

均等に降らせることは至難らしあちらは洪水こちらは日照り 新潟市 太田千鶴子

 一首目、地上での蝉の生涯の短さも、宇宙を考えたら人類も同じようなものだとこの比較の壮大さは見事。確かにいえてます。人類だって、ちっぽけな存在。特に他の生物に迷惑ばかりかけています。熊が出たからと駆除してばかりでいいのか、温暖化を食い止めなくてどんどん生物の生存が難しくなっているのも、もともとは人類のせいでは?今は、もう地球温暖化といわずに、地球沸騰化というそうです。この夏は、まさに沸騰ですよね、こんな暑い夏を4か月って、私たち人間もつらいけれど、何も知らないほかの生物はもっと苦しいはずですよ。二首目、本当に思うように恵みの雨がいきわたらず、こんなに降るなんていい迷惑みたいなことがあちこちで起きているし、降ってほしいところに全然降らないというありさま。成層圏にAIのシステムで思うように雨を調節してほしい、というのも、人類の傲慢でしかないですね。きっと地球は人類に対して怒っているんでしょう。

永田和宏選

赤よりも危険を示す色となり紫色が列島覆う        つくば市 山瀬佳代子

戦死者を英霊などと祀りあぐ死にたくて死んだ者など無きを 川越市 西村健児

 一首目、本当に恐ろしいほどの紫色があちこちに出ます。特に線状降水帯は恐ろしいです。気候もどんどん変わってきていますね。私たちの地球はどうなってしまうのでしょう。二首目、特攻隊の事もそうですが、戦死者を美化して愛国心をあおる風潮は、ものすごく怖いです。昔、「きけ わだつみの声」を読みましたが、学徒出陣で戦争に行って亡くなった兵士たちの日記(遺書というべきか)には涙があふれてしょうがなかった。若者の未来を奪っても戦争を続ける意味があるのでしょうか。無謀な戦争を起こした軍部の責任は、本当にはまだきちんとされちないと思いますよ。軍人の卑怯去ったらありません。私たち庶民は虫けらのように殺されてしまうんです。悔しい思いで死んだ人たちは大勢います。二度と同じ過ちをしてはいけません。だからこそ、私たち日本の憲法には戦争放棄の九条があるのです。戦争の裏には利権や汚い金がうごめいています。そんなことで、人の命を奪われてなるものかですよ。

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朝日歌壇9月10日

2023年09月12日 15時16分14秒 | 短歌

 大変遅くなりました。白内障手術をしてから、近くの物が見えにくくて、新聞も読みづらく、投稿が遅れました。情けないですね~。

永田和宏選

より多く命を奪う武器を持つことを抑止と為政者が言う     観音寺市 篠原俊則

 常連の篠原さんの一首です。政府の批判が効いていますねえ、素晴らしい。先日はクラスター爆弾が使用されると聞いて驚きましたが、今度は劣化ウラン弾です。あまりに残虐な爆弾だからと使用禁止になっていたはずのものを、処分にいい機会だからと戦争で使うなんて、ひどい話です。そのうち本当に核兵器が使われてしまったらと思うとぞっとします。

佐佐木幸綱選

盆休みウッドデッキを塗り直すペンキ速乾滴る発汗       京都市 中川大一

俳優よ団結しようとアジってるジェーン・フォンダは枯れることなく 東京都 十亀弘史

 一首目、速乾と発汗と、リズムを揃えて面白いですね。亡夫は退職後に、ウッドデッキを販売する会社で営業のバイトをしていました。それも懐かしくて選んでみました。二首目、ハリウッドのストライキの短歌ですね。ジェーン・フォンダが健在と知り、懐かしく思いました。ベトナム戦争の反戦活動で有名でしたから。

高野公彦選

プーチンはどろぼうよりもわるいひと 五歳が二歳にていねいに説く 東京都 青木公正

原爆忌終われば加害者としての日本人の罪を思わむ         水戸市 中原千絵子

 一首目、子どもでもわかることですよね。本当にプーチンは大悪党です。許せませんよ。人殺しも度を越しています。早く戦争が終わってほしい。二首目、日本はあの戦争でひどいことをしてきました。それが反省もしないでいいのでしょうか。原爆で被害者という面ばかり強調していますが、アジアの国々にしてきたことをきちんと検証して反省しないと、また同じことをくりかえすのではと不安になります。変な愛国心は恐ろしいです。

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朝日歌壇9月3日

2023年09月04日 15時24分18秒 | 短歌

高野公彦選

熱中症アラート5日目ヘロヘロの私を急かす営業カバン    富山市 松田梨子

缶ビールお茶を駄賃に地区内の一斉清掃終わりて盆来る    飯田市 草田礼子

 一首目、これは常連の松田一家のおひとり、社会人になったばかりなのでしょうか、梨子さんの短歌。今年の夏は本当に灼熱地獄でした。仕事で外回りする人は本当に大変だったと思います。家にいても、わつぃは風邪をこじらせてもうあと何回こんな夏を過ごさなくちゃいけないのかと弱気になりました。こんな暑い地球、もう本当にいやだ!この歌は馬場あき子氏、佐佐木幸綱氏も選んでいます。二首目、町内一斉清掃、似たようなお駄賃が出るんですね。こちらもお茶と有料可燃ごみ袋でした。体壊して町内会の理事を辞めさせてもらったので、今はちょっと活動の参加はお休みしていますが、町内会の運営は本当に厳しい。ボランティアだけど、引き受ける人がいない。ボランティアからか?とにかく少子高齢化でどこも大変なことになっていますね。

永田和宏選

八月の6+(たす)9=(は)15なる数の不思議に不戦を誓う 大田市 安立聖

 8月の6日9日は、原爆が落とされた日です。そして、それを足すと15(銃後)になるのです。皮肉の利いた強い歌ですね。

 9月1日は震災の日、つまり関東大震災が起きた日で、今年はちょうど100年目に当たります。この時の大災害と庶民の対応、つまり、デマに振り回されて朝鮮人を虐殺した黒い歴史があるのですが、政府も東京都知事もそれを認めていないのです。記録がないとか、なんとかいいながら、史実を認めない、こんな無責任な政府はあっていいのでしょうか?オーラルヒストリーや一市民の日記などの記録は重要な資料なのに。この日は、大杉栄と伊藤野枝が殺された日でもあるのです。こういう騒ぎに乗じて、国家というものは恐ろしいことをします。まるで今のプーチンですよ。絶対に許せません。

 百均の老眼鏡でなんとかPCに向かっています。視力が安定したらもっといい眼鏡を作ります。ただ、老眼鏡って、そうそう長時間かけるものではないみたいですね。そりゃそうです、近くが見えるけど遠くが見えないのでは外で行動するのは危険ですもの。

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