今回の短歌は、おそらくウクライナ侵攻の前だと思いますが、それでもウクライナやプーチンのことを詠んだ歌がいくつかありました。私も5つのプーチン短歌を詠んで、郵送しました。言葉で戦うしかないですもの。
永田和宏選
薬学の初講義にて刻まれる「クスリ」と「リスク」表と裏を 佐賀県 真子美佐子
「支払いは現金ですか」と問われしが「木の葉でお願い」とは言えざりき
舞鶴市 吉富憲治
一首目、本当にその通りです。共感して選びました。クスリは怖いです。下手したら、薬中になります。麻薬と紙一重じゃないかな。二首目、思わず笑っちゃいますね。木の葉で払えるのなら、たくさん集めます。
佐々木幸綱選
オンラインレッスンで知る先生のマスク無い顔愛猫のチビ 鈴鹿市 樋口麻紀子
ひとりまた無縁仏で火葬する民生委員の印を捺すとき 東京都 河野行博
一首目、確かにオンラインではマスクははずしますよね。猫も堂々と登場してしまいます。楽しいですね!二首目、コロナ感染死でしょうか、心が痛みます。一人暮らしで連絡先もわからなければ、そうするしかないのでしょうけれど、今の社会では家族が崩壊しているケースがたくさんあるのですね。地域で孤立しないことが大事だと思います。
高野公彦選
医師死せり東で射殺西焼殺 命を救ふ命奪はる 朝霞市 青垣進
あの事件のことかとわかります。母と二人暮らしの、その母が病死して逆恨みの末にライフル銃で訪問診療医を殺害した事件と、大阪のカウンセリングの診療所に放火して犯人もそこに居た患者や医師、看護師26人だったでしょうか、亡くなった事件。当時、意識不明だった方は全員亡くなってしまいました。人を巻き込んで自殺するという暴挙です。優秀な医師が殺されてしまいました。生きていたら、救えた命があったはずなのに、悔しいです。こういう場合、「一人で自殺しろ」というのはよくないそうで、とにかく、相談してなんとか生きる道を見つけることだそうです。とはいえ、誰だって、死にたいときはありますよ。ただ、それを実行しないだけ。殺されて死ぬなんて、本当に残酷すぎます。今、ウクライナでは民間人がロシアの攻撃で殺されているのです。許せないです!