TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

仕事道具

2006年04月19日 | Weblog
お久しぶりです。
最近は何のネタも無く、平凡な毎日を送っておりました。お店の方も一頃の忙しさがウソのように静かです。
今日は普段僕自身が使っている道具のお話をしましょう。ご覧の画像は左からレザー、ロングシザー、ミニシザーで一番使用頻度が高い3種類です。レザーは昔のような本レザー(研いで使う)は安全面や衛生面からもほとんど使用されません。現在は替刃タイプで刃先は安全にガードされています。レザーカットは最近主流のシャギーな質感を求めるのに一役買っていますが、この他にもセニングシザー(スキバサミ)を用いる事が多いです。昔はこのレザーを使って削ぎ落とすカットが普通でしたが、デザイン性に欠けるので後にシザー(普通のハサミ)を使ったデザインカットが一大旋風を巻き起こしました。シザーを使ったブラントカット(切り口が直線になる)の代表的な第一人者にヴィダルサスーンがいます。ん?サスーンは商品名じゃなかったんですよ~(笑)。サスーンは1928年ロンドン生まれで、なんと14歳で美容の道に入っています。26歳で1号店をオープンさせた後、5年後にはスクールを開校。ここに彼の名声を慕って世界中から優秀な若者たちが集まった事が現在のカットスタイルの原動力になっています。そして画像中央がロングシザーです。今ではこの長さのシザーを刀のように振り回してカットする技法(演出なんですけどね)が若い美容師の中では主流となりました。僕はこの長さのシザーは刈り上げ以外には滅多に使いません。振り回して切るにはあまりにも正確さに欠けるので、イレギュラーなラインはレザーの方を用いています。質感的なカットの中にもラインを重視した落ち着きを求める事により、ただバサバサするだけでない「軽さ」を与える事が出来ます。そして右端のミニシザーが僕のカット技術の原点。広げた手のひらにすっぽり隠れてしまうほどの長さです。小さい刃先で切る事により、自由にえぐったりカーブを与えたり出来ます。そういった意味合いでも僕の技術はサスーンの影響をものすごく受けていると言えるのでしょうね。カットにも設計図(僕らは展開図と言います)があるんですよ~。これを頭の中で描きながら切るんです。実はこれが出来ないと上手く切れません!頭はいびつな球体ですから、今カットしている部分が手を離すとどこに落ちて乾くとどうなるか、それをどう組み合わせていくか、毛流れの向きをどう与えるかなどを常に考えながら判断して切り進みます。例えば分け目が横の場合、アウトラインは左右対象でも内部は完全に非対称に切ります。でも仕上がりはいびつじゃいけませよね?その辺が技術者の解釈と感覚とテクニックな訳ですので、人によって違います。つまり合う合わないが生じます。ご来店時のヘアの状態を見るところから既にお客様のカットは始まっています。
全ての美容師がこう考えながら施術しているかどうかは分かりませんが、少なくとも僕らはこんなふうに意識しながら仕事をしています。改めて奥の深さを感じますね!
コメント
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