『総武本線 夏景色、里山に孟宗竹・真竹の竹林拡大はなぜ?』
ー竹林の周囲に溝を造るか、溝に代えて地中に、1m前後の遮蔽板を造るー
先日、久しぶりに総武本線を利用しました。 当然ですが50数年前に一時間半の飯岡駅-津田沼駅間の通学時に見た車窓風景とは様変わりし、線路沿いにも立ち並ぶ住宅が増えています。 それでも、総武本線の沿線の田畑の奥に重なる里山は、それ程は、住宅地化されず、かなり残っています。 神奈川・東海地方では、里山の天辺まで、かなり住宅地になっています。
しかし、総武本線沿線の、里山群は、半世紀余前と比較して随分竹林に浸食されています。 この里山に増えた、多島海状に分散した竹林群の増加は、筍栽培のために、人為的に移植したものと思われます。 自然の拡大であれば、竹林はもっと分散せずに集中大型化するはずです。
千葉県では里山エリアで竹林拡大です。 先ずは、ウェブ情報です。
竹林拡大の現状
放置された竹林の拡大状況を明らかにするため、千葉県内の 7ヶ所で、過去の航空写真を用いて、30 年間の竹林面積の推移を調査した結果、竹林は増え続け、この 30 年間で 4.0~10.6 倍(平均 6.7 倍)の増加が認められた(下図)。 本県でも竹林拡大の顕著な事例と考えられるが、全県的に竹林拡大は進行していることから、早急な対策が必要である。
日本の竹林は、16万1千ヘクタールに上り、その99%を孟宗竹と真竹が、3:1の割合で占めています。 孟宗竹は18世紀前半に、他の真竹類は8世紀頃に中国から持ち込まれた外来種だと考えられています。
興味のある論争があります。 ここでもウェブ情報の抜粋です。
以前、NHK「クローズアップ現代」で竹林の拡大問題が放映されました。 その内容は、『竹林拡大の実態は、あたかも自然拡大が10倍になったかのように受け取られる内容』でしたが、 それは事実でありませんと、反論したのが、竹文化振興協会専門員 渡邊政俊氏でした。
反論の骨子は『京都府南部の田辺・山城地域では1953~85年の32年間で竹林面積が約10培に拡大したと報じられた。 これは鳥居厚志・井鷺裕司両氏(森林総研)の研究を紹介したもので、同報告では53~78年の25年間の拡大(約7倍)は、ほぼ人工的に植栽されたもの、そして78~85年の7年間の竹林増加(約1.4倍)は森林が自然に竹林に置き換わった場合がほとんどと述べています。
すなわち、53~78年の25年間の拡大(約7倍)は筍栽培が有利な経営であったことから、農民が人為的にタケノコ栽培竹林を拡大したものであって、 現在問題視されている竹林の拡大には当たりません。つまり、『1978年以降7年間の拡大がいわゆる自然拡大で、 その面積は約1.4倍だけなのです』と。
さらに、竹林拡大の理由について
現在、竹林の多くは放置された状態にあります。 これは、近年、近隣諸国から筍が大量に輸入されるようになり、 これがタケノコ栽培農家に大きな打撃を与えているからです。
つまり、栽培農家はタケノコ生産に経済的メリットが見出せなくなったことから竹林が放置されるようになった訳です。 しかし、放映では、『竹林が放置されたため、竹林が拡大した」という説明でしたが、 竹の生理・生態的な特徴からみて、そのような説明は適当ではないと考えます』と反論です。
竹林の拡大防止は、『昔よく見た、道端の雑草が畑に侵入するのを防ぐ、深さ1ⅿ前後の溝』、と同様の溝を、竹林の周囲に造るか、溝に代えて地中に、1m前後の遮蔽板を造ることが有効と言われますが、これが徹底されているか、興味は尽きません。 この溝の日陰の水は、湧き水で冷たく、スイカやウリを冷やして、海で遊泳の帰路に、食べるのが楽しみでした。 竹林拡大問題は、筍栽培が儲からなくなったことと、竹林の手入れ不足の複合原因ではないでしょうか。
(20180819纏め 20201202追補 #027)
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