(スコットランド時間で)9月18日に投票が行われたスコットランド独立の是非を問う住民投票は、即日開票の結果反対票が賛成票を上回り、スコットランドが英国にとどまることが確実となった。
32地区中31地区の集計を終えた段階で、独立反対の票が賛成票を上回った。 英国BBCは開票率60%の時点で独立反対派の勝利を予測していた。
独立派を主導してきたスコットランドのサモンド自治政府首相は19日、敗北を認める声明を出し、スコットランドの独立を支持した160万票に感謝すると表明。 86%という記録的な投票率に達したことを評価した。
中心都市エディンバラ地区は反対が19万4628票を獲得し、賛成は12万3927票にとどまった。一方、独立推進陣営の中心拠点だったグラスゴーは賛成票が反対票を上回ったものの、劣勢は覆えせなかった。 投票率はほとんどの地区で80%を超えたが、グラスゴーは75%にとどまった。
(以上、ネットCNN情報より引用。)
ここで一旦私論に入ろう。
昨日(日本時間9月19日)昼のNHKニュースにて上記スコットランド独立住民投票の中途結果を見た段階では、賛成、反対が五分五分と拮抗していた。 その拮抗度合いにまず驚くと同時に、世論が真っ二つに分かれる現象にプラスの意味で「先進国ならでは」感を抱いたものだ。
これがもしも宗教闘争等が激しい発展途上国の一地域で独立住民投票が実施されたとすれば、おそらく地域内部で独立「賛成」「反対」に対する多大なる地域差が露呈した事であろう。 しかも表向き住民投票とは言えども、今回のような穏やかな投票との形式では済まされず、国家からの弾圧や内部闘争により血に染まる内乱勃発が避けられず、多くの住民犠牲者を出した事とも推測する。
それに対し今回のスコットランド独立住民投票の場合、実に冷静に住民が対応した事実に一種の感激すら抱いたものだ。
しかももっと素晴らしいのは、その投票率の凄さである!
上記CNN報道の通り、スコットランド主要都市の一つであるグラスゴーのみ投票率が75%にとどまったとの事だ。 独立賛成派が過半数を占めるグラスゴー市民の思いが分かる気がする私だ。 (参考だが、グラスゴーとはスコットランド最大都市であるのに加え、英国内でも人口第4位に位置付けている産業文化都市である。)
その他ほとんどの地区で投票率80%越えを記録した事実に、独立賛成・反対を問わずスコットランド人皆の自らの地域を愛する意気込みの程を垣間見た気がするのだ。
この場で我が国 日本 を振り返ったとて虚しいだけと心得るが、もしも国内何処かの地域で日本国家から独立する!との住民投票が実施される背景が整ったとして、一体どれ程の地域住民がそれに投票するのだろう?? 現在実施している国政選挙ですら投票率が至って低い現実を鑑みただけで、この国に於いて国政選挙以外に「国民投票制度」が未だ法制度化を果たしていない事実を証明するがごとくだ…
ましてや経済的苦難を強いられ続けている我が国の過疎地域に於いて、「住民による国家からの独立宣言」など、未だ夢物語なのか?
国政は「地方創生」なる新たな省庁を立ち上げ、「安保省大臣」を固辞した石破茂氏をその大臣に任命したようだが、一体全体何を実行する省庁なのか私は未だ認識していない。
いっその事、石破氏には今回のスコットランド独立投票のごとく“力強く”地方を創生した挙句、近い将来日本国家から独立せんとの真の実力を地域住民に伝授する事を期待申し上げたいものだ。
話題を変えて、スコットランドが何故英国より独立したかったのかのバックグラウンドに関して記述しよう。
遠い過去に於いて、そもそもスコットランドとは英国とは別の国家であった。
第二次世界大戦後の動向だが、1970年代にスコットランドに近い北海油田が開発され、イギリスに莫大な利益をもたらす一方で、スコットランドのナショナリズムを刺激した。 スコットランド議会は1707年のイングランドとの合併以来ウェストミンスター議会に統合されていたが、独自の議会設置を求める声が高まった。
元々スコットランドには北欧のような福祉国家を目指したい人が多いのに加えて、沖合に上記の北海油田があり、独立すれば石油より得る利益を英国に還元せずに済むとの利点があったのだ。
独立を叫ぶスコットランドに対して、現キャメロン首相はその引き留めに必死だったとの報道だ。
例えば、スコットランドが英国に留まればその自治権を拡大すると表明している。 そのキャメロン首相の宣言に応じた結果「独立反対票」が僅差ながら上回る結果となったようだ。
最後に、原左都子が掲げた今回のエッセイ表題に関する私論を展開しよう。
上に既に論評済みだが、私は今回のスコットランド独立住民投票にいたく感動させられた。
結果の程は「独立反対派」が過半数を占めたものの、地域「独立」を願うに際して市民間での動乱が一切勃発しなかったのにも関わらず、地域内での「独立」に関する住民のそれぞれの“熱い思い”が異国に住む私にも大いに伝わったためだ。
今後の我が国に於いては、スコットランドのごとく国家からの独立住民投票が実施される未来が訪れる事など想像不能な現実こそが無念だ。 もしもそんな動きが国内の一部で起こったとて、それを無視して自分らの歪んだポリシーを国民に強制し続ける国政、そしてそれに迎合するかのごとく“諦め人生”を送る国民達がいつまでもうだうだと存在し続ける我が国であろう…
「ナショナリズム」にはいつも危険が伴う事は承知の上だ。
そうだとして、私も出来れば自らが“愛すべき国家”に生まれ出て、その国の一地域で独立か否かの価値判断を迫られたい思いすら抱かされた今回のスコットランド独立住民投票である…。
32地区中31地区の集計を終えた段階で、独立反対の票が賛成票を上回った。 英国BBCは開票率60%の時点で独立反対派の勝利を予測していた。
独立派を主導してきたスコットランドのサモンド自治政府首相は19日、敗北を認める声明を出し、スコットランドの独立を支持した160万票に感謝すると表明。 86%という記録的な投票率に達したことを評価した。
中心都市エディンバラ地区は反対が19万4628票を獲得し、賛成は12万3927票にとどまった。一方、独立推進陣営の中心拠点だったグラスゴーは賛成票が反対票を上回ったものの、劣勢は覆えせなかった。 投票率はほとんどの地区で80%を超えたが、グラスゴーは75%にとどまった。
(以上、ネットCNN情報より引用。)
ここで一旦私論に入ろう。
昨日(日本時間9月19日)昼のNHKニュースにて上記スコットランド独立住民投票の中途結果を見た段階では、賛成、反対が五分五分と拮抗していた。 その拮抗度合いにまず驚くと同時に、世論が真っ二つに分かれる現象にプラスの意味で「先進国ならでは」感を抱いたものだ。
これがもしも宗教闘争等が激しい発展途上国の一地域で独立住民投票が実施されたとすれば、おそらく地域内部で独立「賛成」「反対」に対する多大なる地域差が露呈した事であろう。 しかも表向き住民投票とは言えども、今回のような穏やかな投票との形式では済まされず、国家からの弾圧や内部闘争により血に染まる内乱勃発が避けられず、多くの住民犠牲者を出した事とも推測する。
それに対し今回のスコットランド独立住民投票の場合、実に冷静に住民が対応した事実に一種の感激すら抱いたものだ。
しかももっと素晴らしいのは、その投票率の凄さである!
上記CNN報道の通り、スコットランド主要都市の一つであるグラスゴーのみ投票率が75%にとどまったとの事だ。 独立賛成派が過半数を占めるグラスゴー市民の思いが分かる気がする私だ。 (参考だが、グラスゴーとはスコットランド最大都市であるのに加え、英国内でも人口第4位に位置付けている産業文化都市である。)
その他ほとんどの地区で投票率80%越えを記録した事実に、独立賛成・反対を問わずスコットランド人皆の自らの地域を愛する意気込みの程を垣間見た気がするのだ。
この場で我が国 日本 を振り返ったとて虚しいだけと心得るが、もしも国内何処かの地域で日本国家から独立する!との住民投票が実施される背景が整ったとして、一体どれ程の地域住民がそれに投票するのだろう?? 現在実施している国政選挙ですら投票率が至って低い現実を鑑みただけで、この国に於いて国政選挙以外に「国民投票制度」が未だ法制度化を果たしていない事実を証明するがごとくだ…
ましてや経済的苦難を強いられ続けている我が国の過疎地域に於いて、「住民による国家からの独立宣言」など、未だ夢物語なのか?
国政は「地方創生」なる新たな省庁を立ち上げ、「安保省大臣」を固辞した石破茂氏をその大臣に任命したようだが、一体全体何を実行する省庁なのか私は未だ認識していない。
いっその事、石破氏には今回のスコットランド独立投票のごとく“力強く”地方を創生した挙句、近い将来日本国家から独立せんとの真の実力を地域住民に伝授する事を期待申し上げたいものだ。
話題を変えて、スコットランドが何故英国より独立したかったのかのバックグラウンドに関して記述しよう。
遠い過去に於いて、そもそもスコットランドとは英国とは別の国家であった。
第二次世界大戦後の動向だが、1970年代にスコットランドに近い北海油田が開発され、イギリスに莫大な利益をもたらす一方で、スコットランドのナショナリズムを刺激した。 スコットランド議会は1707年のイングランドとの合併以来ウェストミンスター議会に統合されていたが、独自の議会設置を求める声が高まった。
元々スコットランドには北欧のような福祉国家を目指したい人が多いのに加えて、沖合に上記の北海油田があり、独立すれば石油より得る利益を英国に還元せずに済むとの利点があったのだ。
独立を叫ぶスコットランドに対して、現キャメロン首相はその引き留めに必死だったとの報道だ。
例えば、スコットランドが英国に留まればその自治権を拡大すると表明している。 そのキャメロン首相の宣言に応じた結果「独立反対票」が僅差ながら上回る結果となったようだ。
最後に、原左都子が掲げた今回のエッセイ表題に関する私論を展開しよう。
上に既に論評済みだが、私は今回のスコットランド独立住民投票にいたく感動させられた。
結果の程は「独立反対派」が過半数を占めたものの、地域「独立」を願うに際して市民間での動乱が一切勃発しなかったのにも関わらず、地域内での「独立」に関する住民のそれぞれの“熱い思い”が異国に住む私にも大いに伝わったためだ。
今後の我が国に於いては、スコットランドのごとく国家からの独立住民投票が実施される未来が訪れる事など想像不能な現実こそが無念だ。 もしもそんな動きが国内の一部で起こったとて、それを無視して自分らの歪んだポリシーを国民に強制し続ける国政、そしてそれに迎合するかのごとく“諦め人生”を送る国民達がいつまでもうだうだと存在し続ける我が国であろう…
「ナショナリズム」にはいつも危険が伴う事は承知の上だ。
そうだとして、私も出来れば自らが“愛すべき国家”に生まれ出て、その国の一地域で独立か否かの価値判断を迫られたい思いすら抱かされた今回のスコットランド独立住民投票である…。