原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

今時「箱入り娘」が何らかの役に立つの?

2015年01月14日 | 時事論評
 「女子アナ」ねえ…
 今の時代、大学のミスコンにて優勝を勝ち取る事が「女子アナ」への登竜門とも見聞するが…

 私の場合、「女子アナ」に成りたいなる夢を描いた事自体、ただの一度もない。
 更には「女子アナ」こそが“勝組”などとの発想が全くないどころか「銀座のホステス」の方がよほど職業ランクが上じゃないの~?? と考えていた矢先に、巷でそういう事件(?)が発生したようだ。


 何でも昨年11月に、アナウンサー志望だった女子学生が銀座のホステスアルバイトをしていた事が放送局にバレて内定取り消し措置が下され、その後、内定取り消しが撤回されたとの事だ。 
 その女子大生とは自らが上記ホステスアルバイトに関して採用側放送局へ自己申告したとの事だが、何ともくだらない事で人騒がせなこの女性が如何なる人物かに関して興味を持ち、ネット上で少し調査してみた。
 そうしたところ上記女子大生も冒頭記述の例外ではなく、某大学にて「ミスコン」優勝を勝ち取っているらしい。 加えて、当該女性の画像がネット上で氾濫している事実のようだ。

 しかも、上記「女子アナ内定取消し」をめぐるネット情報がごまんと溢れている。
 以下に、その一つを紹介しよう。
 「女子アナの内定取消し」をめぐって地位確認請求、「法廷闘争」という前代未聞の事態…
 昨年9月に同社のセミナーに参加し、今後他社への就職活動をしないことを条件に内定通知を受けた。
今年3月、過去に銀座のクラブでアルバイト(3ヶ月)していたことを人事担当者に報告  4月に人事部長から「内定取り消し」を伝えられ、辞退を求められるも笹崎里菜さん(当該女子大生の実名)は拒否  5月 人事局長名で「アナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」とする書面が届く  8月、笹崎里菜さんのブログ記事が全て削除される。 9月 FRIDAYに『研修の厳しさに嫌気が差し、日本テレビの内定を辞退した』という記事が出る  11月 笹崎さんが内定取消の取消を求め日本テレビを告訴  第一回口頭弁論で日本テレビ欠席、争う姿勢
 (以上、ネット情報より一部を要約して紹介したもの。)

 ここで一旦原左都子の私論だが、この事件、分野が異なれど何だか「小保方氏STAP不正事件」を彷彿とさせる空気感を私は抱いた。
 おそらく女子アナ志望の笹崎氏も、小保方氏同様に“実家が裕福”な故に、採用側の日本テレビを相手取って訴訟が起こせる程の経済力を保有しておられるのであろう。  それは幸運だったとしても、一体全体この女性に「女子アナ」としてどの程度のレベルの素養が備わっているのかが分かりにくい。 
 小保方氏の場合、(ご実家の経済力や縁故力故に)本人から記者会見を開催した(してしまった)事で、科学者として大いなる欠陥を抱えている事実を晒し墓穴を掘り、日本中に恥を晒した事は国民の皆さんも記憶に新しいことであろう。 
 それでも日本テレビは笹崎氏を採用すると言うのだから、後は私の知った事ではない。 


 この「事件」に関しては、様々な見解が交錯している。

 その中から、「女子アナ」先輩であられる現在42歳某テレビ局アナウンサー氏のご意見を紹介しよう。
 内定取り消し騒動では『高度の清廉性』という言葉が注目されたが、それを聞いて「局アナが特別に清廉潔白な仕事だとでも?」と白けた気持ちになった人は少なからずいるだろう。  お利口で清楚で、だけどおっちょこちょいで親しみやすい… そんな男性視聴者のさまざまな欲望を満たす存在として女子アナは扱われ、ひとつの「マーケット」として成立している。いってみれば「箱入り娘プレイ」です。プレイですから、テレビ局側も視聴者も、その存在が作られた「ウソ」であることをわかっていて、お互い暗黙の了解の上で楽しんでいる。
 ところが、ホステスというプロの接客業の経歴の持ち主がなってしまったら、「ウソ」が崩れてしまい、そのプレイが成り立たなくなってしまう。それが今回の騒動の根底にあると思う。
 しかし、「箱入り娘プレイ」がしょせんプレイでしかないことを視聴者は知っているんだから、今さら女子アナにお題目としての「高度な清廉性」を求めなくてもいいのではないかと思う。
 世間が思う「女子アナ」とは「出たがり会社員」といったところだろう。 それは本当だし、ちっとも悪いこととは思わない。 出演者は出たがりでないと務まらない。ちゃんと原稿が読めていい仕事ができるなら、それでいいじゃないか。
 自分の身内にするなら箱入り娘を、という“オヤジ”の理屈で人を選ぶのではなく、プロとして箱入り娘を演じ切れる技術があればいい、というほうがよほど現実的だ。 
 視聴者もとっくに気づいている女子アナの幻想は、それで萌える一部のオヤジのためにあるだけ。これを機に「もう、このプレイいらなくない?」と言っていいと思う。
  (女性セブン2015年1月22日号記事よりのネット情報を引用したもの。)


 最後に、原左都子の私論で締めくくろう。

 「女子アナ」大先輩であられる某テレビ局のアナウンサーさん、貴重な内部告発に感謝申し上げたい思いだ。
 申し訳ない事には私はテレビ嗜好でなく特に普段民放を滅多に見ないため、世に言う「女子アナ」とは皆概して“低能馬鹿”かと思っていた事をお詫びしたい。 42歳になられて未だアナウンサーの地位を失っていない貴女の立場として、「女子アナ」の(ある意味でみすぼらしい)現状と今後の在り方をここまで分析されている事実に脱帽感すら抱く。
 貴方がおっしゃる通り、アナウンサーとはまずは明瞭な声ときちんとした発音で「原稿を読んで欲しい」と考えている私にとってのアナウンサーの力量とは、それだけで必要十分だ。  私は決して“オヤジ”ではないためまさにアナウンサーになど、それ以上何も期待していない。

 表題に記した通り、今時は「箱入り娘」なる言葉は既に死語化していると私は捉えている。

 もしも今回の日テレ「女子アナ」採用内定取消事件に際して、結局笹崎さんが“親の経済力”にて内定取消無効訴えを起こしたとすれば、それは「箱入り娘」の範疇以外の何でもなく、決して原左都子として支持できる訳はない。

 今時「箱入り娘」など、これ程に混乱状態の世に於いて何らの役にも立たない事実を今後の自らの日テレアナウンサー経験で体感出来たならば、貴方こそが(親の金力で)訴訟を起こしてまでも勝ち取った「女子アナ」との職務を最大限全うするべきだ。

 (もしもご本人が“銀座のホステス”こそ適性があったと実感出来るのなら、それを「天職」として貫けば済む事と私はアドバイスしたい気もする。)