原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

そもそも昭恵氏が名誉校長を引き受けたのが諸悪の根源だ!

2017年03月24日 | 時事論評
 今回のエッセイは、昨日3月23日午前・午後に渡り衆参両議員2部構成で実施された「森友学園蓮池理事長に対する証人喚問」の速報の形となる。


 今朝パソコンを開いたところ、昨日の証人喚問に於いて蓮池氏が答弁した内容に関する安倍昭恵氏よりの反論が掲載されていた。
 そのネット情報の解説と共に、昭恵氏ご自身がFacebook上に公開された反論文章全文を以下に紹介しよう。

 安倍晋三首相の昭恵夫人は3月23日夜、衆参両院の予算委員会で同日、大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典氏に対する証人喚問が行われたのを受けて、自身のフェイスブック(FB)に「私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません」と投稿し、重ねて否定した。
 籠池氏が喚問で、昭恵夫人が27年9月5日に講演に訪れた際、「私と2人きりの状態で『安倍晋三からです』と封筒に入った100万円をくださった」と主張していることについても反論。「私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました」と書き込んだ。

 昭恵夫人がFBに投稿したコメントは次の通り

 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。
 (1)寄付金と講演料について
 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。
 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。
 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。
 (2)携帯への電話について
 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。
 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。
 以上、コメントさせて頂きます。
 平成29年3月23日
      安倍昭恵  
 (以上、ネット情報より引用したもの。)


 昨日実施された当該証人喚問のすべてを、私は午前午後に渡りテレビにて視聴した。

 我が私論として言いたい事は山々あれど、本日のエッセイでは、昨日の蓮池氏の関する証人喚問が“何を目的として実施されたのか"に的を絞って私論を述べたい。

 午前中に質問に立った自民党参院議員もその“喚問の目的論”を繰り返していた。
 当該自民党議員曰く、「今回の喚問のポイントは、蓮池氏がカネもその資質も一切無いのに小学校を設立しようとした事こそが諸悪の根源」と結論付けた。(表現面で多少の違いはあれども、自民党議員が言いたかったことは概ねそういう事だろう。)

 ところが、原左都子の私論は全く異なる。
 今回の蓮池氏証人喚問の第一義とは、「安倍首相及び昭恵夫人を筆頭とした国会自民党議員や大阪府等々、政権や地方自治体権力が今回の蓮池氏による森友学園小学校創設にかかわり積極的に裏工作等をした事実を明かす事」にあるとの考えに揺るぎが無い。

 その観点で昨日の喚問劇を注視したのだが、午前午後を問わず自民党及び公明党議員よりの喚問質問内容の腹立たしい事、この上ない!
 特に午後質問に立った自民党衆議院議員の質問たるや、途中から質問ではなくなり、ご自身の感情論に特化してしまった。 これ、むしろ自民党としては墓穴を掘ったのではなかろうか。 証人喚問と言えども、質問者にも礼儀が要求されるであろうに。

 その自民党衆院議員氏は、殊更蓮池氏が安倍昭恵氏から受け取ったと言う100万円の寄付金のみにこだわり、自分勝手にその事実が無い事を前提として蓮池氏に事細かな質問をしていた。
 例えば、「受け取った100万円を振り込んだ振込用紙が古い。本当は受け取って無いですよねえ~。事実を言わねばあなたは偽証罪に問われますよ~~。」等々と蓮池氏を責めるのだが、その発言の仕方が嫌味たらしい事、この上ないのだ。 証人喚問の質問に際してもある程度のマナーが必要ではないかと、聞いている一国民として苛苛させられた。


 さて、その昭恵氏が蓮池氏に渡したという100万円の寄付金、及び昭恵氏が名誉校長を引き受けた時に蓮池氏が支払ったとされる謝礼 に関する原左都子の私論を述べよう。

 私としては、それらの“金銭授受”に関しては今回の証人喚問に際し二の次の議題でよいのではないかと考える派だ。

 それよりも優先して議論するべきは、何故安倍昭恵氏が当該開設予定の小学校の名誉校長を引き受けるに至ったのか(その背後裏側の事情も含めた)の事実ではなかろうか?
 昨日の蓮池氏の答弁によれば、昭恵氏が名誉校長を引き受けていた時期は5ヶ月間との“短い期間”であり、その後辞退されたとの事だ。
 私に言わせてもらうと、5ヶ月間とは十分に長い。 てっきり2,3日で自らの過ちに気付きさっさと辞退したものと想像していたからだ。
 で、その間昭恵氏は「名誉校長」として何某かの業務をしていたのか? 蓮池氏は何らかの「口きき」でもしてもらっていたのか?  なる質問もあったが、それに対して蓮池氏は「開校に際して様々な相談をしていた」と回答を濁したように記憶している。

 一国の総理夫人が一私立小学校の「名誉校長」を引き受けるという事は、要するにそういう事だろう。 つまり政府が一私立学校に何らかの“口利き”をするためと、大方の国民に勘繰られてもやむを得ないという事だ。
 その事態に昭恵氏は想像が付かなかったのか? あるいは、「私は総理夫人だぞ! それくらいの権力はあるのさ。」と愚かにも威張りたかったのか??  まったくもって、よくぞまあそのような危険な行為に出たものだ、と呆れ果てるしかない。


 蓮池氏証人喚問の前日に、野田佳彦・民進党幹事長も以下のように述べておられる。

 (学校法人「森友学園」=大阪市=をめぐり)総理経験者として、どうしても分からないことがあるんですね。(安倍晋三首相が最終的に断ったとはいえ、同学園の幼稚園での講演が決まっていた件について)総理大臣が一幼稚園の講演に行こうと思うはずがないんです。ありえない。これ本当、不思議ですよ。地元の親しい幼稚園だって、行きませんよ。  二つ目。ファーストレディー、総理夫人に5人も秘書がいた。これも信じられない。やはり、特殊なんですね、このことが。それだけ、深い関係の方のために、誰かが何かをやったんじゃないかということは、韓国の大統領が辞めたのと同じじゃないか。
 (何某かのパーティーのあいさつで、野田氏が述べた内容を引用したもの。)


 蓮池氏に対する証人喚問は、今後も続くようだ。

 安倍昭恵さん、貴女は「自分は蓮池氏との金銭授受をしていない!」、と主張する事に現在躍起になっておられるようだ。  だが、その大本は(たとえ周囲にそそのかされたとはいえ)ご自身が得体の知れない学園の「名誉校長」を引き受けるとの呆れた行動を取り、種を撒いてしまったが故の話だ。

 国民とて、大迷惑な話だ。
 単に蓮池氏ご本人が軽率カネ無し人間で結果として学園開設がままならなかったにせよ、貴方がこの学園に名誉校長として絡んでさえいなければ、これだけ国家を上げて国民を巻き込んで大騒ぎする必然性もなかったはずだ。

 以前も本エッセイ集にて記述したが、安倍昭恵さん。 一国の総理夫人として今後如何なる身の振り方をするべきか、今回の事件に懲りて是非とも再考して頂きたいものだ。