原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

小学校給食カレーに漂白剤混入事件、何故恨みのはけ口が児童に向く??

2022年09月17日 | 教育・学校
 冒頭より、表題の事件に関するネット情報を引用しよう。


 今月15日、埼玉県内の小学校で給食のカレーが入った缶に塩素系の漂白剤を入れたとして、この学校に勤める24歳の教員が威力業務妨害の疑いで逮捕された。
 食べる前に異臭に気付いたため児童らはカレーを食べておらず、健康被害はなかった。
 逮捕されたのは、埼玉県富士見市にある市立水谷東小学校の女性教員(24)。
 今月15日午前11時15分ごろから午後0時20分ごろの間に、小学校の廊下に置かれていた配膳前の給食のカレーが入った缶に塩素系の漂白剤を入れ、全校児童の安否確認を余儀なくさせるなど、学校の業務を妨害したとして威力業務妨害の疑いがもたれている。
 児童らはカレーの入った缶を教室の中に運び入れた際に異臭に気付いたため、カレーを食べず、健康被害もなかった。
 警察が聞き取りをしたところ、教員が薬局で購入した漂白剤を入れたことを認めたらしい。
 警察の調べに対し「ことし3月まで受け持っていたクラスの担任を今年度も担当させてもらえなかったことがくやしく、このクラスのカレーに漂白剤を入れた」と話しているということで、警察が詳しいいきさつを調べている。

 (以上、ネット情報より一部を引用したもの。)




 私事及び私見に入るが。

 この私にも高校教諭経験があるため、「クラス担任」を持つことに対する思い出がある。
 私の場合は30代半ば頃に教諭として新採用された身だが、とりあえず最初の2年間はクラス担任を持つ負担から逃れることが出来た。

 正直言って、教師が「クラス担任」を持つが持たないかによりその業務量が格段に異なってくる。
 教員経験が無い皆様はご存じないだろうが。
 採用初年度は(特に高校・中学の場合)授業準備に多大な時間を要するものだ。 
 これが2年目以降になると、その授業ノートの使い回しが可能となるため、授業準備作業が激減する。 そうすると、授業以外の業務にも専念できるようになりかなりラクだ。(私の場合は、2年目から課外活動である「音楽部」の顧問も務め、生徒と一緒に音楽を楽しんだりする余裕もできた。)
 
 私の場合は勤務3年次に「副担任」を任せられ、担任の補佐をした。
 そしていよいよ勤務4年次に「担任」の指名が来たのだが。 前年度の3月に「妊娠」が判明していたため、それを正直に伝えて担任を回避させてもらった。 担任が年度途中で産休となる生徒の大迷惑を考慮してのことだった。
 結局、秋になって出産直前に退職を申し出て、高校教諭を退職し高校現場を去った。

 

 話題を冒頭の事件に戻そう。

 この事件の場合、事件の犯人が「ことし3月まで受け持っていたクラスの担任を今年度も担当させてもらえなかったことがくやしかった」と語っているようだ。
 小学校の場合、授業内容のレベルが高くないため、高校現場と比較して授業準備にさほどの労力・時間を要さないのであろう。 
 おそらく担任を持たない教諭がほとんどいないに等しいのだろう。 (高校現場では、担任を持たないフリー教諭はかなりの数存在したものだが。)
 そう言えば、遠い昔の我が小学生時代にも担任を持たない教諭は存在しなかった記憶がある。


 それにしてもだ。
 この犯人の小学校女性教諭は「担任を持たせてもらえなくてくやしい」その恨みの矛先を、学校の上司である校長や教頭にでも向けて相談するとの形をとれば解決策につながったかもしれないのに。 
 何故、その矛先を一番可愛いであろう児童に向けてしまったのか??

 学校側は一応、当該女性教諭をかばう発言をしているようだが。

 如何に考察しても、当該女性教諭の持つ“先天的異様さ”が表ざたになった事件であろう。