(写真は、今回台北にて宿泊したホテルの近くにて撮影した風景。 本文とは一切無関係です。)
まず最初に紹介する台北旅行“失敗編”は、台湾ならずとも何処の旅行先でも起こり得るトラブルである事をお断りしておこう。
それにしても、私はこのトラブルにより命を失うかと一瞬本気でおののいた。

旅行出発前より日本は台風7号上陸が予報され、出発が叶うのかどうか気をもまされた。 ラッキーにも7号のスピードが加速し、(東北・北海道の皆様には申し訳ないが)これで我々は成田から飛び立てると安堵した。 成田に到着してみると外は風雨が強まっている様子だ。 それでも、我々を乗せた航空機は台北へ向かって飛び立ってくれた。
その台風の影響で、出発前頃東京は湿度が高い寝苦しい夜が続いていた。 夜中にクーラーの風で喉が痛むわ寝苦しいわで、疲れ果てての出発だったことを思い起こす。
旅行初日、台北のホテルに到着したのは19時頃と記憶している。
「体の疲れもあるし今夜は食事だけして来て寝よう」と娘と話合い、ホテル近くの台湾レストランにて夕食を取った。
その後ホテルに戻って、まず私からお風呂に入る段取りとなった。
ここで、「事件」(「事故」と言うべきだろう)が発生した。
バスルーム内のバスタブの底がフラットではなく、丸く湾曲している事に私は気付いていた。 湯船に浸かる分には心地よかろうが、シャワー時に足元が不安定だろうと予測した途端!
まさにボディソープを使用し始めるや否や、私は足を滑らせた。
転倒事故は2年前にも自宅ベランダにて経験済み(左鎖骨・右手首同時骨折の重傷にて半年程苦しんだ)だが、人は転倒せんとする際、倒れ込むまでの一瞬に無意識に何かを掴んで身を守ろうとするものだ。
私は今回、咄嗟にシャワーカーテンを掴んだようだ。
にもかかわらず転倒は防げず、私はバスタブの縁で後頭部の首の付け根あたりを強打した。
医学関係者の私は、咄嗟に「打ち所が悪い…」事を悟らざるを得なかった……。
打った箇所である首の付け根が尋常ではなく痛むものの、幸いな事に意識はしっかりしていた。
しかも不運には、転倒中に私が掴んだシャワーカーテンの取付けバックル(プラスチック製)が私の重みで根こそぎ破壊され浴室中に散らばった状態でカーテンが外れた。
(これは、ホテルへの損害賠償費用が発生するな)と腹をくくりつつ…
とりあえず、娘に「事故」の報告をするべきだろう。
部屋にいた娘は、浴室から発生した転倒時の大音量に驚きおののいていた。
そんな娘に私は告げた。 「今、バスタブで転んで後頭部の首の付け根辺りを強打したが、この通り意識はしっかりしている。 本来なら直ぐに病院で見て貰った方が良いのだろうが、何分ここは外国だ。 しかも夜分のこの時間にホテル内で大騒ぎして病院へ運ばれたとて、何処の国も夜間は専門医が手薄であろうことは想像がつく。 ここは意識がしっかりしている事もあるし、今夜は安静にして様子をみる。 もしも、明日悪化しているようならば一人で病院へ行くから、貴方はせっかくの夏休みなのだから休暇を楽しみなさい。 シャワーカーテンが外れてしまっている事も有るし、バスタブ内では立たずに座り込んで足元に十分注意しながらからシャワーしなさい。」
そしてベッドに入った私の次なる課題は、“シャワーカーテン破損”に関するホテルへの損害賠償の件だ。
とにかく明日の朝、ホテルのフロントで「事故報告」をしよう。 破損したのはプラスチック製のバックルだし、おそらく修繕費も含め大した金額ではなかろう。 旅行保険に入っているが、それに連絡していたのでは手間取るし通信費負担の方こそが膨大だろう。 ここは自腹で支払って済ませるべきだ。 などと首の痛みを堪えつつ考えていると、眠れやしない。 出発前からの寝不足に追い打ちをかけ、体が疲労していく‥…
翌朝、早速私はホテルのフロントへ行った。 首は痛むものの、その行為が可能な程に私は気丈だった。
フロントが日本語が出来るスタッフを呼んでくれ、事故報告が始まる。
ところが、スタッフ氏が日本語が出来るとはいえカタコトだ。 観光業の皆さんは観光用語に関してはとても流暢だが、ことトラブル報告となると勝手が違う様子だ。
英語も交えつつ、両者間でカタコト事故報告をしたものの、要点が通じたかどうか不安感が残る。
私側としては、自分が転んだ事は自己責任だから自分で処理するとして、シャワーカーテン破損に関しては誠意をもって損害賠償すると伝えたつもりだ。
が、ホテル側は私がバスタブ内で転んだ事に要点を置いた様子なのだ。 (これはホテル側としては正当な対応かもしれないが)とにかく我々が観光に出ている間に部屋に入り、バスタブの様子を見て対処するとの返事だった。
そして、ふらつきや視力の衰えを感じるものの(これは事故のせいか寝不足や猛暑による疲れのせいか、あるいは単に自分自身の老化現象か
不明だが、帰国した現在も続いている)首の痛みを我慢しつつ、娘と共に観光に出た。
夕方、ホテルへ戻ってフロントに結果を確認すると、やはりカタコトの日本語で「今朝の事故報告の件、対応しました。お怪我の方は大丈夫ですか?」と心配して下さる。 私が「大丈夫です、ありがとうございます。 それで、損害賠償額は如何程ですか?」と尋ねると、「必要ありません」との返答だ。
部屋に戻りバスタブを見ると、その底に転倒防止のマットが敷かれていた。 シャワーカーテン破損に関しては、私が破損したそのままの状態で放置されていた。
娘と今一度話し合った。 「これ、ホテル側としては私がバスタブ内で転倒した事にいちゃもんを付けた、と判断したようだね。 ただ、シャワーカーテンを外れたまま放置してあるということは、我々が帰国後修理して、その費用額を日本まで請求してくるのだろうかね???」ときつねにつままれたまま
、我々母娘は台北旅行を続ける事と相成る。
帰国後、未だホテルからシャワーカーテン修理損害賠償請求は来ない。
ホテルの親切心に甘えてこの事件を一件落着させてよいものかどうか… と、未だ痛みが残る首を抱えつつ私はバスタブ転倒事故を今振り返っている。
皆様、ご旅行の際は、くれぐれもバスタブ内で転ばないようお気を付けて!
まず最初に紹介する台北旅行“失敗編”は、台湾ならずとも何処の旅行先でも起こり得るトラブルである事をお断りしておこう。
それにしても、私はこのトラブルにより命を失うかと一瞬本気でおののいた。


旅行出発前より日本は台風7号上陸が予報され、出発が叶うのかどうか気をもまされた。 ラッキーにも7号のスピードが加速し、(東北・北海道の皆様には申し訳ないが)これで我々は成田から飛び立てると安堵した。 成田に到着してみると外は風雨が強まっている様子だ。 それでも、我々を乗せた航空機は台北へ向かって飛び立ってくれた。
その台風の影響で、出発前頃東京は湿度が高い寝苦しい夜が続いていた。 夜中にクーラーの風で喉が痛むわ寝苦しいわで、疲れ果てての出発だったことを思い起こす。
旅行初日、台北のホテルに到着したのは19時頃と記憶している。
「体の疲れもあるし今夜は食事だけして来て寝よう」と娘と話合い、ホテル近くの台湾レストランにて夕食を取った。
その後ホテルに戻って、まず私からお風呂に入る段取りとなった。
ここで、「事件」(「事故」と言うべきだろう)が発生した。
バスルーム内のバスタブの底がフラットではなく、丸く湾曲している事に私は気付いていた。 湯船に浸かる分には心地よかろうが、シャワー時に足元が不安定だろうと予測した途端!
まさにボディソープを使用し始めるや否や、私は足を滑らせた。

転倒事故は2年前にも自宅ベランダにて経験済み(左鎖骨・右手首同時骨折の重傷にて半年程苦しんだ)だが、人は転倒せんとする際、倒れ込むまでの一瞬に無意識に何かを掴んで身を守ろうとするものだ。
私は今回、咄嗟にシャワーカーテンを掴んだようだ。
にもかかわらず転倒は防げず、私はバスタブの縁で後頭部の首の付け根あたりを強打した。

医学関係者の私は、咄嗟に「打ち所が悪い…」事を悟らざるを得なかった……。

打った箇所である首の付け根が尋常ではなく痛むものの、幸いな事に意識はしっかりしていた。
しかも不運には、転倒中に私が掴んだシャワーカーテンの取付けバックル(プラスチック製)が私の重みで根こそぎ破壊され浴室中に散らばった状態でカーテンが外れた。
(これは、ホテルへの損害賠償費用が発生するな)と腹をくくりつつ…

とりあえず、娘に「事故」の報告をするべきだろう。
部屋にいた娘は、浴室から発生した転倒時の大音量に驚きおののいていた。
そんな娘に私は告げた。 「今、バスタブで転んで後頭部の首の付け根辺りを強打したが、この通り意識はしっかりしている。 本来なら直ぐに病院で見て貰った方が良いのだろうが、何分ここは外国だ。 しかも夜分のこの時間にホテル内で大騒ぎして病院へ運ばれたとて、何処の国も夜間は専門医が手薄であろうことは想像がつく。 ここは意識がしっかりしている事もあるし、今夜は安静にして様子をみる。 もしも、明日悪化しているようならば一人で病院へ行くから、貴方はせっかくの夏休みなのだから休暇を楽しみなさい。 シャワーカーテンが外れてしまっている事も有るし、バスタブ内では立たずに座り込んで足元に十分注意しながらからシャワーしなさい。」
そしてベッドに入った私の次なる課題は、“シャワーカーテン破損”に関するホテルへの損害賠償の件だ。
とにかく明日の朝、ホテルのフロントで「事故報告」をしよう。 破損したのはプラスチック製のバックルだし、おそらく修繕費も含め大した金額ではなかろう。 旅行保険に入っているが、それに連絡していたのでは手間取るし通信費負担の方こそが膨大だろう。 ここは自腹で支払って済ませるべきだ。 などと首の痛みを堪えつつ考えていると、眠れやしない。 出発前からの寝不足に追い打ちをかけ、体が疲労していく‥…
翌朝、早速私はホテルのフロントへ行った。 首は痛むものの、その行為が可能な程に私は気丈だった。
フロントが日本語が出来るスタッフを呼んでくれ、事故報告が始まる。
ところが、スタッフ氏が日本語が出来るとはいえカタコトだ。 観光業の皆さんは観光用語に関してはとても流暢だが、ことトラブル報告となると勝手が違う様子だ。
英語も交えつつ、両者間でカタコト事故報告をしたものの、要点が通じたかどうか不安感が残る。
私側としては、自分が転んだ事は自己責任だから自分で処理するとして、シャワーカーテン破損に関しては誠意をもって損害賠償すると伝えたつもりだ。
が、ホテル側は私がバスタブ内で転んだ事に要点を置いた様子なのだ。 (これはホテル側としては正当な対応かもしれないが)とにかく我々が観光に出ている間に部屋に入り、バスタブの様子を見て対処するとの返事だった。
そして、ふらつきや視力の衰えを感じるものの(これは事故のせいか寝不足や猛暑による疲れのせいか、あるいは単に自分自身の老化現象か

夕方、ホテルへ戻ってフロントに結果を確認すると、やはりカタコトの日本語で「今朝の事故報告の件、対応しました。お怪我の方は大丈夫ですか?」と心配して下さる。 私が「大丈夫です、ありがとうございます。 それで、損害賠償額は如何程ですか?」と尋ねると、「必要ありません」との返答だ。
部屋に戻りバスタブを見ると、その底に転倒防止のマットが敷かれていた。 シャワーカーテン破損に関しては、私が破損したそのままの状態で放置されていた。
娘と今一度話し合った。 「これ、ホテル側としては私がバスタブ内で転倒した事にいちゃもんを付けた、と判断したようだね。 ただ、シャワーカーテンを外れたまま放置してあるということは、我々が帰国後修理して、その費用額を日本まで請求してくるのだろうかね???」ときつねにつままれたまま


帰国後、未だホテルからシャワーカーテン修理損害賠償請求は来ない。
ホテルの親切心に甘えてこの事件を一件落着させてよいものかどうか… と、未だ痛みが残る首を抱えつつ私はバスタブ転倒事故を今振り返っている。
皆様、ご旅行の際は、くれぐれもバスタブ内で転ばないようお気を付けて!