◎志賀自身の、父との確執が投影されている
昨日の話の続きである。
今日、ウィキペディアには「清兵衛と瓢箪」という項があり、そこには、次のようなことが書かれている。
『清兵衛と瓢箪』(せいべえとひょうたん)は、志賀直哉の短編小説。1913年(大正2年)『読売新聞』に発表された。瓢箪をこよなく愛する少年と、その価値観が分からない大人達の作品である。ユーモラスな筆致の作品ながら、志賀自身の父との確執が投影されている。
同作品の初出は、『読売新聞』1913年1月1日号で、その後、『大津順吉』(新潮社、1917年6月)に収録されたという情報も得られる。
さらに、「あらすじ」、「登場人物」、そして「季節」まで紹介されている。
最後に、「作品解説」という見出しがあって、そこには、こうある。
作品の主題は「大人は自分の価値観でしかものを判断できず、子供の個性を抑圧する。しかしおさえつけられても子供はその個性をまた別のところで伸ばしていく」というところにあるといわれ、ほかの志賀の初期作品同様父子の対立が根底にある。また志賀本人が尾道にいたころ船の中で訊いた話が題材となっており、志賀の経験が多分に含まれている作品でもある。
こういう便利なものがある以上、今日の中学生たち、高校生たちは、国語の教科書で「清兵衛と瓢箪」という作品に接しても、そこに何が読みとれるのか考える必要はない。この作品の意味するところは、ウィキペディアに「正解」を教えてくれるからである。
昨日の話の続きである。
今日、ウィキペディアには「清兵衛と瓢箪」という項があり、そこには、次のようなことが書かれている。
『清兵衛と瓢箪』(せいべえとひょうたん)は、志賀直哉の短編小説。1913年(大正2年)『読売新聞』に発表された。瓢箪をこよなく愛する少年と、その価値観が分からない大人達の作品である。ユーモラスな筆致の作品ながら、志賀自身の父との確執が投影されている。
同作品の初出は、『読売新聞』1913年1月1日号で、その後、『大津順吉』(新潮社、1917年6月)に収録されたという情報も得られる。
さらに、「あらすじ」、「登場人物」、そして「季節」まで紹介されている。
最後に、「作品解説」という見出しがあって、そこには、こうある。
作品の主題は「大人は自分の価値観でしかものを判断できず、子供の個性を抑圧する。しかしおさえつけられても子供はその個性をまた別のところで伸ばしていく」というところにあるといわれ、ほかの志賀の初期作品同様父子の対立が根底にある。また志賀本人が尾道にいたころ船の中で訊いた話が題材となっており、志賀の経験が多分に含まれている作品でもある。
こういう便利なものがある以上、今日の中学生たち、高校生たちは、国語の教科書で「清兵衛と瓢箪」という作品に接しても、そこに何が読みとれるのか考える必要はない。この作品の意味するところは、ウィキペディアに「正解」を教えてくれるからである。
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