新聞の片隅に載ったニュースから(76)
内定者(の)27%「将来転職も」 希望職種より「まず就職」
大学生協連調査(2013. 2.14 中日新聞)
就職活動で内定を得た大学生の26.7%が将来の転職や中途退職を考えていることが全国大学生協連の「学生実態調査」で分かった。終身雇用や年功序列が揺らぐ中、学生の側もクールに自分の就職先をとらえている。
調査は昨年秋に実施。全国36大学の学生8609人が回答した。内定を得た大学四年生のうち「卒業後最初の就職先からの転職や中途退職を考えている」と答えたのは26.7%。就職で何が不安かを聞いたところ「仕事が続けられるか」を挙げたのは四年生全体の28.5%で、一年前より5.1㌽増えた。女子学生全体の11.7%が「結婚や妊娠を機に退職したい」と答え、専業主婦志向の強まりも明らかになった。
同生協連全国学生委員会の鈴木隆介副委員長は「厳しい就職状況の中、なりたい職種をあきらめ、取あえず内定を得ようという学生が増えている」と分析した。
下宿生の経済状況については、仕送りの平均は月6万9610円で、6年連続で減少。仕送りゼロの割合は4年連続で10%を超えた。一方、アルバイト収入は月2万3100円で2011年より1560円増えた。暮らし向きについて「大変楽」「楽な方」と答える学生が合わせて50.5%となり、調査記録が残る1980年以降、初めて過半数に達した。
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希望の職種に就けないだろうと最初からあきらめ、就職後に転職することを考える――なんとも可哀想な話です。いわゆる構造改革で大企業は雇用を減らしたり、非正規雇用に切り替えたりした結果が若者の将来の夢を奪っています。
同じ全国大学生協連の調査で、大学生の学習時間についての調査結果をNHKのニュースが伝えていました。それによりますと、大学生が講義の予習や復習など一日の学習をする時間を尋ねたところ、文系の学生が平均28分、理系の学生が48分、全体で39分でした。
さらに1週間の学習時間がゼロと答えたのは、1年生が7,6%、2年生が10,2%、3年生が11.7%、4年生が12.8%と学年が上がるにつれ増えていました。特に文系の4年生は18.2%で、およそ5人に1人が1週間の学習時間がゼロと答えていました。
先の下宿生の経済状況で、仕送りゼロの学生が1割以上おり、親の仕送り額も減っているということですが、社会全体で働く人の年収が減ってきているからでしょう。アルバイトの収入が増えていますが、アルバイトの賃金が上がったのではなく、勤務時間が増えたことによる収入増でしょう。
生活のためにアルバイトに追われ、就活に時間をとられ、オチオチ勉強もしておれないというのが今の日本の大学生の現状です。安倍首相は財界団体に賃金を上げるよう要請しましたが、たんなる要請ではなく、雇用条件改善の法的措置を講ずることが必要です。
大西 五郎