老後ギター上達法、僕の場合 文科系
久々に僕のクラシック・ギター人生を振り返ってみたい。振り返る視点は、こういうもの。アマチュア音楽活動において楽しみを増やし、大きくする一つの方法ということである。
①人前で弾ける曲はないという拙い一人習いから、定年退職後の62歳に初めて先生について、16年ほどたった僕は、音だしの基礎習いの後はずっと、好きな曲を選び暗譜主義でやってきた。極端に言えば、1~2小節ごとにくそ暗記して、それをつなげていく。1ページの楽譜を1週間ほどかけた末に全曲暗譜し終えてから、おもむろに弾き込みにかかるというやり方だ。
②こういうやり方で、その都度技術的にとうてい無理な曲にも挑んで通し暗譜・弾き込みをしてきたが、そこで出てくる技術的難点は全部残っているという経過をたどってきた。これは、無理もないのである。習い始めて2年で魔笛やローボスのプレリュード1番を、3年でソルのグランソロなども暗譜群に載せて来たのだから。この暗譜群とはこういうものである。大好きな暗譜維持群目次を作り、それを月に数回りずつ弾いてきたということ。新たな曲を入れるためにここから落とした曲も多いし、魔笛の変奏曲とか大聖堂、アルハンブラとか、難点が残っていて人前では未だに弾く自信が持てない曲も含まれている、現時点では20数曲である。なお、僕の先生はこの特殊なやり方を全て認めて下さった。
③さて問題は、こういう音楽習得法のどこが良かったか。何よりも先ず、こんなことがある。大好きな曲、弾きたい曲をずっと暗譜し温めてきた前向きな気持ちから、技術的難点の自覚や克服へのエネルギー、「この曲は、音楽としてこう弾きたい」という改善、気持ちよさの深化などが、もたらされてきた。つまり、「読譜(弾き)という不自由」に費やす神経を、技術的難点の自覚、修正や、「その曲の気持ちよさの創出」などに自由に費やすことができたということである。
④そして今では、こんな喜びも生まれるに至った。人前で弾けなかった暗譜群曲や、暗譜群から落とした曲を復活させて、発表会で弾けるようになったこと。一昨年の発表会で弾いたバリオス「郷愁のショーロ」やタレガ「マリーア」がこの復活組に当たり、昨年のソルのエチュード作品6の11番(セゴビア編集ソルのエチュード20曲集の第17番)が今までは人前では弾けなかった暗譜群曲に当たる。そして、現在着手したのが魔笛の4回目のレッスン。今回気付いたことだが、この曲がもう一歩で、人前で弾けそうになっているのである。この曲に多い消音箇所とか、速いパッセージも含めてのことだ。
⑤さて、こんなやり方だと78歳になる僕がまだまだ上達できているのである。その主たる原因は、こう理解してきた。暗譜群のあちこちにある自分の技術的難点などと常に集中的に戦い続けていたという結果になっていること。「どれだけ苦労してもこの悪癖は直そう」としていくつかの基本技術的欠陥修正という結果を出してきたエネルギーもここから生まれたといって良い。たとえば、左手小指が薬指に連動してしまう硬さを苦労して直すことに成功しなかったら、郷愁のショーロもマリーアも、そして17番も、発表会では弾けなかったはずだ。
⑥最後になるが、高齢者のどんな活動でも最後は体力勝負。そして、活動年齢を伸ばしてくれる体力こそ、有酸素運動能力。酸素がよく回る細胞、身体は若いのである。ギターやパソコンの3時間ぐらいなんともないというように。ランニングが活動年齢伸ばしにこんなに効力があるとは、骨身にしみて感じてきたことであるが、これは今では世界医学会の常識になっていると言える。その証言がこのブログのいたるところにあるが、一例がこれ。『「よたよたランナー」の手記(222)走る、歩くで活動年齢が伸びる 2018年05月10日』。老後長くやりたいことがあるならば、有酸素運動(と活性酸素対策としてのポリフェノール摂取)は不可欠である。時速7キロ以上で歩ける老人は長生きすると医学界で言われるようになったが、これは血管や細胞が若いということだ。
久々に僕のクラシック・ギター人生を振り返ってみたい。振り返る視点は、こういうもの。アマチュア音楽活動において楽しみを増やし、大きくする一つの方法ということである。
①人前で弾ける曲はないという拙い一人習いから、定年退職後の62歳に初めて先生について、16年ほどたった僕は、音だしの基礎習いの後はずっと、好きな曲を選び暗譜主義でやってきた。極端に言えば、1~2小節ごとにくそ暗記して、それをつなげていく。1ページの楽譜を1週間ほどかけた末に全曲暗譜し終えてから、おもむろに弾き込みにかかるというやり方だ。
②こういうやり方で、その都度技術的にとうてい無理な曲にも挑んで通し暗譜・弾き込みをしてきたが、そこで出てくる技術的難点は全部残っているという経過をたどってきた。これは、無理もないのである。習い始めて2年で魔笛やローボスのプレリュード1番を、3年でソルのグランソロなども暗譜群に載せて来たのだから。この暗譜群とはこういうものである。大好きな暗譜維持群目次を作り、それを月に数回りずつ弾いてきたということ。新たな曲を入れるためにここから落とした曲も多いし、魔笛の変奏曲とか大聖堂、アルハンブラとか、難点が残っていて人前では未だに弾く自信が持てない曲も含まれている、現時点では20数曲である。なお、僕の先生はこの特殊なやり方を全て認めて下さった。
③さて問題は、こういう音楽習得法のどこが良かったか。何よりも先ず、こんなことがある。大好きな曲、弾きたい曲をずっと暗譜し温めてきた前向きな気持ちから、技術的難点の自覚や克服へのエネルギー、「この曲は、音楽としてこう弾きたい」という改善、気持ちよさの深化などが、もたらされてきた。つまり、「読譜(弾き)という不自由」に費やす神経を、技術的難点の自覚、修正や、「その曲の気持ちよさの創出」などに自由に費やすことができたということである。
④そして今では、こんな喜びも生まれるに至った。人前で弾けなかった暗譜群曲や、暗譜群から落とした曲を復活させて、発表会で弾けるようになったこと。一昨年の発表会で弾いたバリオス「郷愁のショーロ」やタレガ「マリーア」がこの復活組に当たり、昨年のソルのエチュード作品6の11番(セゴビア編集ソルのエチュード20曲集の第17番)が今までは人前では弾けなかった暗譜群曲に当たる。そして、現在着手したのが魔笛の4回目のレッスン。今回気付いたことだが、この曲がもう一歩で、人前で弾けそうになっているのである。この曲に多い消音箇所とか、速いパッセージも含めてのことだ。
⑤さて、こんなやり方だと78歳になる僕がまだまだ上達できているのである。その主たる原因は、こう理解してきた。暗譜群のあちこちにある自分の技術的難点などと常に集中的に戦い続けていたという結果になっていること。「どれだけ苦労してもこの悪癖は直そう」としていくつかの基本技術的欠陥修正という結果を出してきたエネルギーもここから生まれたといって良い。たとえば、左手小指が薬指に連動してしまう硬さを苦労して直すことに成功しなかったら、郷愁のショーロもマリーアも、そして17番も、発表会では弾けなかったはずだ。
⑥最後になるが、高齢者のどんな活動でも最後は体力勝負。そして、活動年齢を伸ばしてくれる体力こそ、有酸素運動能力。酸素がよく回る細胞、身体は若いのである。ギターやパソコンの3時間ぐらいなんともないというように。ランニングが活動年齢伸ばしにこんなに効力があるとは、骨身にしみて感じてきたことであるが、これは今では世界医学会の常識になっていると言える。その証言がこのブログのいたるところにあるが、一例がこれ。『「よたよたランナー」の手記(222)走る、歩くで活動年齢が伸びる 2018年05月10日』。老後長くやりたいことがあるならば、有酸素運動(と活性酸素対策としてのポリフェノール摂取)は不可欠である。時速7キロ以上で歩ける老人は長生きすると医学界で言われるようになったが、これは血管や細胞が若いということだ。