九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

日本会議と自民党    文科系

2024年10月24日 16時36分45秒 | 国内政治・経済・社会問題
 皆さん、日本会議という団体をご存じだろうか。300名近い国会議員が加わった「明日の日本をこんな国にしよう」という団体である。こんな国の内容を、この団体の呼びかけ文「日本会議がめざすもの」からうかがってみよう。自民党大臣らが絶えず靖国神社に参拝するのは、こういう国家観によるものである。

 この文章の最初に「1 美しい伝統の国柄を明日の日本へ」と見出しされた部分があるが、その一節から、彼らの国家観がとてもよく分かるのである。
『私たちは、皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、「同じ日本人だ」という同胞感を育み、社会の安定を導きひいては国の力を大きくする原動力になると信じています。国際化が進み、社会が大きく変動しようとも、常に揺るがぬ誇り高い伝統ある国がらを、明日の日本に伝えていきたいと思います。私たちはそんな願いをもって皇室を敬愛するさまざまな国民運動や伝統文化を大切にする事業を全国で取り組んでまいります』

 次に、「4 日本の感性をはぐくむ教育の創造を」という部分には、こんな表現も入っている。
『特に行きすぎた権利偏重の教育、我が国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育、ジェンダーフリー教育の横行は、次代をになう子ども達のみずみずしい感性をマヒさせ、国への誇りや責任感を奪っています』

 さて、僕は、このような『皇室を中心』の『歴史観』など持っていないし、これを踏まえた『同じ日本人だという同胞感』もない。それどころか、こういう国家思想こそ、天皇主権の「大日本帝国憲法」下において、あの大戦や原爆投下にまで至った動向の最大動因の一つだったと考えている。その典型例の一つが「神風が吹くから、日本は結局勝つ」だろう。開戦決定をしたのも大元帥たる天皇だったのだし、ポツダム宣言受諾を遅らせることによって原爆を招いたのも天皇であった。するとこの人らによれば僕は『社会の安定を導きひいては国の力を大きくする原動力』にはなりえないのである。すると、「権利偏重」の「自虐的な歴史教育、ジェンダーフリー教育の横行」の元凶国民の一人ということから、彼らのめざす国の敵になるようだ。

 政治家の今の言動だけを見てはいけない。どんな国を造りたがっているかこそ長期的最重要思考のはずだ。さてあなたは、『皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、「同じ日本人だ」という同胞感』をお持ちかどうか?
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 「人形の家」、七去三従    文科系

2024年10月23日 22時59分03秒 | 国内政治・経済・社会問題
 僕の年代だと、標記の言葉、思想は常識に属することだろうが、若い人々には分かるだろうか? そして、ここに現れた思想こそ、保守政治(家庭論)とそれとの闘いが関わるキーワードの一つのように思ってきた。日米共通してのことだ。例えば、夫婦別姓、アメリカ福音派の「中絶反対」などなど。まとめて言えば、こういうことだろう。女性の社会的自立問題。家庭、子育てを事実上女性にのみ押しつけてきた社会的伝統。

 「人形の家」とは、イプセンのある戯曲名。主人公ノラの「人形から人間への自立」が描かれたものだ。この戯曲から、ノラが女性解放運動の伝統的象徴にされてきたと伝えられている。古い日本でいえば、「元始女性は太陽であった」の平塚ライチョウ、「青鞜社」のように。

 他方、日本女性に押しつけられてきた伝統が七去三従である。三従とはこういう女性道徳である。
「子ども時代は父に従い、結婚したら夫に従え。そして、年を取ったら子(家長を継いだ長男)に従うべし」
 七去は難しいが、とにかくこういうもの。次の七つのどれかがあれば、妻が離縁されても文句も言えないというものである。子がないこと、義父母に従順でないこと、おしゃべり、窃盗、淫乱、嫉妬深い、悪疾があることの七つだ。

 さて、日本の農村などではまだまだこういう風習が残っていて、それが現に女性の自立、生き方を著しく抑え込む問題を生んで来たのではないか。一例、こんな「常識」もここから生み出され、農村育ちの男性などに残っている場合も多いだろう。
「子どもは3歳まで母が育てるべし」。そのために「いったん仕事を辞めても仕方ない」というところから、年齢別女性労働者人口の「M字型」ができあがって来たと言われる。Mの窪みが「いったん退職(後に、悪条件の再就職)」の年齢帯なのである。「母の掌こそ、育児の要諦」との育児思想がまた、このM字をもたらし、我が国の産休明け保育などの低年齢保育を歴史的に堂々と遅らせる口実になってきたのであった。今でこそ、保育、学童保育の「待機児童数」が失政として社会問題になっているが、昔の行政の言動を知る者にとっては、隔世の感があるところだ。

 家事を全くやらぬ男への今の「(熟年)離婚」問題も、「人形の家」や七去三従の類の思想から起こったものとも言えるだろう。こういう高齢男性は、ちょっと前には「ぬれ落ち葉」と呼ばれてきた。「掃いても掃いてもくっついて離れない」ことを指しているようだ。これがまた、少子化問題の原因にもなっているのである。
「この男相手じゃ、第2子なんてとんでもない」。

 自民党男性議員は、ほとんどが「人形の家」派なのではないだろうか。共働きは少ないだろうし。こんなところでも、日本の政治を考えてみることだと思う。夫婦別姓なんて、決して認められないはずだ。
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これでも、自民党国会議員を選ぶのか?  文科系

2024年10月17日 16時56分25秒 | 国内政治・経済・社会問題
    自民党とはどんな国会議員の集まりであるか。ちなみに、国会議員とは、税金を給料とし、税金を使って国民の生活を良くしていくためのいろんな法律を作り、それを執行していく行政機関の長を選び、この機関を見張る仕事である。それが以下のごとくでも国民はこれを選ぶのか。

・国民の家庭をめちゃくちゃにしてきた宗教団体の改名をご親切にも密かに認めてやり、その広告塔を努めてきたかわりに、この狂信者らに選挙支援を仰いできた議員たちである。
・違法承知で密かに金を集め、それが咎められてもまだこれが出来る道を残してきた議員たちだ。

 さて、こんな国会議員たちが自分らの本分をまともにやれるだろうか。国民の生活を良くすべく、まともな法律が作れるだろうか? 選挙当選を助け、そのために金をくれる利権屋たちだけの法律をひそかにいろいろ作り、執行させているのではないか。
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「裏金問題」の「表現」(その2)   文科系

2024年04月16日 15時56分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
 先回のエントリーに続いて、その2を書いてみたい。今回はこういう主旨のものだ。国会議員、政治家の大罪を日本人はすぐに忘れる。だから政治は一向に良くならず、また「第二の戦前」などと語られ始める始末。ところで、人が政治事件をすぐに忘れることについて、そういう諸事件をきっちりと表現しなければ、覚えていられないのだということを書いてみたい。
 
 まず、前回書いたことの要約。
①国の「法律」を作る「国権の最高機関」が国会である。
②裏金問題が示したのは、その国会の構成員である議員らの多くが「法律違反の確信犯」であったということだ。
③これは、警察官が犯罪を犯し、裁判官が被告人から賄賂をもらうのと同じ事であり、国民に託された最大任務における背信ということであるから、解任が当然だろう。

 さて、人間はどんな物事、事項も言葉で表現しなければ、その印象は薄れたままで、認識も深まらず、すぐに忘れるものだ。犬という言葉でさえ、この言葉に込められた知識は、幼少期から犬を体験するごとに同じ「犬」という言葉を思い出し、使ってより詳しく、正確に深めて来たのである。「自民党議員の圧倒的多数が、政党パーティーを開いて裏金作りをやっていた」という認識、「印象」程度では、その罪の大きさは表現されていないから、すぐに忘れるということだ。こんな重大事態は正確に表現してこそ、より正確に覚えていられるのではないか。それが上記の①~③だと言いたい。「裏金」は、「犬」など目に見え、手で触れる「物」ではなく、複雑なある社会事件だから、その表現も子どもでは手に負えぬ難しいものである。

 諸団体などで重大すぎるミスを犯した時に「始末書」というものを書いて、提出する習慣があった。これを二度と起こさないためには、「そのミスの重大さを自覚する必要」があるからである。始末書は、この重大さを表現して、自分や周辺に戒めとするものである。今回の関係国会議員らは全員、こう言う始末書を書いて、罪の重大さを自覚すべきである。でなければ彼らはこれをすぐに忘れていくだろう。選挙のためには、忘れたくて仕方ないことのはずだからだ。

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「裏金問題」の「表現」   文科系

2024年04月10日 10時02分04秒 | 国内政治・経済・社会問題
 この「政党パーティー裏金作り問題」だが、今朝の新聞を見ても国会が未だに大揺れだ。自民は新たな法案作りに進みたい一心だし、野党は「事態の解明が全く不十分」と強調している。これは野党が正しい。以前の裏金、リクルート問題でも、当時の新たな法案や、政党助成金新設などが、政界浄化に何の役にも立たなかったということだから、問題の深い根っこ、事態の解明、理解が不十分なのだと思うしかないのである。さて、この「裏金作り目的のパーティー問題」は、どこが、どう、問題なのか。この理解がいい加減だと、また同じことが起こる。なんせ、国会議員というものは選挙が全てで、選挙のためには何でもやるという動物と示してきたのだから。

 国会とは国の「最高権力機関」とされており、国の法律を作る組織である。その法律を作る国家最高「権威」組織の人物らが、しょっちゅう法律違反を犯す。それも集団で談合し合って、同じような法律違反を、何度も、何度も。これって、考えてみればこういうことだろう。
 警察官らが泥棒などの犯罪を犯したり、教員がしょっちゅう生徒を虐めたり、裁判官らが犯罪常習犯からたびたびワイロをもらっていたり。こういうとんでもない罪なのだが、国会議員の最大の関心、選挙当選には裏金も要るらしく、いつまでたってもなくならない。これは、「統一教会員を選挙に大々的に活用、動員するために、国会議員らが教会の広告塔を努めてきた」のと同根のことである。つまり、違法選挙のための常習的犯罪活動。警察官の犯罪や、教員の生徒虐めは、社会に託されたその本分における背信なのだから、それと同じ厳しさで臨まれるべきもの、それがこの問題の本質的性格なのだ強調したい。厳しく言えば、「即辞職」とされてさえ良いものだ。

 以上のことを、どうもマスコミさえ分かっているのかどうか、事柄の理解が不十分なのだと思う。事柄の十分な理解のためには、問題の言葉による正確な表現が必要なのだが、日本国民はこれが得意でないように思えて仕方ない。


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「国葬」という日本国大恥  文科系

2024年02月02日 16時49分53秒 | 国内政治・経済・社会問題
 国会議員とは、法律を作る人々。その人々が自分らの大々的違法行為で困窮しきっているのが、今の日本。

 統一教会改名を認めて、国民の家庭を破壊し、その見返りに大々的な選挙支援を受けてきた。改名を認めたのが、安倍派幹部の下村博文文科大臣で、同派の議員らからは「この相互支援の、何が、どこが、悪いのか?」との声も上がっていた。安倍晋三はこう言う流れの先頭に立っていたと報道された。

 次が、派閥パーティーの裏金作りで、安倍派がこのやり玉筆頭に上がり、派閥壊滅かという窮状にある。生前の安倍が「違法だから正す」と会合を持っていたのに、彼が死んだとたんに幹部らが「是正無し」という談合を行って、ここまで来たのだった。

 さて、こういう無法行為を行って、今や壊滅の瀬戸際というその派閥の代表者を、日本国は国政功労者よろしく、国葬に祭り上げたのだった。どうだろう、とんでもない国会議員たちではないか。法律を作る身で違法行為を繰り返し、「その結果として選挙に勝って長期政権を築いてきただけ」の人物が、日本史上珍しい国葬にされた。自民党って、こういう政党なのか?
  
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政治家と没道義社会   文科系

2024年01月29日 10時41分19秒 | 国内政治・経済・社会問題
 パーティー券収入不記載問題が収まらぬうちに、今度は「正体不明政治家秘書」問題が勃発した。こちらは、出先不明資金(公表できぬ事に使われるのだろう)と言うだけではなく、税金のネコババに繋がる事だから、罪が大きい。罪が大きいと言えば、統一教会問題はもっと大きな問題だ。ここで何回も述べてきたように、こういう性格のものだから。
 国民の税金を給料として、「国民の生活を良くせよ」を仕事とする国会議員が、ある宗教の広告塔を務め、その代償として絶大な選挙協力を仰ぐために、国民の家庭をガタガタにする宗教の改名を認めてきたということだから。

 さて、人の善悪には、法律的に罪になることと、それ以前の社会的道義というものがある。そして、新自由主義社会になってからこの方、前者がどんどん増えた代わりに、後者が目を覆うばかりに無視されてきたのではないか。逆に、こう言っても良かろう。前者がどんどん増えてきたのは、後者が顧みられなくなったからでは無かったか。日本の社会的道義心の高さは世界に有名だ。
「物を置き忘れても、戻ればそのまま」
 「商売は信用第一」というように、徳川300年の平和時代が、こういう庶民の道義心を育んだのだろうが、当時為政者の道義心も世界的に高かったのだろう。

 例えば、最も身近な道義心の現れの一つとも言える、両親扶養の問題を取り上げてみよう。今朝読んだネット記事にこんなのがあったから思いついたことだ。
「義理の母が嫁を呼び出して言明、説得。貴方は私らの面倒を見るのだからね。癖癖とした嫁いわく。そんな法律ありません。しばしのやり取りの後、傍らの義父が笑って曰く。嫁さんが正しい。もう義母さんに会いに来る必要は無いからね」
 嫁さんが正しいのだけれど、今の老人扶養制度不備のもとでは、両親の気持ちを思いやる心も当然必要なものだろう。そういう気持に対してお嫁さんが、法律(違反かどうか)をまず持ち出しているのだから、ある意味面白かった。

 事ほどさように、現代日本はすぐに法律(違反)かどうかをもちだし、それ以前の人を結びつける心の問題が放棄されている。政治家にはそう言うものこそ必要なのに、その政治家が「法律違反」さえなんのそのなのである。

 日本人のご先祖様に申し訳ないような気がしないのかなー? これでは、墓参りを重ねても、何の意味もないと、僕は思うのだが。
 
  
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「池田よしたか氏は、即議員を辞めろ」  文科系

2024年01月27日 07時14分12秒 | 国内政治・経済・社会問題
  パーティー券収入問題で国を騒がせている、国会議員、池田よしたか氏は、名古屋市の我が家の隣の区を基盤とするお方。それでなのだろうが、今日の毎日新聞に地元選挙民の色んな声が載っていた。それを全国に配信したい。興味のある方、是非読んでみて下さい。

「潔く議員を辞めるべきだ。(被告の)給与を、大変な思いをしている能登半島地震の被災者に使っては」

「会社員だったらすぐに解雇されるのに、(有罪が確定するまで)議員であり続けられる仕組み自体がおかしい」

「このまま議員を辞めなければ『給料泥棒』と批判が高まるばかりだ」

「(事務所のパソコンがドライバーなどの工具で破壊されていた疑いについて)そこまでするのかと信じられない。ひどすぎる」

 派閥解散の声も多いようだが、こういうことを無くすためにこそ政党補助金制度ができ、多額の税金も出て来たこととて、当然のことである。統一教会問題とともに、安倍派が特に酷いようで、安倍派への自民党内処理も必要だ。池田よしたか氏は「何でも安倍!」という彼の熱烈信者だったと伝えられてきた。その安倍でさえ生前に「パーティー券収入不記載は大問題だ。すぐに止めるべき」と動いていたと聞いている。黒川検事総長問題は、この事件に備えて出ていたのかも知れない。
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寺島実郞の「21世紀未来圏の日本・再生の構想」紹介  文科系

2024年01月14日 20時54分07秒 | 国内政治・経済・社会問題
 当ブログ誕生以来18年、初めてこんなに長く休みました。済みませんでした。何はともあれ、新年おめでとうございます。

 さて、月刊誌「世界」12月号から、寺島実郞の「21世紀未来圏の日本・再生の構想」と名付けられた論文が連載されている。12月号が「日本をめぐる世界情勢」、1月号が「多次元外交」、2月号が「耐久力強化の産業創生」と名付けられている。この論文を順を追って紹介していきたい。初めは今後の方針を出すための日本をめぐる世界情勢についてである。


 明治維新の頃の日本GDPは、世界全体の3%ていど、それが、敗戦時にはまた3%に戻って、高度成長時代を経た1994年には18%になっていたが、2023年にはまた3%台に戻っている。このようになった「外なる世界潮流と内なる日本の社会構造」をしっかりと再確認しておきたい」、これが12月号論文の中身である。

 この論文の前半分、「外なる世界秩序の流動化 『全員参加型秩序』における日本の役割」では、20世紀型の大国極構造は終わり、「公正な分配」「地球全体の共生」を図る制度設計への構想力が問われると述べられる。米中ロのどの極も正当性を失い、グローバルサウスの生存、影響力などが強調されている。対して日本は冷戦終結後、米国流の金融資本主義に埋没し、国連における存在感も著しく後退させてきたと述べられている。日本の国連分担金が2000年の21%から22年8%へと落ちる間に、中国のそれは1%から15%へと増えている。

「日本の内なる社会構造の変化 『異次元の高齢化』の先行モデルとして」が、この論文の後半である。ここではジェロントロジー(高齢化社会工学)なるものが中心的に論じられている。この道の先行モデルとして、世界に範を示せと語るのである。社会のお荷物になるのではなく、「年長者としての知見と責任を自覚して次世代のためにあるべき社会を残す基盤となるのかが問われる」と語られている。
 日本の人口が一億人を超えたのは、1966年。この時65歳以上は6・6%だったが、2050年人口はまた一億人に戻り、65歳以上が37%になる。彼らの力を借りない社会は衰退の一途だ。彼らの参画と活用を考えるべきと述べるのである。
「2022年現在、65歳以上の就業者数は912万とされるが、就業だけでなく、子育て、教育、文化活動、NPOなど、社会を支える活動への高齢者の参画が、社会の安定、民主主義の成熟にとって重要な意味を持つのである」
このことの詳論は、「世界」2月号で述べられることになる。


続く


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安倍元首相が「ルイ14世」と告発された時のこと  文科系

2023年12月29日 10時05分22秒 | 国内政治・経済・社会問題
 「時節」柄、去年の2月11日に掲載した物を再掲させていただく。モリカケサクラに統一教会問題よりもずっと酷い安倍の罪だった。多分、罪の自覚もなかったから、怖かったものだ。

安倍元首相は、あい変わらず自民党最大派閥を率い、内閣にも大きな発言力を行使しているようだ。このことが続く間、僕は彼の告発を続けていくつもりだ。このような人物がいまだに影の国家支配者であるという事実が、政治の道理に合わないからである。国権の最高機関・国会答弁などであれだけ嘘をつき続けたら、答弁資格などとうに失っているはずではないか。そんな彼のもう一つの大罪、検察庁法改正問題においては、安倍晋三氏は標記のように「ルイ14世」と呼ばれたのである。そう呼んだ人々がまた、元検事総長らそうそうたる検察OBの方々なのだ。以下は、雑誌世界3月号の金平茂紀『「赤木ファイル」を読む(下)』からの抜粋である。

『森友学園疑惑、加計学園疑惑などの構造的腐敗案件をことごとく不起訴とした国家検察の担い手のひとりは、黒川弘務・東京高検検事長(当時)だったと言われている。
 安倍政権は、黒川氏を検察トップの検事総長に就任させることを目論んで、無理筋の定年延長を含む検察庁法の改正を企てたが、その際、世論から非常に強い反発の声があがった。この時、戦後の検察庁の歴史の中でも前代未聞の特異な動きが出現した。2020年5月15日、松尾邦弘元検事総長ら検察OB14名が連名で、検事総長や検事長らの定年延長を可能とする検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出した。・・・・この法案は「検察の人事に政治権力が介入することを正当化する」と批判し、法案の撤回を求めた』

『以下、筆者の心に残った意見書の一部を少々長いが引用する。
「衆議院本会議で、安倍総理大臣は『検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした』旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」
「 ・・・・・ 検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない」
 ・・・・・
 意見書提出の3日後、安倍内閣は同法案の国会提出を断念し、廃案となった。』

 それにしても、歴代検察幹部が「ルイ14世だ」と言って猛反発し、この反対の後3日で廃案になるような法案に、安倍氏はなぜ着手できたのだろう。それも、近代以降の国家憲法体制にとって生命線とも言える三権分立の否定に繋がるようなものなのだ。これを、氏の周囲にもいろんな官僚らもいたはずなのに、どうして? 検察庁とは、国家の裁判への起訴権を握る唯一の組織なのだから、その起訴権を行政が左右できるようにしたかったと観るのが普通である。
 司法への起訴権を行政権の長が握る。やはり「ルイ14世」なのだ。そう言えば彼には、こんな国会答弁もあったな。
「私が国家ですよ!」
 国家基幹統計を今では四割も書き換えたと分かっている国家「危機」問題で長妻昭議員が行った国会質問への回答であった。安倍晋三氏、やはり国家理解そのものが独裁者的理解に傾いて悪辣な御仁なのである。国家とは第一にその国民、そしてその国民が三権に課した義務としての憲法という国民へのご自分の約束。こんな事さえ分かっているのかどうか。分かっているのなら、国民の一部を一人の公僕として「こんな人たち」とか「反日」とは呼べないはずなのだ。
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他ブログ記事の紹介  文科系

2023年12月10日 10時51分34秒 | 国内政治・経済・社会問題
いろんな都合が重なって、ブログも書けない。この18年間で初めてのことだ。そブログブログ友のある記事を紹介したい。「楕円と円 BY I.SATO」さんの本日の記事である。

『 内閣不信任案の提出を 2023年12月06日 | 日記

検察は総力を挙げて自民党の裏金問題の全容を白日の下に明らかにして欲しい。
東京五輪の誘致に当たって、よりにもよって官房機密費をIOC委員の買収に使わせた人物が長らく派閥のトップ、総理大臣にいた政党である。
 
組織的な裏金を何に使っていたのか。
官房長官が口が裂けてもひと事も喋れない。
別に「政府の立場」を質問しているわけでもない。
 
それにつけても思うのは、選んだのも選挙民、利益誘導を頼んだのも選挙民。
政治の貧困さがあらためて浮き彫りになった。
 
隣の韓国は政権交代により、前大統領が現職時代の悪行が暴かれて逮捕される国柄である。
土台が腐ったこの国の立て直しも政権交代でしか出来ない。
そのためには選挙民の刮目が必須だ。
 
そして、野党の毅然とした態度。
口を開けて柿が落ちてくるのを待つだけの何の理念もリーダーシップも無い岸田首相率いる内閣の不信任案を今出さずしていつ出すのか。
 
第一党の立憲民主党の泉党首の「国民がどこまで本気で政権を倒す思いを持っているかだ。」(5日 ラジオNIKKEI)というコメントには呆れ、悲しくなってきた。
本気になって欲しいのは今のところ野党第一党の立憲民主党である。


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あえて減額率を大きくした生活保護費  文科系

2023年12月04日 07時51分57秒 | 国内政治・経済・社会問題
 今月1日の前回書いた「生活保護訴訟勝利の意味」が、本日の毎日新聞で社説になっている。『生活保護減額は「違法」 命綱軽視の姿勢改める時』という見出しがついたものだが、学ぶところが多かった。なぜ違法なのか、その解説を中心に、要約してみよう。

この裁判判決ではこう断じられているとのこと。
『「合理的根拠のない手法を積み重ね、あえて減額率を大きくした」と厳しく批判した。国は重く受け止めるべきだ』
 ここで言う「合理的根拠のない手法を積み重ね」の例も数え上げられている。
 一つは、「独自の物価指数を採用したこと」となっており、パソコンなどの下落率が過度に反映される仕組みで、生活保護世帯の実態に合っていない上に、「物価が下落している時期のデータを使って算定し、直前の食料品や原油の値上がりを考慮していなかった」
 その上で、関連してこの問題の大きさまでをこう説いている。
『その基準額は、住民税や健康保険料、最低賃金、社会保障給付などととも連動しており、国民生活に幅広く影響が及ぶ』


 国民に必要な大事な内容だと思う。そう思って見直すと3日の社説にはこんな見出しの記事が載っていた。
『診療報酬の改定 現場のひずみ正す契機に』
 2年に一度見直され24年に適用されるこれに、ひずみが多すぎるというのである。上記の生活保護費の根拠が見直されるなら、これも当然ということかも知れない。がともかく、生活保護とともに国がやろうとしている政策がよく見える記事である。しかも、生活保護と医療だから、国民必須の知識ではないか。生活保護には教育の機会均等も含まれているのだから。

 僕は全国で三番目に言い多い中日新聞に、毎日、朝日新聞と何回か購読紙を換えてきたが、毎日が一番良いのではないか。視野が広く、肝腎な問題(の観点)で積み重ねを感じるのである。編集部、記者の目が良いということだろう。


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生活保護裁判勝利の意味  文科系

2023年12月01日 10時28分08秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨日名古屋高裁で、生活保護減額が保護法に違反しているから、国は減額国民に賠償をも払えという判決が下った。今時心がほっとする判決で、流石日本国憲法、「健康で文化的な最低限度の生活」の国という感慨を持った。08年以降、物価が上がっていないから保護費据え置きとしてきた政府への憲法判断なのである。アメリカシカゴ大学経済学派発の新自由主義が、1980年代以来ケインズ経済学的公正・福祉を世界政治からどんどん奪ってきたと観てきたからこの感慨がさらに深かったのである。生活保護、教育の機会均等、医療などは、「国家政治運営のそういう考え方」として、20世紀世界の民主主義発展を彩ってきた典型事例と考えるから、この感慨はより深くなった。ちょうど、堤未果が書いた「ナオミ・クラインの『ショック革命論』紹介」本を読んでいたところだったし。
 世界は、絶対にケインズ的国家経営思想を取り戻さなければならないとずっと思ってきたものである。「大きな政府」は、今ますます正しい。民主主義国家というなら、選挙制度だけではなく、こういう判決は当たり前のことだ。


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随筆紹介  農畜産物が外国産ばかり   文科系

2023年10月25日 09時08分19秒 | 国内政治・経済・社会問題
 随筆紹介 農畜産物が外国産ばかり   K.Yさんの作品です

                            
 野菜作りをやり始め、農協やコーナンで買った野菜の種はすべて外国産と知って、驚いた。ブロッコリー(韓国)、カリフラワー(チリ)、ほうれん草(デンマーク)、黒田五寸人参(南アフリカ)、秋どり胡瓜(中国)、スナックえんどう(アメリカ)、宮重大根(アメリカ)、耐病総太り大根(オーストラリア)、貝塚黄玉葱(イタリア)、赤玉葱(南アフリカ)とある。

 なぜ外国産なのかを調べてみた。第一は品質であり、第二は価格だった。日本のような狭い畑では、隣から別の種類の花粉が入り込むが、海外の広大な畑だと、目的の種となる。さらに日本のような高温多湿では、野菜が病気にかかりやすい。乾燥した海外に、種苗会社は種を運び、育ててもらい、日本に戻すのである。日本で育てるなら温室となるが、価格が合わない。

 こんな海外一辺倒から、さらに驚愕は物価の優等生だった卵のこと。私はてっきり純粋な国産と誤解していた。日本人が食用にする卵を生む鶏、食肉用の鶏のほとんどが日本生まれである。だから自給率はものすごく高く見える。しかし、この鶏たちを生む親鳥や祖父母鳥は海外からヒヨコで九六%も輸入している。卵用はハンガリー、フランス、カナダ、アメリカから。肉用はイギリス、アメリカ、フランス、ニュージーランドから。
 昨年以降、鳥インフルエンザ、トウモロコシなどの原料価格の高騰で、卵の価格は急上昇した。さらに、将来海外の気候、戦争、病気、原油高騰によってヒヨコの輸入が中断すると、卵や鶏肉、関連する食品が壊滅的打撃を受ける。

 気づいてみたら、極端に食糧リスクの高い日本になっている。自立できない食糧虚弱体質日本である。
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統一教会解散命令と国会議員資格  文科系

2023年10月13日 00時00分52秒 | 国内政治・経済・社会問題
 盛山文科相が昨12日会見を行い、旧統一教会への解散命令の請求を決定したと発表した。「宗教法人 世界平和統一家庭連合に対し、解散命令請求を行うことについて、相当であるとの全会一致のご意見でありました」
 この団体の「悪質性」が、「組織性」、「継続性」をもって展開されてきたということから、裁判所に宗教団体としての解散命令を出してと、請求されるわけだ。

 さて、こうなると次に問われるのが、これ。こういう団体の改名を2015年にどうして文科省が認めてやったのか。統一教会という既に知れ渡ったその「悪名」をなぜわざわざ改名してやり、その悪質行動をさらにのさばらせてやったのか。この改名があったからこそ、自民党国会議員との相互援助関係が以下のように大きく広がっていったのではなかったか。
 180名もの自民党国会議員がこの団体と相互援助関係を持ってきた。議員が団体の広告塔を務め、教会員がその選挙を熱烈支援するという互恵関係である。広告塔の一例をあげれば、萩生田光一元文科相、現政調会長などは、会合への出席挨拶どころか、そこでの講演を行ったうえに、会費まで納め、その対価のように「選挙におけるボランティア支援」を受けて来たという。萩生田氏がその選挙区八王子において、統一教会の社会的信用を高め、その被害を増やして来たと言えるはずだ。
 税金で雇われて国民の幸せを作れとされた公務員、「全体の奉仕者」であるべきなのに国民生活破壊の片棒を担いでいたというこんな人物が、自民党の政調会長?! 一体どんな政策判断が成されるのやらとばかりに、自民党不信になって当たり前だ。

 そして本日13日、こんな会見があると、以下は朝日デジタルの記事だ。
『 細田議長が13日に会見 旧統一教会問題の説明や会見のあり方焦点 10/12(木) 21:15配信
 細田博之衆院議長(79)は13日午後2時から、議長公邸で記者会見を開く。体調の問題で議長を辞任する意向を表明するとみられる。濃密な関係が指摘される世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とのつながりや・・・数々の問題をめぐり、記者会見の求めに応じてこなかった細田氏が、「言論の府」のトップにふさわしい説明責任を果たせるかが焦点だ。』
 国会は国権の最高機関。その議長とは、「言論の府のトップ」どころか「国『権』の象徴」である。国「権」の象徴人物が、統一教会を懸命に推していたら、その罪は最高に重い! 


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