①日本の若者は西欧と違って、親元で暮らすパラサイトシングルが多い。地方などは特にそうだ。
②③については、何よりもこんなことを言う。男女とも、育った家庭並みの生活を望むのだが、1人の収入で子どもを大学にやれるような男性は非常に少なくなった。次いで、仕事による自己実現を求める西欧女性と違って「日本女性は仕事よりも(育った親の家庭並みの)消費生活を求めている」という現実があるなどなどと、この本は現状分析するのである。
僕、文科系は、このブログでこう述べてきたが、それを肯定してくれるのがこの本であった。日本では今、50歳まで一度も結婚したことがない男性が4人に1人に近づいている。それは、結婚相手に選んでもらえない低収入男性が増えたからだ。
こうなった原因はこの30年近くの日本の貧困化にあって、国民1人当たりの購買力平価GDPがわずか25年ほどで世界5位あたりから31位にまで落ちたことによってもたらされた。そして、このことを原因と見ないような少子化対策ばかりを政府がやって来たとこの本も述べているのである。該当箇所に、こんな文章があった。長い引用になるが・・・・。
当時、これほど評判の悪かった指摘はなかった・・・1990年代後半のマスメディアや政府は、この事実への言及を避けていた。
政府関係の研究会で、私がこの指摘をしたところ、政府のある高官から、「私の立場で、山田君が言ったことを言ったら、首が飛んでしまう」と言われたことがある。
当時、大手の新聞では、私の発言の該当部分は記事にならなかった。
ある地方公共団体に依頼され執筆したエッセーに関しては、担当課長が、削除を依頼しにわざわざ大学までやって来て、頭を下げられたこともある。
その理由は、「収入の低い男性は結婚相手として選ばれにくい」という指摘は事実であっても差別的発言だから(たとえ報告書であっても)公で発表することはできない、それだけではなく、それを前提とした政策をとることはできない、というものである』(48~49ページ)
9条バトル。ブログを読んでいる皆さんにも、是非「孫崎享 つぶやき」をお勧めしたい。このブログは、健康維持のこと、芸術のことなどなども時々載っていて、その点僕の内容によく似ている。政治も生活も語ろう、生活人が政治を語るのだからという自然体なのだ。
他ブログを推奨したついでにもう一言。前に述べたマイクロソフトビーイングの「Web検索画面」のことだが、9月の拙稿は全部掲載、10月も今のところそうなっていると報告しておきたい。ただ、同じ原稿になぜか「載せたり、落としたり」が何度か繰り返されることがあったということも確認されているとは、お知らせしておきたい。
面白いことに、「初め載せなかった記事を何日か経って載せたり、それをまた消したりなどして、結局載せている」というのも同数ほどあるから、ますます興味深いのである。
・ウクライナ戦争について僕が最近多く書くウクライナ側不利情報の関連は落ちる事が多い。
・「日本サッカー盛り上げ」記事、対照的に、「日本プロ野球批判」記事がよく落とされる。
・日本の新聞名を上げた記事批判などの記事はほぼ落とされる。
・極少ない例だが、10月1日の「日本右人士の盲点・国連」が落とされた。力を入れて書いたものだったから、僕にとっては落ちたことが意外という意味で特筆ものだった。
・逆に、明らかに日本政治記事でも載るのは、自民党批判。これは事実なら何でも載るから面白い。
以上から言える事はこんな感じなのか。この検閲はやはり、アメリカサイドの「『政治的あるいは商売的』検閲なのだ」。例えば、安倍派ら日本超保守派が大嫌いな「南京」や「慰安婦」もほとんど載るのだから。こうしてこの「Microsoft Bingの検索画面」の役割というのは、アメリカサイドのブログ監視・調査というものだろう。そう思った。
「ということは、牛飲馬食だけで、罪や愛は存在しないと?」
これに対してはこう答えることにしてある。
ブログの記事一つ一つの紹介をマイクロソフトビーイング画面で行っていること、それで僕のブログ記事がこの「webネット検索」画面に出てくるかどうかを調べてきたことなどを、ここで何度か報告してきた。その結果分かったのが、僕の記事はほとんど紹介されていること。その上で、最近の不掲載傾向2点を論じてみたい。
一つは、代表サッカーの賛美記事、これは人気から言っても内容的にも掲載が当然と考えたが、最近僕にとっては大事なものが二つ落とされている。一つは、「今年面白い日本サッカー」(8月25日)と「まさに『空前』、代表サッカー」(9月14日)である。
今一つは、ウクライナ戦争に関するもので、8月29日の「ウクライナ、二つの人道回路頓挫」と、この7日「〝ウ戦争のオカシサ〟解禁」などであり、昨日16日の「小泉悠論文に一言」もその日の内には載らず、怪しい。
記事紹介の多くが、掲載と同時にとか直後にとかに紹介されており、怪しいものは何日か経って掲載ということもある。例えば8月28日の「ネイマールをめぐる〝サッカー文化〟論」は、何日か経ってから載っている。逆に、上記「ウクライナ、二つの人道回路頓挫」は、不掲載から掲載、そしてまた不掲載へと二転していたから面白い。ちなみに、普通は一度載ったものはほぼずっと紹介されたままになっているものだ。数年前と古い物でもそうだから、驚くのである。
以上から僕は、こんな事を疑う。マイクロソフトがアメリカ政府には秘密はないという形でぴったりと繋がっていることはスノーデンの告発で有名になったけど、ウクライナ戦争と日本サッカー(の発展とか大人気とか)に関わる情報についてはどうも、自己規制、検閲がかかっているようだ。サッカー記事不掲載は、日米協力し合った「世界的な野球の普及、宣伝」と結びついているのだと思う。
17日正午ごろの追加
このエントリー掲載は17日午前0時9分。その後今までの間に、マイクロソフトビーイング検索画面に、こんな変化が起こった。「史上空前、代表サッカー」は掲載、16日の「小泉悠論文批判」も掲載された。が、ウクライナ戦争関連の二つは不掲載。やはりどうも、ウクライナ関係は検閲がかかっているようだ。