九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆紹介 無一物   文科系

2020年02月29日 02時25分46秒 | 文芸作品

      無一物    S・Yさんの作品です

 禅語に「本来無一物」という言葉がある。禅では、人間は本来完全である、そうだ。
 宗教は一般的に、神は完全であり人間は不完全である。無力な人間が、努力をしてパワーアップしていく、足し算の思想だ。 
 それに対して禅は、よけいなものをしょいこんでいるから、しんどいのだという。身にまとっているものを剥ぎ取って、着ぶくれた余分なものを脱いでいく。丸裸の自分に立ち返れば新たな力が現れてくるという、引き算の思想だ。

 だからという訳ではないのだが、人生で何度目かの「断捨離」を始めた。自身の年齢を考えたら「終活」かも知れないが、この言い方はあまり好きではない。
 衣類は時々整理をしているので、今回は書物や書類から手をつけた。が、予想していた通り、全くはかどらない。旅行や趣味のパンフや資料、講演会のテキスト、何十年も書き溜めてあった雑文の数々。読み返せば当時に時間が戻ってしまう。師と仰ぐ方々は大半が亡くなられたが、懐かしさやその時々の思いにふけってしまうのだ。確実に歳月が流れ去っていったのが思い知らされて切ない。  
 娘からの手紙も出てきた。彼女が結婚した時のものだ。
「子どもは親を選べないというけど、私のお母さんになってくれて、ほんとにありがとう 我儘な私と親子になって、育ててくれたこと、感謝しています。私もお母さんのように家庭を築いていくねーー」。生後直ぐに母を亡くして親類宅に預けられていたこの子を、二歳の誕生日に引き取ったことが思い出される。
 手紙は十年近くも前、娘が家を出ていくときに手渡してくれたものだ。この時も感激しただろうにすっかり忘れていて、不覚にも涙した。近ごろ、涙もろくもなっている。

 これでいいのだろうかと迷いつつ、今まで手探りで私なりに生きてきた。余生がどのくらいあるかはわからないが、時々、何もかもをかなぐり捨てて自分を空っぽにしてみたいと思う。
 ものに執着し、周りの顔色を伺う生活は、だんだんに面倒くさくなってきた。
 あれをしたい、これも欲しいと思えるのは若かったせいもあるのだろうか。
「本来無一物」とは、一切のものから自由自在になった心境をいうらしい。なんと潔く、清々しいことだろう。歳をとるとは、まさに引き算だと思える。

 

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随筆紹介  寒すずめ   文科系

2020年02月28日 18時43分48秒 | 文芸作品

  寒すずめ   K・Kさんの作品です

 老人ホームにお世話になっている九十六歳の母と昼食に出掛けた。郊外にあるショッピングセンターは、駐車場の周りに店が並んでいる。フードコートは家族連れも多く母は興味深そうに眺める。お気に入りの席は窓際、外はくもり空、「寒すずめがあんなに沢山止まっている」屋根の上を指差している。
 少しして隣のテーブルに一~二歳位の女の子が、幼児用の椅子に座った。きょろきょろと周りを見て母と目が合った。「可愛いね」目を細めて話しかけた。じーと遠慮なく見つめていたが、ニコッと白い小さな歯を見せて笑った。「年寄りを見ると、泣く子もいるから」言いながらも目を離さない。母は好物の親子丼を美味しそうに食べながら「可愛い、可愛い、で育っていくんだよね」独り言のように言う。二人とも頷いている。
 帰る時にバイバイと手を振ると、小さな手を振って返してくれた。母が思わず幼子の頭を撫でた。一瞬ドキッとした。初対面で急に触って気を悪くしなかっただろうか。迷惑かもしれない。でも両親は笑顔で見守っている。母はそんなことは気にもしないで、機嫌よくカートを押し、背を丸めゆっくりと歩いて行く。
 ホームに戻ると、担当の若い男性が「どんな美味しい物を食べてきたの?」優しく聞く。「えーと、美味しかったよ」元気な声で返す母。忘れたとは言わずの切り返しに「それは良かった」彼と私と母で大笑い。小さな事は気にしない。持ち前の明るさが母らしい。

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新自由主義経済がこう破綻した、と   文科系

2020年02月27日 19時29分42秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

  今、グローバル経済(学)は破綻した。この四〇年ほど世界を席巻してきた新自由主義経済に対して、世界の専門家らの間で重大な反省が巻き起こっている。まず、去年の八月二〇日夕刊に 小さな記事だったが、分かる人には分かる重大な出来事が報じられた。「株主最優先を米経済界転換」、こう見出しされたこの中日新聞記事の書き出しはこうだ。

『米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は一九日、株主の利益を最優先する従来の方針を見直し、従業員や顧客、地域社会など全ての利害関係者の利益を尊重する新たな行動指針を発表した。これまで米経済界は「株主利益の最大化」を標榜してきたが、大きな転換点となる』

 こういう反省が真摯なものか否か、実行などする気もない何かの策略かどうかなどは置いておいて、次は、一二月三日の米政治週刊誌「ニューズウイーク日本版」が組んだ特集「宗旨変えしたノーベル賞学者」。二人の世界的経済学者らの反省を載せている。まず、アベノミクスの論客とも言えるポール・クルーグマンは、こう反省しているのだそうだ。

『アメリカの製造業を支えてきた中間層が経済・社会的な大変動に見舞われることに気付かなかった。中国との競争でアメリカの労働者が被る深刻な痛手を過小評価していた』  

 他の経済ジャーナリストなども、経済学者らの過去理論をこう批判しているとのこと。『多くの経済学者が福祉を犠牲にし、効率性を最優先して「高賃金の雇用を切り捨て、低コストの技術産業に未来を託した」というのだ』
 という「反省」から、このニューズウイーク論文の末尾まとめはこういうものになっている。こちらは、もう一人のノーベル賞経済学者・ジョセフ・スティグリッツが九〇年代から指摘し続けてきたグローバリゼーション反省、批判をまとめた文章でもあるようだ。
『最大の負け組はやはり、アメリカの労働者だ。経済学者はかって、好況下では労働者は自分たちの賃金を引き上げる力を持つと考えていた。だが最近の見方はちょっと違う。多国籍企業が全世界を自らの縄張りに収めて四半世紀がたち、グローバル化した資本は国内に縛られたままの労働者よりも優位に立った。』

 さて、こう言った反省は、日本の誠実な経済学者達の間ではもうとっくに起こっていた。中谷巌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、多摩大学名誉学長、一橋大学名誉 教授)とか水野和夫(三菱UFJモルガン・スタンレー証券、法政大学教授)らがその代表者と言えるはずだ。中谷が「中産階級を没落させたのが、新自由主義経済政策最大の誤りだった」と反省したのだし、水野はこう述べている。「もう長い間金融バブル経済しかないというのは、既に資本主義の寿命が尽きたということだ」。それでさて、英米日などの政府は、どういう理論でもって今後の経済政策を行っていけるというのだろう。

 アメリカは「GAFA時価総額バブル」で、日本は「官製バブル」経済? その下には五〇歳まで結婚もできない低所得男性の群れ。日中への飴と鞭を続けざるを得ないアメリカ。もしアメリカから日中資金が逃げ出したら、米GAFAバブルなど即沈没だからである。日本の主流経済学者らの声も、今是非聴きたいものだ。曲学阿世でなければの話だが。

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ロイター発「日本安」    文科系

2020年02月24日 10時36分15秒 | 国内政治・経済・社会問題

 17日のヤフーニュースに、ロイター発の標記のことが載っていた。ロイターとは、ロンドンの配信屋。
『(日本の)GDP10─12月期は年率‐6.3%、内需総崩れで5期ぶりマイナス成長ロイター887
[東京 17日 ロイター] - 
 内閣府が17日発表した2019年10─12月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%となった。5四半期ぶりのマイナス成長となり、減少幅は2014年4─6月期以来の大きさとなった。台風や消費増税による駆け込み反動減、米中摩擦による不透明感などから、消費、設備投資もマイナスとなるなど、内需が総崩れ。外需も寄与度はプラスとはいえ、輸出の落ち込みより内需停滞による輸入の減少が上回った結果であり、内容は悪い』


 『内需(が総崩れ)停滞による輸入の減少』って、結局、株価の割に国民が貧乏でますます物が売れなくなったということだ。最も長期的には、アベノミクス大失敗の結末なのである。日本売りが心配になるばかりである。GAFAバブルを背景にした、レバレッジが怖い。

 アメリカ金融のこういう各国搾取を、一度国連レベルで総ざらえして、学び合うと良いのだ。アメリカ金融に金を奪われた国、諸団体などがある各国はこの強奪などを失政として隠したがるが、むしろ隠すからいけない。「皆で渡れば怖くない」ということである。
 独仏は既に、安全保障戦略会議において、アメリカを中ロ並みに批判しはじめている。これが正解。愛知県でさえ、南山大学、藤田保健衛生大学がそれぞれ100億ほどの金を奪い取られているのだから、中小国の通貨や小金持ちなどはひとたまりも無いわけである。

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喜寿ランナーの手記(282) 金哲彦の走法書に  文科系

2020年02月24日 10時00分34秒 | スポーツ

 本屋さんで標記の物を立ち読みした。その内容が、去年12月から形作り、慣れてきて、ここにも書いてきた僕の新走法とほとんど同じと分かって、意を強くした。
①「丹田と骨盤と肩甲骨とを意識して走る」は、体幹を意識してへそから前に出る要領で骨盤を運ぶ際に、その前脚の側の肘を心持ち大きめに後ろに引くとのべたことと同じだ。
②足を後ろには蹴り上げず、地面をつついた足のその反作用だけで体を宙に浮かし、①のように体幹を進めるとも書いてあった。

 と言うこの走り方にして約2ヶ月、これになれてきたところであるケガをして、この一週間走っていない。調子が出てきたところで残念無念だったが、先は長いということで休んでいた。また、明らかにこの新走法が原因で右足の小指付け根の下辺りにも軽い痛みがあるので、大事を取ったという意味もある。このか所は、いわゆる疲労骨折が起こる部位だからで、渡りに船の休養となった。地面をつついて走るのは、足裏への衝撃が大きいのだ。

 明日は走るつもりだが、丸々1週間の休みは、この年寄りには相当応えるのだから、出直しということになる。80歳に近くなっていくと、風邪なども含めてこの「出直し」が増えてくるものだ。

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横浜VSガンバ戦観戦記  文科系

2020年02月24日 09時11分21秒 | スポーツ

 ガンバの遠藤ヤットのJ1最多出場タイ記録がかかったゲームということもあってテレビを見たが、予想に違わぬ好ゲームになった。ちなみにここで言っておくが、W杯の遠藤について、ある批判を僕はここでもしつづけてきた。ザックジャパンのブラジル大会の不出来、早い敗退は、遠藤と本田が原因だったと今でも考えている。彼ら二人がザックのチーム戦術に最後まで抵抗していたから練習ゲームも生煮えの中途半端なままにコートジボアール戦突入となってしまったのだと。その対立の内容はこういうものであった。「危険なボールロストを避けるべく、主としてサイドからの速い攻撃」を指示したザックに対して、二人が「人数をかけた中央突破を意識した、繋ぎ尽くす攻撃」を主張して止まなかったのである。事実、この3人のこういう論争があったと、通訳の日記でも確認されている。

 さて、昨日のゲームである。1対2で去年の優勝チーム横浜が敗れたのだが、ガンバ決死の、かつ会心のできと言えるだろう。

 ゲーム開始と同時に両チームともが「前からの攻撃的守備(からのショートカウンター得点狙い)」で潰し合いを演じ、中盤のぶつかり合いが激しかったこと! 3分、4分とガンバの潰しが効いてシュートがつづいたが、6分に横浜ゴール前でガンバ勢がボールを追いかけ、GKのトラップミスを誘い、倉田の得点が生まれた。その後も中盤での潰し合いが激しく見応えがある中の35分、ガンバGKが早く押し上げた横浜DFライン裏を狙って、ロングフィード。これが左サイドを駆け上がっていった倉田に届き、中央に走り込んだ矢島へのパスから矢島シュートで0対2。これはオフサイドの疑いもあってVARにかかったが、白と判定されて確定した得点だった。
 ここまでの激闘では、ガンバの左サイド藤春が横浜のキーマン仲川をマンツーマンで抑えていたのが強く印象に残っている。また、前半のガンバは全員が死に物狂いのように走っていたから、最後まで持つかどうかと、心配していたものだ。

 さて後半である。25分ほどまでは前半と同じような展開が続いたが、そこから横浜の一方的攻撃が始まった。言い換えれば、前半を攻守に飛ばしたガンバが守りを強いられたのだが、それでもラインを下げずボール奪取・カウンターを覗かせていた戦い方には拍手を送っていたものだ。対する横浜は、オナイウもマルコスもシュートを何本か外したが、30分近くマルコスの見事すぎるゴールが決まった。ガンバ・ゴールに向かってやや右正面でボールを受けたマルコスは三人のディフェンダーに挟まれていて、しかもゴールに背を向けていたのだ。それが、左側DFがやや遠いと見た瞬間左にターン、振り向きざまのストレート・ボール様のシュートをゴールに向かって左上角に決めて見せた。キーパーの東口が触れないシュートで、まさに技あり。去年仲川と並んだ二人の得点王の一人というその片鱗を見せた見事過ぎるシュートだった。

 あとは、ガンバの死に物狂いの守備、その健闘をたたえるしかない。

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中国肺炎より遙かに猛烈、今の米インフル  文科系

2020年02月23日 02時50分24秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 もう先刻ご存じという方も多いはずだ。中国発コロナウイルス肺炎よりも、去年10月からアメリカで発生しているインフルの方が遙かに猛烈な被害が出ていると。なんせネットで調べてみたら、昨年秋以来のアメリカでは、肺炎などでの死者が1万数千人で、罹患者が3000万とかいうのだから。死者12000人を最低として遙かにこれを超えるだろうというのがいかにも異常で、これってアメリカ特有の民間保険にも福祉保険にも入れない相対的貧困家庭から出ているのではないかと考え込んだりしていた。問題のコロナウイルス肺炎の方は、通常日本のインフルよりもほんの少々重い程度とも改めて言われ始めたのだし。さらには、コロナウイルス肺炎による子ども被害はとても少ないようだし。それではて、どうしてこんな大騒ぎなのか。

 さて皆さん、それでなぜ中国発肺炎がこれほど騒がれるのか。僕はここに何か、誰かのマスコミ工作という作為を感じてならないのである。「大きく作られすぎたニュース」! これって、一種の大衆扇動の手口と感じられないだろうか? 何かの扇動、または、実験? こんなことで今のように必要以上に日中経済に大影響とかが起こっていたら、株価などは容易に操作できるんじゃないかななどなどと、考え込んでいる。なんせ「アラブの春」に見えたように、ちょっとした情報(扇動)で革命が起こせる世界なのである。誰がこんなことができるのか? ネット社会の怖さということだろうから、主体性を持ってネット社会に対するように、ご用心ご用心。 

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MVP仲川輝人とポステコグルー  文科系

2020年02月21日 10時21分52秒 | スポーツ

 横浜Fマリノスが、ACL2連勝と好調だ。それも、全北現代(2対1)、シドニーFC(4対0)と、それぞれ去年の両国チャンピオン・チーム相手に。全北戦は13日に「マリノスが強い!」をエントリーしたが、点差以上の圧勝だった。なんせ、シュート数では圧倒し、相手1得点もマリノスのGKが絡んだゴール前連携ミスによるもの。加えて後半の後半には、相手に二人目の退場。ゲーム中終始マリノス選手を追いかけていただけの全北は疲労困憊だったということだ。

 さて、シドニー戦でも2得点したここの仲川輝人は、今年のJリーグMVP。これがまた速いこと速いこと! 川崎の中村憲剛が「あれだけ速いのはうらやましい!」と述べたというのも既に有名。そんな仲川の言葉に、矢張り最近有名な名言がある。監督のポステコグルーのことを尋ねられて、答えた言葉が面白かったこと!
「もう、(ポステコグルーの)信者です」

 信者というのはよくよくの言葉だが、この監督に全幅の信頼を置いていて、「すべて、帰依する」という意味にとるのがよい。ここには、こんな体験も多く経てきたと思わせるものがある。ポステコグルーの特異な戦術は、日本選手としては必ず疑問を起こした事も多かったはずだから。
「この指示、あるいはこの戦術って、大丈夫なのかな」と考えたことも何度かあるが、全て大丈夫だったから、まー驚いたなー!

 Jリーグももう、監督こそ最も大事という時代に入ったのだ。ちょうど、今最強のイングランドリーグに世界の名監督ベスト3が集まっているように。それにしても、ポステコグルー、フィンク、長谷川健太から目が離せず、そこに川崎がどう割って入ってくるか、興味が尽きないのである。こんな時代に、名古屋のイタリア人監督はともかく、ブラジル人伝統・鹿島は大丈夫なのか?  

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米政治の「大本営発表」   文科系

2020年02月21日 07時11分20秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 スレイマニ司令官殺害に対するイランの報復攻撃被害を、アメリカははじめゼロと発表した。かなり経ってからそれを34名と訂正し、やがて50名、さらには109名となし崩しに修正発表している。嘘の多い国なのだ。戦争のことだからちょうど旧日本の大本営発表のように。

 また、現在進行中の大統領選挙民主党候補者決定投票の初戦アイオワ州では、2候補が勝利宣言をしていて、その再集計結果が未だ出せないでいる。州代議員獲得への仕組みがいくら複雑だとしても、こんな単純だが重大なことで2週間経っても正しい再集計、発表ができない? 2位と発表された一方が左派の社会民主主義者と言われているだけに、選挙不正が疑われてならない。この国が、ベネズエラやボリビアの大統領選挙にいちゃもんを付けて、政権をひっくり返したりして来たわけだから、面白いと言うか深刻というか?

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リバプール敗北、破ったのは?  文科系

2020年02月20日 10時50分46秒 | スポーツ

 この18日、ついに、リバプールが敗けた。近年特に世界の強豪揃いのイングランドプレミアリーグにおいて勝利数に関わる歴代記録をいろいろに塗り替え、今期リーグでも無敗を誇っている強豪が、ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグの本戦前リーグ戦において破れた。破ったのは、スペインのアトレティコ・マドリッド。スペインにおいて資金力で他を圧倒するレアルとバルサの間に、ちょっと前から割って入ってきた強豪である。今でこそ、強くなって資金力もあるこのチームをここまで育て上げてきたのは、アルゼンチン人のディエゴ・シメオネ監督。気付いている人は少ないと思うが、現在の世界の監督の中で最高給を取るお人だ。それだけのチーム実績を長く作り上げ、維持してきたということだろう。守備指導と選手のモチベーション維持の名指導者と言われている。

 ちなみに、1対0でリバプールを破ったこの闘いこそが正に彼のチームの真骨頂であって、序盤4分に奪った1得点を最後まで守り切ってしまった。それも、ボールポゼッション率28%に加えて、コート半分をリバプールに譲り渡しながら、その攻撃力で世界を震え上がらせてきたリバプールを枠内シュート0本と完全に抑え切ったのである。

 今でも世界5指に入るだろう名監督モウリーニョと同じ、守備とカウンターの極地を見せたということである。ちなみにこのシメオネは日本とある縁がある。中田英寿を司令塔として日本が初めてワールドカップに出た1998年フランス大会で戦った相手がアルゼンチンで、その狡猾な名ボランチが、シメオネ。FWにあのバチストゥータがいたチームだ。

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リーマンショック、その破綻の構造  文科系

2020年02月19日 11時56分27秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 昨日に続き、過去ログの再掲です。リーマン・ショックを起こした世界金融は、その行動を隠し続けてきてこそ儲けられたという存在。その後のG20などでの改革論議でも、米英が中心になって資料も出さず妨害しただけでした。そこから国連が時の総会議長の要請で専門家委員会をつくってまとめあげた改革報告が「スティグリッツ国連(世界経済改革)報告」。そしてアメリカは今やっと経済学者ぐるみで「株主利益最大化方針は誤りであった」などと言い出しています。が、これも僕は欺瞞に過ぎぬと観ています。さらに世界の小金を搾取していこうという方向。「スティグリッツ報告」が出るまでをあれだけ妨害した米政府が「自国第一主義」をとるトランプ政権の下で改心したなどとは到底考えられません。なんせ、GDP4倍の国家累積赤字があって、日本と違って家計なども大赤字である上に、増大する軍事費だけは確保しようという国家なのです。金融と石油でGAFAバブルを膨らませる事にしか覇権維持の道はありません。「貧すれば貪する」で、「覇権維持には、戦争暴力も辞さず」という国になっているのだと。

 なんせ、2008年まではこんな酷いことをしていた国です。

 

【 「100年に1度の危機」とは何だったのか(5)  文科系
2016年11月30日 | 国際経済問題


 (「第2章 金融グローバリゼーションの破綻」の)
 第2節 「100年に1度の経済危機」

 サブプライムローン組み込み証券問題が、誰の目にも明らかになったのは08年春のベア・スターンズ破綻だろう。ここが、アメリカ5大投資銀行のひとつだからだ。が、ここに至る徴候は既に1年以上前から現れていた。06年12月にはサブプライムローンを手がけていた米中小ローンの経営破綻が相次いでいたのだし、07年3月13日住宅ローン大手のニューセンチュリー・フィナンシャルが上場廃止になった。6月22日には、ベア・スターンズが傘下ヘッジファンド2社の救済に奔走したが果たせないという事件が起こった。
 そして08年9月15日に、5大投資銀行の第3位リーマン・ブラザースが破綻すると、その同じ日に、第4位のメリル・リンチをバンク・オブ・アメリカが買収すると発表された。翌16日には、AIGの倒産があった。アメリカ最大の保険会社であり、CDSなど金融商品の保険だけを扱ってきた会社であって、政府等が即座に8000億ドルの融資枠を設定したものだ。ただしこの額は1ヶ月で使い切ってしまい、以降も追加支援に走らざるを得なくなる。そして、これらの結末。1、2位の投資銀行も9月21日に銀行持ち株会社に転換するにいたった。ゴールドマンとモルガンがそれぞれの銀行に吸収されたのである。

 東洋経済新報社の「現代世界経済をとらえる VER5」では、5大投資銀行の破綻の後をこう書いている。
『リーマン・ブラザース破綻の翌日、保険最大手のAIGがアメリカ政府管理に置かれ救済されたのは、あまりにも膨大なCDSの破壊的影響への危惧からであった。一世を風靡したアメリカ型投資銀行ビジネスモデルの終焉が語られているが、健全に規制された金融モデルへの移行か、巻き返しのための変身なのか、ウォール街の戦略、西欧金融機関との競争を含めて、注視していく必要がある』
 政府に補償してもらって、「巻き返しのための変身」?新自由主義者たちが非難してきた社会主義政策だ!
 こういうものが爆発して、さて世界はどうなったか。前掲書「金融が乗っ取る世界経済」には、こう描かれている。約1000兆円の資産が世界から消え、どこが負債を抱えているかに相互不信に陥って、大不況が続いてきたと。そして、この後遺症は今はどうなっているのか。こんな重大なものが、数学者・藤原正彦氏も述べてきたように必ず大破綻すると証明されたも同様のそれが現実に破綻した時(第1章第2節の最後の引用を参照)、マスコミで世界的追跡調査や反省などが正しくなされたようには到底見えないのである。ネズミ講的自転車操業が途絶えたことによって世界無数のサブプライム家庭を殺した投資銀行幹部たちは、個人資産を速逃げさせたはず。対するに、たった一軒のローンが払えなくなった人々はその人生を殺されたにも等しいのである。

 第3節 破綻の構造 

「100年に1度の危機」という破綻は、10年近く経った今初めて、その内容、特質が一定分かってくるもの。何よりも世界10大銀行の移り変わりにこれが現れる。2010年と今とで、世界の10大銀行国籍がこう入れ替わった。英3米2の合わせて5行から各1の2行へと減った分、中国が0から3・5へと増えた。他は、フランス、日本の各2ほどと、ドイツの1行と、はほぼ変わらない。つまり、この数の順番で国に金があるということだろう。こういった金がおこなう世界一般企業支配やデリバティブによる世界小金持ちからの搾取も、英米の現状を見れば既に限界と観るべきだろう。没落しつつある大国が金融によって対外収支を強引に改善しようと足掻いて来ただけとも見うるのである。その結末が、世界的な中産階級没落、失業者・不安定労働者の激増というその上に、世界の小金を奪い取って長期デフレを招いたというのでは、世界の人々の幸せを攪乱しただけと言える。現行株価などは、世界的なマイナス金利や公的資金投入で懸命に支え上げているに過ぎず、マネーゲームに費やされる莫大な金融資産に呼応する有効需要など、世界のどこにも見られなくなってしまった。であるならば、今の世界経済体制では、職などは増えようがないということだ。「資本主義は終わった」というマクロ経済学者が増えているのは、こういう事情からなのである。


(あと2回ほど続く)】

 

 

 

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金融が世界を乗っ取った  文科系

2020年02月18日 07時40分34秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 訳あって、以下の記事を再掲します。このエントリーから出発して、これを含む論文を読んでくださる方々が出ることを期待しつつ。ちなみにこの論文は、2017年3月発行の僕らの同人誌に載せた「金融世界支配の歴史、現状」という拙稿です。

 

【「100年に1度の危機」とは何だったのか(4) 文科系 2016年11月29日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)


 第2章 金融グローバリぜーションの破綻

 第1節 金融が世界を乗っ取った

①その一般企業支配
 新自由主義グローバリゼーションが各国通貨から空売り搾取を行ったやり方を、タイ通貨危機からアジア通貨危機を例にとって、前節で見た。世界的な金融競争こそ経済発展の原動力とする米英など先進国の新たな新自由主義経済の主らとは、投資銀行、銀行、ファンドなどである。彼らによる金融中心経済のやり方を眺めておく。
 まず、株の売買については、余剰資産売却・吸い上げ型と、リストラによる収益型とがある。前者は、土地など大きな「余剰」資産を所有する会社の筆頭株主になり、その資産を売り払って株価を大幅に吊り上げてこれを売り抜く。もう一つはやや長期に渡って筆頭株主になり、リストラ・合理化に励んで株価をつり上げて売り抜く。
 こんなやり方で米企業を金融が買い占めていった経過を、ある本から要約してみよう。ドナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(中公新書 2012年6月第5版)
 機関投資家の上場企業株式所有シェアがどんどん増えて、1960年アメリカで12%だったこのシェアが、90年には45%、05年61%と。次いで、企業から「金融市場への支払い」が、その「利益+減価償却」費用とされたキャッシュ・フロー全体に占める割合が急増する。アメリカを例に取ると、1960年代前半がこの平均20%、70年代は30%、1984年以降は特に加速して1990年には75%に至ったとあった。

②デリバティブ、金融派生商品
 次に、種々の金融派生商品の発明、売買というやり方がある。デリバティブという近ごろよく聞く言葉がこれだ。その大元の原理に触れておきたい。
 消費者ローンでも住宅ローンでも、借用証書がある。これは、借りた方が貸した方に出す証明書。これを債券として出すのが社債や国債。一定利子が付くのは同じだが、こちらはお金同様の意味を持ち、売買も可能なもの。
 そしてさて、この社債などと同じ考え方で、種々のローンの貸し主が借用証書(債権)を証券化したものが金融派生商品の元である。焦げ付きなどの危険が高い借金から出来た高リスク証券とか、低リスク証券でも元のローン返済が急に怪しげになったりしたら、利子を高くしなければ売れない。そこで最大問題は、このこと。高リスク商品は当然売りにくいが、首尾良く売れるようにできれば、凄い儲けになる。全米抜群の優秀な頭脳を超高級で雇って、高リスク商品を売るために「高リスク高リターン商品」をあれこれと考え出していくことになった。

③サブプライムローン組込証券
 この証券化商品というのはまた、色々に分割して組み合わせることができる。これは、1銘柄の株を買うのではなく、投資信託を買うようなものと言えばよいだろう。とにかく、様々な負債を組み合わせるのだが、そこに高リスク債券を巧みに切り分けてもぐり込ませていく。貯金ゼロの低所得者に売りつけた住宅ローンからできたサブプライム・ローンの債券でも、これに安全な債券を組み合わせれば信用が「保証された」証券ができあがるという理屈だ。「高リスク貸し金を低リスクと混ぜて貸し手を増やして、お金が貸せなかった貧乏な人にも貸し出せるようにした、夢の商品!」なのである。リーマンショックの前のサブプライム・バブル期には、これが爆発的に売れた。ネズミ講同様大いに売れている間は自転車操業的資金繰りに困るどころか、大いに儲けも上がったのである。「偽の信用がどんどん膨らんでいった」のだが、その急成長中に偽だとは誰も振る舞っていないから問題なのだ。

④CDS
 こんなサブプライム・ローン組込証券に格付け会社によって破綻直前までトリプルAの信用が付いていた。それにはこんな保険商品も懸けられていて、これが大宣伝されたことが関わっている。クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれた保険商品である。
『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(前掲書「金融が乗っ取る世界経済」)  
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(同上書)
 この「裸のCDS」ゆえにこんなことが起こる。A社の社債を持っていない人がこの社債に莫大な保険を掛け、安い掛け金のA社債を無数に買い集め始める。すると、その会社を潰すことになっていくのである。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなる理屈だ。CDSを「大量破壊兵器」と語ったのが、有名な投資家ジョージ・ソロスだ。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』(前掲書)
「(会社再建よりも)打ちのめした方が儲かる」CDSの実際が、投資銀行リーマン・ブラザースの倒産でも示された。倒産時のリーマン社債発行残高は1559億ドル。その社債へのCDS発行銀行の債務総額は4000億ドルだった。

⑤金融は、国家さえ乗っ取る
 以下長く、岩波新書、進藤榮一著「アジア力の世紀」(2013年6月刊)を引用して、国際金融が諸国家、世界政治を動かすその凄まじいまでの大きさを示す。
『金融危機が海を越えて伝播する構造は、07年夏にフランス最大手銀行BNPパリバのローン凍結ショックが、米国サブプライム・ローン危機の発端となって、08年9月のリーマン・ショックにつながったことにも象徴される。
 BNPパリバは、傘下のファンドを通じて、米国金融機関の発行する低所得者向けサブプライム・ローンを大量に購入し、そのローンが支払不能に陥り、解約を凍結した。そのニュースが金融市場を駆け巡って市場は混乱し、08年9月15日、全米4位の投資銀行リーマンプラザーズ社が破綻、金融危機が勃発した。(中略)
 その間、欧州の金融機関が、米国製の証券化商品を大量に買い込んでいることが明らかになり、欧州金融機関の信認が揺らぎ始めたのだった。そして09年10月、ギリシャ政府の債務残高隠しの発覚をきっかけに、ユーロの信認が一挙に失われて、危機は欧州の大手金融機関に及んだ。
 EUは03年、ユーロ加盟の条件として、財政赤字がGDP比3%以内、政府債務残高がGDP比60%以内にあることを定めていた。ギリシャは、ユーロ圏に加盟するために、紛飾決算まがいの手法を使って、財政赤字も累積債務も実態より低く報告していたことが判明した。その報告書に、ゴールドマンサックス社が関与していた。かつて87年夏に始まるアジア通貨危機の陰で、米国のヘッジファンドが暗躍していたように、ギリシャ危機の背後に、米国のファンドと財務省が暗躍していると噂された。米国が金融危機回避のため、欧州に仕掛けた危機だとも、時に位置付けられる。 (中略)  
 米国発金融危機が、リーマン・ショックを経て欧州債務危機へと転形し拡大したのである。危機はギリシャからアイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアへ波及した。メディアはそれら諸国の頭文字を取って、豚を連想させる「PIIGS(ビッグス)」と呼び、EUとユーロの脆弱さを侮蔑気味に指摘して、EUの分裂・解体を予測した』

 このギリシャ危機をユーロ瓦解に繋げるべく、ここからさらにドイツマルクの空売りにまで折を見ては度々結びつけてきたゴールドマン、アメリカ財務省などの大仕掛け! その凄まじさには身震いが出る。そして著者は、この100年に1度のリーマンショックが、「1929年世界大恐慌から世界大戦へ」とならなかった今回の事情までをこう説明している。「大欧州」と「新興国市場」がショックアブソーバーとして働いたからだ、と。
 世界の有効需要創出こそ争いを協調に転化する最大の鍵とは、70年代までの政治経済運営理論であったケインズ経済学の焦点、苦闘したところ。現在世界のマクロ経済問題解決方向を深く考える最大のヒントがここにあると読むのは、この著者や僕だけではないはずだ。世界の賃金から小金や国家資金までを奪うことによって、世界の有効需要をとことん小さくしてきたのに、その分、物を作る供給の側を金融支配・その巨大化に任せることによって膨大にしたところに、現代世界の諸不幸の源があると考える。金融ギャンブル中心の世界とは、結局そういう暴力的世界なのだと。


(あと数回続きます。全体の目次と参考にした文献、と言うよりももっと絞って「ここに引用した文献」が「その1」にありますので、よろしく)】

 

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白川・安倍闘争の結末と、経済学  文科系

2020年02月17日 02時11分13秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 2013年新春に安倍が白川日銀総裁の抵抗を屈服させた財政ファイナンスについて、このところ書いてきた。どちらが正しかったかという歴史の結果が出た現在ということで、以下二つのコメントを書いた。それを、以下エントリーとさせていただく。

【白川・安倍闘争とマスコミ (文科系) 2020-02-17 01:33:30

 2013年当時のマスコミは、そこに登場した経済学者なども含めて、断然安倍の肩を持っていたのが思い出される。彼らは今、どんな総括をしているのか? 白川が言ったように、デフレを脱せず、官製株価バブルだけが残ったこの今である。ちょっとでも反省、お詫びの言葉を表明しているのか? 本当にお気楽な人々と言うしかない。
 こういう歴史的教訓から、今さらに何も学ぼうとしない人々。いや、安倍と同じように、何の反省もなく、意地でも学ぶのを避ける人々だろう。この間、国民の給料は下がるばかりだったのは、国民1人当たりGDP購買力平価が香港、台湾にも抜かれ、世界31位にまで落ちてしまった事で分かる。
 ただただ、無責任な人々。】

【失業者問題 (文科系) 2020-02-15 05:21:45

 昔不景気というのは、失業者が多いこと、勤労者所得が増えず減っていくことを指していた。南欧、アフリカ、中南米などに今若者失業者があふれていて、日本のように購買力平価国民1人当たりGDP世界順位が台湾や香港よりもずっと下がって来て相対的貧困家庭が激しく増えていても、不景気と言わないのは何かおかしくないか。
「バブル株価」が高ければ、好景気とか「上向き」とかいうような?? 
 ここのところ30年ほどの経済学自身が、ちょっと狂っているのである。このスティグリッツ報告は、このこと自身を指摘している文書でもあると言いたい。】


 コロナウイルス肺炎で、世界の物経済と流通はとまってしまうと言われている。特に物経済がだめなアメリカ・日本では倒産が急増するだろうとも。それでいて、アメリカ金融は何もせず、ただこんな世界だからこそ大もうけできるとばかりに、その機会を準備しているのである。彼らは、人の職業、生命などどうでも良いのだ。こんな自己正当化すらやっている連中も多いのだと、最近の僕は確信している。
『世界人口は、半分以下に減らした方が良い』
 これこそが、サプライサイド経済と言われた今までの主流経済理論の極みの結末、なせる技なのではないか。アフガニスタン戦争、イラク戦争、シリア内乱工作。これらの地から難民流出・世界大混乱。そして今また、イラン国家転覆への執拗にして残忍な攻撃。スレイマニ殺害事件とそこに見えた「イラク国家への嘲笑的なまでの無視」は、ヒトラー・ドイツのジェノサイドをさえ思わせるのである。

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五輪中止で、一挙に日本売り?  文科系

2020年02月16日 12時48分41秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 

 安倍が2013年に、日銀(白川方明総裁)を文字通り屈服させて、昔から国家財政の世界では禁じ手であり続けてきたはずの財政ファイナンスを敢行したその時から、日本売りを恐れ、ここでも再三問題視してきた。白川総裁が最後に「どちらが正しかったかは、歴史が証明する」とまで言い切った、強引な屈服であった。その証明の結果も今既にもう、明白に一つ出ている。この財政ファイナンスによって安倍がすぐに達成できると判断していた「インフレターゲット2%目標」が5年経っても実現できなくて、安倍自身がその目標を下ろしてしまったのだ。自身の敗北を認めた形なのである。その上で、以下の結果だけは残ってしまったからこそ、事は重大なのである。

 この財政ファイナンスの結果が、今の官製バブルである。日本の多くの会社の筆頭株主が実質日本政府だというような、幻想の株価・バブルだ。そして、バブルとは空売り大もうけを狙う世界金融には絶好の戦場なのであって、これが五輪後に起こるという声がしかるべき経済界、学者にも少なくはなかったはずだ。そんなここに来て、「コロナウイルスから、五輪中止」? としたら、一挙に日本売りが始まるのではないか。ちなみに、「米株が儲かる」との宣伝もどんどん増えているようだ。アメリカは今、GAFAバブルや世界の原油販売資金などの他に、世界から勝負資金を集めようと腐心しているのであろう。

 中南米諸国などで通貨危機、通貨暴落からそうなっていったように、円安から日本通貨のドル化?  まさかとは恐れつつ思うものの、国連経済慣行を暴力的に無視した露骨な保護主義とか、戦前の日独と見まがうような戦争(行為)の連発とか、今のアメリカは何でもありになっている。こんなアメリカの日本売りが引き起こすだろう世界の地獄絵図はまっぴらなのだが。ちなみに、1929年の世界大恐慌が第二次世界大戦という人類地獄を引き起こしたのだし、リーマンショックが「100年に一度の経済危機」と呼ばれたのは原理的にこの恐慌、その諸結果と対比できるはずだという痛切な世界史の教訓ではなかったか。

 

 

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スティグリッツ国連(経済改革)報告⑤  文科系

2020年02月15日 03時49分19秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

【   スティグリッツ国連報告・要約 5  文科系 2015年01月24日 | 国際経済問題

 今回は、『第1章はじめに』の『第3節 発展途上国への影響』を要約、抜粋する。これが、第1章の最後となるものである。
 なお、次章以降をここで扱うか否かは、まだ決心が付きかねている。一応の水準のまとめをしなければこの大変な「国連(総会)が、世界に向けた労作」に失礼だし、そう思えば怖ろしいエネルギーが必要にもなるからだ。この前このブログを読んだ友人が「あなた、実にマメですね」と言って下さったが、それだけエネルギーがいるのである。まー途切れ途切れでも、また長くかかったにせよ、近いうちに始めるつもりだが。

 さて、この節の書き出しはこうだ。
『危機は4つの理由により、発展途上国から高い「料金」を取り立てがちである』
 この4つのうち、第1、2は短くて、それぞれこれだけの文章である、
『それらの国の国民は、この規模の危機を克服して行くには小さすぎる資金余力しか持っていない』。

『彼らの財政と社会保障システムが初期的段階にあることから自動安定化装置が欠け、苦しんでいる』

 第3からはそれぞれ長くなるから要約するが、先ず3は、途上国は、国際金融市場で借り入れる能力に限界があり、危機への抜本的対策が打てないこと。金利を引き上げても経済が安定化せず、やがて外国資本が引き揚げられてしまうということ。

 第4は、世界金融市場の統合が『常に存在する脅威』になってきたということ。ここまで4つの中で最も長く展開されている大事な箇所であるらしい。

『自分達の資本勘定を完全に国外に開いた国は、金融市場の自由化も約束していた。そして、国際資本市場からの民間ファイナンスを信頼した。この市場こそ最も厳しい影響を受けた恐れのある分野に含まれていた。多くの国が外国銀行を信頼するようになった。外国銀行の内のいくつかは監督がほとんどなされておらず、不適当なマクロ経済政策に従い、今やその資本がひどく損なわれているのに気付いているところである。(中略) 多くの途上国が自由貿易協定や二国間貿易条約や世界貿易機構(WTO)に加盟しているという事実によって困難が複合してくる。そのコミットメントは、上述した市場原理主義の政策を神格化し、金融機関・手段の規制権限や資本流入の管理権限、或いは金融市場の保護主義から自分達を守ることまで制限しているのである』

 次はこのことだ。IMFや持てる国は、途上国の景気刺激策への支援の立場をとるべき。こう述べた上で、ここの結びに当たる部分をほぼ全文抜粋したい。

『この報告の主要な焦点は、短期的施策と、途上国とその開発への情熱を支援する国際金融システムの長期的変革である。既に述べた通り、途上国は、危機のコストのもっとも大きな部分を負担している。にもかかわらずその負の影響に対処するために必要な資金余力を持っていない。途上国と新興国での危機をこれ以上深いものにしないためにも早急に施策が求められている。(中略) 遅れは、結果としてのコスト、すなわち問題解決に要するコストが高くなることを意味する。そして、景気後退の長さと深さがよりおおきなものとなり、多くの罪のない犠牲者が職を失い、小企業や大企業が倒産を強いられる。ますます多くの公的資金が危機にさらされる。我々の今回の失敗の結果は、向こう数十年は残るであろう

 
「はじめに」の末尾は、この「報告」の全章の短い紹介に当てられている。以下、全文こんなふうに、

『報告はその分析と勧告を以下の4章で示していく。第二章は、危機の背景となって横たわっているマクロ問題と、問題の大枠について、そしてそれを克服して行くために必要となる施策について取りあげる。第三章では、特に金融システム不安定化の原因とは何かという問題と、あらゆる経済システムへのその影響について取り上げる。同時に、個別の金融機関のレベルで、またシステミックなレベルで、金融の安定性を確保するために取り上げるべき施策について検討する。第四章では報告は現存する国際金融機関が適正かどうか、どのようにそれらは変革されるべきかを評価し、更にはシステムをより安定的なものにし、発展途上国のニーズにより役に立つために作られる新しい機関について検討する。最後に第五章は国際金融革新について取り上げる。これらの施策は21世紀のグローバル化した世界のニーズに応える国際金融アーキテクチャーといわれる分野に導入される施策である』 
 

 ここまでお読み願えた方々、どうも有り難うございました。また、お疲れ様でした。上の最後にまとめたこういうスティグリッツ報告内容に興味がおありでしたら、是非読んでみて下さい。2011年発行「スティグリッツ国連報告」で、本屋さんが探してくれます。】

 

 報告要約を終わるにあたって

  この報告にあるとおりで、リーマンショックによって中進国以下の国の金も多く奪われ、それらの国から国際金融も引き上げていったということが、特に深刻な問題になっていると説かれている。僕の知る限りこの日本、愛知県でさえ、2つの金持ち大学がそれぞれ100億というようなその将来に向けての蓄えを同じく奪い取られているのである。このことこそ、その後の世界の格差、(若者)失業者の群れ、世界的な有効需要の欠如ゆえバブル株価(GAFAバブル、日本の日銀ぐるみバブル)を作るしかない景気の後退などなど世界経済悪循環の原因なのである。
 というような問題を検討してきた国連機関があるというだけでも、この世界は19世紀までと全く違っているということを、僕は示したかった。国連の今がいくら無力に見えても世界の民主主義的な将来に向けてその役割は大きいと主張したかった。
 ちなみにリーマンショックによって世界をこれだけ不幸にした暴力国アメリカでさえ、戦前の日独のように国連を抜けないのは、世界にそれだけ国際民主主義という「大義名分」が生まれ、育ってきた事が示されていると強調しておきたい。

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