本日の朝日新聞に白川方明(まさあき)前日本銀行総裁への長いインタビュー談話が載っている。安倍内閣発足時の白川氏との論争、退任と黒田総裁誕生は当ブログで何回も扱ってきたが、朝日新聞を取っていない家が多い中部地方には是非広めたい日本の今の貧困を作った反省になる重大な話題である。さわりの部分を抜粋してみよう。
『―――冒頭で触れた時代の空気は、どこから来たのでしょうか。
「無視できないのは米国からの影響でした。中央銀行が2%の物価目標を掲げれば人々の期待が変化して実際に2%になる、という理論を米国の主流派経済学者が主張しており、それが日本の学者、マスコミ、政治家の間に広がった。米国のソフトパワーをひしひしと感じました」
―――この10年で、米国の議論は変わりましたか。
「有名なサマーズ氏(ハーバード大教授、元財務長官)は数年前、『日本で大規模な金融緩和の実験をやったが、インフレ率は反応しなかった。当然のように考えていた理論が実は誤っていたことを示唆している』と書いています。中央銀行が望む水準に必ずしもいつも物価上昇率を設定できるわけではない、と」
―――金融緩和を修正する際の難しさは何ですか。
「将来を正確に予測できないことと、加えて金融緩和の継続を前提とした行動が深くビルトインされていることです。緩和の修正は、何がしか混乱を招くことは不可避です。かと言って、緩和を続けても経済を改善する力は乏しい。中央銀行は、緩和を修正すれば、その後に景気が無関係な要因で後退しても批判を受ける。それを恐れると、その面からも修正は遅れる。やっかいな均衡状態です」 』
さて、誤った理論の下に10年実行された計画を修正せよと「令和臨調」が声明したが、この計画に費やされた莫大な無駄金と日本沈没は、誰がどう責任を取るんだろう? げにパフォーマンス政治は恐ろしいけど、選挙で安倍を選んだ国民の責任が第一なのは明らかだろう。
自分でコメントに付けたものを2月1日、ここに追加しました。
『 国民が馬鹿 (文科系)2023-01-31 20:45:23
白井聡などは今や、「国民が馬鹿だから」と平気で書いている。確かに馬鹿に違いないのである。
誤った経済政策によって国家10年の歳月と、莫大な税金とを費やして先進国最悪の経済没落国になったのだし、その元凶を選挙で何度も勝たせていたのだから。これでは、戦前の軍部大賛美の国民とどこが違うのか。彼らは後になってから、騙されていたと語ったのである。一億総懺悔??』
誤った経済政策によって国家10年の歳月と、莫大な税金とを費やして先進国最悪の経済没落国になったのだし、その元凶を選挙で何度も勝たせていたのだから。これでは、戦前の軍部大賛美の国民とどこが違うのか。彼らは後になってから、騙されていたと語ったのである。一億総懺悔??』