九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

論争における「義」とプライド  文科系

2024年12月25日 09時31分52秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 同人誌の編集長を長くやっていて、文章編集に携わっていると、いろんな「修正すべき」「難点」に出くわす。これが、細かい字面の問題というだけなら良いのだが、作品全体のテーマそのものに関わる「焦点箇所」の表現において、不十分を通り越して、「誤解される」とか「意味が伝わらず、作品がおおぼけ」とかの言葉選びがあったら、本当に当惑する。そんな場合は作者自身も作品テーマである問題の性格を正しく把握していない場合も多いのだし。「修正など一切無用で、プライドが強い?」と分かっている筆者には、当惑など捨て去って手直しなんか端から放棄しているが、それこそ「義」を受け入れうると分かっている人の文章は、時間が無かったりする時無断で変更することがある。この場合の相手のプライドという表現が良いかどうかは分からぬが、これはとにかく大変厄介な場面になっていく。これに対する言葉も色々探してみたが、義という用語が最も相応しいから使おうと思い立ったのである。

 さて、形式論なら「無断修正」が誤りとは、誰にも分かる。が、内容上どうしてもたまりかねてとか、毎月の編集となると断りの時間も無かったりするので、そこに「義」の登場である。ちなみに、付き合い六四年になる僕の連れ合いが「途方もないプライドの人」なので、色々苦労して見つけた関係の言葉だ。義とは、しっかりした美しい正しさというような意味である。
 近頃は、安倍晋三のような馬鹿な政治家よろしく理屈で負けかけることが多いかして、「上から目線」とかの遠吠え「批判」に逃げこむ「プライドだけの人」も多く、「『上から目線』大大流行時代」とさえ言える。が、義のある正論を通さねば、安倍の周囲のように馬鹿を放置することになってしまう。上からでも下からでも義のある正論は正論だろう。逆の「村社会における中身なしの上から押しつけとその受け入れ」を素直・美徳という風潮が強い日本だからこそ、対話における「義」は大切にしたい。「社畜全盛」日本は、義が吹っ飛んでいる習慣も多いのである。「上意下達と忖度」の日本・・・。



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サッカー談義、鄭大世の誤り  文科系

2024年12月19日 09時21分25秒 | スポーツ
 今年のJリーグは、リーグ新参・町田の大健闘に町田ファンでなくても熱狂。他方、町田へのやっかみか、わざとのような非難も多く出た。合法なロングスローへのわざとらしいそれ。その際の「ボールへ水かけ」は文字通り非難された。また、世界的に強烈プレス時代というのに、町田のプレスはことさらに非難された。そんな今、表記の通りに町田にも在籍した鄭大世(チョンテセ)がこう町田を擁護していることに対して、僕は批判してみたい。

「 元北朝鮮代表FWはさらに「サッカーしている人は『普通だよね』『激しくて当たり前じゃん』。でも、サッカーを知らない人が『激しすぎるだろう』『ロングスロー』みたいに言うんですよ。海外のサッカーを見たら、むしろ優しい」と指摘。こう本音を打ち明けた。 「引退したから言えるんですけど、ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない。(日本では)どうしてもマナーだったりルールだったりの意識が強い」  同氏は、日本代表が世界一になるためには、そういった意識や文化を変える必要性があると主張。「町田がこれだけ批判をされたのを見ながら、日本のサポーターはもっと考え方がアップデートされないといけないと思いました」と私見を締め括った。」

 ところで、この鄭大世の町田擁護論は、失礼ながら行き過ぎである。「ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」
 チョンテセは一体、イングランドやスコットランドを知っていないのだろうか? 前田や古橋がちょっと長く痛そうに転んでいると、たちまち激しいブーイングが起こる国である。シミュレーションなどは、論外という国なのだ。だからこそ、バルサ時代からこのネイマールについて、僕はここでもこう予言してきた。
『ネイマールがいくら望んでも、イングランドには一生行けないだろう。あれだけ世界でシミュレーション・「ネイマール」が有名になってしまっては、ブリテン島には徹底的に嫌われる』
 ブラジル代表のエースといってよいあれだけのネイマールなのに、パリ・サンジェルマ長く長く在籍させた後は、アラブの高額オファーに選手晩年を費やすしかなくなったのだった。ネイマールがブラジルの習慣を出していただけであるのに対して、「どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」は通用しなかったのである。少なくとも、サッカー発祥の地、ブリテン島には。

 イングランドに行きたければ、日本選手もプレープレーマナーを振り返ることだ。「すぐ倒れる」のが習慣になっていれば、プレミアには行けない。このことを最もきつく知っている人物こそ、岡崎慎司である。彼の敢闘精神をこそ、チョンテセももっと注目すべきである。
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さらに今一度、「霊はあるか?」  文科系

2024年12月18日 14時00分14秒 | その他
霊の存否を考えて来た。

 霊という言葉が、新聞などの広告も含めて当たり前に、実在するもののようにますます多く使われるようになっている。心霊スポット、心霊現象という場合の心霊。背後霊や水子の霊。よく言われるスピリチュアルもこれの存在を認めねば成り立たぬものだろう。辞書によれば、 霊とは、その漢字の意味はこういうものだ。
「人間の肉体に宿り、または肉体を離れて存在すると考えられる精神的実体。たましい」
 この辞書定義は不十分なものと、使用例を思い出してみれば誰でもが分かる。今では人間だけでなく動物に、さらには植物、自然現象などの無生物に対してさえこんな使用例があるからだ。大木や大岩、心霊スポットなどに。ただしこれらの使用例は、少々超自然的な、言わば崇高な物体に使われるようだ。
 さて、霊について改めて考えたことがない人でも、存在するとしてもどのようなものかということを確かめる方法がある。「自分の肉体が生まれる以前の、自分の心、魂」を考えてみれば良い。なんの記憶もないはずだ。中には、「自分の前の世の姿」を感じることがあるなどと語る人が居るが、それを否定することはできない。そもそも「ないものを語る人に、それがないと証明することなど論理的に不可能である。無い物にはこれを否定する証拠さえないのだから」。さらには、「そう感じた物は全て存在する」としたら、ドラキュラも玄武、朱雀、鳳凰、さらには夢に現れた化け物でさえも存在することになる。自分の肉体以前の心とは、これを言い換えればこういうものだ。肉体が死んだら、その後のその心があるとしてもそれは「自分の赤子出生以前の心」でしかないはずだ。赤子以降自分に生まれたものは、この世や自分の肉体と結びついていて、「生後の自分の骨肉などを通して生まれたもの」だから。この世で大人になった心を、さも永遠に存在してきたもののように、描き上げるのはおかしいことだろう。
 また霊実在の証明として度々語られることに、臨死体験の解説が使われる場合も多い。がこれは、「夢の出来事」としても説明できるから、実証にはならない。ちなみに、肉体が眠っていても夢の中では心が動いているから、霊が存在すると往時の人々が思ってしまったのではないか。
 なお、肉体を離れてその心がどこかにあるとすれば、その心はどこから生まれたのかという問いが生じる。そこからこそ、神の世界が創造されうるものである。つまり、「この世ならぬ心」は神の世界のものになる。つまり、宗教は霊の存在を前提としている。仏教には霊の存在を認めない流派もあるようだが。
 そしてもう一つ、宗教って死の問題と結びついている。死が怖い人は、「永遠の命」を思いつくことが多いものだ。ところで、僕は自分のここまでの生から「永遠の命がなくとも死は怖くない」と変わった。死が怖いのは若い人だ。将来への渇望が大きくある人はものすごく死が怖い場合も多いだろう。が、一応この生を生きて「大体の人生、人の体験、楽しみなどは味わったと言える」とか「もうこの先は何もなさそうだ」という老人は、「永遠の命」などに執着はしない。ただ生きて時間を費やしていると言える老人も多いようだし。そういう時間の「浪費」が、八三歳になる僕も最近増えてきた。そういう「老人御同僚」は現に多いはずだ。

 こう書いてくると直ぐに、こんな反論が出てくるのがこの論議史上の常だった。「ただ食って寝るだけの、唯物論者か?」、に応えておく。いまの時代の唯物論者こそ、こんなことは当然と認めている。真善美も正義も存在する、と。それらは人(の歴史)が作ってきたものとして。
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トランプという人間、その初紹介本「炎と怒り」から⑥  文科系

2024年12月16日 06時14分04秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
トランプという人間、「炎と怒り」の総集編⑥  文科系

 今回を、この本の内容紹介最終回とする。以下は、この書評第4回目「この本の輪郭」とも重複する部分もあるが、要するに粗筋、概要、結論ということだ。

①大統領としてのトランプは、こんな事をやった。
・地球温暖化対策の枠組みから抜けた。
・エルサレムを首都と認定し、シリアを爆撃し(この4月で2回目である)、サウジの皇太子交代(宮廷革命?)にも関わってきたようだ。
・メキシコとの国境に壁を築き、移民に対して厳しい施策を採るようになった。
・ロシア疑惑によって、コミーFBI長官を解任し、モラー特別検察官とも厳しい関係になっている。
・続々と閣僚、政権幹部が辞めていった。

②これらを推し進めたトランプは、こういう人物である。
・知識、思考力がないことについて、いろんな発言が漏れ出ている。「能なしだ」(ティラーソン国務長官)。「間抜けである」(財務長官と首席補佐官)。「はっきりいって馬鹿」(経済担当補佐官)。「うすのろ」(国家安全保障担当補佐官)。
・その代わりに目立ちたがりで、「他人から愛されたい」ということ第1の人柄である。マスコミの威力を信じ、これが大好き人間でもある。
・対人手法は、お世辞か恫喝。格上とか商売相手には前者で、反対者には後者で対する。大金持ちの父親の事業を継いだ後、そういう手法で世を渡ってきた。
・反エスタブリッシュメントという看板は嘘で、マスコミと高位の軍人、有名会社CEOが大好きである。よって、閣僚にはそういう人々がどんどん入ってきた。

③本人に思考らしい思考も、判断力もないわけだから、政権を支えていたのは次の3者である。バノン他ボストンティーパーティーなど超右翼の人々。共和党中央の一部。そして娘イヴァンカ夫妻(夫の名前と併せて、ジャーバンカと作者は呼んでいる)である。トランプへの影響力という意味でのこの3者の力関係は、30代と若いジャーバンカにどんどん傾いて行き、前2者の顔、バノンもプリーバス首席補佐官も1年も経たないうちに辞めていった。つまり、トランプ政権とは、「アットホーム」政権、家族第一政権と言える。なお、二人の息子もロシア疑惑に関わる場面があり、アメリカではこれも話題になっている。

④よって、期せずして棚から落ちてきて、何の準備もないままに発足した政権の今までは、言わば支離滅裂。選挙中から「アメリカファースト、外には手を広げない」という右翼ナショナリズムが戦略枠組みだったのだが、エルサレム首都宣言をしてアラブの蜂の巣をつつくし、発足3か月でシリア爆撃も敢行した。ロシア疑惑でコミーFBI長官を解任して、大変な顰蹙も買っている。閣僚幹部はどんどん辞めていく。「馬鹿をさせないために側にいる」位置が嫌になるいう書き方である。

⑤こうして、この政権の今後は4年持つまいというもの。ロシア疑惑が大統領弾劾につながるか、「職務能力喪失大統領」として憲法修正25条によって排除されるか、やっとこさ4年任期満了かの3分の1ずつの可能性ありと、バノンは観ている。

 なお、何度も言うようにこの本の執筆視点は、バノンの視点と言える。全22章の内4つの題名に彼の名がある上に、プロローグとエピローグとがそれぞれ「エイルズとバノン」、「バノンとトランプ」となっているし、そもそも内容的に「バノンの視点」である。ちなみにこのバノンは今、次期の大統領選挙に共和党から出馬しようという意向とも書いてあった。


 以上長い連載を読んで頂いた方、有り難うございました。これで、このトランプシリーズは終わります。なお、外信ニュースによるとコミー元FBI長官がトランプに解任されたいきさつなどを書いた本を最近出したそうです。日本語訳を楽しみに待っている所です。


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トランプという人間、その初紹介本から⑤  文科系

2024年12月14日 11時14分18秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ふたたび大統領に選ばれたトランプの初当選時に出た紹介本「炎と怒り」から抜粋などをしてきました。突然現れた泡沫候補時代のトランプ事務所につめて彼を見てきた著名ジャーナリストの著作内容の紹介です。18年4月の連載第5回目です。
 
トランプという人間、「炎と怒り」の今⑤  文科系

 今回も閑話休題。この本のその後や結末に当たる重大な新聞記事二つが昨日載っていたから、その記事と本の内容とを照合してみたい。神が「炎と怒り」を示すような所業が、今尚続いているということである。

 一つは、「米下院議長が引退表明 ライアン氏 中間選挙 出馬せず」。
 これは以前の共和党副大統領候補にもなった人物で48歳とまだ若い。この本によると、こんな立場、人物ということになる。
『2016年春の時点でも、ライアンはなお共和党の候補者指名でトランプに対抗できる位置にあり、このころにはそうできる唯一の人物になっていた』
『だが、ライアン本人はもっとしたたかな計算をしていた。指名はトランプにとらせたうえで、本選で彼に歴史的な敗北を味わわせる。そうなれば当然、ティーパーティー=バノン=ブライトバード(バノンの新聞社)一派は一掃される。その後は誰の目にも明らかなリーダーとして自分が党を主導していく、というシナリオだ』
 こういう、初めはトランプを馬鹿にしていた人物が、当選後はトランプ政権に急接近。法案作りなどにも協力して来た。それが今、引退。トランプと違って非常なやり手だそうだから、家族支配などの政権内情を知って、もうやる気が失せてしまったのではないか。


 もう一つの記事の見出しは、こうだ。
『特別検察官の解任 「米大統領に権限」 報道官が見解』
 トランプのロシア疑惑に関わるニュースなのである。大統領選挙中からこれを調べていたコミーCIA長官を、トランプは首にしてしまった。この本に書いてあるその場面をご紹介すると、こうなる。
 この解任は、バノンを初めとして周囲のほとんどが反対したもの。それを押し切って一人で密かに決めて、解任通知書を自分のボディガードにCIA長官室に直接届けさせる異例な異例な方法が採られた。通知書の最も肝心な部分には、こう書いてあったとのこと。
『これにて貴殿は解任、免職とする。本通知は即刻発効する』
 大統領首席補佐官らは、今後のことをすぐにこう考えたのだそうだ。
『「となると、次は特別検察官だ!」五時前にこれから何が起きるかを知らされたプリーバス(首席補佐官)は呆然とし、誰に聞かせるともなくそう言ったという』

 この歴史上なかったような暴挙以降の成り行きは、司法省が特別検察官を任命し、彼にトランプのロシア疑惑を捜査させることになる。事実として、後に司法省は、元FBI長官のロバート・モラーを任命したわけだ。

 さて、昨日の新聞記事は、こういうモラー検察官に対して「こうやれば首に出来るんだぞ!」とばかりに、トランプがわざわざ記者会見発表をさせたということなのだ。新聞記事中にはこんな一文があった。
『米CNNテレビは十日、トランプ氏がローゼンスタイン司法副長官の解任を検討していると報じた。トランプ氏はモラー氏を直接解任できないが、副長官を解任し、後任者にモラー氏解任を間接的に指示することは理論的には可能である』

 コミーと言い、モラーに対してと言い、法理念を無視して、その間を擦り抜けるような荒技ばかりが続いている。まさにトランプらしく、こんな所がネット右翼らに人気が高い理由なのだろう。



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トランプという人間 その初紹介本から その4  文科系

2024年12月13日 08時39分02秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
トランプという人間(10)「炎と怒り」、その「輪郭」 ④  文科系

大統領大統領初当選直後に出たこの500ページ近い本の内容を3回に渡って大急ぎで紹介してきてまだその途中であるが、今日は閑話休題として、この本の最も大きい輪郭、狙いに触れてみたい。そもそも200件の聞き取りをも経て書いたと言われて、その内容はいわば激しい政争話だ。ついては、この争いの何を取り上げ何を落としたかという著者の立場の客観的概括がなければ、公平な読み方とは言えなくなる。本自身の中身としても「・・・という話だ」「・・・と誰それは述べていた」というある意味無責任な印象批判とも言える表現もかなりあることだし。

 さて、この輪郭、狙いを僕なりに客観的に推察すればこんな事があると読んだ。
① バノンのサイドの目で書いており、トランプの娘夫婦を批判する内容になっている。この内容なら、バノンの復帰すら形としてはまだ残っているという程度の内容だと読んだのだが。

② ということはつまり、こういうことだ。米大統領トランプ政治の1年が結局、娘夫婦とその周辺の財界人らによってこう動かされてきたという内容になっている。なお、行方も定まらぬ泡沫候補上がりのトランプ政権内の娘夫婦にどんどん近づいてきた人物には、こんな人々が居る。マスコミ人でFOXテレビのビル・マードック。ゴールドマン・サックスの現役社長だったゲイリー・コーンはトランプの経済閣僚になった。また、超高齢政治家ヘンリー・キッシンジャーも所々出てくる。

③ ①②を併せると、こういうことになる。ここに書かれた「全体像」が真実か否か、どれぐらい真実かなどは分からないとも。つまり、当然のことだが、「裁判になっても言い逃れできる程度の内容」ばかりだとも言えるのである。

 ちなみに、8月にバノンが大統領府を退いた瞬間に、こんな声明も発表されている。
『バノンが首席戦略官および上級顧問を辞任すると、古巣のブライトバート・ニュースは直ちに同年8月18日付でバノンが会長に復帰すると発表した。このときバノンはブルームバーグ・テレビに対して次のように話した。「自分はホワイトハウスを去り、トランプのために、トランプの敵との戦争を始める。その敵はキャピトルヒル(連邦議会)やメディアやアメリカの経済界にいる。」翌19日、トランプ大統領はツイッターに「バノンに感謝したい。彼は不正直なヒラリー・クリントンに対抗して立候補した私の運動に参加してくれた。それは素晴らしいことだった。Thanks S」と投稿した。』
(ウィキペディアから、文科系引用) 


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トランプという人間(その初紹介本から) その3   文科系

2024年12月11日 10時23分37秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
前回の最後に書いたのが、「(政権首脳の)組織図とブレーン3人」。今回はこの続きとして、彼らの力関係の在り様、その流動と結果ということになる。以下の場面は、政権発足後わずか2か月あまりでバノンが凋落していくまでのことだ。トランプ大統領誕生の最大功労者にして、政権の主席戦略官が、わずか2か月で実質解任! そのちょっと前に、ホワイトハウ内幕についてこんな文書が流れていたが、大統領に次ぐ権限を持った人物が、責任を取らされたというかたちになるのだろう。
 この電子メールは、この本の著者も同意する内容と言える。

 政権内幕暴露メール

『四月には、当初は十数人に送信された電子メールがどんどん転送され、かなり広範囲に広まってしまった。その内容は、ゲーリー・コーンの見解を評しているとされ、ホワイトハウスのスタッフが感じた衝撃を簡潔に表現している。メールの文面にはこうある。
 想像も及ばないほどひどい。まるで道化師に囲まれた愚か者だ。トランプはたった一枚のメモも、短い政策文書も、何一つ読もうとしない。世界各国の首脳との会談でも、退屈だからといって途中で席を立つ。部下も同じようなものだ。クシュナーは赤ん坊が地位を与えられたようなもので、何一つ知らない。バノンは傲慢なひどい男で、それほどでもないのに頭がいいとうぬぼれている。トランプにいたっては、もはや人間というより不愉快な性格の寄せ集めだ。一年もすれば、家族以外、誰も残っていないだろう。この仕事は嫌いだが、トランプの行動を知っているのは私だけだから、辞めるわけにもいかない。欠員が非常に多いのは、馬鹿げた“適性試験”に合格した人しか採用しないからだ。日の目を見ることのない中堅レベルの政策策定業務のポストですら、そんなことをしている。絶えずショックと恐怖にさらされる毎日だ』(P300~301)

 ここに言うコーンとは、現役のゴールドマンサックス社長だった人物。ニューヨーク財界人をバックに抱え始めた娘婿クシュナーが、大統領経済補佐官としてを引き抜いてきたお人だ。クシュナー自身は、ユダヤ人で億万長者の御曹司で民主党支持者。メディア王として知られるルパート・マードックも彼のブレーンになっていた。
 こうして、大統領府内の実権が、バノンや、プリーバスが代表した共和党中枢部から、クシュナー・ニューヨーク財界主流へと移っていく流れができたのである。

 バノンの凋落
 
 トランプ政権発足直後の乱暴すぎるような新移民政策は、バノンの力が示された。が、次のオバマケア問題が、バノンの最初のつまずきだったと述べられた後、こんな展開になっていく。折りしも、4月4日午前中に、シリアでの化学兵器攻撃に関する情報が、ホワイトハウスに集まってきた。
『バラク・オバマは、シリアの化学兵器攻撃に直面しても行動を起こさなかったが、いまなら行動を起こせる。限定的な対応になるだろうから、マイナスの影響はあまりない。それに、事実上アサドを支援しているロシアに対抗しているように見え、国内での受けもいいはずだ。
 当時、ホワイトハウス内での影響力が最低レベルにまで下降し、辞任は時間の問題だと多くの人から思われていたバノンは、軍事的対応に反対した唯一の人間だった』(P306)

 こういう事実が最後のきっかけとなって、シリア政府軍の攻撃の翌日、バノンを国家安全保障会議から外すと発表されたのである。


(あと5回は続きます)

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トランプという人間(その初紹介本から) その2   文科系

2024年12月11日 06時55分31秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 第一次トランプ大統領府の発足直後の内幕を暴露した書物、「炎と怒り」、2回目の紹介である。先回は、「当選が分かった時のトランプの七変化」、「トランプの会議の進み方」、「トランプの性格」の三つを書いたが、今回は以下を紹介したい。「続、トランプの性格」、「就任演説」、「組織図とブレーン3人」。ここまでで、この本の4割ほどの紹介になるはずだ。

「続、トランプの性格」

『バノン(選挙戦中盤以降大統領府に至ってからも、トランプ最高位のブレーンだった人物。大統領府では、主席戦略官、上級顧問)はトランプを、ごく単純な機械にたとえた。スイッチオンのときはお世辞だらけ、オフの時は中傷だらけ。卑屈で歯の浮くようなお世辞があふれるように口から出てくる──何々は最高だった、驚くべきことだ、文句のつけようがない、歴史に残る、等々。一方の中傷は怒りと不満と恨みに満ち、拒絶や疎外を感じさせる。
 これは、トランプ式経営術のコツでもあった。見込みのありそうな顧客候補はとにかく褒めそやす。だが、相手が顧客になる可能性が消えたとたん、屈辱や訴訟を雨のように降らせる。押してもだめなら引いてみよ。バノンはこう思っていた──トランプを簡単にオンにもオフにもできる』(P68)

『ホワイトハウスで、トランプは自分の寝室に閉じこもっていた。・・・・トランプは入居初日に、すでに部屋に備えられた一台に加えて、さらに二台のテレビを注文した。ドアに鍵を付けさせ、緊急時に部屋に入れないと困ると言い張るシークレットサービスと小競り合いを起こしたりもした。・・・スティーブ・バノンと夕方六時半のディナーをともにしない日は、その時間にはもうベッドに寝転がって、チーズバーガー片手に三台のテレビを観ながら何人かの友人に電話をかける。電話は彼にとって、世界とつながる真の接点なのである』(P148)
 なお、上記のような三台のテレビと頻繁な電話がトランプの学習、情報収集手段なのだが、以上以外で彼が本を読むという習慣は皆無だと紹介される。一冊の本さえまともに読み通したことはない人物と書かれていただけでなく、本書の中には、こんな下りさえあった。
『ミスタートランプは、オバマのスピーチなど一度たりとも最後まで聴いたことがないとおっしゃっています』

「就任演説」

 就任式演説内容は、こんな風に描かれている。
これはほとんどバノンが文章化したものである。因みにこの本の著者は、トランプはまともに構成された文章など書けないと観ている。
『これらのメッセージは、トランプの好戦的な”カウンターパンチャー”としての側面には響いたが、もう一方の”愛されたがり”の側面には受け入れがたいものでもあった。トランプに内在するこの二つの衝動を、バノンはうまくコントロールできていると自負していた。前者を強調し、ここで敵をつくることはよそで仲間を増やすことにもつながると説得したのである』
 こういう演説への、ご本人とある有名人物一人との評価を観ておこう。
『このスピーチはあらゆる人の記憶に残るだろう』
『一方、貴賓席にいたジョージ・W・ブッシュは、トランプの就任演説に対して歴史に残るであろうコメントをした。「クソみたいなスピーチだったな」』 

「組織図とブレーン3人」

 従来の政治集団が何もないままに思いもよらず当選したこの大統領陣営には、組織とか、組織を作る人々というのがほとんど欠如している。父から譲られた会社が上手く行っただけのトランプも同じ事だ。そこにあったのは混乱のみだが、その混乱の中から選挙にも貢献した3人の人物が浮かび上がってくる。以下は、そういう様子に関わることだ。
『トランプ率いる組織ほど、軍隊式の組織から遠い存在はそうあるまい。そこには事実上、上下の指揮系統など存在しなかった。あるのは、一人のトップと彼の注意を引こうと奔走するその他全員、という図式のみだ。各人の任務が明確でなく、場当たり的な対処しか行われない。ボスが注目したものに、全員が目を向ける。・・・・大統領執務室はあっという間に、トランプ側近が日々入り乱れる喧噪の場に変わってしまった。大統領のそばに近づける人間がここまで多いのは、歴代政権を見わたしてもトランプ政権くらいだろう。執務室で大統領を交えて会議をしていると、ほぼいつも大勢の側近が周囲をうろつき、何かと割り込んでくる。事実、側近の誰もが、どんな会議にも必ず居合わせようとしていた。彼らははっきりした目的もないのに室内をこそこそと動き回るのがつねだった。バノン(筆頭秘書と言える人物)はいつも何かしら理由をつけては執務室の隅で書類をチェックしつつ、会議の決定権を握ろうとした。プリーバス(共和党重鎮)はそんなバノンに監視の目を光らせ、クシュナー(娘婿)は他の側近の居場所をつねにチェックする。』
『トランプがジェームズ・マティスやH・R・マクマスター、ジョン・ケリーといった誉れ高い軍人(それぞれ、元海兵隊大将。元陸軍中将。元海兵隊大将であり、国防長官、安全保障補佐官などになった)にへつらうことの皮肉。そのほんの一端が、そこには表れている。彼らは、基本的な指揮原則をあらゆる面で害するような政権のもとで働く羽目になったのだから』

 なお、上で述べられた政権当初の頭脳、バノン、プリーバス、クシュナーについて、紹介しておこう。
 バノンは、超右翼団体の、いわゆるボストンティーパーティーから台頭してきたジャーナリストで、大統領主席戦略官、上級顧問。プリーバスは、共和党全国委員長を経てトランプ当選に貢献し、大統領首席補佐官。この首席補佐官という地位は、内閣総理大臣にも当たるものだ。そして、トランプの娘婿、クシュナーは、大統領上級顧問である。
 なお、このうち、バノンは後に辞任して政権から離れるし、プリーバスに至っては解任されている。この辞任、解任続きというのがまた、この政権で有名な出来事だが、広報部長などはこの本が出た時点ですでに3回も交代させられている。それぞれ、辞任、辞任、解任ということだ。

(後数回続きます)





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過去最初に出た「トランプ紹介」本の要約 その1   文科系

2024年12月10日 11時15分36秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 トランプがまた、大統領になった。これは、ある本の書評ならぬ、内容紹介。前に大統領になったときに以下の書評を書いた物だが、もちろん瞬く間に全米ベストセラーになったその署名は「炎と怒り  トランプ政権の内幕 」。この本を、6~7回に分けて紹介していく。


トランプという人間(7)「炎と怒り」から  文科系
2018年04月08日 12時42分53秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 今年1月発刊なのに瞬く間に全米170万というベストセラー「炎と怒り」。それも、この日本語訳が出た2月下旬に既にこの数字! 読み進むうちに、それも当然と、どんどん感慨が深くなって行った。この本を読むと、何よりも、「今のアメリカ」が分かるのである。こういう人物が大統領選挙に勝ってしまったというアメリカの現状が常軌を逸しているというそのことが。そういう内容紹介を、ほぼ抜粋という形で始めていく。泡沫候補の時代からトランプ選挙陣営の取材を許可されていた著者マイケル・ウオルフは、何回か全米雑誌賞を取った著名なフリージャーナリスト。そんな彼が経過順に22の題名を付けて描いたこの本の紹介には、エピソード抜き出しというやり方が最も相応しいと考えた。

 さて初めは、既に有名になった大統領当選が分かった時のトランプの様子。
『勝利が確定するまでの一時間あまり、スティーブ・バノンは少なからず愉快な気持ちで、トランプの様子が七変化するのを観察していた。混乱したトランプから呆然としたトランプへ、さらに恐怖にかられたトランプへ。そして最後にもう一度、変化が待ち受けていた。突如としてドナルド・トランプは、自分は合衆国大統領にふさわしい器でその任務を完璧に遂行しうる能力の持ち主だ、と信じるようになったのである』(P43)

 次が、「トランプの会議のやり方」。「初めて出席した時には本当に面食らった」とこの著者に話したのは、ラインス・プリーバス。政治や選挙の素人ばかりが集まったトランプ選挙陣営に選挙終盤期に初めて入ってきた玄人、共和党の全国委員長だ。彼の協力もあって当選後は、大統領首席補佐官になったが、間もなく解任された人物でもある。
『プリーパス自身はトランプに望みはないと思っていたが、それでも万一の保険にトランプを完全には見捨てないことにした。結局は、プリーパスがトランプを見捨てなかったという事実がクリントンとの得票差となって表れたのかもしれない。・・・・それでもなお、トランプ陣営に入っていくプリーバスには不安や当惑があった。実際、トランプとの最初の会合を終えたプリーバスは呆然としていた。異様としかいいようのないひとときだった。トランプはノンストップで何度も何度も同じ話を繰り返していたのだ。
 「いいか」トランプの側近がプリーバスに言った。「ミーティングは一時間だけだが、そのうち五四分間は彼の話を聞かされることになる。同じ話を何度も何度もね。だから、君は一つだけ言いたいことを用意しておけばいい。タイミングを見計らってその言葉を投げるんだ」』
(P67)

 さて、今回の最後は、トランプの性格。選挙中からトランプに張り付き、200以上の関係者取材を重ねて来た著者による、言わば「結論部分」に当たる箇所が初めの方にも出てくるのである。
『つまるところ、トランプにだまされまいと注意しながら付き合ってきた友人たちがよく言うように、トランプには良心のやましさという感覚がない。トランプは反逆者であり破壊者であり、無法の世界からルールというルールに軽蔑の眼差しを向けている。トランプの親しい友人でビル・クリントンのよき友でもあった人物によれば、二人は不気味なほど似ている。一つ違うのは、クリントンは表向きを取り繕っていたのに対して、トランプはそうではないことだ。
 トランプとクリントンのアウトローぶりは、二人とも女好きで、そしてもちろん二人ともセクハラの常習犯という烙印を押されている点にはっきりと見て取れる。ワールドクラスの女好き、セクハラ男たちのなかにあっても、この二人ほど躊躇も逡巡もなく大胆な行動に出る者はそうそういない。
 友人の女房を寝取ってこその人生だ、トランプはそううそぶく。・・・
 良心の欠如は、トランプやクリントンに始まったことではない。これまでの大統領たちにもいくらでも当てはまる。だがトランプは、誰が考えても大統領という仕事に必要と思われる能力、神経科学者なら「遂行機能」と呼ぶべき能力が全く欠けているにもかかわらず、この選挙を戦い抜き、究極の勝利を手にしてしまった。トランプをよく知る多くの者が頭を抱えていた。どうにか選挙には勝ったが、トランプの頭では新しい職場での任務に対応できるとはとても思えない。トランプには計画を立案する力もなければ、組織をまとめる力もない。集中力もなければ、頭を切り替えることもできない。当面の目標を達成するために自分の行動を制御するなどという芸当はとても無理だ。どんな基本的なことでも、トランプは原因と結果を結びつけることさえできなかった。』(P51~2) 



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ジャイアンツ吉川尚輝の記事紹介   文科系

2024年12月06日 13時11分27秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 本日の毎日新聞15面スポーツ欄に標記の記事が載っている。スポーツ好きとしてとても面白い記事と感じたので、要約して紹介したい。スポーツは大好きでも、今の日本プロ野球は嫌いで、最近はテレビ中継も意識して全く避けている僕だから、余分なことは書けないので、ほぼ記事紹介に徹することにして。

この選手の今は巨人の遊撃手、「侍ジャパン」代表と言うだけではなく、今期は彼の特徴を表す守備でゴールデングラブ賞からベストナインに選ばれている。とこれだけならちっとも面白くないことだが、吉川選手の野球経歴がとても面白かったのだ。

中学は僕の住んでいる愛知県名古屋の直ぐお隣、岐阜県の羽島市だ。ただし、お父さんがリトルリーグの監督で教えを受けていたようだ。岐阜中京高校に入り、一年で三塁手レギュラー、後に遊撃手に代わったとあった。ただ、彼の高校3年間のチームは、甲子園には出られなかったらしい。大学は強豪・亜細亜大学を選ぼうとしたが、その春季沖縄キャンプに出て、亜大入部は自分から取りやめたとあった。この彼を拾ってくれた大学が、同じ岐阜の中京学院大学。ここでも一年でレギュラーになり、所属リーグのベストナインにも選ばれている。中京学院大学というのは、こんなに近くに住んでいる僕も知らないのだが、急に強くなったチームらしい。なんせ吉川が4年生の時に、大学選手権に初出場・初優勝を遂げているのだから。ちなみに、この時の準決勝で当たった亜細亜大学には5対1で勝ったのだが、ゲームの前に亜大監督に往時キャンプ参加のお礼に赴いていたとあった。ちなみに、広島の菊池涼介選手も、この中京学院大学の出身のようだ。彼もまた、若い頃から守備の名手だったようだ。
16年のドラフトではジャイアンツの「外れ、外れ、一位」と言う執念を通して入団。17年春季キャンプは巨人3軍からスタートしている。

それにしても、今時初出場初優勝チームが出る日本の大学野球って、いわゆる名門はなにをやっているのか? それとも、中京学院大学に何か特別な強豪理由があった?
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