九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

おかしな言葉の数々から   文科系

2017年07月31日 16時51分27秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 シリア問題で、1970さんとコメントのやり取りがあった。シリア問題関連の国連法につき僕が30日のエントリーに書いた後のやり取りだ。彼のコメントについて、おかしいと思われる箇所を指摘して、新たな論議を提起したい。

そういうことになるわけなんだが (1970) 2017-07-30 20:18:13
(前略)実際、国際法ではカバー出来ない実例は増加。国家という形を守る為にその中で行われる人権蹂躙は放置されるおかしな事態に対処出来ない。まあ、実際はそこで介入があるんだけど。
「違法であるが、正当である」なんてのが法的な標準的評価になってるならば、国際法を時代に沿う形で変えた方がよほどまともだと思う。
それは、肝心な時に機能不全に陥る安保理を見ても同じ。そもそも、世界各国の上に国連があるわけじゃないのだから、紛争の解決に国連が機能する範囲は限定的だし、それは始めから想定出来なければおかしい。(後略)』

『 「正当」の基準 (文科系) 2017-07-30 21:08:51
「正当」の基準が、大国などのご都合主義になるから問題なのである。特に、侵略しうる大国のご都合主義、それによる革命の輸出。
 そんなことだからこそ、内政不干渉の方が遙かに良いのである。ベトナム戦争、チリ内乱、アフガン戦争、イラク戦争、シリア内乱・・・内乱には全て大国の「人権問題」提起が絡んでいるじゃないか。
 そもそも国連法を近年最も蹂躙してきたアメリカこそが、この論理を語ってきたのである。
 何度も言うが、国連への態度からすれば、米国は国連から出て行くべきだ。ただしどうしても出ていかないはずだから、それならば国連法を守るべきだ。それでどれだけ世界が平和になることか』

それじゃ益々平和なんかにならないよ (1970) 2017-07-30 22:05:3
アサドにしろ正恩にしろアメリカが作り出してるわけじゃない。独裁者の非道は別問題で当該国は平和でも何でもない。そして、国連が世界規模の治安維持には殆ど機能していない。安保理見れば分かるだろう。
あなたがロシアや中国の代理人ならばアメリカ出ていけで済むが。アメリカ1国を悪者にして世の中まとまると思ったら話にならない。仮にアメリカを国連から追放すれば、・・・・(後略)』


 さて、以上の彼の論議で、僕がおかしいと感じた所を先ず何カ所か上げてみよう。
①『国家という形を守る為にその中で行われる人権蹂躙は放置されるおかしな事態に対処出来ない』
②『「違法であるが、正当である」なんてのが法的な標準的評価になってるならば、国際法を時代に沿う形で変えた方がよほどまともだと思う』
③『それは、肝心な時に機能不全に陥る安保理を見ても同じ。そもそも、世界各国の上に国連があるわけじゃないのだから』
④『独裁者の非道は別問題で当該国は平和でも何でもない。そして、国連が世界規模の治安維持には殆ど機能していない。安保理見れば分かるだろう。』
⑤『あなたがロシアや中国の代理人ならばアメリカ出ていけで済むが』


A 簡単な方から片付けよう。⑤は、言い掛かりに近い非難である。僕はこう語ったのだ。「こんな国は出て行けと言っても、決して出て行くことはないはずだが・・・」と。つまり、脱退というこういう声も出るアメリカでも、1930年代の日独伊のような悪者には流石に決してなることはできないと述べたのである。なによりもまずこのことが、21世紀の国連の姿、力なのだと言いたい。

B 次いで、『国家という形を守る為にその中で行われる人権蹂躙』、『独裁者の非道』とかと、言われた問題。
① 先ずここで最初の問題はこれ。国連の内政不干渉原理は、「国家という形を守るため」ではない。ここにつまり国連憲章「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限(の禁止)」への無理解がある。
 現に、国連は、内乱(の結果)を認め、「国家という形を守らない」こともあったではないか。日米の猛烈な反対にもかかわらず、台湾から中華人民共和国に代表権が移った時がそうだ。言わば、内乱を起こした側の政府を新たな国代表と認めたではないか。
 これはどういう事か。あくまでも国の代表はその国が決め、国連はそれを追認する場合があるということに過ぎない。現代では、一国の統治権は尊重した方がはるかに被害が少ないからということだ。
② 次に、いかに人権蹂躙があってもその国に対して革命の輸出をしてはいけないとは、当たり前のことだろう。国家の独立権という問題は対外的なこと。どういう国家にするかは国家内のことで、これは国民だけが決める。二つの問題を混同させてはならないのである。国家内のことは国家内で済むが、革命の輸出を始めたら、被害が世界に及んでいく。ベトナム、イラク、シリアなどで明らかなことだ。

C 次いで『肝心な時に機能不全に陥る安保理』『国連が世界規模の治安維持には殆ど機能していない。安保理見れば分かる』と言われた問題。
 誰が、どう拒否権を使っており、誰がこれを死守しようとしているかを、70さんはどうもご存じないようだ。1970年ほどまではソ連が圧倒的に多かったが(それまで116回中108回)、それ以降2004年まで圧倒的に多く行使し始めたのはアメリカ、それも、80回の行使の内40回は中東問題、特にイスラエル絡みである。
 そもそも70さんは、イスラエルの対外横暴をどう考えるのか。これは、内乱、独裁横暴よりもはるかに大きい対外的侵略問題であり、だからこそ安保理にも度々懸けられてきたのではなかったか。こういうイスラエル非難を、英仏の支援もなくたった一国だけで拒否し続けてきたのが、アメリカだった。こうして、拒否権制度死守の旗頭こそアメリカという現状も、70さんはどう考えているのか。

D『「違法であるが、正当である」なんてのが法的な標準的評価になってるならば、国際法を時代に沿う形で変えた方がよほどまともだと思う』 
「法的な標準的評価?」? 先ず、違法なら法的には正当ではない。次いで、違法だけど「標準」というのは特別な説明が要る。そして、こういう言い分こそまさにアメリカ年来の主張なのである。それを「標準」とは、苦笑いしかない。  
 上記イスラエルに比べたら、サウジの原理主義内政がいかに酷いものでもまだましだと、これが国連憲章の考え方だろう。このサウジよりもさらに、2011年反乱勃発までのシリアははるかにましとなろう。が、何故アメリカは、イスラエルでは常に拒否権を使い、サウジのイスラム原理主義的人権蹂躙は問題にしたことがなく、シリアの独裁だけを問題にしてきたか。ここに、アメリカのごまかし、ご都合主義を見るのである。アメリカの正当性なるものがいかにいい加減なものかということだ。

E 最後にもう一度、1970さんと国際政治上で最も多く争う最大問題に帰りたい。内政武力干渉、革命の輸出はありなのかどうか。
 国連法ではこれを認めていない。では、国連法はないという立場だが、認める「正当な理由」はあるのかどうか。僕は、これもないと言う。上に述べたように、内乱問題は国内だけで済むが、一旦革命の輸出が始まると、世界に際限なく戦争が広がっていくからである。また、正当な理由なるものが、お金があって戦争をすることの出来る国の恣意によって、その都度ご都合主義的に操られるからである。
 アメリカが国連総会で多数派になれなくなってきたのは、こういう理由によってアラブ諸国、EU諸国、BRICS等の他、中小国からも嫌われてきたからである。このままなら、ますます嫌われていくことになるはずだ。それで、既にこの国は国連内ではいい加減いじけているほどである。それでも国連から出ていかないのは、ここが活用できるからなのだ。
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コメントにしようかと思ったが長いので 1970

2017年07月30日 17時35分32秒 | Weblog
色々参考にしている所に、アメリカのジョセフ・ナイ教授の面白い分析があったので。
著書『国際紛争』をベースに。

所謂『介入』に対する、リアリスト(現実主義者)、コスモポリタン(世界市民主義者)、国家中心主義者からの評価。

①リアリスト
リアリストにとって介入は、秩序が保てるなら介入は正当化される。リアリストにはバランスオブパワーこそが秩序と平和の根幹だから。
教授は東西冷戦を例にあげる。
「冷戦時代における勢力図がその例。アメリカは1965年に西半球においてこれ以上共産勢力が増えないように、ドミニカに、そして1980年代に中央アメリカに介入した。ソ連も東欧で共産勢力を維持する為に介入した。ソ連が宣言したブレジネフドクトリンによれば、自らの勢力圏の中で社会主義を維持する為にソ連は介入する権利があると」

②コスモポリタン
コスモポリタンの根本は正義であって国際制度の根幹になるものは「個人」の集合からなる「世界社会」になる。
だから、介入が個人の正義と人権を守り促進するのであれば、介入は正当化される。
「冷戦の最中には、自由主義的なコスモポリタンにとって、フィリピンのマルコス政権や南アフリカのアパルトヘイト政権等の右翼政権に対する介入は正当なものとされ、保守的なコスモポリタンにとっては、ニカラグアのサンディスタ政権やアンゴラやモザンビークの共産政権に対する介入は、これらの政権が民主権利を侵害しているのだから、介入は正当なものとされた」

③国家中心主義者
国家中心主義者にとっては、国民と国家の自律性こそが根本であり、彼らにとっての国際社会は、国際法に伴う諸国家からなる社会である。
その中で最も重視されるのが「他国に対する不介入」なので、介入が正当化されることは殆どない。彼らにとって戦争とは、国家の領土、国としての一体性を守る為にもしくは外部からの侵略に対して、自らの主権を守る時のみ正当化される。
しかしながら、現実の世界とは複雑で外部からの侵略そのものが曖昧に定義されることが多い。

まあ、こんな話があった。そして、人道的介入に関して、慶應大の駒村圭吾教授が以前『ジュリスト』でこんな話をしていた。
人道的介入が合法かということについて、自衛の場合を除き、武力行使は包括的に禁止されている為、合法な人道的介入があるとしたらそれは、国連憲章7章に規定された安保理による強制措置として行われる場合に限られる。
そして、そのような合法性の体系に分類されうる人道的介入は殆ど存在せず
「今や人道的介入は国際慣習法化している」
という構成を採りでもしない限り違法である。にも関わらず、同時に何らかの水準でこれを正当化し、違法の評価を乗り越えようとする試みが精力的になされてきたのも「人道的介入」の特徴であり、ユーゴ紛争に対するNATOの介入に対して下されたコソヴォ独立国際委員会報告書による評価
「違法であるが、正当である」
が、ひとつの標準的な法的評価として有名である。

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シリア政権、国連加盟国の権利  文科系

2017年07月30日 11時51分16秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 以下の文章は昨日の「シリア論争 僕なりのまとめ」の続編に当たる。内容は、この6項目の国連法的考察ということだ。つまり、こういう国連法があるから昨日の6項目は正しいということを論ずることになる。なお僕には、日米マスコミがこういう論点を全く放棄しているように見えるのである。ネトウヨ諸君が国連を語ったことがないのは、日本関連のことしか知らないだけではなく、イラク戦争のように世界の警察官に励むべく国連を無視してきたアメリカ世界戦略の産物でもあると観てきた。


 昨日の「シリア問題、僕なりのまとめ」の箇条書き6点を、ほぼこのままエントリー以前に書いたコメントに、1970さんから、4本のご応答があった。その応答内容が国際法上極めて重要な事項に抵触する言葉、考え方が多いと読んだので、ここにエントリーとしてお応えすることとした。
 70さんの応答内容が抵触する主要な論点は三つあるだろう。一つは、国連憲章第2条「(国連の)原則」第4項の「領土保全又は政治的独立」にかかわるもの。ついで、同じく第7項「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」に関わるもの。および、これら2条に示されたような権利享受を認められた加盟国の重要さに鑑みた「第2章 加盟国の地位」と、これを巡る加盟手続きである。
 以下、70さんの問題文章を上げて、以上を論じてみたい。

①『独裁者による限度を超えた圧政や民衆の虐殺を正当化する国際法なんてのも何処にも無い』
 虐殺や独裁を正当化する法律は確かにどこにもない。だが、国連加盟国には守られる権利が数々あるのだと示してみよう。
 第2条第4項は「領土保全又は政治的独立」を保証していて、「武力による威嚇又は武力の行使」を受けないことになっている。
 また、加盟国の内政問題には国連でさえ、ましてや加盟各国は干渉できないというのが、2条7項である。
 例えば、アメリカによるシリア空軍基地へのミサイル打ち込みが以上の国連法に違反するとは、世界の法律家のほとんどが解釈することだろう。

②こういう国連と加盟各国であるからこそ、国連加盟国問題は非常に厳格なものだ。加盟承認と、「加盟国としての権利及び特権の禁止」、「加盟国の除名」などは、国連総会決定事項とされており、しかもそこで3分の2の多数を要することになっている。日本国憲法改正のような重々しさと言える。国連から見たアサド政権とは、何よりも「こういう存在だ」ということを強調しておきたい。
 国連は独立国単位の加盟組織であるから、そしてどんな国にも内乱や政権交代があるのだからから、「加盟国とは何か」というのは極めて重要な視点、話題になる。

③ では、70さんが心配されているやのこういう問題は、どうなるのか。
『まあホントにそんなこと考えてるなら(と、昨日の僕の6項目を挙げて)・・・世界に蔓延る独裁者達が泣いて喜ぶよ』
『加えて国際法ってやつは残念ながら、法的拘束能力も強制執行機関も無い。独裁者の殺戮に怯える民間人は誰に頼ればいいんだ? その視点が決定的に欠けてるよ』
 こう言える側面が、国連法に存在するのは確かだ。自衛権の発動と安保理の承認があった時以外は、武力の行使は出来ないのだし、武力行使が、相手国の「国内管轄権内にある事項に干渉する権限」に関わるものであるならば、「安保理の承認」議題にさえ上げられないのである。よって、以下のような解説も必要になろう。

④ 民主主義にもとる強権的政権の改善は、現在の国連法に関する限りなによりも国民がやることとされている。それが、第2条第7項「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」(の禁止)、つまり、革命の輸出による被害の方が遙かに大きかったと、数々の歴史から学んだ結果なのだ
 古くはベトナム戦争。国連の制止を振り切って敢行され関連死含めて50万の死者を出したイラク戦争。アメリカ、サウジ、カタールなどが関わった外からの猛烈なシリア内乱工作。これらの被害がどれほど大きかったか!
 またちなみに、これらの戦争で攻め入られた国連法上の独立国政権側が例えばロシアに支援を求めるのは、国連法で言う自衛権に属することとさえ見うるのではないか。
 また、アル・カーイダ、イスラム国、シリア・ヌスラ戦線、世界へのテロの拡散、膨大な数の難民。これらすべてが、徒な外部からの干渉の産物だったという側面も見ておかねばならない。アサドの残忍さなるものでさえ、彼らとの間のこういう憎しみの連鎖、このエスカレートの結果、産物とも言えるのである。外から憎しみの連鎖を駆り立てるのは、国際法上最悪の行為ということであろう。

 こういう憎しみの連鎖の結果あれこれを、「シリアの友」側から一方的に見る論調は、以上全てから言って国連法の見方ではない考える。つまり、「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」は、これを認められないということだ。現在までの国際法では、そういうことしかできない。
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シリア論争、僕なりのまとめ   文科系

2017年07月29日 12時07分29秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本当にごちゃごちゃしていますが、結論を言えば実に簡単なこと。この論議で僕が述べてきたことをもう一度改めてまとめてみます。

① 反乱が起これば、どの政府も鎮圧するし、この双方暴力がエスカレートすれば、何でもありになる。憎しみの連鎖から、世界も巻き込まれることにも。その途中結果だけをあちこち見て、あーだこーだ言ってみても始まらない。より残酷になっていくとか、互いがその罪をなすりつけ合うなんて当たり前のことだからである。

② こうして、この一方側だけのニュースを、特に反乱軍側のニュースを発信するのは、一種の国際戦犯行為と言える。国際法上の合法政権を潰しても良いと語っているのだから。

③ ①②について善悪を言うと、国連が認めた政府は普通は国際的に合法なのだ。よって、反乱軍が悪いとなる。それに武器を与えたり、ましてその軍隊に軍事教練を施すなどは、悲劇を増やす論外の行為である。アメリカ、サウジ、カタールがこれを大々的にやってきたとは、ほぼ公言されていることに属する。イラン、ロシアの支援は、政府の支援要請があったはずで、これは国際法で合法だろう。

④ 「解放区」だけで反乱軍だけを支援する行為はもちろん反乱加担行為である。それに金を出す国も含めて。どこで救命、医療活動をしようが、政府が認めた行為、団体は合法となる。

⑤ 以上の中で、特に①②③のようなことが起こるからこそ、独立国に外から武力干渉などを働くことは最悪の国際犯罪行為なのである。アメリカは、これを無視して反乱支援をあちこちでしてきた。国際警察のように。僕は、ここを批判しているのだ。

⑥ 最後に、だからといって、世襲共和制を僕が支持しているわけでは全くないとも言っておく。とはいえ、サウジの政治体制に比べたら、民主主義の名においてシリアはまだ随分マシとは言えると思う。


 人間社会問題である一つの大論争が起こる難問には、ほぼ必ず立ち返る原則というものがある。原則は他よりぬきんでていてしかも他を規定するという重要なものだ。なお、そういう社会原則の重要性とは、歴史的に確かめられてきたものであって、他とごちゃごちゃには決して出来ないという、言わば「思考構造上の上位に置くべき事」といえる。
 シリア問題のそういう原則こそ、上記③だと思う。ちなみに、反政府派を支持する人がこれを語ったのを観たことがない。アメリカと同じように、国連が眼中にない日本人だからだろう。これを同じく無視してきた日米マスコミなどに毒されているとしか、僕には思えないのである。

 書評した「シリア情勢」作者は、僕と同じここをこそ最も重視している。以下のように
『ロシアの空爆は、国際法上正統性を有するアサド政権の要請に基づいていた。米国をはじめとするシリアの友ブループはアサド政権の正統性を一方的に否定しており、その限りにおいてロシア側の主張には根拠はない、と反論することもできた。しかし、有志連合には、欧米諸国が「シリア国民唯一の正統な代表」と認定してきたシリア国民連合を含むいかなるシリアの当事者も参加しておらず、その空爆はシリアの誰からも承認を得ていない主権侵害、侵略行為だった』(138ページ)

 最後である。僕やこの著作者・青山弘之氏はこうして、アサド派というよりも実は、国連法派なのである。 トランプが「シリア介入も、他政権打倒に奔走するのも、止める」といったのだから、日本政府なども反乱軍加担は止めて欲しい。
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なお黄昏れ行く世紀初頭の日本  文科系

2017年07月29日 10時35分01秒 | 国内政治・経済・社会問題
 稲田朋美が防衛相をやっと辞任した。こんな人物が行政改革担当相、自民党政調会長、防衛相を歴任してきたって、そもそも一体どういうことなのか。
 彼女の重大責任問題はまだ残っている。南スーダン国連平和維持部隊の日報をキープしていながら、「破棄しました」とすることを防衛相として首脳会議で了承していたという問題が。未だに「報告された認識はない」と、自民党お得意の「記憶にありません」の変形回答を、この稲田、維持しているのだけれど。

 事実は多分こんなところだろう。こういう報告を受けて、「はいはい」と返事だけはした。ところが、自分がこう返事したその瞬間にこの問題に文民統制が通ったことになるのだから、今後は自分が先頭に立ってこれを維持しなければならないという自覚が全く欠如していた。だからこそ、この文書があったと判明した時には、自分がこれ無い物にするのを認めたと言わない限り、制服組が犯した文民統制違反という重大事件に陥るという認識もなかったのであろう。つまり、自分のこの責任を逃げれば、制服組をとんでもない暴走者にするという意識もなかった。

 文民統制違反も遣えない防衛省最高責任者。ちょうど、森友に肩入れしたり、「防衛省として自民党への投票をお願いします」と選挙演説したりというその思考力とダブって見えるのである。こんな人物を数々の自民党要職に就け、女性票を意識してか自分の後継者の一人に選んだやの「デンデン」首相は、人の知性、責任感を見る能力もいかに欠如しているかと判明したのである!
 また、こんな首相に一強国会議員数を与えた国民がいかに愚かだったことか! ちなみに、政党としてはこんなことはなかなか語れないが、個人としてはいくらでも語れるのである。もう一度言うが、安倍に投票した国民全部が馬鹿だったのだ。こういうことは、今後忘れないようにして欲しいものである。どこが馬鹿だったのか、どういう判断をしなければならないのか、政治が、我々の生活の隅々までをどれだけ動かすのか、も考えながら。「人の噂も75日」、そもそも僕も含めて、国民は酷い仕打ちにもっと懲りて、覚えていなければならないのである。

 稲田と言い、安倍と言い、国政最高の言論の場でなんという人間品性の下劣を示して恥じないのか。これでは、「日本人の誇り」も新たな「道徳教育」も、安倍首相を筆頭とした与党議員及び関連する官僚たちには、教え直さねばならない。


 経済も2%インフレ目標初めちっとも上向きに出来ず、株価に至っては日銀、GPIFからの投資で1万円アップとか、バブルにしているだけという上に、このバブルの出口には「日本安」魔物が大口開けて待っている! 職業が増えたとの情報垂れ流しは、団塊世代ぞくぞく引退の後、少子化によって就業・就職人口がどんどん減ってきた結果に過ぎぬのである。だからこそ、減った就労人口でも、一人当たりGDP比較は、どんどん落ちてベスト10内どころか、実に30位! するとまた少子化という、悪循環!
 
 小泉、麻生、安倍が主導した21世紀初めは、世界一働き者たちが築いた1人当たりGDP世界トップクラスの日本国をすっかりダメにしてしまった黄昏れた時代だった。そう、後世語られることになる。
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ハリルジャパン(103) 磐田の快進撃始まる  文科系

2017年07月28日 17時00分16秒 | スポーツ
 去年名古屋などを蹴落としてぎりぎり一部に残った磐田が、標記の動向を示している。その闘い方等の変化、進歩と、その内容とが極めて興味深い。ちょうど、近年の王者浦和の凋落と対照的であるような。失点を急に減らしたと、急に増えたとの違いとして。強豪相手の五連勝で現在7位まで上がってきた弱小・磐田に、何が起こったのか? 僕が読んで面白いと思ったサイト記事を要約してみる。

①総得失点差プラス10。14節から17節まで5連勝というチーム現状を表す数字だろう。この間、ガンバ、浦和、FC東京も相手だったのである。1点差勝利、同点ゲームも増えている。一昨年のイングランドレスターなど、弱小チームが急に伸びる時の特徴ばかりが目立つのである。

②勝利の原動力である守備力向上では、こんな特徴が出ている。3バックだが、守備時の敵ボールサイドでは、「敵ボールへ出来るだけ詰めるアプローチ・アタック。逆サイドは中に詰める」を徹底している。

③名波監督はチーム現状について、何よりもこう語る。
「13~4人しか使える選手がいなかったが20人ほど使えるようになった」
 中村俊輔につき合って、居残り練習をする若手が急に増えたらしい。上手くなってゲームに出られる練習なら、誰でも参加するよな!

④外人をなるべく使わず、若手の気づきを待つ監督の態度も解説されていたが、なるほどと思った。この監督には「早く教えすぎない。そんなのはどうせ理解できない」という我慢があるようだ。俊輔とともに「聞いてきたら、やっと教える」で一致しているようだ。

 21世紀への移り目のころの磐田は、多分Jリーグ史上の最強チーム。このチームの真ん中にいて皆から一目置かれていたのが、今の名波監督。この調子では、もっともっと成長して、日本サッカー向上に大仕事をしてくれそうで、目が離せない。スペインはアトレッティのシメオネのように、チームも彼も、大きく育て! そういうチームが現れないリーグは、面白くない。柏、セレッソの大躍進も、他方で、広島と浦和の凋落も、見事な眺めである!
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なぜ9条以外の話題をOKとしたのか?  らくせき

2017年07月28日 09時03分35秒 | Weblog
発足当初は、このブログの話題は9条関係が中心でした。
とくに南京事件など、いくつかの問題で議論が深まりました。

間もなく、それ以外の話題も歓迎するようになりました。
それは憲法が人間活動全般に関わっていること。
ブログを元気にして、長い時間に耐えられるようにするため。

それが創始者の考えだったと思います。
ブログがまだ続いているということは、
この考えが間違ていなかったことを証明していると思います。



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「よたよたランナーの手記」(200) 4キロ減量成功!   文科系

2017年07月27日 22時20分38秒 | Weblog
「20日は30分3回、13キロジャスト。絶好調が続いている」と書いたが、さらに体調が上向いている。先日書いたこの事が、好調の原因の一つなのだろう。

『 前立腺癌治療の女性ホルモン長期注入などでで60キロ超まで増えた体重が、57キロほどに戻り、15%を越えた体脂肪率も、本日12・2%になった。・・・・・・さて、これから徐々にスピードを上げてみよう。僕の持続出来る最高心拍数は160で、時速10キロでもこの範囲に納まるようになったから、スピードアップが望めるのである』

 この記述の意味はこういうことだ。体重が4キロ近く減り、これだけ体重が減ったのはその分だけ心肺機能を鍛えるべく走り続けてきたということだから、「車体は軽く、エンジン性能は向上」という相乗効果なのである。

 こうして、今日の30分×2回はこうなった。4・4キロと4・7キロの、合計9・1キロ。これと同じ9・1キロの走力を示したのは、前立腺癌陽子線治療前の去年8月18日まで遡る。しかも、今日の9・1キロは久しぶりの速度で汗は多かったけれど、事後今の疲労感がほとんど無かったというのが大きいこと。後半の30分はほぼ9・5キロ時以上で走っていたのに。つまり、時速10キロが常用速度にできる目処が今日ついたということだ。この時速10キロ(を持続する)というのは、高齢者ランナーの一つの目標。今日はもう、ウハウハしながら帰って来たところだ。

 85歳でオーストラリア鉄人レース完走者の1面インタビュー・ニュースが、つい最近の中日新聞にあったが、彼に励まされたことが大きかった。自転車180キロ、フルマラソン、水泳は3キロだったかな? これほどの可能性さえ、人間の身体には潜んでいるのである。ならば俺だってと、そんな気持ちから、この7月はちょっと頑張ってみたのである。

 8月の目標を30分×2回で、9・5キロに置こうと思う。10分程度のウオームアップは別に済ませておいて本番だけとしてやってみたら楽勝だと思うけど、いつものように30分×2回の前半初めにウオームアップ低速走行を含めての目標である。
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ここでごまかし、国会答弁   文科系

2017年07月27日 13時44分24秒 | Weblog
 ごまかしとは、見せかけだけよくして人を騙すための(その場しのぎの)言い逃れという意味。語源を調べたら、羊頭狗肉と同じような意味だ。これはつまり、「羊の頭を掲げて、犬の肉を売ること」。

 今国会証人喚問はこれの連続。日本国会という最高の政治言論の場で「日本人の誇り」も「その歴史と伝統」もなにもかも、吹き飛ばす行為と言える。日本とは、世界の先進国としては最も犯罪が少なくて安心できる国。時間、契約、公衆道徳、つまり約束を守る国。そういう先人の努力の一切を台無しにする為政者の姿を、日本中に示しているのである。夕食時間のニュースなどを通じて、茶の間の青少年にも『こんな人々が「道徳教育」、「日本人の伝統」を説いているのである』と。恥ずかしくないのか。


 現在の国会証人喚問に関わって、一つ教えられた記事が今日の中日新聞にあった。言われてみればなるほど、昨今日本のごまかし政治答弁の一つが、堂々とまかり通っている。

 名古屋大学大学院政治学研究科教授の後房雄氏が、加計孝太郎証人喚問要求への首相回答「国会が決めること」を評した2面記事があった。記事の要点はこういうもの。
 首相は同時に与党総裁である。やる気があるならば「証人喚問設定へと、与党総裁として党を指揮したい」と言えばよいのだ。
『「国会が決めること」というのは、自民党総裁でもある人の発言としては「(証人喚問を)やるな」と言っているようなもの』
 この氏の発言には、日本の政治仕組みについてのこんな解説も付いている。議院内閣制を取っている日本では、三権分立は存在しないのであって、言わば迷信みたいなもの、と。議会多数党が行政権も握るのが、議院内閣制だからである。それを承知で「国会で決めて頂きたい」と今の自民党総裁である首相が語るのは、確かに「彼の喚問はやりません」と応えているのも同じ事である。それも、長年の腹心の友に首相権限を使って莫大な公費を支給したのではないかと疑われている時に、その利益享受者調査を許諾できる最高権限を持った人がこれを拒む。「李下に冠を正さず」など問題外の疑惑言動なのである。

「記録、資料を破棄しました」、「記憶にありません」も同じ事。これは、ごまかしと言うよりも嘘に近いものだろう。現に野党の努力で記録が数々出て来たのだし、これが出て来た時に与党が「記憶にありません」と答えてきたのだから。ここにはつまり、ごまかしと、嘘とが存在するということだ。


 国政最高の言論の場で、なんという人間品性の確信犯的下劣を示して恥じないのか。これでは、「日本人の誇り」も新たな「道徳教育」も、安倍首相を筆頭とした与党議員及び関連する官僚たちには、やり直さねばならない。
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このブログは、改憲問題に関してひろく意見を述べ合う場。

2017年07月26日 09時09分37秒 | Weblog
というのが、創始者の考えです。
すくなくとも、この考えに賛同して投稿してくださるのが最低のマナーだと思います。
そこには排除の論理はありません。
                     創始者の遺産相続人・らくせき

 
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僕を追い出そうと、10年の執念   文科系

2017年07月25日 18時48分42秒 | その他
 なんやかんやさんとの討論を僕からご遠慮した理由を今の時点で改めて、ここの200名ほどの常連の方々にお伝えしておきたい。
 その要点を先に述べさせて頂けば、彼の「討論」が彼の「狙い」達成まで続かざるを得ないと、僕が見たからである。「私的文章は他所で書け」というのは、僕にとっては「出ていけ」も同じことになる。そのことを知っている彼が再三僕にそう語ってきたのは「ここを出て行って欲しい」ということなのだ。僕が最初から「人間的文章なら何でも良いから」という友人の懇願によってここに参加して、成功のために12年努力を重ねて来て、自分なりに貴重な晩年の情熱を注いできた者に対して、出て行って欲しいと申し出ているのである。何の権利、もっと言えば「どういう動機から」こんな無礼なことを執拗に、言ってくるのか。

 今回のやり取りは、6月20日の拙エントリー「僕が政治論以外も書くわけ」における応答の前後に端を発している。この文章の以下は、これになんやかんやさんがつけられたコメントを初めにご紹介して、二人の最後の応答で終わろうと目論んでいる。
 なお、こんな彼の「狙い」が、彼の言葉で言えば、10年以上前からここにいろんな名前で参加してすぐの頃から彼の中に抱かれていて、ちょくちょく述べてきたことであるらしい。
『私は、ハンドルネームは変えていますが、10年近くここを見ています』
 そう言えばあのAさんも「同じ狙いと、やり口だったな!」とか、僕に思い当たる人は居る。名前を変えてまでこんな理不尽なことになぜ、どうして執念を燃やしてきたのか。読者もいろんな想像を働かせて頂きたいところである。

 なんやかんやさんは、6月20日エントリーにこんなコメントを付けて来られた。エントリーをお読み願えればお分かりの通りに、以下のコメントが、最初の出だしの「公的」、「私的」の意味と、それに付けられた丁寧な解説からしてもう、僕のこれらの使い方を誤読されている。


【 公的?私的? (なんやかんや) 2017-06-20 14:44:39
 政治的な事柄を書くのが「公的」で、随筆などを載せるのが「私的」で、両者を並列に載せればトータルになると言うのはいささか違うのでは。
 政治的なことを書いてもそれがかたくなで現実性や一般性をもち得ず、相互のディベイトの対象にならない場合には、私的なつぶやきにしか過ぎません。
 一見、私的な随想でも、それらが現実を撃つ内容を備えていればじゅうぶん公的なわけです。
 まあ、一般論はともかく、問題は、文科系氏のお載せになる、随筆類がまったく読まれていなくて、その意味ではここのメンバーに全く共有されていないということにあります。
 ここがまったく私的なブログならばそれでもいいのですが、IDもパスワードも公表されていて、誰もがトビ主になることができる公共の場であるとしたら、随筆類やお孫さんのご自慢はとても場違いな気がするのです。
 もちろん、それらをお書きになりたいお気持ちは分かりますし、お書きになることは自由です。
 そこでいかがでしょう、文科系氏の個人のブログをお持ちになって、そうした随筆類はそちらへお書きになり、その都度、「ブログ更新しました」ということでそのブログのアドレスのみをこちらへお載せになるというのは。
 そうなされば、文科系氏の個人のブログも充実し、それに興味をもつ方はこことそちらを自由に往還できるわけです。
 正直いって現状のベネズエラ論議と、ハーちゃんの話の並列は、文科系氏の「これがトータルな自分だ」との言明にかかわらず、なにか木と竹を継ぎ合わせたようで、ひどくブキッチョな自己顕示を押し付けられているな気がしてならないのです。】

 このコメントを読んだ僕の方は、お返事コメントを出さなかった。ちなみに、上の後半の言葉は「出てけ!」と語っているのであるから、出しようが無く、無視したのである。言い分の性質上言い方は柔らかいが、この文章を誰が読んでも、そうとしか読めないだろう。他人にどうしても何事かをさせようという時に使う飴と鞭の前者の「形」なのである。現に、この言い分に僕が無視を返すと、たちまち言葉激しくなって、こんな鞭、捨て台詞を飛ばして来られた。最後の『討論』をご紹介しておこう。

【 やっぱり (なんやかんや) 2017-07-24 16:35:33
 噛み合いませんねぇ。
 こちらはあなたの書いたテキストに沿って実証的に書いているのに、「こんな風にまともにとられても」とか、そんなつもりで書いたのではない(1970さんがいうところの「誤読」)と言われてしまえば、それでおしまいですよね。
 相撲でいったら、あなたに合わせて立ち会おうとしているのに、あなただけさっさと別の土俵へいってしまっているようなものです。
 こうした場でのまともなディベイトというのは、あくまでの相互のテキストに寄り添った記述のはずです。それに即して話をしているのに、それ自身を否定したり、ただ一方的にお前は間違っていると断定するだけなら、これは俺のおもちゃだと抱え込んで駄々をこねている幼児と一緒です。
 安倍氏のいう「こんな人たちに負けるわけに行かないんです」を地で行ったいるのが文科系さんの現状です。この言い方のアポリアは、それ自身が「こんな人たち」を拡大再生産してゆくということです。】

『 Unknown (文科系) 2017-07-24 21:53:30
「相撲でいったら、あなたに合わせて立ち会おうとしているのに、あなただけさっさと別の土俵へいってしまっているようなものです」 
 貴方のお返事がこのようなものだとは、僕には読めませんでした。それは僕の二つのお返事そのもの、特にその冒頭に書いてきたとおりです。
 それでもあなたは土俵に上がりたいと申し出ておられるのですが、これだけ噛み合わない話には、もう僕は上がりません。悪しからず。』

【 どうしようもないですね (なんやかんや) 2017-07-24 22:27:25
 やっぱりまた覗いたのが間違いのようでいた。
 ここはまともに話し合える場ではないことがよくわかりました。
 もうお邪魔しませんから、どうぞ独りよがりのマスターベーションをお続け下さい。】


 最後に、これは事実だから申し上げておきますが、この「出て行け」「止めろ」と、そのための「鞭」には、1970さんと、名無し君がさんざん加勢のコメントを書かれていました。唯物論を自称されるやのなんやさんと、熱烈与党支持者の後2者が期せずして共闘されたというのは、僕には極めて興味深かったです。なんやさんにはこんな共闘の意識など皆無だったでしょうが、熱烈な右の方々の彼への「加勢」には、僕は吹き出してしまったものです。
「敵の敵は、味方」
 面白すぎました。他方なんやさんは、この一方的加勢を今はどう理解されているのでしょうか。他人事ながら、僕には大変興味深いことです。
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随筆紹介 「見ぬふり」   文科系

2017年07月24日 09時05分31秒 | 文芸作品
  見ぬふり   S・Yさんの作品です


 がん検診に行った。検査センターなので様々の会社の健康診断の人々で混雑している。中にはどんな職業だろうと首を傾げたくなるような、大柄で強面の態度の大きいオジサンもいる。目を合わせないように遠巻きに眺めていたら、思わず噴き出してしまった。見た目怖いこのオジサンが、ピンクの制服が似合う若いナースの指示に、はい、はい、と実に素直に小学生のように受け答えしているのだ。こういう人に限って注射とかが怖いのだろうなと、勝手に想像が膨らんでしまう。
 失礼の無いように見ぬふりをしながら、ついつい人間観察をしてしまう悪い癖のある私。そういう私もどこかで誰かに観察されているのかもしれないが。

 そういえば見ぬふりをするで思い出したことがある。
私は日頃から困った人には出来る範囲で手助けをし、正義感はまあまああると思っていたが、それでもまだまだだなあと最近痛感したことがあった。

 ある日のプールでのできごと。三十年もブランクがあって始めた水泳は思うようには泳げない。当然、私はフリーコース(自由練習ができる)専用だ。日によっては午後三時くらいから小学生が来る。決まって数人で来るのでフリーコースでふざけて遊び始める。泳ぐ練習をしている私たちのような人は非常に迷惑するのだが、監視員は一切注意をしない。フリーコースだから何をしてもいいということなのか。釈然としないまま我慢をしていると、年配の女性が「あんたたち、プールに来たんだから泳ぎなさいよ」と注意をした。確かに今日の小学校高学年の女の子たちは悪ふざけが過ぎていた。六人ほどいた女子は一斉にプールから出て行った。しばらくしてシャワー室に行くとこの女子たちがシャワーを占領して遊んでいる。待っていると、奥の一つだけがカーテンが開き、太った中年のオバサンが私を手招きし、「早くここ使いなさい」と譲ってくれた。
 シャワーを済ませてロッカールームへ行くと、今度は更衣室を占領している。と、一人の女の子がみんなの水着やタオルを受け取っては洗い、脱水機とのあいだを走り回っている。私はしかたなくロッカーの前で着替えを始めた。その途端「いいかげんにしなさいよ!」怒鳴り声が部屋中に響いた。さっきの太ったオバサンだ。驚いて更衣室から顔を出した子たちに「あんたら、この子に何もかもやらせて楽しいのかい? 自分の水着は自分で洗いなよ!」すごい剣幕だ。更衣室から出てきた子たちはみな着替えが済み、我先に出て行ってしまった。残された一人の女の子はまだ濡れた水着のままだ。オバサンの話ではどうやらこの子はずうっと苛められていたようだ。「あんたねえ、世界は広いからね。意地悪いやつもいるけど、いい人もいっぱいいるからね。負けるんじゃないよ」そう女の子に話しかけている。可愛い女の子だった。私も「大丈夫?」と声をかけると「はい」とにっこりしたが、後ろを向いたときベソをかいたのがわかった。さっきの子らに仕返しされないかなと不安になる。苛めに気づいたとして、私は見て見ぬふりはしない。だが、あのオバサンのように子どもたちを叱ることができるだろうか。
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アメリカに一喜一憂しても無意味という話 1970

2017年07月24日 07時04分45秒 | Weblog
何か個人的な怨みでもあるなら別だが。
なんやかんやさんではないが、正義は勝つだのといった勝ち負けの話はまるで意味がない。
というより次元が違う。

そういう切り口だけで見れば、例えばアメリカがシリアから手を引く→丸く収まるになるのかも知れないが、現実は全く違う。
中東はアメリカひとつでどうのこうの世界ではない。アメリカが手を突っ込んだだけでどうのこうの世界でもない。こう書くと、イラク戦争は~が始まるかも知れないが、そもそも中東はそこらじゅう火薬庫なんで。
今もイエメンやリビアは悲惨な内戦中。
アメリカの勢力が弱まれば嬉しいのは分かるが(分かるっても理解は出来ないよw)、それは喧嘩が強くて声が大きい人間の負けるところを見れるのが嬉しい感覚と変わらないんじゃないか 笑

シリアにしてもオバマがロシアによる空爆を容認した時点からアメリカの動きは変わらない。つまり、ロシアに任せるということ。しかし、これはシリアの一般国民の多くには地獄になる。アメリカが抜ければ嬉しいって結論付ける話じゃないだろう?
だからシリアからの難民流出は止まらない。
アメリカの動きに一喜一憂して他のこと見ないのでは無意味じゃない。

そして、アメリカはシリアを離れるが中東を離れる訳ではない。
サウジ、クエート、カタール、イラク、イラン、イスラエルの対立が燻る中東からアメリカが離れることは無い。
それこそシリアよりもはるかに昔からアメリカが関わってきた国の問題だから。
ロシアやトルコ、フランス等も同じだけどね。
力が強いから首突っ込んで弱くなったから手を引いてなんて問題じゃないんだよ。

アメリカだけウォッチャーでは分からないと思うけど。
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超大国としては終わったアメリカ   文科系

2017年07月23日 02時00分36秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 自国以外全ての国の要求を無視して、パリ協定から離脱したアメリカ。それほど、シェールガスに目鼻が付いた化石燃料だけに、国の望みを託している苦し紛れなのかも知れない。「普通選挙で選んだ」トランプの数々の奇行を見ても、アメリカは終わった国だと、つくづく思うのである。
 小さいように見えることだが、22日夕刊のこんな記事二つを紹介したい。70年続いた二超大国の冷戦が終わって30年近く続いた一超大国時代の驕りが、この国をここまで駄目にしてしまったと見る。

①22日夕刊3面には、こんな記事。『軍需産業保護で調査』。この記事には、大統領令の中にあるこんな文面が紹介されてあった。
『2000年以降に米国で6万以上の工場が閉鎖され、約500万人の雇用が失われたことが、米国の軍需産業を脅かしている』
『海軍の潜水艦のスクリューを修理できる企業は国内に1社しかない』
 このような事態は、湾岸、アフガン、イラク戦争と続いてしかも双子の赤字を抱えてきたのでは、必然のこと。ここで何回か強調してきたように、アメリカの国家累積赤字は70兆ドルになっている。これは15年に元会計監査院長デイブ・ウオーカーが公表した数字が65兆ドルとあったから、当時公的に発表された数字18兆ドルの4倍を超えていると見て、確かだろう。

②次は、アメリカの人材枯渇、規律の緩みなどのニュースであって、これは10面。ブッシュ時代に重用されたネオコンや、当時の大統領側近ラムズフェルド、チェイニーの劣化を見てもそう思った所だが、22日夕刊の人材劣化証明は、日本関連記事見出しとしてのこれ。
『イージス艦側に過失。衝突で米報道。船接近、認識せず』
 記事内容から言っても、途方もない事態だと読んだ。
『米軍当局者は、イージス艦の乗組員は衝突の「最後の瞬間まで何もしなかった」と指摘』
 こともあろうに一体、軍艦がこんなことを! 規律が商売のハズの海軍に一体何が起こっているのだろう。こんなことで軍艦の乗組員7人死亡! マスコミも発達した一応は民主主義大国・日本でこんなでは、他の国で同じことを起こしてもみ消す事に務めたと、そんな事は無数に起こっているのではないか。僕はそんな、想像さえしていた。

 物作りがすっかりダメになったアメリカのやることは他国の金融搾取しか残っていない。世界一の外貨キープ国中国に金融自由化を迫って急なのである。でもこれは、到底無理筋の話。アジア通貨危機や、リーマンショックでこれの遣り口は既に世界に全て知られている。

 アメリカは一体、自国をどう立て直すのだろうか。70兆ドルの国家累積赤字は世界周知の事実である。イラク戦争やイラン敵視に輪をかけてさえ死守してきたドル基軸通貨体制は、BRICS諸国等の離反でどんどん崩されてきた。この国の信用が落ちる時は、あっという間ではないか。
 中国がどんどんドルを手放す中で、日本はドルを持っていて大丈夫なのか。日銀がいつか大量株買いから抜ける時、日本保有のドル価値が暴落していれば、日本も沈んでいくしかない。アメリカとの心中は、そろそろご免にすべきではないか。
 
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中東 ロシアの軍事プレゼンスの拡大

2017年07月23日 00時07分57秒 | Weblog
ロシアとサウジの武器供給の契約について触れたが、昨日のアルアラビアネットでは、ロシアとイランの武器契約を報じた。
イランがロシアの戦車数百台を購入する契約を結んだというもの。額にして10億ドルにのぼる巨額契約。サウジとの契約も35億ドルという巨額なものになる。
又、シリアとは空、海の基地の使用契約を新たに49年結んだので、中東に於けるロシアの軍事プレゼンスは一気に拡大した。

面白くないのはイスラエルだろうね。
特にイランに対しては更に警戒するはず。
暫くの間、中東の軍事バランスを握るのは、ロシアとトルコになるようだな。
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