非正規女性世帯半数が家計赤字 「連合総研」調査(14.10.30 朝日新聞)
女性の非正社員がおもな稼ぎ手の世帯は、過半数が年間の収支が赤字――。こんな厳しい家計の実態が、29日に発表されたシンクタンク「連合総研」の調査でわかった。男性の非正社員の赤字割合を上回り、男女間の格差がうきぼりになった。調査は10月1~6日、企業で働く20~64歳の2千人を対象にインターネットを通じてきいた。
過去1年間の世帯収支が赤字か黒字か、同程度かをたずねた結果を、おもな稼ぎ手が正社員(男女)と非正社員(同)である場合にわけて分析した。すると男性正社員で赤字だったのは28・7%だったが、男性非正社員では36・5%に上昇。女性の正社員がほぼ同じ36.5%で、女性の非正社員は51・6%だった。
男女で格差がある実態を示す内容で、非正社員の方が正社員より男女の差が開いた。連合総研の担当者は「男性は中高年の非正社員に技術で稼ぐ専門職はいるが、女性はそういう層が薄いためでは」と分析する。
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すさまじい調査結果の数字ですね。女性の非正規社員が世帯主の家庭の半数以上が年間収支が赤字だということですね。男性でも非正規社員の家庭の3分の1以上が赤字ということですね。
非正規社員は期間工や契約社員、パート、派遣労働者が多いのですが、最近派遣労働者が増えていることが問題になっています。それにもかかわらず安倍政権は労働者派遣法の改正案を国会に提出しました。従来の労働者派遣法は、派遣労働者は「臨時的、一時的」な働き方とされ、通訳など26の専門的な業務を除いて企業は派遣労働者を3年しか雇えないとされています。ところがこの改正案は人を変えれば同じ職場でも派遣社員を雇い続けることができるようにします。また専門職も働く期間を他の派遣社員同様3年にします。これですと労働者は次々と働く場所を変えて派遣労働者のまま生涯を過ごすという人が大量に出る恐れがあります。年収200万円以下の「ワーキング・プア」といわれる労働者や今でも問題になっている生活保護費以下の収入の労働者を増やすことになります。企業(特に大企業)は正社員の採用を抑え、期間工(臨時)や派遣社員、パート労働者ばかりを増やして人件費を低く抑えようとしていますが、これをやり易くして企業に便宜を与えようという政策です。
それとこのニュースで気になったのは、年間収支が赤字の人はどうやって足りない部分の生活費を得ているのでしょう。この記事では連合総研の調査がその部分に及んでいないのか、あるいは調査はされたが記事にならなかったのか分かりませんが、男女とも働き方によって3分の1近くかそれ以上が年間収支が赤字となっています。調査対象は「主な稼ぎ手」となっていますので、男性社員の場合妻の収入があることもあるでしょうが、「主な稼ぎ手」が女性の場合はどうしているのでしょうか。政治はそういう庶民の細かな事情にまで気を配って進めて欲しいと思いますが、どうも安倍首相の政治の進め方は財界の方にばかり視線が向いているように思えます。
大西 五郎
女性の非正社員がおもな稼ぎ手の世帯は、過半数が年間の収支が赤字――。こんな厳しい家計の実態が、29日に発表されたシンクタンク「連合総研」の調査でわかった。男性の非正社員の赤字割合を上回り、男女間の格差がうきぼりになった。調査は10月1~6日、企業で働く20~64歳の2千人を対象にインターネットを通じてきいた。
過去1年間の世帯収支が赤字か黒字か、同程度かをたずねた結果を、おもな稼ぎ手が正社員(男女)と非正社員(同)である場合にわけて分析した。すると男性正社員で赤字だったのは28・7%だったが、男性非正社員では36・5%に上昇。女性の正社員がほぼ同じ36.5%で、女性の非正社員は51・6%だった。
男女で格差がある実態を示す内容で、非正社員の方が正社員より男女の差が開いた。連合総研の担当者は「男性は中高年の非正社員に技術で稼ぐ専門職はいるが、女性はそういう層が薄いためでは」と分析する。
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すさまじい調査結果の数字ですね。女性の非正規社員が世帯主の家庭の半数以上が年間収支が赤字だということですね。男性でも非正規社員の家庭の3分の1以上が赤字ということですね。
非正規社員は期間工や契約社員、パート、派遣労働者が多いのですが、最近派遣労働者が増えていることが問題になっています。それにもかかわらず安倍政権は労働者派遣法の改正案を国会に提出しました。従来の労働者派遣法は、派遣労働者は「臨時的、一時的」な働き方とされ、通訳など26の専門的な業務を除いて企業は派遣労働者を3年しか雇えないとされています。ところがこの改正案は人を変えれば同じ職場でも派遣社員を雇い続けることができるようにします。また専門職も働く期間を他の派遣社員同様3年にします。これですと労働者は次々と働く場所を変えて派遣労働者のまま生涯を過ごすという人が大量に出る恐れがあります。年収200万円以下の「ワーキング・プア」といわれる労働者や今でも問題になっている生活保護費以下の収入の労働者を増やすことになります。企業(特に大企業)は正社員の採用を抑え、期間工(臨時)や派遣社員、パート労働者ばかりを増やして人件費を低く抑えようとしていますが、これをやり易くして企業に便宜を与えようという政策です。
それとこのニュースで気になったのは、年間収支が赤字の人はどうやって足りない部分の生活費を得ているのでしょう。この記事では連合総研の調査がその部分に及んでいないのか、あるいは調査はされたが記事にならなかったのか分かりませんが、男女とも働き方によって3分の1近くかそれ以上が年間収支が赤字となっています。調査対象は「主な稼ぎ手」となっていますので、男性社員の場合妻の収入があることもあるでしょうが、「主な稼ぎ手」が女性の場合はどうしているのでしょうか。政治はそういう庶民の細かな事情にまで気を配って進めて欲しいと思いますが、どうも安倍首相の政治の進め方は財界の方にばかり視線が向いているように思えます。
大西 五郎