九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ハリルジャパン(6)今夜、ウズベキ戦 文科系

2015年03月31日 09時55分46秒 | 文芸作品
 新生ハリルジャパンが、世界25位相手にその初戦で2対0の勝利を収めた。結果の分析と、改善された点などを上げて、今夜のゲームを占ってみたい。

(1)勝てるという根拠

相手は72位、日本は53位。しかもこの相手は、ザックの時のアジア予選で1敗1分けだった。難敵ではあるが勝てると思う。
 日本にはブラジル大会前後からここまで迷いがあり、この順位は低すぎる。加えて、ハリル監督がザック以上に良いというだけではなく、ザックになかった厳しさがあるから、特に日本選手には合っているとも。
 また、この監督はザックと違って現在最先端の世界によく通じている。そして、日本の欠点を消し、長所を伸ばす手当を早くも見つけ出し、改善の成果を上げている。その成果が既に、世界25位のチュニジア相手に2対0という結果で示されて居るのだ。このゲームで、日本のどういう欠陥をどう消して、どういう長所をどう伸ばしたか。

(2)ハリル、日本の守備への手当

 守備の短所は、相手への寄せが甘いことと。前の方の守備で相手への寄せが甘いと、カウンターを喰らいやすいし、良い縦パスも通されてしまう。後ろでこれが甘いと、上手く連動して守れないことにもなる。今野以外のDFは、それほど1対1には強くはないのだから、連動が大事なのだ。
 そして寄せが甘ければ何よりも、現代サッカーで最も大事なボール奪取のチーム力が弱くなってしまう。日本はその力があるのにブラジル大会でこうなっていたのが、僕には残念で仕方なかった。
 チュニジア戦の守備は前から激しく詰めていた。そう、前半で潰れても良いというほどに走り回って、こうやっていた。ハリル監督が厳しくそうさせたのである。だからこそ、後半の後半に相手が疲れて、2得点できたのだ。これは前回に述べた通りである
さてこういう守備、激しい寄せについて、ウズベキ戦に向けてハリルはこう語った。
『チュニジア戦よりももっとDFラインを上げて、さらにコンパクト陣形にしつつ、もっと前でボールを奪いに行く』
 こういうやり方を貫徹、徹底した方が日本がカウンターもむしろ喰いにくいのだと、僕はずっと確信してきたものだった。
 
(3)ハリル、攻撃への手当

 攻撃では今まで、変な自信を持ちすぎたポゼションに拘って、横パスなどが多くて攻めが遅すぎる傾向があった。これはザックも指摘し続けてきたことなのだが、日本の一部選手がそのザックの命令を守らなかった時期もあったと思うほどに。ボールは持っているが一向に得点の気配がないという、日本の変なパターンにこのことが関わっている。日本相手には引いてくるアジア勢に対してなかなか得点できない時の原因にも、これが関わっていたほどである。
 これについてハリルは非常に多くの手当をした。
①ワンタッチパスなどを多用して球離れよく、ボールを持ったら先ず必ず前を見て、縦に速く攻める。
②①には第3の走りが、特にゴール前ではゴールに直結するワンツーなど速いショートパス攻撃が、推奨されてきた。
③横からのクロス攻撃でも、早めに縦に入れるアーリークロスも多用されることになった。
④FK得点も適任者を選定し直しているし、変化に富んだ練習をしているらしい。
⑤中長距離シュートなども含めて、シュート練習も特に時間を取ってやっている。

 今夜は特に楽しみである。なんせ、世界最先端の監督でもあるし、加えて非常に頭の良い人だと観ているから。自分自身が率先垂範とか、選手の練習後にとか、自分へのトレーニングを現に日々積んでいる人だし、「トレーニングは非常に厳しいが、そこを離れたら温かい人だ」などと、立派な人物だとも選手たちが語っている。





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中央日報より   らくせき

2015年03月31日 09時55分46秒 | Weblog
1984年に全斗煥政権が中国が韓国を、日本が北朝鮮をクロス承認することを日本を通じて推進したことが30日、明らかになった。クロス承認とは外交的に相手を国家と認めることを意味する。外交部はこうした内容が含まれた外交文書およそ26万ページを公開した。政府は30年経過した外交文書を審議を通じて公開している。

公開された外交文書によると、クロス承認は「漢江(ハンガン)開発計画」という暗号名で計画された。当時の全斗煥大統領が84年9月に指示した事項だった。「日本が中共(中国)と対話がうまくいくので、日本が中共に韓国を承認させ、日本は北朝鮮を承認するよう交渉する」という内容だった。まず中国と日本がそれぞれ韓国と北朝鮮に接触した後、米国とソ連(ロシア)にも接触を拡大する構想だった。

外務部は全大統領の指示から2カ月後の11月に計画案を作った。少なくとも4、5年間、平和共存体制を確保するのが目的だった。86年のアジア競技大会の前後にクロス接触を本格化し、88年ソウルオリンピック(五輪)前後にクロス承認を達成するという目標も設定した。同年12月1日、政府は中曽根康弘首相にこの提案を伝え、中国指導部と接触することを要請した。同時に米国にも協調を求め、中国と間接接触しようという戦略を併行した。

しかし米国の反応はよくなかった。米側は韓国政府に「韓中直接貿易は時期尚早というのが中国の反応」という立場を伝えた。クロス接触の推進過程で韓国が先に日本に仲裁役を提案したことに対し、米国が不快感を抱いたりもした。

公開された外交文書には、84年に全大統領が日本を訪問した当時、裕仁天皇が天皇としては初めて過去の歴史に言及した背景も出ている。当時、政府は韓国首脳の最初の日本国賓訪問を準備するために「無窮花(ムグンファ)計画」を立てた。「無窮花計画対日交渉指針」という文書で天皇の過去の歴史に対する反省を「訪日の大前提」と明示した。また「国民感情に鑑み、最大限に強い言葉で反省を確かなものとしなければ、訪日への納得が得られない」とした。

日本は全大統領の訪日前日の9月5日、天皇の晩餐会のあいさつを韓国側に通知した。「今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存在したことはまことに遺憾であり、繰り返されてはならない」だった。天皇は6日の晩餐会のあいさつでこの内容をそのまま述べた。

コメント (1)
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「10年前の中国紹介本」の要約(3)   文科系

2015年03月31日 06時30分57秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 旧稿連載再掲の3回目、最終回である。
 日米の反対を押し切って、アジアインフラ開発銀行が盛大に出発する。この3月31日スタート時参加国締切を経て、15年末運用開始という段取りである。IMFや世銀において経済力に見合った地位、発言権をG20決定の約束を破ってまで与えられなかった中国の、日米への反発に始まった流れが、これを招いた。日米主導のアジア開発銀行が、中国の経済力に屈する事になっていく流れであろう。英国の「日米への離反」に始まって、韓国、オーストラリア、ブラジルまでが加盟しているのだから。そして、経済盟主の移り変わりがこのまま続くならば、国際政治の移り変わりに必ず直結していく。
 10年前の以下のように酷い「党官僚制度」状況から、中国はよく立ち直ってきたと、僕は思う。10年前のこの状況をみれば、これから10年後が少しは見えてくるのではないかという資料として、今再掲した。中国は、ソ連のような党官僚制度亡国への泥沼に陥らない道を辿れるのであろうか。この10年の変化が日米の予想を超えたものであったことだけは確かだと言えるだろうが。


【「『激流・中国』に、日本は部外者ではいられないだろう」その3 文科系  2006年07月30日

(「3 背景としての中国の政治体質問題」の続き)

地方政府と不動産会社とが結びついて、以下の「政策」が絡み合って、進められている。「農村労働力減らしという国家的調整政策」、「中央からは農民には減税命令。しかし金は下りてこず、地方は役人天国で行革をする意思もなし」、かくして「官による開発ビジネス」、「形象工程(出世のための業績作り箱物工事)」などなどだ。関連した最大問題点は、現代中国に土地の所有権というものが存在しないことである。国家のものであって、慣例としての使用権のみが存在し、その使用許認可権を政府が持っているという始末だから。
こうして、悪代官育ては底なしであって、自治体の最大単位、省にまで広がっている。2代続けて省の天皇、省党書記が逮捕された南西部、貴州省の場合を見てみよう。03年4月、「汚職官僚の総司令官」と呼ばれた貴州省党書記の劉方仁が逮捕された。同時に副省長、交通庁長、新聞出版局長、地方税局長なども連座させられている。彼らの罪状は収賄、家族の腐敗、生活態度などの4つであるが、最大の腐敗舞台は貴州省高速道路開発総公司であり、その設備費の水増し報告、ピンハネである。交通部門は全国的に、省段階でも不正が多くて、「油水部門」という悪名まであるほどだ。なおこういう場合の中国では、1族ぐるみの収賄は普通のことである。劉党書記一党で最も派手だったのは娘婿で、「貴A80000」ナンバーの真っ赤なホンダを乗り回す銀行員として知られていたという。
次は、こういう悪代官育成の温床というものを見てみよう。
党天国の下で、3権分立は中央でも地方でも機能していないに等しいのである。司法は実質的に公安の下にあり、立法の代議員推薦名簿は行政、党官僚が作る。もっとも、最近やっと対立候補名簿が提出されることも、所によりあるらしいが。こうして例えば、国に次ぐ自治体、省の党書記をチェックする存在は地方にはなく、中央政府のみである。つまり、1級上が動かなければ、何も始まらないのだ。こうして、先に見た丁作明事件のように、上級を動かそうとしている間に告発者が逮捕されたり、殺されるという事件は、現代中国では良く聞く話である。

4 読み終わって。「激流・中国」に日本は部外者ではいられないだろう

さて、日本の食料自給率は40%だ。商業的農業は良い買い手にしか売らない。この調子で行けば中国農業は、都市や日本を相手の商売としての発展をますます図っていくという道もたどるのだろう。乗り遅れた、旧式の零細農家はどうするのだろうか。日本にこういう問題が生じた60年~70年代とは比較にならぬぐらい世界の経済状態は厳しいのであって、都市流民つまりホームレスのような道しかないのではないだろうか。
また都市でも、軽工業、化学工業、機械、電子、医薬などの分野は、外資の市場シェアがすでに3分の1を超えている。パソコンソフトの95%はマイクロソフト、タイヤの70%はミシュラン、携帯の70%がノキア、モトローラで、国産自動車はもうだめだろうと言われている。流通は、世界トップ50小売業のうち40が中国に上陸、外資がほぼ全面支配を達成したようだ。安い労働力以外に将来性のある部門は、中国に存在するのだろうか。
こうして見てくると、ただでさえ少なくなり、世界最大の肥料生産率・消費率でやっと支えている農地の、減少、土壌浸食、砂漠化などの問題に対処していく財源や展望までが心配になってくる。なにしろ長期の対策と、莫大な経費を要する大事業なのだから。三峡ダムとか両大河の運河連結ぐらいではとても追いつけまい。対処方を考えるべき政治は、犯罪的なぐらいに、遅れているようだし。


(結び部分、後略。 終わり)】

 今の心境を一言。
 民主党政権が出来てすぐに、幹事長だった小沢一郎氏が大代表団を率いて中国に渡った。アメリカが関わったことがはっきりしている師匠・田中角栄の失墜を見つづけてきた小沢の、思えば今を見越した乾坤一擲の大勝負だったのだと思う。「アメリカの頭越しに中国に関わる事」。これを「アメリカという虎の尾を踏む行為」と表現してきたのは、今評判の孫崎享。この行為によってこそ、小沢は角栄と同じ運命を辿ることになったのだと思う。アメリカと組んだ官僚たちの仕業として。国家として借金大国である日米はもう普通なら、この流れに抗うことは出来ないだろう。第三次世界大戦でも起こすのでなければ。愚かな「軍拡・武器輸出」のアベ政権が、そんな方向に向かわないことを願うのみである。
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安倍さんへのお願い    らくせき

2015年03月30日 09時32分08秒 | Weblog
安倍さんは戦後70年にあたって憲法を改定したいという強い思いを持っているようです。
アメリカ軍とともに戦う「わが軍」にしようとしています。
この賛否問わずに、それなら一つ変革してほしいことがあります。
日本のどこにでも基地がおける日米地位協定の改正です。
こんな屈辱的な敗戦国の協定をそのままにすることは不可思議です。
アメリカへの手土産ばかりでなく、ギブ・アンド・テイクで地位協定を改正して欲しいと思います。
独立国の総理としてのプライドがあるのなら。







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「10年前の中国紹介本」の要約(2)  文科系

2015年03月30日 04時38分33秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 06年にここにまとめた中国関連書物の要約連載を再掲し、昨日に続き3回連載の2回目になる。ただ他にも、このことを付け加えておきたい。退耕還林政策については、同じ06年9月3、5、7日にもここで連載していると。
 これを再掲するのは、今問題になっているアジアインフラ銀行の近い将来を占う資料の一つにはなるだろうというような動機も関わっている。まー10年前を観て今を観れば、これからのことも多少分かるかも知れないという程度ではあるが。それでは、拙い物だが・・・・・


【「『激流・中国』に、日本は部外者ではいられないだろう」 その2  文科系 2006年07月29日

(「2 農家・農民問題を見てみよう」の続きです)

 他に、農村虐待を示す三つの政策的大状況を見てみよう。
①農業向け国家支出総額は、80年の12%から7%へ。他に、地方財政から払われる分がねぎられてもいる。
②農村金融の空洞化は酷く、4大国有商業銀行の農村向け貸し付けは減り続け、現在融資はわずか5%。この他、農業信用社は不良債権が多く危機的状態にある。
③医療、衛生面の問題として、人口の6割が住むのに、政府の衛生関連支出は2割という数字がある。医薬品も都市95%に対し、農村消費はわずか5%だ。農民の9割は無保険の自己負担で、衛生部調査では治療、入院ができない、しないと報告されている。要治療の37%が治療を受け、要入院の65%が入院しているだけだ。

 さて、こんな苦境にある農村が、各種「開発」のために土地も強制的に取り上げられている。開発区の乱立で、農村での地上げ、「圏地熱」(土地囲い込みブームのこと)が激烈である。補償が以下に見るように「構造的に」全く不十分なままになっているから、出稼ぎや、食えない失地農民が急増している。国営新華社通信では失地農民が3500万人と発表され、失地関係中央陳情が圧倒的に増えている。
 こうして現在、農村の余剰労働力人口が1億5千万人とされ、出稼ぎが9800万人となったが、出稼ぎ農民へは、「構造的な」賃金未払いが頻発している。公共的建設事業を中心として、後払いが原則だからだ。未払い分の3分の1は地方政治が発注するプロジェクトにおいて発生している。建設バブルもいつ弾けるかと心配されるほどに、凄まじい。

3 背景としての中国の政治体質問題

 最後に、地上げ反対運動の攻防などを見ることによって、中国で最も深刻な政治体質問題というものを紹介してみたい。以上に見た「農村虐待」の本質的な原因とも言えるものである。
 まず最も具体的に1農民を例にとって、問題解明の初めとする。

 最初は、04年刊行、後に発禁処分を受けたルポ「中国農民調査」(人民文学出版社刊)所収の丁作明事件である。安徽省路営村の丁は高卒のインテリ農民だ。年収の4分の1を地方政府が取り立て、支払わねば逮捕されるという現状に怒りを感じていた。「中央政府の新規定で、平均収入の5%を超える費用取り立ては禁止」と知った丁は、これを農民達に密かに告げて回る。村の最高実力者は村共産党支部書記で、郷長(村の1つ上の自治体単位の長)やその息子のチンピラ集団とぐるになって公私混同の悪事をはたらいていた。丁は郷党委員会、県党書記(県は郷のさらに上の自治体)に陳情し、村帳簿チェックを要求した。すると、村党支部書記と村民委員会主任(村長)の差し金で丁は逮捕され、警察で取調中になぶり殺しにされた。対して、7つの村から3000人の農民仲間が集まって抗議行動に出る。この事件が、国営新華社通信で報道され、やがて中央政府が調査を命じ、殺害人6名と県、郷の職員が逮捕された。
 さて、こういう悪徳役人、党官僚の悪事が現在、圏地熱と呼ばれる地上げに集中しているのである。その悲劇の例をさらに見つめてみよう。

 03年9月、これも安徽省から北京に陳情にきた朱正亮が天安門で焼身自殺を図ったが、その背景にはこんな事件があった。内装業を始める積もりで建てたばかりの自宅が立ち退きを迫られ、朱の不在中に総勢100名が押しかけて、取り壊されてしまった。在宅の妻は阻止しようとして100メートルも引きずり回されて血だらけになるし、親戚に助けを求めようと駆けだした息子も取り押さえられるという始末である。同じ問題を抱えた北京の大剛は「強制執行中止審査」に勝って執行延期通知まで受け取っていたにもかかわらず、取り壊しに遭っている。夜中に男達が押し入り、手足を縛り、外に放り出された上、あっという間に取り壊された。
 このように、国への陳情では近年、立ち退き不服に関わるものが圧倒的に多く、03年には全国で50%増という有様である。なぜこのような事件が頻発するのか。】

(明日に続く)
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戦争経済とシルクロード構想 文科系

2015年03月29日 12時21分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 コメントに書いた物を、補足修正してエントリーにさせていただきます。


【 戦争経済とシルクロード構想  (文科系) 2015-03-29 12:20:32

「創設時参加国 40超 アジア投資銀 ロシア、ブラジルも」
 これは本日中日新聞3面記事の見出し。常套句にあるように「雪崩を打って・・・」という様相だ。
 今回この動きを初めに知らせた18日中日新聞では27ヶ国とあったばかり。日本が9代連続で総裁を出したアジア開発銀行の67ヶ国・地域とは大差があった。因みに、世銀総裁がアメリカ、IMF総裁が欧州とずっと決まっているようだ。
 さて、67対40超ならばもう歴史の趨勢のような。それも、「海と陸のシルクロード構想」という大プロジェクト・インフラ整備と並行してのこと。中国、中東、東欧、西欧を繋ぐ「古代からの交易路」沿線国を中心に60ヶ国を上回る国がこのインフラ整備に積極参加しつつあると、今日の8面の記事にもあった。
 
 さて、僕は興味深い対比を頭に描いたもの。過去の世界がリーマン・ショックのような経済大破綻を前にした時には、人間、国々はいつも二つの道に分かれたと記憶する。ヒットラーや東條のような侵略戦争構想・経済と、これに異を唱えたケインズのような世界的有効需要創出構想・経済と。
 そして、ここが大事と思うのだが、日米が前者で、中国が後者の旗を振り出しているというのが世界史の現段階というようにも、考えてみた。
 アフガン、アラブの春などの北アフリカ・中東動乱・「内戦」や、欧州の境目ではユーゴ内戦から現在ではウクライナ内戦。この背後には常に米仏などが居そうだし、世界原子力空母合計9艘の内の8艘を有してどこでもすぐに攻められる体制にあるアメリカ! 
 こんなことよりも、「海と陸のシルクロード構想」の方が人間にとって、どれだけ良いことか。と、そんなことも考えてみた。

 人間普通なら誰でも、社会ダーウィニズムさながらの闘争社会・世界よりも、健全な有効需要の助け合い、育て合いの方が良いと思うはずであって、現在の67ヶ国対40ヶ国はさらにどんどん差が埋まっていくものと確信する。道路、港湾、灌漑などのインフラ整備は関係地域を潤し、軍人・軍需ならぬ普通の職業を創るからである。そしてこれからは、日米がこのままならば次第に名前は敬して実質は遠ざけられていくのではないかと、そんな気がしてしかたない。
 平和憲法国日本におけるアベの9条改訂、武器輸出3原則崩しなどの「狂気」は、意外に世界から観られていることだろうし。恐慌後の世界史に頻発してきた戦争経済というものも、現代人には悲劇の既視感が多すぎるはずでもあるし。

 ただ、世界の栄枯盛衰の中で滅び行く大国というものは、常に黙っては退かないものだったというのも、世界史既知の常識。事もあろうに平和憲法国日本がそういう大国・アメリカに集団的自衛権発動の動きとは?? ちなみに、こんな大事な時にアベがアメリカ上下院に行って演説するという。それも世界大戦後70年の年に。一体どんな「世界構想」を示すつもりなのだろうか。自ずからシルクロード構想と比較されることになろうが、持論「積極的平和主義」バカを曝す他には何の脳もないと思われるのが、悲しい。再度「フクシマ安全」声明というのはできないだろうが、「原発再稼働」バカもアメリカへのお約束のようだ。

 後世、アジアインフラ銀行設立が21世紀世界史の転換点だったと、シリア内戦、ウクライナ内戦などを観れば観るほど、そう(良い方向に)期待したいもの。要は、今の「生存競争」を人間的自然と観るか、平和を人の自然な道と観るかという、世界の人々の闘いなのであろう。「自由競争」を当たり前と観れば、この超格差・失業・不規則労働社会も当たり前となるとも言えるような。他方に、ピケィ大流行を見れば、そういう世界観への抵抗潮流も今の世界にどんどん生まれているとも言えるような。

 ウクライナにおける飛行機撃墜の犯人も未だに分かっていない。最初は反政府軍の仕業と、この日本でも大々的に喧伝されたものだったが。つまり、嘘の理由で始まったイラク戦争とか、IS国を実質アメリカが育てたというように、戦争がどんどん人為的に創り上げられ、煽り立てられている世界でもある】



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「10年前の中国紹介本」の要約   文科系

2015年03月29日 00時31分39秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 06年にここにまとめた、中国関連書物の要約連載を再掲してみる。当時の当ブログバックナンバーは、出だしの概要紹介部分が割愛されてしまっているので、どういう本からの要約なのかが分からないのだが「中国激流 13億の行方」(岩波新書 興梠一郎著)は確実に入っている。05年6月の後書き付きで同年7月に第1冊が発行された本だが、この10年で中国がどれだけ変わりあるいは変わらなかったかを観るのに良いと考えてみた。また、ジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」下巻第12章「揺れ動く巨人、中国」や、大プロジェクト「退耕還林政策」を巡る或る論文などの内容も加味されているはずだ。
 3回連載だが、順にやっていきたい。ただ他にも、このことを付け加えておきたい。退耕還林政策については、同じ06年9月3,5,7日にもここで連載していると。
 これを再掲するのは、今問題になっているアジアインフラ銀行の近い将来を占う資料の一つにはなるだろうというような動機も関わっている。まー10年前を観ておけばこれからのことも多少分かるかも知れないという程度ではあるが。それでは、拙い物だが・・・・・ 


【 「『激流・中国』に、日本は部外者ではいられないだろう」  文科系
 2006年07月28日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など

1 初めに農業を巡る中国の国土状態を眺めておこう

20世紀後半50年で、中国の人口は倍増して13億人、地球上の2割が住む国となった。内訳は、都市人口が13%から38%に増え、農村人口が現在は6割である。国の労働力人口で言えば、農民が5割を占めている。
農業外をちらっと見ておくと、石炭は世界の使用の4分の1を使い、石油使用は世界第3位。自動車道は10倍に増えて乗用車が急増。問題の大気汚染は、この石炭使用と自動車増から起こる。中国のいくつかの都市部では、大気汚染、スモッグの状況は世界最悪と言え、人体に辛うじて害がないというレベルを数倍上回る汚染度を示す。酸化窒素、二酸化炭素などの汚染物質が増え、都市の4分の1では年間雨天の半数以上で酸性雨が降っている。
水不足問題が深刻である。もともと世界2割の人口に世界淡水の6%しかないのだ。その水、水流停滞と汚染が酷い。水流停滞では、黄河下流で全く流れないという水流停滞が88年の年10日から、97年は230日へと増えている。揚子江、珠江も乾期にはよく停止する。汚水処理率も悪く、先進国平均が80%に対して、中国は20%だ。北部の淡水量は南部の5分の1で、以下に見るように土壌浸食、砂漠化、農地問題を深刻なものにしている。また都市の多い海岸地帯の水は3分の2が井戸からのもので、その急激な枯渇、塩水化、地盤沈下が問題になっている。
土壌浸食が激しい。もともと森林は日本74%に対して中国国土では16%しかなく、乾燥した北部を中心に国土の40%が自然草地だが、そこの土壌流出、劣化が激しい。例えば、過去10年で乾燥した北部地域を中心に農地、牧畜用地の15%が消滅している。また、黄河中流域の黄河高原が、その70%の地域で浸食が進み、深刻な社会問題となっている。全国的に見て、過放牧と開墾による砂漠化の影響を国土の4分の1が受けている。浸食土壌はその最後において3大河川に流れていき、先述した水流停滞、汚染などの原因になっていく。
こうして1人当たり農耕地が世界平均の半分になってしまった。これは、前回紹介したルワンダ北西部と同等の狭さである。

2 農家・農民問題を見てみよう

人口13億人の6割が農村に住み、全労働力人口の5割が農民だが、零細で、前近代的で、税が多くてその配分は少ないというように中央、地方の行政から構造的に虐げられていると言える。輸入農産物関税は非常に安くされて、今や農産物は輸入の方が輸出よりも多い。04年農産物関税は、国際平均62%に対して中国15・6%である。なぜこんなことになったのだろうか。
02年国家統計局資料で都市の平均収入は農村の3.11倍と、農村の相対的貧しさ実感が進んでいる。同じ年、農村は人口61%で、そこの小売総額は39%である。それでいて納税額の4割が農村から徴収されている。高校進学率は、例えば北京99%、四川省56%(02年)と農村で低く、農民の収入では学資が払えずに高校退学率50%などというところもある。農民にとっては大学は高嶺の花となり、農民子弟が激減して、教育でも西低東高は常識である。
                            
(明日に続く)】


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朝鮮日報より    らくせき

2015年03月28日 09時40分41秒 | Weblog
中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙「環球時報」は27日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)構想に韓国が参加を表明したことについて「欧州の主要国より遅かったが、バランスを追求し、とても難しい決断をした結果だ。遅かったからといって、その意味は決して平凡なものではない」と報じた。その上で同紙は「中国は韓国の最大の貿易相手国だが、一方で米国は韓国の同盟国だ。(AIIB構想に反対する)米国の態度は、韓国にとって大きな圧力となった。だが韓国は、大勢を判断し、変化に順応して、自国の利益に最も見合った決定を下した」と主張。さらに同紙は「(米国の主な同盟国である)英国と韓国が、国際金融ネットワークの中でワシントンから離れるということは、米国と同盟国間の義務の範囲が再検討されるという意味だ」と報じた。米国が軍事面を除く、経済や外交分野の分野では同盟国に選択権を与えるべきというわけだ。

以下略

韓国は難しい決断をしたわけですね。経済の面での活動範囲を狭めるのは国益を損ねる可能性が高い。
ニュースを見ていると、日本の政治家はアメリカの顔色をうかがっているようです。
時代はどんどん変わっていくのでしょうか?


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ハリルジャパン(5)25位チームに2対0 文科系

2015年03月28日 09時08分37秒 | 文芸作品
 新生ハリルジャパンが、世界25位相手にその初戦で2対0の勝利を収めた。結果の分析と、物足りなかったことなどを上げてみたい。

(1)結果の分析
 何よりも、DFラインを素早く押し上げてコンパクトな陣形にし、前から激しく詰めて、ボールを奪いに行く姿勢が良かったと思う。それを、こういうことには強くないはずの国内組過半数先発の代表選手たちがやれたという、そのことが嬉しかった。武藤、川又、永井も本当によく走っていた。
 ここから、敵に余裕を与えなかったかして、おおむね日本が攻めていた。その攻めは(2)で見るようにまだまだ足らない点も目に付いたが、これが後半の相手体力を奪うという形で効いて来て、このゲーム結果を生んだのだと観たが、どうだろうか。
 後半の後半には相手はもう疲れていた。そこへ58分に香川と本田、71分に岡崎と宇佐美の投入から、80分前後に2得点が生まれることになった。

(2)メンバーについて
 先発メンバーは珍しく国内組が多かったが、こんな能力が重視されたことは明らかだ。先ず、身体が強いこと(川又、武藤、山口)、さもなくばスピード、素速さ(永井、藤春)だ。海外組だが、長谷部と酒井宏樹はこの両方を持っている。

 物足りなかったことの筆頭が、パス回し。目指したはずのワンタッチパスが少なくって、リターンパスや横パスが多すぎると思った。第三の走りも弱いと感じた。その点ではやはり、特に香川、次いで岡崎、本田は流石だと思った。ボールのないところでの(第3の)走りが違うのだろう。
 香川がいる所でボールが回っていると感じたし、岡崎の得点も、本田の得点も良いところへ走りこんでいて生まれたもの。岡崎は左クロスに対して右ファーへ、本田は左シュートのこぼれ球にやはり右ファーで走り詰めていて、それぞれ得点している。
 こういうゲームはただ、全半のボール奪取に努めたメンバーの努力、献身をよく覚えておきたいと思ったものだ。
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これが「護憲運動」?  文科系

2015年03月27日 09時42分55秒 | 国内政治・経済・社会問題
 現在ここで大活躍中の新名無し君。彼の「護憲運動」というシロモノを改めて皆さんにご紹介することにした。24日に僕に宛てられたコメント中の文言に以下のようなものがある。このような形式論理で護憲運動を解釈しない人は、全部護憲運動から出て行けと、そこまで語っているのだ。本当に、凄い!

【 お前さんは必ず、中国の軍事力は米国よりも低いと言っているが、日本国憲法第九条を見てみろ。あの条項はいかなる軍事力の存在も許さないし、認めないものだ。(中略)
ならばだ、中国軍や北朝鮮軍にも憲法違反の存在だと指摘するのは当然のことだ。(中略)
自衛隊や米軍を日本国憲法第九条違反として告発するなら、中国軍や北朝鮮軍を含めた全ての国と地域の軍事力も憲法第九条違反として告発せよ。それをやらぬならば、護憲運動から出ていけ。(後略)】
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新聞の片隅に載ったニュースから(195)    大西五郎

2015年03月26日 09時20分23秒 | Weblog
「慰安婦」展示 市教委が拒否 埼玉 新座「啓発的事業」(15.3.25 中日新聞)

埼玉県新座市の市民団体が「慰安婦」をテーマにした中学生向けのパネル展を市施設のギャラリーで開催しようとしたところ、市教委が内容を把握しないまま拒否していたことが分った。市教委は、ギャラリーの使用要領で許可しないと定めた「啓発的な事業」に当たるとするが、識者はこの要領自体も疑問視。市民団体は「表現の自由の侵害だ」と反発している。
パネル展「中学生のための『慰安婦』展」は、「にいざジェンダー平等ネットワーク」が企画、二十七日―四月七日、市施設「ふるさと新座館」で、「慰安婦」に関する写真付きの説明文や、韓国や中国、フィリピンの元慰安婦の証言などを紹介する予定だった。
共同代表の谷森桜子さん(67)によると、一月二十二日に申請は受け付けられたが、数時間後に「市教委の許可が必要」と電話があり、展示会のチラシの提出を求められた。二月十日になって、文書で「使用要領の『啓発的な事業』に該当するため許可できない」と連絡を受けたという。
使用要領では「各種事業、行事、活動等の啓発および推進を目的とするもの」は許可しないとあり、幅広く適用できるようにも読める。ネットワークは、使用許可を求めて市教委に請願を提出。市教委は二十四日の定例会で、全会一致で不採択とした。金子広志教育長(67)によると、館長や教育長を含む教育委員全員がパネルの内容は把握していないという。
パネルは、東京都新宿区の「女たちの戦争と平和資料館」(wam)が制作、昨年十月から全国の希望者に貸し出し、公共施設など十七カ所で展示された。wamの池田恵理子館長(64)は「公共施設が開催を拒否したケースは記憶にない。『慰安婦』は一九九七年度採択の中学校教科書に掲載されたことがあり、現在も高校の教科書に登場する。抗議を恐れて市教委が自主規制したのではあれば由々しき問題だ」と話している。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

筑波大学の手打(てうち)明敏教授(社会教育学)は「『啓発的な事業』を制限する使用要領はおかしい。『中学生のための』とタイトルにあるなら、教育的な配慮から内容について一定の制限や条件をかけることはあり得る。ただ今回のケースは展示内容を十分に精査したとは思えない。日韓問題や歴史認識を背景に『慰安婦』というテーマに敏感に反応したのではないか」と同紙紙面で語っていますが、最近地方自治体や施設管理者が平和の問題や差別を扱った展示や講演会の後援を断ったり、会場使用を拒否するケース(№137、-№117など参照)が増えています。
ネトウヨと呼ばれる人たちが、自分たちの主張に合わない言論や行動をネット上で、批評ではなく口汚いののしりを集中(炎上)したり、中には自治体や施設に直接出向いて自分たちの主張どおりにしろと要求したりします。自治体や教育委員会、施設管理者がもめ事を恐れて会場の使用不許可などの処置をします。かつて日本が戦争に突入する前にも同様な右翼の動きがありましたが、教育委員会こそ言論表現の自由を守る立場に立たなければならないのに、保身に動いているのは嘆かわしいことです。                                        大西 五郎
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中央日報より    らくせき

2015年03月25日 14時21分33秒 | Weblog
現代版「日本通信使」が日本の相島から対馬を経て釜山(プサン)、そしてソウルまで訪問した。日本の大学生で構成された「全国学生連帯機構」のことだ。自分たちを自称「日本の未来のオピニオンリーダー」と主張するこの大学生達は韓日関係が悪化の局面にあるこの頃、韓国を訪問して未来の韓日関係について論じたいと思っていた。ちょうど韓日国交正常化50周年である年であった。

韓国訪問前、彼らはソウル大学国際大学院日本研究所所長のパク・チョルヒ教授にこのようにEメールを送った。「韓国訪問を計画しています。そのうち1日はソウル大学に訪問して韓国の大学生と虚心坦壊に対話してみたいです。」そして今月19日、「日本通信使」はソウル大学に到着した。韓国と日本、両国の大学生が机に向かい合って座った。話題は断然過去の問題であった。

「率直に言うと、なぜ韓国や中国が度々過去の歴史云々言うのか分からない。そのような問題は当時、世界のどこの国にでもあった問題ではないのか」(日本)

「現在の韓日関係が正常化するには過去の歴史に対する明確な理解とそれにともなう謝罪が必要だと思う。君は韓国の歴史についてどれくらい知っているのか」(韓国)

両国の大学生の意見はしばしば対立した。対話は英語でなされた。しかし、雰囲気が激昂するとあちこちで日本語と韓国語が飛び出した。複雑微妙な表情が行き交った。それでもお互いの違いをすぐに認めた。

「もっとしっかり歴史を学ぶべき。そうでなければこの対話は終わらないだろう。事実、お互いの国についてあまりにも知らない」(韓国)

「そう思う。私たちは韓国・中国を一緒に考えるばかりで、分けて考えていなかったようだ」(日本)

彼らは激しく争いながらもこの日、韓日関係の新しい突破口を発見したようだと口をそろえた。全国学生連帯機構の代表である徳本進之介氏(22)は「韓国・日本関係がとても悪化している状況だが今回の訪問を契機にやはり疎通が一番重要だということを悟った」とし、「時代と国境を越える韓日交流がもっと多く行われれば良い」と話した。
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ハリルジャパン(4)失点場面に、世界水準の指摘  文科系

2015年03月25日 14時00分04秒 | 文芸作品
 昨日の代表動向でスポーツ報知にこんな記事があったので、抜粋する。

『画面に映し出されたのは、苦い記憶の数々。失点シーンを流しながら、ハリルホジッチ監督は課題を列挙した。「寄せるレベルがまだまだ、寄せられていない」「マークを簡単に外している」「簡単にボールを奪われる。失点はそういうところから生まれている」「自信がなさそうにプレーしている」―。ダメ出しの言葉は辛辣(しんらつ)だった。
 午前中に行われたミーティング。新指揮官は昨年6月のブラジルW杯3戦や1月のアジア杯など過去の代表戦などを編集した約1時間の映像を用意した。サイドを崩され、クロスへの寄せも甘く2失点したコートジボワール戦、後半25分以降は運動量が低下したコロンビア戦―。「この短い期間で僕たちの問題点をしっかり捉えていることは正直、驚いた」とMF長谷部。過去の戦いを厳しく総括し、日本の弱点を代表戦士に突きつけた』

『「監督は世界で戦う上で、最低限のラインを言っていると思う」とFW岡崎。初の本格練習となったこの日は、守備をクローズアップ。パス回しの技術や機動力など日本の良さは否定しないが、第一に取りかかったのは、守備のセオリーなど世界基準に達しない欠点の矯正だった』

『ミーティング中、指揮官は選手にこう語りかけたという。「批判するために見せるのではない。君たちのクオリティーは分かっている。できるのにできていないから見せるんだ」。サムライブルーの潜在能力を引き出すべく、厳しく、耳の痛い要求もいとわない。』

 これに対する選手たちの声は、
岡崎 僕が理解してきた日本の欠点と一緒。偶然以前から見つめてきた監督だったのだが、流石。
吉田 僕もこの間の失点画面を何度も見たが、全く同じ考え方だった。
内田 彼が強調したことは、ブンデスやチャンピオンズリーグでは当たり前のこと。これが、我々とのとの差なんだと思う。この分かっていることを今後どれだけ詰めていけるかという問題だ。
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亜インフラ銀行と、情けない日本  文科系

2015年03月25日 11時47分56秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 英独仏伊に続いて、スイス、オランダ、ルクセンブルグ、ニュージーランドが入った中露肝いりのアジア・インフラ開発銀行。今度はカナダが入ったようだ。そしたら、アメリカのオバマ大統領までが早くも、「世銀、アジア開発銀行と協力協同で行きましょう」と半分白旗を揚げたエールを送ったではないか。これには、とにかく驚いた。従来国連のこの二つの機関がいかに中小国に人気がなかったかを自覚しているような言動に見えたのである。

 これに対して、中韓ヘイトスピーチの手前、その意地なのかどうか、世界一の大バカは誰あろう我が安倍政権とその取り巻きマスコミなどだ。23日夜にある民放特集番組を僕としては本当に珍しく全部観たが、その内容の酷いことったら無かった。あんなのを観たら、よほどの人でもコロッと騙されるだろう。
 亜インフラ銀行解説を特集したBSフジ「プライムニュース」なのだが、最初からこの機関を嘲笑するような態度で始まったのである。特に酷かったのが、司会の狐目・太った赤ら顔と、3人の有識者の内の榊原英資。初めに、こんなことを言う。
『従来中国という一国家がやっていたODA機関(他国家支援機関)みたいなもんだよ。責任者も財務の人だし』
 この言葉から始まって、番組冒頭にはこんな調子が続いていく。

『中国流の事務のいい加減さなどが出るに決まってる。きちんと動くのは、ずっと先の話』
『基金1000億ドルの内、中国だけで500でしょ?西欧諸国は商売上のおつきあい程度だよ。他が金も出すのかどうかとかね』
『人民元の国際化なんて狙いの実現はまだまだ。40年も先の話だよ』
 などなどと、嘲笑いを交えて語るのである。アジア開発銀行の歴代総裁国・日本(旧大蔵省)のメンツ丸潰れという、そんな憎しみをみなが感じたことだろう。

 たまりかねたか、もう一人の有識者・自民党財政金融部会副会長とやらが、前後関係なしにまとめるとこんな反論をしていたと言える。
『(榊原が言うように)中国財政部の出先機関のようなものではありません。財務出身と言ってもこの中国責任者は財政ならぬ金融の専門家ですし、リーマン以降イギリス・シティー(金融街)が人民元を非常に重視しだしたそのイギリスの動きとも連動しているのです。『ブレトンウッズ体制を変える「勢い」』も中国にはありますし、そもそもこの動きの始まりを振り返れば、こういうものだったんだと思う。90年代アジア通貨危機の後始末論議で日本が出した宮沢構想に中国が強力に賛成、連動したことがあったが、アメリカの反対で日本政府が折れてしまった。あの失敗こそ、今回のアジアインフラ銀行構想の出発点なんですよ』
 この旧大蔵省出身若手議員の最後の言葉は、僕にはこう聞こえたものだ。
『あの時大蔵省などが頑張って、アメリカに折れず宮沢構想を通していれば、この屈辱はなかったはずだ。それどころか、アジアの皆が当時の日本にあれを懇願しに来たのだから、各国に大きな恩を売ることさえもが出来て、今の中国にも遙かに多く物が言えたことだろう』
 この自民党国会議員は財務省官僚出身の30代かとも見える若手で、小林鷹之という。職場の先輩官僚である榊原によくこんな昔話まで上げて楯突けたもので、後半の榊原がちらちらと彼の目を見ながら、大人しくなっていたと感じたほどだ。

 さて、榊原やニュース編集部のこれへの対応、態度は、日本のメンツ丸出しというだけ。「アジア開発銀行歴代総裁国が、中国に出し抜かれた」という気分だけなのだろう。この過小評価しすぎでさえもが、従来の反中態度の延長を変えられないポーズだけなのではないかとさえ思えたものだ。
 経済大国へと世界に羽ばたいていく国の勢いというものは、そこに数々の壁、問題があるにせよ急加速度が常だ。世界実体経済景気が恐慌状態に近いとはいえ、なんせ中国に替われる国がないのだから。日本人としては、戦後60~70年代の自らを顧みたらよいのである。当時の日本同様に、環境(四日市公害)、エネルギー(石油、「原子力」?)、人材(理工系超偏重)などなど数々の問題がある国だが、これを乗り越えていくエネルギーはあるはずなのだ。当面肝心になってくるであろう内需拡大課題でも、日本よりもはるかに有利な状況にあると観ることが出来るし。アベ内閣がいくら「賃金上げて」と叫んでみたところで、会社人間・ムラ社会日本人は、中国以上にそんなことが出来るわけがないのである。
 これら中国の将来動向観測は、中国好き嫌いとか、是非論とかの問題ではなく、将来事実に関わる問題なのである。 

 対する日本経済、社会はもう、かってのような公正ささえ存在していないのだから、人々の真のエネルギーなど出てくる訳もない。公民がいなくって、会社人、ムラ人間ばかりになってしまった。そもそも、公民視点の論議さえできない国になっている。このことは、日本マスコミの旗艦・NHK現会長が最もよく示しているではないか。「近代」すら経ていないと見えるあの化け物はどうだ! しかも、あれこそ日本経済人の顔なのだそうだ。こんな国に誰が献身的なエネルギーを出せるというのか。こういう新自由主義経済30年ほどの産物、その後世へのツケは、限りなく大きいと思う。

 競争社会とは、自己利益だけを信じる社会を作り上げようとしてきたこと。まさに、そんな国に成り果ててしまった。日本の支配者たちが特にいけない。NHK化け物会長の他にも「八紘一宇女性議員」、「補助団体から献金を貰って恥じない国会議員たち」。外務省僚たちはアメリカに内通してきたとウィキリークスに暴露されたのだし、政財官界人の誰1人もフクシマに責任を取らない。政権から独立しているはずなのに、政権の顔ばかりを伺っている最高裁判事たちも・・・・。
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”亜インフラ銀行の世界史的インパクト”  文科系

2015年03月23日 04時25分13秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ここ2回書いてきた「アジアインフラ銀行」の世界的に目を見張るような大繁盛によって、世界が急速に変わっていくはずだ。おそらく、全ての世界的・地域的物事を見る視点、理論的枠組みをさえ換えなければならなくなるほどに。地球上の万物が変化、流転し来たったあり方には量的変化と質的変化があるが、これは質的変化にになる部類の変化だと考えている。その内容、あり方、拡がりと深さを、以下のように愚考した。
 昨日のエントリーに付けた三つの拙コメントを以下に並べて、新たなエントリーとさせて頂く。ただし、加筆修正を加えた。

【 現物経済大国 (文科系)2015-03-22 18:26:14
 新興経済強国がやがては世界強国に。スペイン、オランダ、イギリス、そしてアメリカと続いた、栄枯盛衰を思い出す!
 道草さんの「雪崩うつG7の誤算」には、スイス、ルクセンブルグまで加わってきた。実際に富をつくり出している現物経済に強いBRICS5国が入ってくるのだろうから当然だ。
 らくせきさんの「日本がやろうとして出来なかったことを中国が」って、アジア通貨危機の時の宮沢提案のことだよね? だからこれもその通り。

 そもそも、現物経済国から、空売りを含めた金融マネーゲームで搾取しようという行動、魂胆が憎まれてきたのだから、当然の成り行きである。国連スティグリッツ報告が述べている通りである。この報告をも、日米政権は完全無視を続けてきたのだけれど。
 ブレトンウッズ体制が崩れるのはあっという間だと思う。なんせ覇権が移るのを阻止する手が、これと並行しているBRICS銀行(これは、IMFや世銀に対抗するものになる)の伏線も含めて、これで消えてしまったのだから。まさか、軍事力差が大きい内に第三次世界大戦を起こすことも出来ないだろうし。
 第二次世界大戦は、後発展資本主義国側が起こした戦争だったけど、今回はBRICS諸国から起こす必要もない。

 とにかく、マネーゲーム大国は世界の失業者救済など出来ないのである、職業が創れないのだし、不規則労働がどんどん増えた方が都合良いのだから。ものの世界の中で生きるしかない生物としての人間を、金融中心世界は無視してきたのである。】
 
【 この凄まじさ、まさに (文科系)2015-03-23 03:04:5
 僕の愛読するブログ「街の弁護士日記」を、ここでも何回かご紹介してきた。このブログも「アジアインフラ銀行」問題の中日新聞記事第一報を19日即、以下にその一部を示すように注目した。流石の慧眼、素速さである。
『さて、中日新聞はローカル新聞であって、国際面は、全国紙に適わないのが、朝日新聞の購読を止めて以来の難題であったので、早速コンビニで朝刊を物色した。
日経には一面トップに違いないと思いきや、一面には掲載されていなかったので、朝日と読売を買ってみた。戦後金融秩序の揺らぎに触れた解説はざっと見たところ、見当たらなかった。
日経を改めて買うような時間の余裕がなかったので、日経については確認していないが、全国紙の扱いが極めて小さいことは確実なようだ』

 と、いつも好時評を書かれるこの弁護士さんでさえ、上の日経の記事は到底予期できなかったようである。もっとも、この日経記事は一日遅れの20日のことだから、弁護士さんをけなすものでは全くないのだ。が、それほどに日本体制側にとってアジアインフラ銀行のインパクトが凄まじかったということを示しているということだろう。
 
 本当に、さー、どうなるのだ。米国主導の第三次世界大戦級のことなんて、まさかとは思うが。それほどのショックであろうことは、確かだろう。とにかく要注目である。世界が質的にちょっと変わったほどの、「ブレトンウッズ体制崩壊」? 全てが従来思考では通用しなくなるかも知れない。手前味噌だがこういうのは理論重視で初めて分かることなのだと思う。日経が僕とは逆の立場で、こういう「親中国」?記事を書いたのも、逆の立場の、それなりの理論重視からのことに違いないのである。】

【 早くも?? (文科系)2015-03-23 03:17:26
 同じ「街の弁護士日記」最新号がこんな記事を伝えている。『【朗報】米国法学者129人が議会に公開書簡「ISD条項のないTPPを求める」』
 この公開書簡が出たのはこの11日らしいけど、こんな馬鹿な事も考えてみた。
 今の米国流のやり方だといずれ凄い反発、反動が世界の一角から出てくるだろうという米最高学府の学者たちの不安、心配が著しく貯まっていた、と。
 さて、こういうTPPの動きと、アジアインフラ銀行大繁盛とは実は理論的にはピッタリ一致した動きなのである。まるで、今の自体を、日米の苦し紛れとだからこそその無理押しや付け入る隙の大きさとを、以前から理論的に、見通していたような。
 こんなことも含めて、さーて、全てが流動していく! 日本住宅バブル、アジア通貨危機、露西亜通貨危機、幾度かあった南米通貨危機、100年に一度の恐慌・リーマンショック、先進国一斉の大金融緩和による世界的バブル、などなどを経ての論理的帰結だから、この変化は加速度的に進むと予感できるのである。】
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