これは印象批評ですが、東電は原発事故の情報を小出しにしているのでは?
原発事故の当事者である東電が、第一次情報を持っているから、
ある意味で、情報操作はしやすい。
しかし、それによって政府の対策は後手後手になっているのでは?
レベル4と言っていが、ヨーロッパではレベル5。
レベル5と言っているが、実態はレベル6。
これは東電の情報が遅れている。
あるいは、遅れて公表されている可能性を感じさせる。
情報が小出しにされ、政府の対応が遅れれば、遅れるほど、
国民の被害は大きくなる恐れが高い。
東電の対応を感じさせるのが、記者会見の一問一答です。
少し古くて、長いですが、朝日新聞から引用します。

記者会見
28日未明 東電の原子力設備管理部の課長。
――この状態で「健全性を保てている」と言えるんですか?
「健全性が保てている」という言葉がどうか分かりませんけども、
少なくとも水がタービン側に出ているんだろうということが
分析結果から予想できるわけで、それをもって……
――燃料から溶けた水が圧力容器から漏れ出して、
さらに、原子炉建屋の外にまで出ている状態という認識は間違ってますか?
タービンで発見されてますので、そうですね。
――これをもって「健全性が保てている」と言うのは欺瞞のように聞こえる。
「大きく壊れていない」という言い方ですね。
まだ圧力を保っている状態ですので、
完全に大気と一緒になってしまっている状態ではないということです。
度合いですよね。チェルノブイリ(1986年に事故を起こした旧ソ連の原発)のように
完全に破裂して外に全部出てしまう状態にはならないという意味合いですね。
――「完全に」ではない。
まだある程度の障壁になっている。
黒田課長は、声音を下げて、記者と一緒に考えるように質問への答えを出していく。
「この人は本当のことを言っているんだな」という納得感が会見場に広がるが、
それは、話の内容の深刻さと裏腹である。
同日夕刻 副社長
――きょうの未明の会見でお話があったんですが、
圧力容器に関して、「下のほうに穴があいている可能性が高い、
下のほうの穴から放射性物質を含んだ水が出ていると考えるのがふつうである」
というお話がありました。
私、そういうこと申し上げたことはございません。
――副社長から伺ったのではなく、きょうの未明の会見で(原子力設備管理部の課長が言った話で)す。
いろいろな可能性が考えられるということは申し上げているかもしれませんが、
それを断定的に判断したということではないと思います。
――「そう考えるのが普通である」というお話がございました。
で、そういう状況で、今のところ東電さんとしては圧力容器の状態について
健全性が保てているというお考えを示してこられていますが、そういう認識が正しいのか。
原子炉の中の状況について、非常に限られたデータで状態を判断してきておりまして、
したがいまして、明確に申し上げるのは困難を伴う状況ですが、
全体としてみると、これまでのいろいろなパラメーター(水位や圧力の計測数値)の
変化を見ますと、大きな変化が起きたということはない、と思っております。
原子炉の中の水が格納容器の中に出てきている可能性は考えなければなりませんが、
いまおっしゃったような、ある特定の部位で破損しているということを
我々として判断しているということはございません。

副社長は決して嘘は言っていません。
しかし、事態は悪化していないという印象を与えようとしています。
今回の東電の対応は、国民のことを第一に考えているとは思えない。
もちろん東電は、そんなことは承知している。
東電の情報小出しの目的は?
事故を小さくみせて組織を防衛しようというものでは?
情報小出し作戦は官僚の常套手段。
(民主党政権に対して官僚が採ったやり方。)
東電は情報を使って、政府をコントロールし、
組織へのダメージを小さくしようとしている、と邪推したくなる。
これは、戦争中の陸軍や海軍の縄張り争いを思い起こさせる。
自分に不利な情報は公開せず、いたづらに損害をおおきくしていった。
この時も最前線の兵士が数多く犠牲になり、
非戦闘員である国民もより大きな犠牲を払った。
その反省にたって、民主主義国家を国民は歓迎した。
情報公開は、民主主義の原則。
(ヨーロッパの機関から日本の民主主義度が低く
評価されている原因のひとつが情報公開の度合い。)
情報公開が国民の安全に直結していることを東電は肝に銘じて欲しい。
原発事故の当事者である東電が、第一次情報を持っているから、
ある意味で、情報操作はしやすい。
しかし、それによって政府の対策は後手後手になっているのでは?
レベル4と言っていが、ヨーロッパではレベル5。
レベル5と言っているが、実態はレベル6。
これは東電の情報が遅れている。
あるいは、遅れて公表されている可能性を感じさせる。
情報が小出しにされ、政府の対応が遅れれば、遅れるほど、
国民の被害は大きくなる恐れが高い。
東電の対応を感じさせるのが、記者会見の一問一答です。
少し古くて、長いですが、朝日新聞から引用します。

記者会見
28日未明 東電の原子力設備管理部の課長。
――この状態で「健全性を保てている」と言えるんですか?
「健全性が保てている」という言葉がどうか分かりませんけども、
少なくとも水がタービン側に出ているんだろうということが
分析結果から予想できるわけで、それをもって……
――燃料から溶けた水が圧力容器から漏れ出して、
さらに、原子炉建屋の外にまで出ている状態という認識は間違ってますか?
タービンで発見されてますので、そうですね。
――これをもって「健全性が保てている」と言うのは欺瞞のように聞こえる。
「大きく壊れていない」という言い方ですね。
まだ圧力を保っている状態ですので、
完全に大気と一緒になってしまっている状態ではないということです。
度合いですよね。チェルノブイリ(1986年に事故を起こした旧ソ連の原発)のように
完全に破裂して外に全部出てしまう状態にはならないという意味合いですね。
――「完全に」ではない。
まだある程度の障壁になっている。
黒田課長は、声音を下げて、記者と一緒に考えるように質問への答えを出していく。
「この人は本当のことを言っているんだな」という納得感が会見場に広がるが、
それは、話の内容の深刻さと裏腹である。
同日夕刻 副社長
――きょうの未明の会見でお話があったんですが、
圧力容器に関して、「下のほうに穴があいている可能性が高い、
下のほうの穴から放射性物質を含んだ水が出ていると考えるのがふつうである」
というお話がありました。
私、そういうこと申し上げたことはございません。
――副社長から伺ったのではなく、きょうの未明の会見で(原子力設備管理部の課長が言った話で)す。
いろいろな可能性が考えられるということは申し上げているかもしれませんが、
それを断定的に判断したということではないと思います。
――「そう考えるのが普通である」というお話がございました。
で、そういう状況で、今のところ東電さんとしては圧力容器の状態について
健全性が保てているというお考えを示してこられていますが、そういう認識が正しいのか。
原子炉の中の状況について、非常に限られたデータで状態を判断してきておりまして、
したがいまして、明確に申し上げるのは困難を伴う状況ですが、
全体としてみると、これまでのいろいろなパラメーター(水位や圧力の計測数値)の
変化を見ますと、大きな変化が起きたということはない、と思っております。
原子炉の中の水が格納容器の中に出てきている可能性は考えなければなりませんが、
いまおっしゃったような、ある特定の部位で破損しているということを
我々として判断しているということはございません。

副社長は決して嘘は言っていません。
しかし、事態は悪化していないという印象を与えようとしています。
今回の東電の対応は、国民のことを第一に考えているとは思えない。
もちろん東電は、そんなことは承知している。
東電の情報小出しの目的は?
事故を小さくみせて組織を防衛しようというものでは?
情報小出し作戦は官僚の常套手段。
(民主党政権に対して官僚が採ったやり方。)
東電は情報を使って、政府をコントロールし、
組織へのダメージを小さくしようとしている、と邪推したくなる。
これは、戦争中の陸軍や海軍の縄張り争いを思い起こさせる。
自分に不利な情報は公開せず、いたづらに損害をおおきくしていった。
この時も最前線の兵士が数多く犠牲になり、
非戦闘員である国民もより大きな犠牲を払った。
その反省にたって、民主主義国家を国民は歓迎した。
情報公開は、民主主義の原則。
(ヨーロッパの機関から日本の民主主義度が低く
評価されている原因のひとつが情報公開の度合い。)
情報公開が国民の安全に直結していることを東電は肝に銘じて欲しい。