九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

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二つの画期的癌治療を受けてきた、その説明   文科系

2024年10月30日 20時27分43秒 | #闘病
 僕は二つの癌治療療法を受けて、83歳までの命を長らえることが出来てきた。いずれも高価な最新式の治療法で、一方は16年(75歳)に前立腺癌に対する陽子線療法、もう一つは22~3年に膀胱(癌)摘出の後にオプチーボという免疫チェックポイント療法と呼ばれるものを。いずれも凄く高価なものだが、前者は高度医療保険にはいっていたからこれでまかない、後者はこの名古屋市では医療保険適応になっているのである。このふたつについて、いろんな人々に知って欲しいと思い医学的概要、効果などを書いてみたい。

 陽子線治療とは、放射線治療の一つだが、特別な性格がある。放射線は癌のように若く成長が激しい細胞を殺すものだが、同時に癌周辺の細胞を広く殺してしまう。これに対して陽子線は、癌に対してピンポイントで照射されるから、照射部位周辺や前後の細胞を痛めることが少ないので、強い治療が可能になる。ただし、こういう性格を持つから、照射対象が動く臓器には使えない。僕は前立腺のある部分にピンポイントで照射したわけだが、前立腺自身は痛めつけられていないと痛感できたものだ。要約して言えば、手術後もちゃんと「出来た」のである。つまり、その後6年の81歳に膀胱摘出で前立腺を取るまで立派に出来たということだ。なお、僕の場合はこの治療を通院で行った。名古屋の西部医療センターに通ったのである。

 次はオプチーボの説明だが、これを創出した京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)先生がノーベル賞をもらったという世界的・画期的な療法である。この効能は説明すると長くなるが、こういうことだ。癌はこれを攻撃するはずの人間の免疫力を寄せつけないバリアを張るものだ。このバリアを壊すのがオプチーボで、人間本来の免疫力で小さな癌は殺してしまうということになるようだ。僕は第2期膀胱癌を膀胱周辺ごと摘出した後、月一度のオプチーボ点滴治療を1年とちょっと受けてきた。つまり、どこかにがん細胞が潜在している場合におこる癌再発という危険性を除いてくれたわけだ。ということで、すでに2年、再発もその心配もないというわけだが、はたしてどうか? このオプチーボ点滴も、僕は通院でやってきた。

 さて、以上最後にお断りを一言。以上はなんせ素人の説明だから、適用を考える場合には、改めて以上を確認していただきたい。どこかに間違いがあっては大変だからである。よろしく。ただ、上記二つ治療とも、出来るところが限られているから、おそらく大都市に通う必要があるだろう。
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随筆紹介 ピロリ菌、怖さと保険治療  文科系

2023年06月28日 12時13分53秒 | #闘病
随筆紹介 ピロリ菌  K.Kさんの作品です   

 ピロリ菌とはヘリコバクターピロリという細菌で、胃の粘膜に好んで住みつき傷つける。発がん毒素を注入し、そこから炎症をおこす。慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こす。胃がんのリスクが高いとされる。
 日本人の五〇%以上が感染していて、五〇代以降は七〇%に達する。感染経路は免疫力が弱い幼少期までの不衛生な水や、家族からの食事の口移しが原因らしい。一度感染してしまうと、薬で除菌しない限り自然治癒はない。現在はインフラ整備が整い、若者たちは少ない。
 夫は健康診断のオプションで検査結果が陽性だった。昭和十九年生まれの夫が感染していたのは、戦後二歳のころ、満洲からの引きあげで生活環境が悪かったのが原因かもしれない。あの頃は食べていくのが大変で、井戸水、川の水などや、下水道も完備されてなかったのだから。

 ピロリ菌の除菌は、薬を一日二回、一週間服用する。その後八週間後に検査をする。これを繰り返す。ほとんどの人は一回目で七十%~八十%除菌できる。二回目は九七%~九八%成功している。二回目までは保険が適用される。その後は自己負担で一万円~二万円になる。
 二回目で菌が減ったので様子見中だったが、吞気にしていられなくなった。胃潰瘍からの出血で下血になり、唇まで白くなり貧血で倒れた。一週間の入院、輸血までした。血液サラサラの薬の副作用らしい。「黒い便ですか?」医者の問いに初めておそるおそる見てびっくり。タール状の真っ黒だったらしい。胃からの出血は黒くなるとか。それからは確認するようになった。この機会にピロリ菌の除菌もしっかりやり直しそう。

 夫のはかなりしつこかった。三回目の挑戦でもまだ駄目でガックリ、「こうなったら徹底抗戦だ」と意地になって四回目に臨んだ。だが、さすがに疲れてきた。疲れる原因は、薬を服用中は禁酒、禁煙だから。毎晩の晩酌を楽しみにしている夫にしてみればかなりの我慢だ。普段は四十分くらいかけてゆっくりと夕食を楽しむ。お酒を飲まない一週間は十分くらいで終わり、物足りなさにイライラが募る。
 今回でとれなかったら諦めようと、ふうーとため息を大きくついて、足取りも重く結果を聞きに行った。なんと基準値内におさまった。いつもは厳しい看護師さんも一緒に「良かったですね」と、喜んでくれたとか。夫から「万歳! 万歳! やっと合格したよ」弾んだ声が聞こえるようなメールが届いた。

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八十路ストーマランナーの手記(464) ランナー断念  文科系

2023年06月01日 02時39分32秒 | #闘病
 自分でも信じられないが、いきなりランナー断念と決めた。前回に書いた「運動すると血尿が・・・」ということから、友人の腎臓専門医さんに「僕の腎臓の寿命診断」を相談した。すると、「腎臓自体は運動があまり好きではありません」「今は貴方の腎臓は機能の3分の1で全力投球している状態」に始まった「診断」結果として「ウオーキングとバイクに換えたら?」と言われた。

 さてそうなると、この「手記」は一体どうしたもんだろうということになる。「不整脈ランナー」で始まり、「カテーテル手術で慢性心房細動完治」なども経てきた464回が、ウオークかバイクのことを書いていくことになるのなら、もはや連載は不要だと思う。ギター記事と同様に、たまに随筆にする程度で十分だ。

 とても寂しい気持になっているが、この手記はこれで「さようなら」になる。最終的には、癌手術をやった名古屋市立大学病院泌尿器科の月例の診察・(癌に対する免疫強化剤・オプチーボ)投薬の日であるこの8日に決めることになるが、こちらは腎臓内科医(腎臓外科ではあるんだが)ではないから余程のことがない限り僕の心は決まっている。なお、セカンド・オピニオンをくださった医師の名を出すつもりはないともここに付記しておきたい。


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八十路ストーマ・ランナーの手記(454)ストーマとラン 文科系

2023年04月07日 07時16分41秒 | #闘病
 朝日新聞が、膀胱癌について連載をやっている。「患者を生きる」というシリーズの現在進行中のテーマが膀胱癌であり、本日7日のこの内容がストーマの実際、生活というようなものだった。現在の僕もストーマを付けて走っているわけだが、「ストーマ装着ランナー」というものを今日は書いてみたい。十分に走れるということを広めたいという趣旨である。


 先ずお知らせしたいのはこのこと。普段の僕はもちろん、ジムで走っている僕を見た人でさえ誰もストーマを付けているとは気付かないはずだ。ランナーとしての僕の服装は、膝上までのサイクリング・パンツの上に半袖シャツを着ているだけなのだが、おヘソの右あたりに付けたポリ袋のストーマ(尿の袋)をよくフィットする弾力性パンツがしっかり押さえてくれているからだ。パンツで押さえれば、尿が袋の中で均等に広がっていてくれるのである。ストーマの大きさは五本の指を除いた掌の部分程度のものだし、それが尿でいっぱいになったとしても200CC程度であって、これを早めに放出しておいて走るのだから、ほとんど目立つようなものではないのである。
 こうして、僕が現に走っている1時間程度なら走るのにほぼ支障はないと言って良いと思う。2時間近くでも大丈夫だろうと僕は思うが、その人のスピードとか違和感への感受性とかがあろうから、これは人によると申し上げるしかない。ただしいっぱいになっても、あらかじめトイレを探しておいて走行途中で放出すれば良いだけの話だ。


 さて、せっかく走力が戻り始めたのに、風邪の後遺症が残っていてジムを控えているのが、ちょっと残念。コロナでもインフルエンザでもないという検査結果を掛かり付け医院から得ているが、喉や気管支も痛いから控えている。定期点滴中のオプチーボという癌への免疫強化薬の副作用に肺炎が入っているから、大事を取っているのである。
 ラン復活がやっと軌道に乗って来たところだから、かなり残念だ。でも、ストーマ・ランナーとしてここまで希望をつなぎ、膨らませてきただけでも幸せだ。また、ランナー復活のために培ってきた体力が、ギター教室通いや同人誌活動に大いに生きていると痛感できるという幸せこそ、今最も大きいものがある。


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入院中の状況報告

2023年01月19日 05時15分35秒 | #闘病
入院は、一週間に縮まるようだ。
本庶佑発明オプチ−ボの副作用も少ない模様だし。ただ、病室を出られなくなった。どうも、コロナが出たようで、僕は陰性だったが、濃厚接触者と告げられた。
オプチ−ボという高価な薬が、去年春に保険適応になったというのは、実にラッキー。
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今の病状・体調・治療段階のご報告  文科系

2023年01月07日 21時41分40秒 | #闘病
30日に退院。11月前半約半月の小康帰宅時を除いては9月22日から延べ約3ヶ月の入院生活でした。そして、30日退院の途端の食欲急増から、年末、正月を挟んだ一週間で3キロ増えて51キロ台から54キロ台へと回復しました。ただ、脂肪が体脂肪率5%、内臓脂肪は1・0%と減ったままだから、体組成計のアクティブ度(体重に占める脚力の割合を指数化したもの)は91で、6月頃と変わらないのが幸いです。脚筋などもずいぶん減ったのですが、体脂肪が減った分が、脚筋の減った分を遙かに超えているということなのでしょう。医者の許可が得られたときに可能な限り階段往復、速歩などをやっていたことも良かったと思います。ただし、走る力は、アクティブ度よりも心肺機能の問題。今のこの落ち込み具合については明日書くつもりです。

そして昨日から泊まりで、右腎臓と新尿口(ストーマの出口)とを結ぶ尿道に入れたカテーテルを交換してきました。これは今後一ヶ月に一度交換します。新尿道に狭くなって尿が流れにくい部分ができて、腎臓に水がたまりやすくなったのを(水腎症といいます)防ぐためです。そして来週木曜日から、遅れていた薬物療法、免疫力を高める薬の注入が始まります。初めてのこれは、一週間ほどの入院が必要と言われました。大きな手術は副作用とか後遺症とかも大きいものと痛感しました。膀胱全摘出は、泌尿器科の一番大きい手術らしいです。

なお明日から「八十路ランナー」を復活する積もりです。思えば、最後に走ったのは7月20日の1時間7・2キロ。もっと時間をかけて普通に10キロ走れたのが、5月23日。今後走れるようになるのかどうか今はまったく目処が立ちませんが、一応努力の跡は残していきたい、そういう「八十路ランナー」という趣旨です。
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病床と好ゲーム

2022年12月15日 12時32分00秒 | #闘病
フランス、モロッコ戦はもう最高のゲーム、随所で魂を揺さぶられたというほどに。解説の元w杯選手森岡隆三氏もゲーム終了の瞬間に、素晴らしいものを見せてくれたと感激の声をあげていた。どこがどう素晴らしかったか。
点差は2対0だが、モロッコは本当に強く、逞しく、最後までよくあれだけ走り続け、うまく攻め続けたものだ。対するフランスの守備がまた洗練されていて、最終ラインまではなかなか壊れない。この守備で思い出したのが、スペイン戦後半などに見えた大会好調時の日本の守備。早めに1得点したフランスは日本のように引いて守る場面を多く作らされたのだったが、その2本のライン守備。低いラインは押し上げ高いラインは低めで、いわゆるコンパクトの典型。オフサイドトラップなどもよほど自信があるのだろう。高め守備に変えさせられた時などには、グリーズマンがあちこちに手のひらなど使って「上がれ」などと指示を出していた。

問題の2得点だが、いずれもシュート直前のアシストがエムバペと言って良い。早い1得点目は、彼のシュートのキーパー跳ね返しが、相手右ポスト外方面のサイド選手によって叩きつけられ押し込まれたもの。大健闘モロッコの戦意を打ち砕くような後半34分の2点目は、エムバペのゴール正面ドリブル侵入から右ポスト方面に流したスルーパスが押し込まれたもの。こんな所でも「得点戦術エムバペ」なのかと驚いたものだ。彼は三笘のようなドリブルもできるのだと知った。三笘よりも直線的ドリブルと感じたのは、左右にたった一歩ずつで数人の相手を交わし抜いて行ったからだろう。左右への彼の大きな一歩に相手が一歩では追い付けないと、そんな感じがした。メッシのちょこちょこドリブルとは全く違うのである。岡崎慎司や吉田麻也のランニングの先生杉本龍雄あたりからこのエムバペのランニング解説が一度されないかな?ナンバーあたりにそう望みたい。


手術で異物を体に入れるって、いろんな副作用が出るものだ。その入院が長ければ、また度々この交換などで入院すれば、多剤耐性菌なども入ってくるのだし。今後の我が残日にそうして老いていく姿が想像されるようになった。
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病状悪化、w杯フランス

2022年12月13日 09時52分00秒 | #闘病
退院の翌日、急性症状がでて、夜間の緊急外来診察から即入院。それが8日のことで、はや13日。驚きつつの困惑。さすがに悩んでいる。手術の副作用の病状悪化と悪い菌を二度も拾ったことが原因らしいが、医者は心臓の心配まで始めたらしい。昨日は心エコーをあまりにも入念に取っていたのでこれも驚いたほど。敗血症から始まる死への悪循環をこの歳になるとちょっと警戒ということらしい。
そんなわけで、同人誌の仲間には、月齢冊子が2カ月続きで出せないと、お伝えしたい。ある無神論者の死に方として死を恐れることはなくなったけれど、とてもやりたいことはたくさんある方で、やはりまだ死にたくないとも。でも、食べられない体重が53キロを今朝切っていたのには、本当にビックリだ。胃のムカつきがあるからだ。

さて、ワールドカップだが、ここで僕が押したフランスが残っているし、エムバペはダントツの得点王だろう。なにしろ、今のフランスは戦術エムバペで迷いが無いし、中盤のグリーズマンがまたモドリッチに匹敵する選手で、彼が組織する守備もかたいのだ。スペインではつねにモドリッチとグリーズマンとの中盤争いはいつも評判になっているはずだ。モロッコと日本の躍進には世界が驚いたけれど、モロッコの強さが旧宗主国フランスの人脈指導に支えられて来たことはあきらかだろう。

それから、また発言を始めた本田圭佑について一言。彼は、ブラジル大会後の反省を仕上げないと、発言を控えていた方が良いと言いたい。なんせあの時、彼はこんな大々的自己批判をしていたのだ。「何が起こったのか分からない。サッカー観を全く覆された」と。この発言には伏線の重大なものがあって、監督であるザックと本田らとの間でチーム方針の不一致が続いていたのである。本田に聞きたい。ザックの「危機管理をしたサイド攻撃中心。中央突破にこだわりすぎてはいけない」という指示が正しかったのかどうか。
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伊東純也

2022年12月05日 17時07分00秒 | #闘病
二回目の入院も明日で既に20日。その憂鬱な期間もサッカー代表が勝っているから、すごい慰めになっている。今日早朝の血液検査でいつ退院しても良いと言われたから、8日木曜日あたりに家に帰ろうと思っている。右腎臓にステント付きカテーテルを入れたから血液や尿の数値が正常になったのだ。食欲もすっかり戻って来て、ローソンのおにぎりを間食することも度々だ。好きなのは2種のタラコ類と南高梅。

さて、代表サッカーのこれまでの戦い方で不思議なことが一つある。途中出場の三笘は大活躍だが、もう一方の立役者、伊東純也が未だにアシスト一つだけ、それどころか彼らしい長い走り込みクロスなどをほとんど見せていないことだ。僕にはどう見てもセーブさせているようにしか思えないのである。ただ、この伊東、守備には俊足を生かして大活躍だから、ここまでは「今はそれが任務、最後まで先発体力を維持して欲しい」と申し渡されているのかも知れない。するとこうなる。今夜のクロアチア戦では、伊東を全開させるのか、と。これが事実としたら、森保周辺は噂より数段上の策士になるはずだ。と、そんなことも僕の今夜の見どころになる。

さて、もう一つの不思議は久保の「体調不良、欠場」。僕には種々の前後事情から「使われ方に不満、討論から、不一致離脱」としか思えないのだが、真相はどうなんだろう。明らかにはならぬだろうが、サッカーではよくおこることである。
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退院が遅れた、ついでに、癌発見が遅れた訳   文科系

2022年10月23日 15時23分55秒 | #闘病
 退院が遅れた。その理由は、尿管を尿出口にまでつなぐ継ぎ目がやや狭窄していて、尿の出が悪く、その分腎臓が腫れて、全身状態が悪くなっていたから。高熱、吐き気とか、気分も最悪、ブログも書けなかったが、昨日辺りから好転。退院は24日の週のどこかになる。同人誌の例会出席は無理、冊子作りは遅れることになった。と、同人の方々にはこの場を借りてお伝えしておきたい。

 さて、今回の膀胱癌、全摘出手術について、どうしても記しておきたいことがある。振り返れば、この第二ステージ進行の膀胱癌に至るまで、僕は泌尿器科掛かり付け医に通い続けていたのだ。17年1月に終わった前立腺癌陽子線治療後の経過観察期間として、年に4度は通っていた。そこで毎回行った尿検査で去年夏ほどから潜血反応があると言われていた。加えてその後に軽い排尿痛が起こっていたから、そのことも掛かり付け医には訴えてきた。対する医者の回答は「潜血反応があっても、尿に炎症細胞が出ていないから怖い病気などはありません。抗生物質を出しておきます」というようなもので、この間ずっと尿の経路をエコーで診ることさえ一度も行われなかったのである。そうこうするうちにこの春、血尿が出て初めて掛かり付け医から陽子線治療を行った拠点病院に紹介状がでて、第2ステージ癌判明という今日に至ったのだ。「尿に炎症細胞が出ていないから癌などはない」という知識が古いのだろうとしか思えないのである。でも、尿から潜血が出たらその原因はすぐに必ず調べるものとは、物の本にも書いてあった。


 さて、当ブログでアベノミクスが起こって以来ずっと警告・問題にしてきて、今爆発しつつある円安である。
 2013年だったか、安倍晋三が、抵抗する日銀白川方明総裁を屈服させて「借金財政は続け、その穴を日本銀行券を刷ることによって埋めていく」とし始めたのがアベノミクスの始まりだった。このやり方は、財政ファイナンスといって「そういう国の貨幣は国際的信用がなくなる」として、従来はずっと禁じ手だったものである。通貨を刷りすぎてその信用がなくなり始めた、これが今の円安の原因である。安倍が、空売りなどはしないとかのアメリカの口車にも乗せられたのかもしれない。
 今の円安には明らかに英米の投機、空売りが絡んでいるのに、米大統領も今や「放漫財政を積み上げてきた国のほうが悪い」とこの投機を容認するだけではなく、日本政府の為替介入は自由主義に反しておかしいとさえ言い始める勢いだ。アメリカも日本以上の赤字国家だからなり振り構わずということだろう。
 スーパーなどでも「3000円ほど買ったつもりが5000円に」などという物価高にもなっているのに、まだまだ円安、物価高は進む見通しだ。9月に一度、最近もう何度か政府がドル売り円買いをやったらしいが、なんの効果もなかった模様。当たり前だ。日本政府は、円売りに備えたドル売り円買いのドル資金などほとんど持っていなかったのだから。こんな安倍自民党に長く従ってきた政治家、官僚らは、皆ヒラメ馬鹿である。日本の将来を何と考えていたのか。
 かくて日本国は2流国家に落ちてしまった。昔、農協さんが西欧・アジアの観光地を荒らし回ったあの逆を今はやられているわけだ。一人当たり購買力平価GDPでいえばすぐに世界50位ほどになっていくのではないか。こんな日本に落とされて、まともな職場がすっかり減ってしまった孫子が可哀想でならない。安倍の「愛国」がいかに口だけのものだったか、思い知るべきなのだ。日本を韓国に売ったに等しいような統一教会問題も含めて。


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友人の方々にご報告  文科系

2022年09月14日 14時59分49秒 | #闘病
 ここを読まれている僕の友人の方々へ、改めてちょっとご挨拶です。

 前からここに書いてきたとおり、27日膀胱全摘手術のために、22日から一ヶ月ほど入院予定です。癌は2~3期の進行癌で、そのどちらかは切ってみないと分からないと言われています。5年生存率が、2期なら6割ほど、3期なら4割5分ということになると言われています。ただ、ここまでの僕は全く普通の生活をしてきました。
 抗がん剤を毎週一回通院注入している副作用で赤血球数値が悪くなっていて走れませんが、1時間の散歩、20キロほどのサイクリングなどをランニングの代わりにやっています。
 ギターの練習も今まで通り、今日も教室に行ってきました。ギター友達向けに書くと、ソルのエチュードセゴビア編集20曲集をもう一度やり始めて、今日弾いたのはその6~9番。前2つは2回目だから、今日で終了です。
 娘家族と7月にはUSJにも行ったし、8月末には孫二人の学童保育キャンプの手伝いにも行ってきました。また、孫のピアノ、体操など教室通いも普通に助けています。
 親しい友人らとの酒の付き合いも半量以下に減らすなどして応じていますが、これの変わったところではこんなこともありました。高校同級生の長く続いた飲み仲間が、僕の入院への「壮行会」なるものを開いてくれたんです。この10日のことで、とても楽しかった。初め8人で始めたこのグループも、81歳になった今は3人が故人です。それぞれ、胃がん、肺がん、血液癌で・・・。

 さて、こういう病気をすると、人は「電話して良いものやら?」と思われるのが普通です。が、このように全く普通の生活をしている僕の場合は、今後も何かお誘いの電話など含めて普通にお声かけをお願いしますと申し上げておきます。膀胱を全摘してもストーマというものをつけているので普通に生活できます。僕もそうなるつもりなのですが、そんな身でランナーを続けている人さえいますから。
 なお、入院中もメールやブログは書けます。Wi-Fiの部屋に入院希望を出していますから。もしそこに入れなくとも、病院の一角にこれが可能な場所もありますから。

 以上よろしくお願いいたします。
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八十路ランナーの手記(433) 膀胱癌患者の手記③  文科系

2022年06月04日 11時53分14秒 | #闘病

 26~29日まで入院した経尿路内視鏡的削除手術後の診断結果・今後方針が、26日に削除手術をした傷口からの血が混じった尿がほぼ納まってきた昨日3日に、出た。

 診断結果は、尿路上皮癌(膀胱癌)が筋肉層に浸潤した「第2期〉第3期」、「悪性度G1~3では、G2〉G3」というものだった。「第2期〉第3期」というのは、「MRI画像では第2期だが、今回削除できなかった部分まで切ってみないと分からない」ということ。こうして、5年生存率は4~6割ということになる。転移などの状況から2年で死ぬこともあるということになるのだが、まー仕方ない。

 今後方針の方は、膀胱全摘手術、化学療法、放射線療法ということで、これらは、今回の病院の親病院である名古屋市立大学病院で行われ、13日月曜日がその第1回診断日となった。この13日以降の推移は、先ず2~3回抗がん剤治療期間2~3か月、その後に手術になるのではないかと言われた。
 手術後の尿路には、尿管を直接外に出すか、腸の一部を使って外部への導管を作るかの二つの道があって、いずれもストーマという体外尿袋を装備することになる。後者は腸をもいじるから泌尿器科で最も大きい手術になって麻酔のダメージも大きく、最近話題のロボット(ダヴィンチ)手術だと手術時間がさらに長くなるということのようだ。前者の尿管排出口法はダメージが少ないので高齢者向けと言えるが、血管が少ない尿管の出口をメインテナンスする必要が生じるらしい。今回これらを自分で選べるかどうかが分からないのだが、まーそういう道があるということを頭に入れておく。

 ちなみに、ネットで膀胱癌の症例、手術などの資料集めをしてみても、宣伝ものなどが多すぎて実に玉石混淆。以下が最も良かった。『「国立がんセンター」、「膀胱癌」、「治療法」』である。

 同年齢の友人女性につい最近胃癌のダヴィンチ手術をした人が居るし、同じく白血病で抗がん剤をやってきた方もいるから、それぞれその後の悩み、経過などをすぐにお聴きしたいと目論んでいる。また、ラン友の友人にストーマを付けてテニスをやっている人が居るとも聴いたから、その運動程度、悩みなども聴けることになる。

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 八十路ランナーの手記(432) 膀胱癌患者の手記②  文科系

2022年05月29日 14時25分32秒 | #闘病

 ここに書いてきた膀胱癌は、厄介なことになりました。厚い膀胱のその筋肉層にも浸潤していて内視鏡削除術では取り切れぬ部分があり、今後間もなく膀胱を取る手術になっていく方向です。癌の度合いは第2~3期の進行癌ということから、5年生存率は50%内外、と。現在大きな転移は見つかっていないとしても、いろんな転移がありえて、闘っていくことになるだろうということです。さて、そんなわけで僕は、この手記の題名を今後は「膀胱癌患者の手記」と変えることにしました。この日本では、癌で死んでいく人が最も多いということから、癌患者がどういうもので、どう闘って週末を迎えるかを詳細に残すことが、今の僕にできる社会貢献になるだろうという思いです。幸いというとおかしいですが、ここにも書いてきたように、自分の死を青年時代からずっと意識しつつ生きてきたものですから、この今も割と冷静に迎えることができていますし。また、どんな進行癌でもいずれ死を迎える場合には、転移との闘いは同じようなものになるようですから、記録の意味は大きいと考えました。今日は先ず、僕が失敗した予防について書いてみます。僕については、掛かり付け医師のこんな「失敗」があったということを。

 僕はここにも書いてきて2017年初めに終了した前立腺癌陽子線治療(完治)以来5年間、定期的にこれの予後観察通院をしてきました。この陽子線治療病院に紹介状を書いてもらった、家の近くの掛かり付けの泌尿器科医師と合わせてのことです。この掛かり付け医師からは、この間ずっと「尿を出しやすくする薬」をもらっていたことですし。そして、この医師には軽い排尿痛をこの1年近く訴えてきました。ほぼこの期間にはここで通院ごとに尿検査をしていて、医師自身も「尿に潜血がある」といつも通告してくれたものでした。それなら普通、膀胱近辺をエコーで検査するはずで、それによって一発で癌は見つかったはずなのです。

 と、これが、今回手術をした大病院の方の医師にこれまでの経過を話したら教えられたことでした。

 なお、家庭医学事典のような物の本を読んでも、膀胱癌についてはこう書いてありました。「尿潜血があれば、医師はその原因を早急に究明するはず」と。なのにこの医師は、僕の排尿痛訴えを聞き流して、「尿に潜血があっても炎症細胞が出ていないから癌はない」と告げつつ、「抗生物質を出してみましょう」などと対応し、早期発見の時を失してしまったのでした。
 
 こんな事があるものなんですね。僕の連れ合いや家族などは、猛烈に怒っています。

 

 なお、今回26日から今日までの入院では、多くの本が読めました。ここにも紹介した「隷属なき道」と、芥川龍之介、ツルゲーネフ、プーシキンの三作品集拾い読みです。作品集それぞれで面白かったのは、芋粥、地獄変と、ルージン、大尉の娘などです。芥川は、人と世の中とを斜に見たその「高踏」が芸術至上主義と言われるのだろうが、流石にその短編のいろんな奇想は面白い。高踏的ストーリーテラーと読めた。ツルゲーネフのルージンは、19世紀前半のあるロシア・インテリゲンチャーの生涯を描いている。スタンダールの「赤と黒」と同様のモチーフだが、フランス第2共和制を生んだ1848年のパリ二月革命で終わっているところがこの主人公の時代というもの。大尉の娘は、18世紀後半のプガチョーフの反乱を部隊とした一種の活劇物でもあり、僕にはとても面白いストーリー小説でした。

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