まず、本日のコメントとして書いたこの文章をお読み願いたい。7月28日の拙稿「ドルトムント勝利に、世界激震」に付けたコメントである。香川がこういうすごいチームのエースだったということに、先ずとにかくご注目願いたいのである。
『サッカーを論理的に観る (文科系)2013-07-30 17:50:36
標題のことを追加したい。もう一言付け加えて、「組織的・論理的に観る」と表現しても良い。
ここ10年ほどチャンピオンズリーグ決勝に残るかというバイエルンを去年まで2年退けたドルトムントには、どれだけ注目が集まっても良かったはずだ。この間バイエルンは対外よりもドルトを負かすことが最大目標だったのだから。しかもそのドルト、何回も言うようにエースを3年続けてぬかれている。ヌリ・シャヒンをレアルに、香川をマンUに、そしてマリオ・ゲッツェをバイエルンに。それでいて、先日レアルを負かし、今度ドイツ各杯優勝チーム対決戦でバイエルンを負かした。それも、ブンデスリーグ優勝をぶっちぎりで成し遂げドルトの鼻をあかしたと得意満面だったはずで、かつバルサをチンチンにした絶好調バイエルンを。さらにそれも、チャンピオンズリーグ決勝敗北の雪辱をして見せたというおまけまでついている。しかもこのチーム、強さでは同格の他チームに比べて金がないから、世界超一流選手は呼べないのである。
さて、これはもう論理的に観てこういう結論しかないはずだ。チーム戦略とそれに沿った選手強化策とが、世界でも頭抜けているのだと。そういうチームが出現したのであると。戦略はバルサが手本とはっきりしているが、選手を観る目とそれをチームに溶け込ませる力とが群れを抜いているということだろう。
サッカー評論の世界が、外国論壇も含めていかに保守的かは、このドルトが示した事実を素直に観られないことで分かるというもの。こういうチームにカウンター一発などの小手先テクニックなどで勝てるわけがないのだから。ちょうどオランダのクライフ・アヤックスとか、イタリアにアリゴ・サッキが現れたときのような、必然的な強さなのだと思う。新しいサッカー強豪スタイルの出現と認めるべきなのだ 』
さて、ちょっと前までは貧乏この上なかったこのチームを5年で世界的強豪にのし上げた世界最先端の名監督ユルゲン・クロップは、マンUの香川の使い方を観て、こう嘆いてみせる。
『あの香川が、トップ下以外で使われるなんて、涙が出てくるよ。彼は世界でも有数の選手だ。不満だったら、いつでも帰ってきて欲しい。大歓迎するね』
ところでこのクロップという人物は、貧乏チームのこれだけ大きな変身を創ったことを観れば世界サッカー史上でオランダのクライフやイタリアのサッキに匹敵する歴史的功労者になる人物だと、僕は確信している。前者は世界の攻撃戦略を大変革して今のバルサの基礎を築いた人物であって、後者は現在の世界守備戦略を築き上げた世界サッカ-界の偉人である。
こういう監督にこれだけ惚れられたのが香川なのである。どれだけ世界最先端の優れものであるか、それが分かろうというものではないか。
香川と別れるときのクロップの言葉でこの拙稿を締めたいと思う。多少の脚色を入れるが、内容的にはこの通りのことをクロップは述懐した。
『別れる時には、抱き合って20分泣き合ったよ。でも、香川は、サッカー好き少年のまま大人になったような人物。その選手の小さいときからの憧れを、大人が止めることはできないだろう。香川はとにかく、プレミアに憧れ続けてここまで来たんだから』
この言葉からしてどこか違う、素晴らしい才気溢れた人間性、人物だと、とにかく感心したものだ。
『サッカーを論理的に観る (文科系)2013-07-30 17:50:36
標題のことを追加したい。もう一言付け加えて、「組織的・論理的に観る」と表現しても良い。
ここ10年ほどチャンピオンズリーグ決勝に残るかというバイエルンを去年まで2年退けたドルトムントには、どれだけ注目が集まっても良かったはずだ。この間バイエルンは対外よりもドルトを負かすことが最大目標だったのだから。しかもそのドルト、何回も言うようにエースを3年続けてぬかれている。ヌリ・シャヒンをレアルに、香川をマンUに、そしてマリオ・ゲッツェをバイエルンに。それでいて、先日レアルを負かし、今度ドイツ各杯優勝チーム対決戦でバイエルンを負かした。それも、ブンデスリーグ優勝をぶっちぎりで成し遂げドルトの鼻をあかしたと得意満面だったはずで、かつバルサをチンチンにした絶好調バイエルンを。さらにそれも、チャンピオンズリーグ決勝敗北の雪辱をして見せたというおまけまでついている。しかもこのチーム、強さでは同格の他チームに比べて金がないから、世界超一流選手は呼べないのである。
さて、これはもう論理的に観てこういう結論しかないはずだ。チーム戦略とそれに沿った選手強化策とが、世界でも頭抜けているのだと。そういうチームが出現したのであると。戦略はバルサが手本とはっきりしているが、選手を観る目とそれをチームに溶け込ませる力とが群れを抜いているということだろう。
サッカー評論の世界が、外国論壇も含めていかに保守的かは、このドルトが示した事実を素直に観られないことで分かるというもの。こういうチームにカウンター一発などの小手先テクニックなどで勝てるわけがないのだから。ちょうどオランダのクライフ・アヤックスとか、イタリアにアリゴ・サッキが現れたときのような、必然的な強さなのだと思う。新しいサッカー強豪スタイルの出現と認めるべきなのだ 』
さて、ちょっと前までは貧乏この上なかったこのチームを5年で世界的強豪にのし上げた世界最先端の名監督ユルゲン・クロップは、マンUの香川の使い方を観て、こう嘆いてみせる。
『あの香川が、トップ下以外で使われるなんて、涙が出てくるよ。彼は世界でも有数の選手だ。不満だったら、いつでも帰ってきて欲しい。大歓迎するね』
ところでこのクロップという人物は、貧乏チームのこれだけ大きな変身を創ったことを観れば世界サッカー史上でオランダのクライフやイタリアのサッキに匹敵する歴史的功労者になる人物だと、僕は確信している。前者は世界の攻撃戦略を大変革して今のバルサの基礎を築いた人物であって、後者は現在の世界守備戦略を築き上げた世界サッカ-界の偉人である。
こういう監督にこれだけ惚れられたのが香川なのである。どれだけ世界最先端の優れものであるか、それが分かろうというものではないか。
香川と別れるときのクロップの言葉でこの拙稿を締めたいと思う。多少の脚色を入れるが、内容的にはこの通りのことをクロップは述懐した。
『別れる時には、抱き合って20分泣き合ったよ。でも、香川は、サッカー好き少年のまま大人になったような人物。その選手の小さいときからの憧れを、大人が止めることはできないだろう。香川はとにかく、プレミアに憧れ続けてここまで来たんだから』
この言葉からしてどこか違う、素晴らしい才気溢れた人間性、人物だと、とにかく感心したものだ。