「マスコミに載らない海外ニュース」に、僕が知りたかったボリビア大統領選挙結果ニュースが載っていたので、紹介したい。前回の選挙で圧倒的に勝った原住民出身のモラレスを、アメリカが画策したクーデターで亡命に追い込んだ事件は、ここでも扱ってきた。その続編ということになる。この手痛い敗北で、アメリカは一体どうするのだろう。以下の報告にはなお、後半でオーストラリアにアメリカがある選択を迫った時の話も載っている。以下の報告の題名は、「アメリカには同盟者などいない。同盟者かさもなくば敵かと迫る政策があるだけだ」と述べているのだ。「敵に回るのか?」と問い詰める脅迫外交を称して、「その国自身を人質にする」と解説しているのである。
【 アメリカに同盟者なし、人質のみ 2020年10月21日 ケイトリン・ジョンストン
ボリビア新次期大統領ルイス・アルセは、スペインの国際報道機関EFEに、キューバやベネズエラやイランとの国交関係を復活させるつもりだと語った。これは、去年違法に権力を掌握した後、即座に大使館を閉鎖し、医師を追放し、それらの国々との関係を切断した、アメリカが支援したクーデター政権の政策を覆すものだ。
アルセはロシアや中国との友好関係についても語った。
「我々は全ての関係を再構築するつもりだ」と彼はEFEに語った。「これまでの政権は非常にイデオロギー的に行動し、ボリビア国民が、キューバの医療、ロシアの薬や、中国での進歩を利用できなくしていた。純粋にイデオロギー的な問題から、この政権は国民に、不必要で、有害な経験をさせた。」
アルセは「全ての国に進んでドアを開く意志を表明するが、唯一の必要条件は彼らが我々を尊重し、我々の主権を尊重するということだけだ。全ての国、大きさには無関係に、ボリビアとの関係を欲する国で、唯一必要条件は我々が同等な国としてお互いを尊重するということだ。そうであるなら、我々には何の問題もない。」
アメリカ帝国主義とグローバル政治について何かご存じなら、この最後の部分が、帝国の教義に対する厚かましい異端であるのがお分かりだろう。
(中略)
アメリカを中心とする帝国は、まだ帝国の属国に転換していない国々をゆっくり吸収する巨大なカタマリのようにして動いている。ある国が、それから逃れ、自己主権のための戦いで、中国やロシアやイランやベネズエラやキューバのような吸収されない国々に再び加われるのはまれだが、そうすることが可能だったことには勇気づけられる。
去年、オーストラリアのシンクタンク、センター・フォー・インデペンデント・スタディーズが主催した討論で、アメリカ人政治評論家ジョン・ミアシャイマーが、この帝国の魂の動態を非常に鮮やかに説明した。ミアシャイマーは、聴衆に、中国の上昇を止め、中国が東半球で地域の覇権者になるのを阻止するため、アメリカは出来る限りのことをしようとしており、オーストラリアはその戦いで、アメリカと協調すべきで、さもないと、ワシントンの怒りを買うと述べたのだ。
「問題は、中国の勃興を考慮に入れたオーストラリア外交政策は、どうあるべきかだ」ミアシャイマーは言った。「私はあなたに私が、もし私がオーストラリア人だったなら提案することを、お話したい。」
ミアシャイマーは中国は経済的に成長し続けようとしており「アメリカが西半球を支配しているように」アジアを支配するため、経済大国は軍事大国に変わると言い、なぜアメリカと同盟国がそうなるのを阻止するあらゆる能力を持っていると思うか説明した。
「今疑問は、この全てがオーストラリアにとって何を意味するかだ?」ミアシャイマーは言った。「あなた方は確実に板挟みになっている。皆が板挟みが何か知っている。ところであなたは板挟みになっている東アジア唯一の国ではない。あなたは大いに中国と取り引きする、その貿易は、あなたの繁栄にとって非常に重要だ。それについて疑いはない。安全保障という点で、あなたは本当に我々と共に行きたいと望んでいる。それは遥かに多くの意味をなす、そうでしょう? 生き残らなければ、繁栄できないのだから、あなたは安全保障が、繁栄より遥かに重要だということがお分かりだ。」
「今、選択肢があると言っている人々がいる。中国と一緒にやって行けると言っている」とミアシャイマーは言った。確かに、あなたには選択肢がある。あなたは、アメリカではなく、中国とやって行くことができる。私がそれについて言いたい二つのことがある。第一、もしあなたが中国とやって行くなら、あなた方は、我々の敵であることを理解して頂きたい。その場合、あなたは、アメリカの敵になると決めているのだ。なぜなら再び、我々は猛烈な安全保障競争の話をしているのだから。」
「あなたは我々の側か、我々の敵だ」と彼は続けた。「もしあなたが中国と大規模に取り引きし、中国に好意的なら、あなたは、安全保障競争でアメリカを傷つけているのだ。我々の見地からは、あなたは獣に餌をやっているのだ。そして、それは我々を幸せにしない。そして、我々が幸せでない時、我々がどれほど意地悪くなり得るか過小評価しないよう願いたい。フィデル・カストロに聞いて頂ければ良い。」
オーストラリア・シンクタンク聴衆の不安な笑いが、ミアシャイマーの更に扇動的な発言を中断した。CIAは何度もカストロ暗殺を試みたことが知られている。
(以下略)】