海江田さんが玄海原発の再開へと県にお願い?に行き、
知事さんも、国の安全対策に納得?と陳べたよし。
一体、フクシマ以後、なにか変わったの?と思っている私には
不可解な出来事です。
保安院など、原発を進める役所と監視する役所が、同じ役所という
一点すら改善されていないのに・・・・
ウォ-ル・ストリート・ジャーナルが、
日本の原発危機対応で決定的に欠けているのが、
「セーフティーカルチャー(安全文化)」という記事を掲載していたので、紹介します。
原発作業員の安全性確保もセーフティーカルチャーの重要な要素だ。
ILOでも、チェルノブイリ後、放射線の被曝から
労働者をいかにして守るかが、クローズアップされるようになった。
チェルノブイリ事故が、放射線防護のみならず、
『セーフティーカルチャー』という考えをつくりあげた。
その結果、原発の設計・運営の法的規制や検査体制を確立させ、
作業員に対するトレーニングや教育、情報開示に努めるなど、
労使協調による安全プロセスの達成に力を入れる国が増えたという。
米国では、スリーマイル島原発事故をきっかけに、
米原子力規制委員会(NRC)の主導の下で、
最悪のシナリオを想定した危機管理体制の構築や原発の運営、
作業などに携わる人たちの教育や研修、現場や業界内での透明性の強化などが
徹底されることになった。
その背景には、スリーマイルの事故後、
断層近くに位置するカリフォルニア州のディアブロ・キャノン原発や
ニューハンプシャー州のシーブロック原発などに対する
住民や市民活動家の反発が高まり、
政治家や規制当局、原発業界の実務家らが、
安全対策にまい進せざるを得なくなったという事情もある。
あまりにも業界寄りだったことから、
法的制裁を受けそうになったNRC職員もいたという。
当時、あるNRC管理職は、スリーマイル以前には
「危機管理」という言葉さえなかったという。
だれも「危機」が起こるとは考えなかったからだ。
こうしたことは、日本にとっても他山の石とすべきであった。
しかし、震災後3カ月以上たっても、政府や東電、
規制当局の対応には目立った前進がみられない。
いまだに旧態依然とした危機管理のせいで、
限度量を超えた被曝線量にさらされる作業員が後を絶たない。
日本は、米国も批准していない、放射線から労働者を守るILO条約第115号
を批准しているにもかかわらず。
こうした政府や規制当局、業界の安全性軽視が続くなか、
セーフティーカルチャー導入への緊急性を認識し、動き始めた専門家もいる。
その一人が、セーフティーカルチャーの研究を重ねる
名古屋放射線診断財団・東名古屋画像診断クリニックの後藤卓美副院長だ。
「セーフティーカルチャーは、原子力施設をはじめ、病院など、
さまざまな場所で必要とされる組織文化である」と、後藤副院長は強調する。
「日本の原発危機だけでなく、あらゆる事故の防止や危機対応にも
不可欠なものだ」と。
被災地の人々の安全を守り、これ以上原発作業員の健康を犠牲にしないためにも、
政府や東電、原子力安全委員会、原子力安全・保安院には、
セーフティーカルチャーの徹底に向けてベストを尽くす責務がある。