不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

FC東京が抜け出て、Jリーグ大異変   文科系

2019年04月29日 12時02分47秒 | スポーツ
 Jリーグに大異変が起こっている。過去の強豪が明らかに軒並み力が落ちてきたのか、新しい強者が生まれてきたのか。いずれにしても世界的な戦術変化、進化が絡んでいることは明らかで、何かわくわくする。また、Jを席巻したやのスペイン人監督が軒並み低成績であるのも、この世界的戦術変化の結果と思われる。

 落ちてきたやの過去の強豪とは、ガンバと浦和で一昨年急激に台頭したセレッソも見る影もない。ここでも前にちょっと触れたように、鹿島もかなり怪しい。対して、進化が見られるのがFC東京、広島、名古屋に、横浜M。

 昨日の僕が見る所の現在大きなゲームは、急台頭の横浜M・鹿島戦の2対1、および名古屋・広島戦が1対0で、FC東京・松本戦は2対0。それぞれこんな特徴があったようだ。
 横浜・鹿島は、シュート数16対5で鹿島が得点差以上に圧倒されて、選手からも組織への疑問のような声が上がっている。なんせ、先取点を取りながら、あの鹿島がコテンパンにやられたらしい。横浜の組織進化は、今期Jの評判になっている。

 名古屋・広島は、僕の予想に反して1対0。リーグトップの17得点はともかく、失点6という守備の堅さも、去年の名古屋とはどうやら打って変わったように見えるが、はてこれが本当に続くのか? このゲームでは、前線守備が後半特に頑張ったようだ。

 東京・松本戦は、反町松本監督のこの言葉が総てを表しているようで、面白かった。
『一番上のチームに勉強させられ部分もある。それをどう生かすか』
 評判の久保の活躍が凄かったゲームであり、対する松本・田中隼磨のこの言葉も面白かった。
『個の能力でかなわないのなら、チームで止めなければいけなかった』

 スペイン監督の軒並み不振とともに、ボールをお回せる組織というだけでなく「高い位置で潰して、得点」が拙いチームは、どんどん落ちていくということだろう。ちょっと気が早いが、FC東京が抜けていき、川崎が追い付いてくるという展開になるのではないか。これに、名古屋、広島、横浜Mがどう絡むかということだと思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本政府の透明度がどんどん落ちている   文科系

2019年04月28日 20時27分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 僕のエントリ『安倍政権の大臣行動が機密事項 2019年04月26日』にこういう質問があったので、以下の応答をエントリーにもしておきたい。ご丁寧に、例によって同じことを二つもコメントされてきたことだし。

『 Unknown (Unknown)2019-04-28 18:23:29透明性が世界でも60数位・・て、何処の統計?』
『 Unknown (Unknown)2019-04-28 18:24:40まあ、そんなのって、統計とれないよね。』


『回答 (文科系)2019-04-28 20:19:22
 「国境なき記者団」の2015年発表で「61位」とある。世界の記者達の最も権威あるNGOのアンケート結果とも言えるものだ。

 因みに日本のその数字の推移は、
「日本のランキングは2002年から2008年までの間、20位代から50位代まで時代により推移してきたが、民主党政権が誕生した2009年から17位、11位とランキングを上げた。2008年までの間は欧米の先進諸国、アメリカやイギリス、フランス、ドイツと変わらない中堅層やや上位を保っていたが、民主党政権誕生以降、政権交代の実現という社会的状況の変化や、政府による記者会見の一部オープン化もあり、2010年には最高の11位を獲得している。

しかしながら、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の発生の後、2012年のランキングでは22位に下落、2013年には53位、2014年には59位を記録した。そして今年2015年にはついに過去最低の61位までランキングを下げる結果となった。自由度を5段階に分けた3段階目の「顕著な問題」レベルに転落した状況である」

 なお、この文章は日本大学大学院新聞学研究科のサイト文章から取った。福田充という方の研究室サイトのようだ。』
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評 スノーデンが米世界盗聴を告発した時③   文科系

2019年04月27日 07時07分06秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
書評「暴露 スノーデンが私に託したファイル」③  文科系

 この著作は期せずして、こんな点も同時並行で描いていくことになった。

①政府とマスコミ
 マスコミがいかにして「体制内マスコミ」にされているかという手口が描かれている。重大な記事は必ず、事前に関係部局に弁護士を通じたりしてお伺いを立てねば後でどんな不法な報復があるかわからないので闇雲には進めないのだし、このお伺いに対して当局は待ったを掛けてスクープ発表をちょっとでも先延ばしにしようとする。まるでその度合い、お伺いの丁寧さと先延ばし期間の長さとで、そのマスコミが体制的か否かが決まると言えるほどだ。
 スノーデンが英国に本社があるガーディアンとその専属のようなジャーナリストに、告発機会を長く待ってでもあくまでも拘った理由もそこにある。なおガーディアンは、この内部告発発表でピューリツァー賞を受けている。なおガーディアンや著者への報復は、前回に一部述べた通りである。

②告発者への人格攻撃
 これは内部告発者に対して常に必ず、大々的に行われることである。攻撃の強さによって、体制内の程度が分かるというほどに。
『言うまでもなく、スノーデンへの攻撃は熾烈を極めた。そして、その攻撃は奇怪にも同じ類のものばかりだった。(中略)(スノーデン自身のマスコミ告発があってから)数時間後には、スノーデンの性格や動機についての誹謗中傷ゲームが既に始まっていた。彼の行動は信念に基づくものではなく、名声を求めたナルシズムによるものだ、と彼らは口をそろえて唱えた。』

 著名マスコミ人によって実際に発されたスノーデンへのマスコミ発言はこんなものだ。
『ほかの人間より自分が賢いと思い込んでいるナルシスティックな若者』(CBSニュース司会者)
『刑務所行きがお似合いの誇大妄想型ナルシスト』(ニューヨーカー)
『(スノーデンは)男の服をまとった”赤ずきんちゃん”として歴史に名を残し』(ワシントン・ポストのリチャード・コーエン)
『高校もろくに卒業できなかった」「どこまでも孤独な人間」』(ニューヨーク・タイムズのコラムニスト)
『「社会に募る不信、痛烈なまでの皮肉、社会構造のほころび、個人主義に拘泥して他者との関わりや公益のほんとうの意味を理解できない人々」の象徴だ』(同上)
『高校を中退した負け犬』(政治メディア「ポリティコ」)

 因みに、過去の内部告発者では、こんな例もある。
 ニクソン時代にペンタゴン文書を告発したダニエル・エルズバーグ。
『政府はエルズバーグの精神科医の診療室に不法侵入してカルテを盗み、彼の性生活まで調べ上げた』

 ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジも同じである。
『アサンジは髪を染め、偽名を使ってホテルにチェックインし、ソファや床で眠り、クレジットカードを使わず、友人に金を借りてまで現金払いにこだわる。その振る舞いは横柄かつ奇妙であり、被害妄想に取り憑かれているとしか思えない。今や多くの人々がアサンジは合衆国への復讐を求めているだけだと非難している』(ニューヨークタイムズ記者)


③この告発への世界の反響
 メルケル首相がオバマ大統領に電話盗聴を抗議するなど、世界の反撥があったことは有名だ。
 また、この本自身が世界24ヵ国同時翻訳書刊行という事実によって証明されるように、価値あるものとして世界の話題になっている。
 また、先にも述べたように、スノーデンのこの内部告発シリーズによって英紙ガーディアンはピューリッツァー賞を受けた。


(これで終わりです)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評 スノーデンが米世界盗聴を告発した時②    文科系

2019年04月26日 09時34分25秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
書評「暴露 スノーデンが私に託したファイル」 ②暴露と報復  文科系
2014年06月05日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など


 今回は、「第2章 香港での10日間」とその結末ということで書く。初対面の人物に会って、申し出が信用できるか否かの「証人尋問」を5時間もやって、いよいよ内部告発の世界的暴露にそのまま突入して行ったのである。厳密に選択され、ファイル分類された膨大な持ち出し資料の吟味を重ねて、まず4つの資料をターゲットに決める。最後にスノーデン自身の紹介、告発の心境吐露なども予定されることになった。
 これら総ての事が極秘体制を取りつつ、急を要する作業だった。暴露ニュースが出始めればすぐに合衆国情報機関の総力を上げた告発者捜しが始まり、スノーデン逮捕も含めていつ強制ストップが掛かるか分からないからである。スノーデン流の防諜経験から香港という場所に暴露作業場があったとは言え、そこが発見されるのも時間の問題なのである。予定の最後にスノーデン自身が配信記事に動画入りで登場するまでは、アジトの発見はどうしても隠さねばならない。

 
英国系ガーディアンから、第一弾ベライゾン
『アメリカ最大手通信業者〈ベライゾンビジネス〉に対して、外国諜報活動監視裁判所が全国民のすべての通話記録をNSAに提出するよう命じた件について』
『NSAが〈ベライゾン〉加入者数千万人の通信履歴を収集』
『〈ベライゾン〉に全通信履歴の提出を求める裁判所命令がオバマ政権による国内監視の規模を物語る』
『裁判所は〈ベライゾン〉に社内のシステム上すべての国内外通話履歴を「毎日継続して」NSAに提出することを指示した』
なお、このガーディアンというのは、著者が契約してきたマスコミ機関である。つまり、このニュースを世界に暴露し始めた専属機関と言って良い。もっともガーディアンだけに政府の風当たりが強くならないようになどの配慮もあって、他のマスコミにも意識的にいくつかのニュースは流している。 

第2弾は、ワシントンポストが初発
『米英諜報機関が大規模極秘プログラム:米インターネット九社(文科系注 フェイスブック、グーグル、アップル、ユーチューブ、スカイプなど)からデータを入手』
『国家安全保障局(NSA)とFBIが、アメリカの大手インターネット関連企業九社のセントラルサーバーに直接アクセスした事実が発覚。外国人ターゲット追跡のために分析官が必要とするボイスチャット、ビデオチャット、写真、Eメール、ドキュメント、アクセスログを入手』


スノーデンが所信を語る
 この10日間の最後が内部告発者スノーデン自身のマスコミ登場であって、ガーディアンのホームページに動画付記事を載せたのである。ここには、彼が初めて2人に連絡を取ったときの声明文から、こんな言葉が引用されている。
『私は自分の行動によって、自分が苦しみを味わわざるをえないことを理解しています。これらの情報を公開することが、私の人生の終焉を意味していることも。しかし、愛するこの世界を支配している国家の秘密法、不適切な看過、抗えないほど強力な行政権といったものが、たった一瞬であれ白日の下にさらされるのであれば、それで満足です』

 なお、この内部告発者登場自身は、本人の希望したところである。そして、「こういう人間による内部告発である」ということが、政府の大々的違法行為を順に暴露していった最後に出てくるという効果的演出狙いである。この演出は、2人のジャーナリストの助言によるものだが、この瞬間からスノーデンの境遇が激変していくと全員に覚悟されていたものだった。「NO PLACE TO HIDE  EDWARD SNOWDEN(隠れる場所もない エドワード・スノーデン)」、この著作の原題だった言葉である。もっとも、こんな演出をしなくとも、史上初のこれほどの内部告発者は政府情報機関の総力を上げて割り出されていくだろう。そもそも、国家安全保障局(NSA)から内部告発が出たなどというのは、史上初の大事件なのだから。つまり、すぐに割り出されるものをこちらから攻勢をかけてこの告発が社会に訴える力を一段と高めると、これが狙いなのであった。
 なお、スノーデンの人格などについて、こんなこともある傍証にはなるだろう。高校を中退する原因にもなったコンピューター技術により、18才で時給30ドルを稼ぎマイクロソフト認定システムエンジニアになっている。また、2004年20才で「イラク戦争を戦うために合衆国陸軍に入隊」している。あの9・11直後から「愛国者」になったことの現れなのである。このことにすぐに幻滅した後でも、「国家の仕事を」という意図で情報機関にコンタクトが取れたわけであった。その後は、前回書いた通りの経歴を経ていく。なお、29才の彼の年収は約20万ドルともあった。

逃亡と報復  さて、ここからは関係者がスノーデンをアメリカ政府に渡さない行動に腐心することになっていく。結論を言うとエドワード・スノーデンは間もなく香港からロシアへ逃げて、現在は確か、モスクワのシェレメチェボ空港で生活しているはずだ。ロシアにも迷惑をかけないように税関をくぐっていないということでもあろうか。また、いつか適切などこかの国にすぐに亡命できるようにしておこうという工夫なのでもあろう。


 以上全てに対して、アメリカ政府の怒りがどれほど凄まじいものであったか。その凄さの一端として作者はいくつかの事件を紹介している。一つは、ブラジルはリオにある著者の家から、ノートパソコン一台が「消えた」こと。
 今一つは、英国ガーディアン本社に英国政府通信本部(CGHQ)がスノーデンのディスクを引き渡せと要求してきたこと。CIA、NSA高官などは、持ち出し情報の量と質とを知らないでは枕を高くして寝られないということなのでもあろう。これに応じないでいたらこんなことが起こったという。CGHQ職員がガーディアン本社に押しかけてきて、スノーデン関連のCDすべてを要求した。編集長がこれを拒否したやりとりの結末がこうだ。
『彼らの気がすむまですべてのハードドライブを破壊することになった』
『CGHQの職員達は、編集長をはじめとする〈ガーディアン〉のスタッフに続いて地下のニュース編集室に入り、彼らがドライブを粉々にする様子をとくと眺めたそうだ』

(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年金15兆円損失に、会計検査院が警鐘   文科系

2019年04月26日 00時28分12秒 | 国内政治・経済・社会問題
 ここに何回も書いてきたことだが、年金基金運用機関が去年末まで3か月で15兆円の損失を出した。そのことについて、この24日に会計検査院が警鐘を鳴らしたという。日刊ゲンダイ25日の報道は以下の通り。ところで、この分は誰が儲けたのか? アメリカのヘッジファンドに決まっている。日本最高の頭脳をやり込める金融機関など、他に存在するわけがない。例によって、安倍政権がアメリカに貢いだ? アメリカの兵器をどんどん買い込んでいるように。いずれにしても、会計検査院が声明しているように、「国民への丁寧な説明が必要」だ。なんせ、年金基金資産の1割が吹っ飛んだのだから。今時、こういう資産の株式投資割合を大幅に増やしたなどという変更そのものが、オカシイと思う。


【 会計検査院が24日、公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」のリスクの高い運用方法に対して異例の警鐘を鳴らした。

 GPIFは、アベノミクスの一環として2014年10月にポートフォリオの見直しを行い、国内株と外国株の比率をそれぞれ12%から25%に引き上げ、全体の50%にした。その結果、18年10~12月期に、四半期ベースで14兆8039億円もの赤字を記録。150兆円資産の約1割が吹っ飛んだ。

 会計検査院は14年以降、株式運用の割合が増加してリスクが上昇していると指摘し、所轄する厚生労働省やGPIFに対し、「国民への丁寧な説明が必要」との所見を示した。検査院は「年金は老後の生活設計の柱。積立金は国民から徴収した保険料の一部だ。国民の利益のため安全、効率的に運用し、将来にわたって公的年金制度の安定に資することが強く求められる」と指摘。また一部の投資手法について、手数料などが詳細に開示されていないとして、収益などの透明性を確保するように求めた。】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍政権の大臣行動が機密事項   文科系

2019年04月26日 00時15分58秒 | 国内政治・経済・社会問題
 まー驚いた。昨日の新聞によれば、安倍政権の大臣らの行動日程報告は、即日廃棄も含めて、11省庁で不存在なのだそうだ。質問へのこんな応えさえあったとのこと。

『ある財務省関係者は取材に「どこの省庁でも大臣が誰と会ったかは表に出したくない。開示請求を避けるため長く保存はしない」と内情を明かす』

 これでは日本の国家行政当局がすべて、CIAとか秘密警察、あるいは悪の巣窟みたいではないか。省庁役人の面談は、大臣から係長程度までと面談相手の軽重によって差が付けられてきたはずだ。その「最重要」相手のみが大臣に会えるのだが、それが総て秘密で、国民に知られては困る? こんな慣行は、民主主義国家のものとはとうてい思えないのである。

 政府の情報公開度、透明性が世界でも60数位と低くなって来た日本だが、安倍政権の下ではさらにどんどん低くなって来たという証明の一つだろう。まー、モリカケに見えたように官僚達が安倍周辺への忖度ばかりやってきたから、こんなことが起こったと理解してちょうど良いのかも知れない。不正や利権絡みの、とにかく「悪の巣窟」を連想させる秘密主義である。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評 スノーデンが米世界盗聴を告発した時    文科系

2019年04月25日 13時02分21秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 旧稿の再掲を今日から3回に分けて始めることにした。同じくアメリカの告発をしたジュリアン・アサンジの運命やいかにと、世界が話題にしている時だから。


書評 「暴露 スノーデンが私に託したファイル 」①  文科系
2014年06月04日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など

 新潮社刊「暴露 スノーデンが私に託したファイル」を読んだ。この5月13日に第一刷が出て、30日には第3刷というベストセラー。本屋さんにも山積みだった。この第3刷を一昨日買ってきて、昨日までにはこの400ページ近くをあらかた読んでしまった。エドワード・スノーデン、言うまでもなくアメリカ情報組織の大々的な違法情報収集活動を世界に次々と暴露して、去年世界を深閑とさせた人物である。当時最も世を騒がせたことに、こんなニュースがあった。ドイツのメルケル首相の携帯電話さえ、アメリカ情報部に筒抜けだったのである。この件では、メルケル自身がオバマ大統領に面接して抗議を申し入れている。
 このスノーデン、経歴が凄い。高校中退でありながら21才にしてCIA(アメリカ中央情報局)のテクニカルエキスパートになり、NSA(アメリカ国家安全保障局)元シニアアドバイザー、DIA(国防情報局)の講師という職歴を持っている。専門はサイバー防諜であり、CIAとNSA両方の上級サイバー工作員の資格をも有するこの人物が、去年の6月に著者と香港のホテルで会ったときは、まだ29才。若くないと務まらない仕事とは聞いていたが、それにしても。極めて頭脳明晰で有能な、かつ正義感に溢れた人物であることもまた、著者が繰り返しているところだ。



 この本の主内容は、スノーデンが職業上関わった大量の情報をある2人の人物を通してだけ世に告発するに至ったその経過である。この2人の一方が、得意分野を憲法と市民権としていた元弁護士で、今はアメリカ政府を見張るような仕事で知られているジャーナリスト・グレン・グリーンウォルド、この本の著者だ。書中にも再三出てくるが、スノーデンの告発動機は、アメリカ政府がこんな大々的盗聴をやって良いのか悪いのか、これは国民が判断すべきことだろうというものである。全く世の話題にもならず、自分だけが捕らえられて終身刑か闇に葬られるかと、そんな事態こそ彼が最も恐れていたことだとも明かされていた。

 本書のまず初め第1章であるが、2人の香港での出会いまでに数か月という長い時間と手間を要し、なかなかスノーデン(という名前)が出てこないのである。相手は初め、全くのペンネームで何回も著者と連絡を取ろうとしてきた。「あなたのコンピューターにこういうシークレットソフトを入れてください」。容易に実名を明かせないし、電話はもちろん著者が持っているような普通のコンピューターやメールもネットも使えないと知り抜いているからである。その要請を著者が長い間外って置いたので、今度はこういうことになる。そんなシークレットソフトを搭載したコンピューターを持っている1人の女性ジャーナリストを通して、彼女と2人で名も知らぬ香港の人物に会いに行くことに。その搭乗時に初めて知ったのが、エドワード・スノーデンという名前とその経歴であった。なお、何ヶ月もペンネームで連絡を取りたいといってきた人物が実はスノーデンだったとは、かなり後になって知ったこととあった。

 ここまでに本書の第1章50ページすべてが費やされている。
 第2章では、初対面の「証人尋問」が延々と続くのだが、ここがまずとにかく面白い。「このスノーデンって信用できるのか。動機などもよほどきちんと聞き取らなければいけない」、「俺自身が政府の罠に引っかけられるのではないか」などなどと恐れる心境さえ、この著者にあったのだと思いながら読み進んだものだった。
(続く)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ジュリアン・アサンジの勝利」   文科系

2019年04月25日 10時28分39秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ジュリアン・アサンジがとうとう、長年政治亡命していたイギリスのエクアドル大使館から引きずり出されて、イギリス警察に連行されていったのは、この4月のちょっと前のこと。アメリカのイラク戦争など多数の秘密資料を世界中に公開したウィキリークスの創始者である。エクアドルが親米政権に替わって、新大統領が方針転換したために起こった世界史的悲劇である。
 その彼について褒め称える識者は世界に多いのだが、当然のことだろう。アメリカの世界史的戦争を批判する人士なら、当然そうするはずだから。

 同じく、エドワード・ジョセフ・スノーデンが、ロシア警察に連行されることはないだろうが、心の心底から、僕はそう願う。己の人生を捨てる覚悟を持ってアメリカの世界的盗聴網を香港から暴いたその瞬間に、ロシアに亡命して行った正真正銘の英雄、人間である。スパルタカスや安重根が、それぞれローマ帝国、大日本帝国から観たら極悪人であっても、現代の世界から観たら英雄、真の人間であるのと同じことだ。以下もまた、「マスコミに載らない海外記事」から転載させて頂いた。


『2019年4月25日 (木)
ジュリアン・アサンジの勝利 2019年4月16日 Andre Vltchek New Eastern Outlook

 歴史を通して、暗黒の反動的権力は、常に主流言説を横取りし、歪曲し、あるいは大衆に恐怖を広め、暴力で、虚偽で、世界を支配しようと試みてきた。
 勇敢で正直な人々が常に嘘を暴き、野蛮や腐敗に向かって立ち上がった。一部の人々は剣や銃を使って、正気でない不正な支配者と戦った。他の人々は言葉を武器に選んだ。
 多くの人々が打倒された。彼らの大部分が打倒された。新しい同志が立ち上がった。抵抗の新しい旗が発表された。
 抵抗することはより良い世界を夢見ることだ。そして夢を見ることは生きることだ。
 最も勇敢な勇士は決して彼らの国と文化のためだけに戦ったわけではない。彼らは人類全体のために戦った。過去、彼らは「直観的国際主義者」と我々が容易に定義できる人々だったし、今もそうだ。

 オーストラリア人コンピュータ専門家、思想家でヒューマニストのジュリアン・アサンジが、新しい、ほとんど試されたことのない形の戦闘を選んだ。彼は欧米帝国に対し、文字と言葉の大隊丸ごと、何十万もの文書を解き放った。彼は欧米が何十年もの間行ってきた最も多くの凶悪犯罪の証拠を保存していたデータベースに侵入した。ひどい秘密がさらされた。真実が明らかにされた。沈黙して苦しんでいた人々に面目と威厳とが最終的に戻った。
 ジュリアン・アサンジは、献身的な専門家と活動家の小さなチームの「指揮官」だった。私は彼らの何人かと会い大いに感銘を受けた。だがいかに数が少なくとも、このチームは世界を変えたり、少なくとも欧米の大衆に知り、その結果行動する機会を与えたりするのに成功している。
 ウィキリークス後、ニューヨークやベルリンやロンドンやパリの誰も「我々は知らなかった」と言う権利を持っていない。もし彼らが今知らないなら、それは彼らが日和見主義で、身勝手に知らないことに決めたからなのだ。
 ジュリアン・アサンジと彼の同志は、欧米が、アフガニスタンの人々や、中東やアフリカやアジアやラテンアメリカのいたる所で新植民地主義と帝国主義で苦しむ人々にしている全てを公表した。

 ウィキリークスを批判する人々は、アサンジの何を悪く思っているのだろう? 欧米帝国の密告者や工作員が「暴かれた」ことだろうか? 世界が彼らのことを哀れむと予想されることだろうか? 何千万という被害者が忘れられ、欧米諜報機関のメンバーや連中のご機嫌取りが安全で、保護されているよう感じられるためにだろうか?


 この記事を公開用に回す数日前、ジュリアン・アサンジは、かつて社会主義政権に支配されていて、彼に政治亡命と市民権を認めた国に、身勝手にも、その両方を裏切られた。現在の支配者レニン・モレノは、歴史によって極めて厳しく評価されるだろう。彼はエクアドル社会主義の成果を解体し、真実と地球の存続のために、既に自分の命より多くを犠牲にした人物を、文字通り(曲がったことをするイギリスとアメリカ司法制度に)売った男として記憶されるだろう。

 ロンドン警視庁がジュリアン・アサンジをロンドンのエクアドル大使館から引きずりだし、バンに押し込んだ時、世界中が欧米支配体制のむき出しの本質をかいま見ることができた。圧制的で、壊疽にかかった、残忍な執念深い活動中の支配体制を。
 だが我々は忘れるべきではない。支配体制は確信があって強いから、そうしてるのではない。支配体制は実際はおびえている。支配体制はパニック状態だ。支配体制は敗北しつつある。支配体制が自分が「脆弱」と思う所、つまり世界至る所で人を殺している。
 なぜだろう? なぜなら、もし他のどのような方法もないなら、何百万人もが、全ての大陸で、それと戦う準備ができている欧米の恐怖に直面する準備ができていて、目覚めているから。

 それは彼らが今真実を知っているからだ。それは現実が隠されることができないからだ;欧米のグローバルな命令の野蛮は誰ももう否定することができない何かだ。欧米の影響から自身を解放することに成功した国々の新しいマスコミに感謝する。ジュリアン・アサンジと彼の僚友のような英雄にもちろん感謝する。


 ジュリアン・アサンジは倒れていない。彼は刺され、裏切られた。だが彼は生きていて、彼を支援し、称賛し、彼の誠実さや勇気や品位を感謝している何百万人もの人々と共にいる。
 彼は帝国丸ごとと対決していたのだ。地球上最も強力で、悪で、破壊的で残忍な勢力と直面してた。そして彼は、秘密の組織に損害を与えるのに成功し、その結果、一部の計画を駄目にし、生命を救ったのだ。
 このすべては勝利だと見なせる。最後の勝利ではないが、ともあれ勝利だ。

 アサンジを逮捕することにより、帝国はその弱さを示した。彼を大使館から警察のバンに引きずり込んで、帝国は既に自分の死に装束を縫い始めたことを認めたのだ。』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なにこれ?  らくせき

2019年04月25日 09時19分27秒 | Weblog
河野太郎外相は23日の閣議で2019年版外交青書を報告した。18年版にはあった「北方四島は日本に帰属する」との表現が消えた。「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」との文言も削除された。4島を実効支配するロシアと、拉致問題解決に応じない北朝鮮への態度を一定程度軟化させることで、それぞれとの交渉を前進させる狙いがある。

 北方領土の記述で19年版は日本の法的立場に関する説明を回避。「問題を解決して平和条約を締結」するとの言い回しにとどめた。18年版にあった「未来志向の発想により、平和条約の締結を実現する」も踏襲しなかった。

共同通信の記事。
これってホントなの????
ほんとなら内閣総辞職もの。でもどこからも責任を問う声なし。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日中接近」に、ある非難   文科系

2019年04月24日 04時57分47秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 阿修羅掲示板に「日々雑感」という方が、安倍政権の「対中接近」への超右翼的非難を以下のように展開されておられる。安倍政権のこういう現象は、日々雑感氏と同じく、ただし逆の立場から、僕もこのブログで確認してきたところだ。つまり、日々雑感氏が非難するものが、僕には快い。というか、「安倍の対中接近は明らかで、その意図はともかくとして、日本国民にとって客観的には悪いことにはならないだろう」と。
 まーそれほどに日本国は困窮し来たって、背に腹は替えられぬのである。ちょうど、韓国がその国防白書に軍事交流などの相手を「日、中」から「中、日」に書き替えたように。ただしまー、日本が同じものを「中、韓」あるいは「中、米」と書き替えることはまずないだろうが。


【 4月 23, 2019 日々雑感(My impressions daily)

<河野太郎外相は23日午前の閣議で、平成31年版「外交青書」を報告した。日韓関係について、いわゆる徴用工判決など韓国側がつくり出した数々の問題に触れて「非常に厳しい状況に直面した」と説明し、従来用いた「未来志向」の文言を削除した。他方で30年版で使った「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」「北方四島は日本に帰属する」の表現を省いた。北朝鮮とロシアを刺激する表現を控えることで、拉致問題や北方領土交渉の進展につなげる狙いがある。
 中国については、韓国とは対照的に「隣国である中国との関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つ」と説明。安倍晋三首相が日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問するなど首脳・外相間の対話が活発だった昨年を振り返り、「日中関係が正常な軌道に戻り、新たな発展を目指す段階へと入る一年となった」と記した>(以上「産経新聞」より引用)


 安倍売国奴政権は恥知らずもいいとこだ。習近平氏が少しだけ秋波を送れは尻尾を千切れんばかりに振って擦り寄る。公式訪問するどころか、中国海軍の創設70周年の観艦式に自衛艦を派遣するという。
 尖閣諸島にイヤガラセをしていた国は何処だったのか。南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地を建設した国は何処だったか。つい先日まで安倍氏は眉間に皺を寄せて「航行の自由を確保する」などと息巻いていたのは何処の国に対してだったのか。
 中国の軍拡は終わったのか。中国の航空機は日本の領空に接近していないのか。日本企業は中国からの撤退で「銀行資金凍結」をされていないのか。

 そうした理不尽な仕打ちを散々受けてきても、習近平氏が微笑して「おいで、おいで」をすれば「キャン、キャン」と飛びついて行くとは安倍氏の品格のなさには慨嘆するしかない。 
 米国は台湾に対する中国の締め付けに対して、台湾を支援して中国と対決する姿勢を示している。安倍氏は米国のポチかと思っていたら、中国のポチでもあったのか。安倍氏のいう「全方位外交」とはオール・ポチ化外交、という意味なのか。

 経済界の「強い要請」があって中国に接近しているものと思われるが、中国で日本企業が稼いで中国経済を成長させ、それを原資として中国は軍事大国化した。当然、中国の軍事大国化に合わせて、日本の防衛力強化に国民の税金は大量に注ぎ込まれている。つまり経済界が儲けて日本国民の税が搾り取られる、という構図だ。こんなバカバカしい「売国政治」を進める安倍自公政権を支持する国民はどうかしている。】


 日本もそろそろ対米ポチを慎んで、アメリカに少しは物申すように転じなければ、去年末に起こった「日本株バブルに介入されて15兆円大損」という程度では今後到底済まなくなっていくはずだ。アメリカの国際法を無視した暴力外交・通商はエスカレートするばかり。また、GAFA株式時価総額による金融覇権世界経済化は、世界をますます地獄にしていくこと請け合いである。人が生きていく職業というものは、物経済の中にしか存在しない。安倍は、日本、世界の大量若者失業者群、結婚も子作りも出来ない大量不安定労働者群をば、一体どう考えているのか!

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イラン、原油禁輸は「経済テロ」   文科系

2019年04月24日 03時53分32秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
トランプ政権になって間もなく、国際社会の合意「イラン核合意」から自分勝手に「うちは抜ける。イランに不信だから」と宣言したアメリカ。制裁と称してイラン産原油禁輸措置を去年春から執ってきた。ただし、影響が大きい日本など8カ国は執行猶予とされていたものを、この5月1日から猶予措置を撤廃すると発表したそうだ。安倍首相なども、アメリカにこの継続を懇願していたのだが・・・。

 これに対してイランが発した言葉が、標記のもの。報道によればこう表明したとのこと。
『原油輸出という国家の当然の権利を剥奪する経済テロだ』

 本当にアメリカは自分を何様だと考えて、こんなことが出来るのか。イラン核合意は国連のイニシアで出来たもの。国連も無きに等しいとする行為であり、国連の制止を振り切って有志国で突入したイラク戦争や、コロンビア、ブラジルなど親米の南米諸国でさえ反対が多すぎていったんは幻に終えることができた「ベネズエラ軍事介入宣言」などとともに、勝手な「自国例外主義」が目に余る無法者である。世界の信用を無くしていることも承知の上で、こんな力ずくの暴力外交・通商をエスカレートさせるばかりなのだ。たちまち原油価格が近年珍しいほどの急高騰。物貿易がすっかり赤字のこの国の、赤字削減狙いも当然大きく関わっているのだろう。

 さて、こういう無法な自国例外主義の弱肉強食政治を世界に強行させていくと、その世界史的行く末、結末が怖い。「人間、その国とは、そういうもの」とする世界観、人間観がどんどん世界を覆っていくことになる。つまり、時代と人間観との悪循環していく間化、退廃化。こういう歴史の動きの末が、例えばヒトラーやスターリン、毛沢東の凄まじい人間破壊の残虐政治、行為の数々ということではなかったか!

 アメリカという歴史の浅い、よってその教訓の蓄積も少な過ぎる国が、自覚もなく、こんな歴史の罠にどんどんはまり込んで行っているように思う。「人間疎外」の歴史進行・・・・。トランプ、ベンス、ボルトン、ポンペオなどの言動、物腰からその人と成りをうかがっていても、そんなことが感じられてならない。 
 

 
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現世界最高ゲーム放映を見終わって  文科系

2019年04月23日 03時41分36秒 | スポーツ
 いやーっ、あまりにも良いゲームを観たので、このゲームについて昨日書いたプレ・エントリーを書き直して再投稿することにした。今NHK・BS1を見終わった今、午前2時40分にこれを改めて書き直しているだが。まず最初は、昨夜のエントリー。

【 今夜、現世界最高ゲーム放映  文科系 
 今夜NHK・BSで表記のような、月曜日深夜の恒例になった「現世界最高クラスの好ゲーム放映」がある。0時45分からBS1で、イングランド・プレミアのトットナムVSマンチェスターシティ戦だ。
 現リーグ戦成績で3位と1位の闘いだが、先日のCL準々決勝と同じ顔合わせであり、この時はトットナムが勝つという番狂わせが起こった。さて今夜はどちらが勝つかというゲームである。
 そして、先日と同様もしトットナムが勝ったら、今期プレミアの優勝戦線に異変が起こることになる。その場合には、1位がシティからリバプールへと入れ替わる。他に抜きん出てダントツのこの2チーム、1~2位の現在勝ち点差が1しかないから、同ゲーム数を消化した時点で得点差2の、リバプールの首位ということになる!

 現在シティの「世界最強」評判は日の出の勢いで、今期CLもリーグ戦、リーグ杯もなど4冠獲得かと言われていた。それが早くも、トットナムの力でCL優勝からは脱落。今夜またトットナムが勝つようなことがあると、リーグ優勝からも遠のくのである。スペイン好きの日本には特に多いはずのガルディオラ・シティのファンには、必見のゲームである。僕のように、ユルゲン・クロップをドイツ時代から追いかけてきたファンにも、手に汗握る重要ゲームになる。】

 このゲーム、どう表現したらよいのだろう。前半4分で早くも1得点して、結局1対0でシティが勝ったのだが、シティ監督ガルディオラ自身が、最後の最後まで気を抜けないと振る舞っていたゲームだった。ごく簡潔に表現すれば、このような。
『シティの速くて上手い繋ぎに対して、トットナムのゴール直結プレーの怖さ』


 キープ率はおそらく6割をかなり越えていたと、バルサ出身らしいペップ監督側の超優勢! が、シュート数は多分ほぼ同じ。トットナムは本当に怖いチームである。そんなゴール直結戦法の主らは、先ずソンフンミンに、エリクセン、そしてルーカス。縦パスや、アーリークロス気味のゴール直結パスが見事すぎるほどに何本通ったことだろう!
 このゲーム結果でもって、今シーズンのプレミア優勝はマンチェスター・シティーにほとんど決まった。が、来期のトットナムはもっともっと怖くなると観た。ここの監督であるアルゼンチン人のポテッチーノは吉田麻也の師匠としてサウザンプトンで実績を積んだりして成り上がってきたお人なのだが、まだまだ伸びていくと、そんな期待を抱かせたゲームだった。

 来シーズンのプレミアは、ガルディオラ・クロップ・ポテッチーノという監督三つ巴が、ますます面白い。それぞれを一言で表現すれば、こうなるだろう。繋ぎ、潰し、ゴール直結性をそれぞれ極めた監督である。それも、技術、スピード、視野、パワーなど総てが世界最高度の選手達を揃えて。シティの得点者は無名のフォデン、18歳でダビド・シルバを押しのけて、この重要な本日スタメンを張った選手である。トットナムの今日の先発にも21歳の選手が入っていた。今これだけの世界的強豪チームにも、こんな若手がどんどん育っているのだ。これもまた、驚いたことだった。
 最後になるが、シティのスターリングとカイル・ウオーカーのスピードには、改めて驚いたものだ。 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リビアでも親米反乱軍   文科系

2019年04月22日 16時09分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 カダフィ時代のリビアは、世界9位という埋蔵量の原油利益が国民に還元されて、アフリカでも有数の国民が豊かな国だった。そのカダフィが殺されてぐちゃぐちゃになったリビアに、今、反政府軍反乱が起こっている。このハフタルという将軍がまた、アメリカの息のかかったお人のようだ。カダフィ政権が崩壊した2011年まで20年以上アメリカに亡命していたお人で、21日朝の中日新聞によれば、トランプが改めてこう支持したとか。

『米ホワイトハウスは19日、トランプ大統領がリビア東部の民兵組織「リビア国民軍」を率いるハフタル司令官と電話協議し「テロ対策と石油資源の保護で重要な役割を果たしていると認めた」と発表した』

 アメリカがやる間接戦争は、冷戦時代のアフガニスタンでも始まっている。アルカイダを育成して、これと一緒になってソ連を追い出した後に、アルカイダ政府が出現。そして、9・11の後に今度は、ビンラディンや実行犯を匿ったとかで、戦争をおこしてこの政府を潰している。以来この国は泥沼戦争が続き、大量難民が生まれる土地になった。リビアもまた、こうなるのだろうか。同じく難民を生んで世界を悩ませたイラク、シリアに加えて、ベネズエラ、ニカラグア・・・。アフガンとイラクで、米軍直接の戦争はよほど懲りたのだろう。
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

随筆  「孫はなぜ面白くて、可愛いいか」   文科系

2019年04月22日 15時57分42秒 | 文芸作品
「じい、今日は満月なんだねー、いつも言うけど本当に兎がいるみたい……」。
 小学三年生になったばかりの孫のはーちゃんがしばらく夜空を仰いでいたが、すぐにまた「馬跳び」を続けていく。綺麗に整備された生活道路の車道と歩道とを分け隔てる鉄の棒杭をぽんぽんと跳んで行く遊びで、俺はこの光景が大好き。確か、四歳ごろから続けてきたものだが、初めはちょっと跳び上がって片脚だけをくぐらせるように下手だった……。我が家から五百メートルばかり離れた彼女の家まで送っていく途中の道なのだ。それが今では、学童保育に迎えに行って、我が家でピアノ練習、夕飯、宿題の音読に風呂も済ませて、俺は一杯機嫌で送っていく日々なのである。今夜もこんなことを振り返りながら。

 学童保育でやってくる宿題や、音読は好きだからよいのだが、ピアノ練習は今日も大変だった。これがまた娘も俺も、勉強以上というか、ここで勉強の態度もというか、とにかく物事に取り組む態度を身につけさせようとしているから、闘争になってしまう。憎しみさえ絡んでくるようなピアノ闘争だ。はーちゃんは娘に似て気が強く、『嫌なものは嫌』が激し過ぎる子だしなー。ピアノの先生の部屋でさえ、そう叫んであそこのグランドピアノの下に何回潜り込んでしまったことか。そんなふうに器用でも勤勉でもない子が、馬跳びや徒競走となるとまー凄い執念。
と、最後を跳び終わった彼女が、ふっと、
「じいが死んだら、この馬跳びやお月様のこと、きっと良く思い出すだろうね」
 俺が死んだらというこの言葉、最近何回目かだが、この場面ではやはりちょっと驚いた。俺が折に触れて口にして来た言葉だから?またこの意味がどれだけ分かっているのか? などなどとまた考え込んでいた時、「孫は、何故これほど面白く、好きなのか」という積年の問題の答えがとうとう見つかったような気がした。
『相思相愛になりやすい』
 一方は大人の力や知恵を日々示し、見せる。他方は、それに合わせてどんどん変化して行く姿を見せてくれる。それが孫と爺であってみれば、それまでの人生が詰まってはいるが寂しい晩年の目で、その人生を入れ込んで行く相手を見ているのである。これは人間関係にも良くある相思相愛の良循環そのものだろう。これに対して、あのピアノには明らかに悪循環がある。憎しみにさえ発展していきかねない悪循環。という所で、ふっと気づいたのが、この証明のような一例。最近小学四年生だったかの女の子をDVの末に殺してしまった父親はどうも典型的な教育パパだったようだ。教育パパが転じて憎しみの権化になる。そう、俺らの良循環とピアノの悪循環は、あの父と子の悪循環と兄弟なのかも知れない。だから、思春期の子どもに昔から良く起こってきた激しい家離れも、家への憎しみも、この兄弟の一方・悪循環の結果でもあるのだろう。
「可愛さ余って憎さ百倍」
 こんな風に、俺にもあった激しい家離れ、家への憎しみとも言えるものを抱いていた時を思い起こしていた。

 さて、それからの俺は激しいピアノ闘争の後などに度々こう付け加えることになった。
「大好きだからこそ、貴女にとって大事なことでは特に強烈に、怒るんだからね」
 でも、このやり方が思春期まで成功するとは到底思えない。ゲームとか動画、録画とか、成長期にやり過ぎてはいけないものが今の世には溢れ過ぎている。今の子育てに、我々年寄りは何て不向きなんだろうとも、度々悩んできたところだ。

さて、こう言い続けてきたせいか、あるいは彼女がそういう年になったということなのか、暫くしてこんなことが起こった。自分からピアノに向かうようになったし、その時間も長くなった。そして、先日のピアノ・レッスンに久しぶりに俺が頼まれて連れて行ったのだが、初めてという光景を見ることになった。先生のいつにない静かだが厳しく、長い小言を我慢して聞いているのである。ピアノの下に潜っていかないか、トイレに逃げ出さないかと俺はハラハラしていたのだが、結局頑張り通した。そして、終わった後、帰りの車で静かに泣き出した。そう、これがちょっと大人に近づいた涙。これからはこれを一杯流して、素敵な大人、人間になってゆけ……。などと思いながら黙ってその横顔を見ていたら、俺も涙ぐんでいた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガルディオラとクロップ  文科系

2019年04月21日 12時54分36秒 | スポーツ
 今、強豪ひしめくイングランドで首位を争っているチームの監督が表記の二人。そして、こんなエントリーを書こうと決めた時、大昔のここに「モウリーニョとガルディオラ」を載せたことを思い出した。これをこのブログにエントリーしたのは、09年7月22日のことだ。ガルディオラは登場し始めたばかり、クロップに至ってはまだ無名で、ドルトムントがやっと世界舞台に名を知られるようになり始めたころだった。当時のモウリーニョは若手ながら、世界一名監督になりかかっていた。ポルトに次いでこの後すぐ、インテルでCL優勝を遂げて、さらにはレアル・マドリーへ移っていったからだ。
 ちなみに、このブログでは、過去エントリーがこうすれば全てお読みいただける。右欄外今月分カレンダーの直下の「バックナンバー」と書いた年月欄をスクロールし「09年7月」をクリック。今月分カレンダーがその月に替わるから、22日をクリック。するとエントリー本欄がその日のエントリーだけに替わるので、お求めのものをお読みいただける。

 さて、ガルディオラの急登場時は上のエントリーを読んで頂くとして、今日はクロップのことを書いてみたい。今や2人は、再び全盛期を迎えたイングランドサッカーの二つの強豪の顔なのだから。なんせ今年はこんなことが起こっている。CLベスト8にイングランド勢4チームが全て残り、準決勝にも2チームが残った。長谷部誠のフランクフルトも勝ち残っているヨーロッパ・リーグのベスト4にも、英勢2つが残ったのである。つまり、いずれの決勝もイングランド勢同士ということがあり得るわけだ。 そのイングランドでここのところダントツの強豪として首位争いをして来た2監督がこのお二人なのである。
 
・ ことはまず、ゲーゲン・プレスの創始者ユルゲン・クロップが、2015年秋に、イングランドの落ちぶれた名門リバプールに招かれたことから始まっている。満を持したように翌年2016年度の初め、ガルディオラがバイエルンミュンヘンからマンチェスター・シティに移ってきた。
・ そして次に、このゲーゲンをここで改良して、クロップがどんどん失点を減らして勝ち、ガルディオラに追いついてきた感がある。元々のこの戦術の長所、得点力が高いその上に失点を劇的に減らしてきた。結果、一昨年はEL準優勝、昨年はCL準優勝!
・ そして今年は、プレミア首位で、さらにシティが居ないとあらばCLもとうとう優勝かという勢いだ。バルサにも相性が良いと、僕は考えているし。

 最後に、ここで是非一つ言っておきたいことがある。韓国人選手ソン・フンミンの大活躍だ。トットナムのエース、ケーンが怪我で不在の間に、シティ相手に3得点した。リバプールが優勝しなければトットナムが優勝して、ソン・フンミンがMVPもあり得る。

 Jリーグも、広島、東京の急台頭があってスリリングだが、今年のイングランドとCLは興味が尽きないものがある。その三つ巴渦の3チームの真ん中にいるユルゲン・クロップをば、広島の城福監督が深く研究していると語っているのがまた面白い。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする