79年前のプロレタリア文学が、再び注目され始めたのは今年2月のことだ。
朝日新聞の「小林多喜二没後75年」特集記事を見て、
東京のある書店が新潮文庫発行の『蟹工船』を店頭に並べたのがきっかけだった。このとき書店が出した「ワーキングプア」という広告コピーが読者の目を奪った「ワーキングプア」とは、まじめに働いても経済的困難から脱出できない
「労働貧困層」のことで、一般的に新自由主義政策により生まれる
非正規雇用の労働者を指す。
たった一言の広告コピーが、時と忘却の壁を飛び越え、
現代人の心と搾取される労働者のかつての現実を結び付けたのだ。
その後、先月から読売・毎日・産経の各紙も立て続けに
「最近の『蟹工船』人気は低賃金や雇用不安に直面している
非正規労働者の現実を反映している」と報じ、その熱気は冷めやらない。
産経新聞によると、毎年約5000部止まりだった新潮社の『蟹工船』増刷部数は
今年、既に30万部を超えたという。
こうしたムードは、日本社会で非正規労働者の立場を代弁する
日本共産党の人気にもつながっているという。
共同通信によると、『蟹工船』の人気に伴ない、
日本共産党の関係者がテレビ・ラジオの時事討論番組に出演する回数も
この数カ月間で25回に達したとのことだ。
これは、貧富の格差が日本社会における重要な問題として
浮上していることを意味する。
日本共産党の市田忠義書記長は先日、
「支持基盤の拡張が再び望めそうな新たな条件が整いつつある」と期待を見せた。
小泉さんは歴史を100年近く逆戻りさせ、共産党に塩を送った。
歴史って皮肉に満ちていませんか?