九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

日米一致した内政重点?   文科系

2014年01月30日 08時48分21秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 安倍政府が「好循環実現国会」としきりに叫んでいる。「会社は給料を上げて欲しい」と大音声し、それによって一般消費・購買力を高め、上がり始めた景気を内需の拡大によって正常な軌道に乗せようというのだ。この20年続いた生産と消費との悪循環を脱して、今度こそこれらを好循環に転化したいとして、その道を賃上げに求めているのである。
 同じ今、アメリカ・オバマ大統領も同じ方向を強調している。『中間層の重視、所得格差の是正など「公正な社会観」に基づく米国再生のシナリオ』方向が、施政方針演説で『過去五回概ね一貫している』ということだ(1月30日中日新聞7面社説「オバマ演説」から)。 

 この二人のこの内政主要方針が本気で実現するなら、今まで僕も含めた普通の左翼が言ってきた正常な経済学的方向であって、とても良い事だと思う。現に日米両国は、OECD先進国の中で相対的貧困率が最も高くて、その意味では一般国民の一般消費が他国比較で最も低い国と言えるからである。中間層の没落を回復しなければ上向きの経済なんか出来ないとは、新自由主義経済賛成派の学者の多くも唱えるようになっていたはずだ。内需を拡大しなくて、物や資本の輸出にだけ頼ろうとする国は今や、「近隣窮乏化論」国家と言えるのである。トヨタなどはまっ先に賃上げしなければならない。そうでないなら「近隣窮乏化会社」ということになる。会社の儲けが多いのにそれを給料に反映させない所は、そう言われても仕方ない理屈だろう。儲けの割に内需拡大に協力しない会社ということだからである。

 ところで、僕はこれに対してこんなことを言いたい。こういう「未来志向」の前に、体制が引き起こした過去の重大行為の整理、総括があるだろうと。それがきちんと処理されなくては、こんな言葉を信じる気にもなれないのである。アメリカは何故嘘の理由でイラク戦争を引き起こしたのか。その総括、国民への謝罪はどうなったのか。米国でも前途有為な若者が無数に死んだはずだ。世界で50万という人々が死んだはずだ。こんなことに何の信賞必罰、釈明も無くっては、星条旗への軍の忠誠儀礼などは単に茶番劇という理屈になる。そして、日本国家は何故、これに参戦したのか。9条の解釈を曲げてでも参加するということになったのではなかったか。これで日の丸に自衛隊の忠誠を要求するって、やはりただ笑えるような話だ。軍事行動とは正常な生産行為ではないから、こんな茶番劇性を放置しておいたままに賃上げによって経済の好循環実現を図るなどと言われても信じられないのである。

 日本では又、フクシマはどうなったか。特に、地震原因説がまだ消えていないどころかその資料も公開されず、国家にこの問題追求の姿勢すら存在しないのはどうしたわけか。このままで再稼働などとは、いかにも片腹痛いのである。

 人は誤りをするものだ。よって、重大な誤りをどう処理するかということにこそ、その人の本質が現れる。イラク戦争もフクシマも、30年に一度も無いような重大な誤りであろう。前者は確信犯、後者は地震原因説が裏付けられるならば未必の故意として。己の体制がしでかした重大な誤りを体制として真に綺麗にする事も出来ずに、その未来への発言を信じろとは、人として虫がよすぎる話だ。つまり、きれい事、ごまかしを叫んでいる、本当に行為が変わるのか、と、そういうことになる。

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日中チキンレース論、安倍政権の思惑  文科系

2014年01月27日 13時28分49秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

  これも、標記の事に関わって書いて来たコメントを手直しして、再掲するもの。読者諸氏のご意見を是非聞いてみたいのです。よろしく。

【 安倍のチキンレース? (文科系)2014-01-23 13:22:10
 らくせきさん (前略)安倍日本政府とその御輿連中が引き起こしつつあるこれだけ確信犯的な国家主義、軍国主義的方向では、あなたが書いたような日中応酬のエスカレートこそ、僕にはとても怖い。これは言葉のチキンレースですが、必ず現実のチキンレースも伴うはず。尖閣諸島、竹島ではもう起こりかけていますね。
 「朝鮮日報より」の拙コメントで書いたような根の深い問題を安倍は余りにも安易に扱いすぎている気がするのです。過去の戦争って、それを起こした当人である例えば東條英機でも知らぬうちにそういうチキンレースに巻き込まれていったという、そういうもののようにも思うからです。チキンレースの一つ一つが既成事実となって積み重なり、他方国民の意識もどんどんこれを流すマスコミに規定されていき、気づいてみたら「戦争ポピュリズム」。いつか「東條英機大人気の様子」をエントリーしたその内容のように。( ”東条英機首相への熱狂ぶりと、その源泉”  文科系  2010年11月24日)

 秘密保護法、自民党憲法案なども、以上のような脈略で観ています。「戦前に戻る」などという単純なチキンレースではなく、宣戦布告無しの南京虐殺や1945年まで75年間ほどの日本の対朝鮮史などを新たに恨みとして積み重ねているチキンレースだから、戦前よりもはるかに複雑で対処困難なもののはずです。このことを、自民党、現日本政府周辺は一体今の時点で、どう考えているのだろうかと、怖いのです。
 参拝弁護にかかわって「世界平和を祈念して」なんて、本当にアホみたい!子供の学芸会か学級討論のように聞こえますよね。】

【 「戦略的互恵関係」①  (文科系)2014-01-26 16:22:32 
 (前略) 日米政府内右勢力の対中思惑の理想はこう。東欧や北アフリカ諸国のように、反乱が起こって政府崩壊が起こること。軍事挑発でハリネズミにさせたことも関わって東欧は崩壊したが、これが彼らの理想だろう。こういう野望への背景として、新自由主義経済の膨張要求を想定している。
 「戦略的互恵関係」という言葉を、今の安倍政府が対中国関係にだけ、しきりに使っている。外務省、防衛省などの首脳だけに一致した思惑内容が込められた合い言葉のような概念と感じている。同じくギクシャクしている韓国には、決して使わない言葉だ。中国が「自由と民主主義の国」ではないからである。つまり、「価値観を共有できない政府」なのである。
 「戦略的互恵関係」、今後安倍たちがこれを使う文脈や、これに着せる述語に注目である。(中略)安倍の軍国主義と思われる思考、言葉、姿勢全てに、以上のように考えると整合性が生まれる。】
   
【 「戦略的互恵関係」 ② (文科系)2014-01-26 16:49:42
 「戦略的互恵関係」という概念の言語的意味を考察してみよう。
 まず戦略とは、すべての戦争戦術の出どころとなるような最も長期的全面的な作戦のことである。こういう言葉を形容詞として付すには、互恵という言葉は最も遠い言葉のように僕には思われる。つまり、今すぐの、多面的な互恵ではないということだろう。そこで、こういうことになるはずなのだ。全面的な互恵関係は、かなり遠い先に求めていくもの、と。遠い先の多面的互恵関係って、いつになったらのことなのか。他国との互恵関係を遠い先に全面的にするように(今はあれこれの戦術を使いつつ)期待したいと語るその遠い先って、どこ? そのためにどういう戦術を使っていくと言い合わせているのやら。】

【 物輸出国の弱点 (文科系)2014-01-26 22:41:33
 「戦略的互恵関係」には、具体的にはこんな諸側面を思うのだがどうだろうか。ランダムに書いてみる。ツラツラと空想を働かせるように。こんな「随筆」があってもよいと思うのである。
 市場や貿易などどんどん相手を利用はして、新自由主義に引きずり込むが、相手を「非民主主義国・独裁国家」と批判する(変えたい)意図は隠さない。中国とかイランとかに対する態度のことを言っている積もりだ。靖国参拝、その中国批判言葉と、実際(今の米インド軍事大演習、日米軍事大演習など)とのチキンレース仕掛けによって、相手をハリネズミへと誘う事。これをアメリカが先頭に立ってやっても何の新鮮味もないが、70年間派兵した事がない日本がきつい言動をやるところに世界的意味がある?
 なお、米国債や貿易・外貨黒字などで今は中国は強いように見えるが、これも集中豪雨的輸出が止められたらたちまち干上がってしまい、無数の餓死者さえ出るという側面も見落としてはならないだろう。反乱が起こるような情勢にさえなるだろう。トヨタの輸出が止まったら、日本、中部地方がどうしようもないようなものだ。これを梃子にTPPも進められているという側面があるはずだ。物輸出国は、案外弱いのである。それどころか、下手をするとそういう会社の株が買い占められて、いつの間にか異国人社長に代わっているとか。
 このように、金融本位新自由主義とは、その外にある世界を長期的にはけっして認めず、己に喰らい込んでいくという、これはその運動法則とも言える。そうする方が、格差が激しすぎて一般消費が不足し好循環社会が上手くいかないという資本主義の固有の最大矛盾よりもはるかに手っ取り早いとさえも振る舞った来たのではなかったか。】

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ザックジャパン(137) 岡崎、ドイツ得点ランク1位に2差!   文科系

2014年01月26日 03時13分08秒 | スポーツ

  ここまで岡崎について3回連続で書いて来た。まず、『岡崎、得点ランク4、3位も間近』、『岡崎、得点3位に迫るその訳』。次いで、「ドイツキッカー誌で、前半戦のポジション別ランキングFW部門で8位になった」、「8位は8位でも4位にこの上なく近い8位」、などなどを。当然なのである。何度も言ってきたように、岡崎は今期8得点の内7得点を、最近の8ゲームであげたのだから。


 さて、マインツの、シュトゥットガルトとのアウエイ戦実況中継を観て、今帰ってきたところだ。1対2で勝利、岡崎は先制されて追いつく同点弾を上げた。9得点目である。これによって得点ランク5位は確実で、おそらく4位に入ったと思う。3位が10得点で、4位9点に5人いて、そのうち4人はゲームを終えて無得点、1人のゲームが明日なのである。さらに、最近の9ゲームで8得点を挙げた岡崎にしてみれば、3位の10得点とか、1位の11得点(2人)とかも十分に射程内で、それも時間の問題のようにも思われる。本当に楽しみになってきたが、今日のゲームでの岡崎を先頭に立てたチーム得点戦術の傾向などから、いろいろと予想、想像を逞しくしてみよう。


 本日のゲームでも、岡崎は実に上手く得点機を作る。24,38分とシュートまで持って行き、次の39分の場面で同点弾を決めた。同点弾場面はこういうもの。ロングパスに酒井高徳だったかとゴール正面の競り合いでわずかに抜けだし、飛び出した敵キーパーよりも一瞬早くヘッドで右前に落として無人ゴールへ流し込んだのである。この三つのシュート場面で分かる今の岡崎のチーム内特長はこんなふうだ。

①味方が彼の抜けだし目がけてどんどんパスしてくる。

②そのパスに一瞬走り勝ったり、駆け引きでもぎ取ったりと、上手いし、粘り強く、抜け目がない。

③ボール収めに失敗しても、その相手を追い回して、二の矢三の矢と好判断で味方有利に持っていくことも多い。とにかく、速い状況判断によるダッシュ・チャレンジを繰り返すから、粘り強くチャンスを作れるのだ。


 過去の日本人選手は高原が11点で、香川が13点だったから、彼等を抜く事は確実だろう。これで、ブンデスリーグ得点ランク・ベスト3などに入ったら、香川と同格の大ニュースであろう。今のドイツには世界の点取り屋が集まっているのだから。何度も言うが、その可能性は十分である。岡崎の最近9ゲームで8得点という急成長は、岡崎が、最近確立された今のチーム最高得点戦術の核弾頭になっている事を示しているだから。

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「おおすみ・とびうお」討論から  文科系

2014年01月25日 09時20分02秒 | 国内政治・経済・社会問題

 この討論から、二つの拙コメントをエントリーに格上げします。この事件の検索をしていても感じたところですが、国中に国家主義の雰囲気醸成が凄く進んでいる。体制がここにかなりのお金をつぎこんでもいるのでしょう。さらにまた、国家主義って構造的世界不況の中では、必ず軍国主義に転化すると、これは歴史の教訓と観てきました。この場合の構造的不況とは、株価などは大きな指標ではなく、失業者の多さ・職業の減少・世界給料総額の減少などなど、一般的購買力の世界的不足を指しているつもりです。

【 一つの証言、他 (文科系) 2014-01-25 08:28:12
『 あの日はよう晴れとった。前日、船長の高森昶さん(67)=同、死亡=から「明日釣りに行かないか」と誘われ、甲島へメバルやタイ、ハゲを釣りに行くことになっていた。
 15日午前7時10分ごろ、「ボートパーク広島」を出て、仕掛けや竿など釣りの話をしていた。高森さんが操縦し、残りの3人が操縦席の前に座っとった。1番前に(死亡した)大竹宏治さん(66)=同、その後ろに寺岡章二さん(67)=同、寺岡さんの左隣にわしの順番だった。
 出港して10分くらいしてから、絵の島辺りでおおすみが左に見え、とびうおは絵の島の右側を通行した。両船の間は当初1キロくらい開いていたと思う。わしらは、よくこの海域を通るから、自衛艦が通るのもよく知っとって「ああおるなぁ」と思っとった。
 絵の島を過ぎても左におおすみ、右にとびうおの状況で、両船の間は500メートルは開いていたと思う。
(2/3ページ)
 それから、おおすみが遅いから、とびうおはおおすみの前を横切って追い越し、左に出た。間は100メートルは離れていたと思う。それ以降はおおすみを見ていない。ぶつかるとは100%予想していなかった。
 ところが、突然、1回ボーッと汽笛が鳴って、スーッと何かが当たってこすれる感じがしたかと思ったら、船がコトンとひっくり返った。
 それで、4人全員が進行方向の左側に投げ出された。わしは腰にかけていたクーラーボックスにすぐつかまった。クーラーボックスには缶ビールが入っていたが、それでも浮いた。船に乗る前、わしは1本飲んでから乗船したが、他の3人は飲んでいなかった。』

 これは、伏田さんの証言。無意識にしろとびうお船長の「自殺」に近いのか、自衛艦の「不注意」もしくは「未必の故意」なのかと、そこが焦点。ぶつかった瞬間の位置関係だけでなく、そこまでの双方の航跡が明らかにならないと正しい判決は出せない。これはご存知ですよね? 

 海難審判は船長の死でなしになった。刑事裁判だけとなる。おおすみの証言が全くないのはよいとして、とびうおのGPSやレーダーが何故出てこないのだろうと、これは不審。とにかく、人が二人死んでいるのだ。僕としては1970さんの断定調子に対抗して敢えて云うが、「国家主義」的解決工作の推定も持っていると申し上げておく。】

  
【 面白い対比 (文科系) 2014-01-25 09:02:59
 上記拙コメントへの、補足です。
 僕は最初から「国家不審」。1970さんは、最初から客観的には「民間不審の国家擁護」。前にもこれと似た、はるかに激烈な対立激論があったなと思い出している。アメリカに産軍政複合体が存在するか否かという議論だった。何往復もの長い討論が続き、1970さんがこれを最後まで否定され続けたから、「すげー!」と見上げていたものだ。
 敢えて以下を僕は強弁する。日本国憲法は立憲主義が基本。そもそもその立憲主義というものは、国家不審を奨励しているとも言えるのだ。権力は腐敗するのだからである。それが、民主主義体制下の正しい国民の態度だと確信している。】

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おおすみ・トビウオ衝突事件  文科系

2014年01月24日 13時47分16秒 | 国内政治・経済・社会問題

 本日午前、標記の事でコメントを書いた。大事な事だから、これをエントリーに格上げしておきたい。

【 判明している事 (文科系)  2014-01-24 10:50:23

 判明している事はこれだけと、現時点の僕は観ている。
①海自おおすみは単なる輸送船ではなく、軍隊が敵前上陸などに使う艦艇。今では、小型空母のようなものに進化しているようだ。また、釣り船トビウオをやり過ごしてから第3者の貨物船をやり過ごしたのも事実である。また、貨物船をやり過ごしてから島の間の狭い航路を抜けるべく低速で急左折もしていた。なお、おおすみからの証言は何も出ていない。今後予想される刑事裁判をにらんで当然のことながら、報道統制が引かれている。海保にも、義務的資料提供以外は何も無いのも当然のことだろう。

②衝突は8時前だが、上記左折低速後7時43分から49分までに21キロー32キロ時へと速度が上げられている。衝突時は32.2キロ時であったと推定される。それから急減速されたのは、その速度で衝突したからだろう。

③それぞれの衝突箇所の傷はこの通り。おおすみの左舷中頃から船尾まで傷がある。トビウオは右舷後方に傷がある。

 僕はこの問題を、こう述べた。僕の当初のコメントの語尾にもよく注意して欲しい。
「僕はこんな光景を思い浮かべた」
「その結果、(心ならずも)衝突」
「これが杞憂に終わることを祈りたい」

 例え僕のこのコメントに傷が付いたとしても、真実をきちんと追っていきたいと思っている。それぐらいの公正性を求めないなら、議論などしない事だと考えているから、僕は現にここでもこう振る舞ってきた。そうでない議論ばかりがここの右の人々から提起されてきたと理解している。不利になったら「平行線」とか無回答とかと、いつでも逃げていく連中ばかりだった。最近は、サッカー論議でもそんなのばかり。公正性など吹っ飛んでいる。嘆かわしい時代である。】

 皆さん、ご自分がどういう観測を持ったかという事を乗り越えて、あるいはそんな些末な事は脇に置いて、この事件の行く先を見定めようではありませんか。08年2月に千葉県沖で起こったイージス艦による釣り船父子死亡事件のように「あたご側の監視不十分が主因」というような海難審判結果が出るかどうかを。さらにまた、1988年7月の神奈川横須賀沖の潜水艦「なだしお」衝突による「30人死亡事件」でも、今度は刑事裁判の方で「なだしおが前進強速をかけた過失行為が事故の一次的原因」と認定して「なだしお艦長が、相手船長共々有罪」となっている。なんせ自衛艦絡みの海難事故はこの10年でも5件と、2年に一度の割合で発生ということだ。道路などで大型特殊トラックと軽自動車の衝突などが起こった場合、結果責任が大きくなる超大型車の方により大きな責任が課されるのは当然の事だろう。この原則は海の場合でも通用し、相手を右側に見る船のほうに回避責任があるという通常の一規則よりもはるかに大きいもののようだ。他の小船が近づけないような「そこのけ!」は、当然のことながらダメなのである。それが通るなら、規則不要という理屈になってしまう。他にも、双方並行とか、どちらかが抜きかけた時とか、相手航路を横切るときなど、多くの場面別規則もあるようだ。今回がどの場合に該当するかそのものが、自衛艦側の証言が何も無いのではっきりしていない。提出義務がある航跡記録などでは、相手との関係そのものは欠けざるを得ないのである。自衛艦側の証言がないことについても、それはそれで後で予想される刑事事件に向けて、正当な黙秘権があるという事なのか。この事一つをとっても、国家対私人の裁判としては今や国家が優遇されすぎている、つまり国家主義的なように僕には思われるが。せめて守秘義務でも付けて、海保にはきちんと証言するというような事だけでも、出来ないものだろうか。

 なお、(以下は後の25日に付け加える事だが)海難審判はないことになるのだそうだ。一方の船長が死ぬとそうなるということだった。刑事裁判だけになると余計証言などは出にくいだろう。マスコミも当然話題にしにくくなるはずだ。それにしても、釣り船のGPSやレーダーなどのことが全く出てこないのはどうしてだろう。おおすみのAIS・自動識別装置記録は出てきているのに、その証言は〇。釣り船と全く対照的だなー!


 

 
 

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随筆 「僕のギター友達」   文科系

2014年01月23日 14時01分42秒 | 文芸作品

【 出会って一年弱、できたてほやほやの親友二人とのあるエピソードを話そう。他人は「ただ、マニアック仲間というだけ」と評するかも知れない。が、僕ら三人にとっては、到底そんな話ではないのだと前置きしておいて。

 初冬の飛騨路。あらかたの落葉樹は丸坊主に近く、かろうじて残っている葉もつまんだ端からくしゃっとなりそうな季節。そんな山々をぬって、Nさん提供兼運転の車は、下呂駅に近いリゾートホテルに着いた。まずは温泉。その露天風呂もそこそこに部屋に戻って、Nさんと僕は持参のギターを交互に弾き始める。ギター持参のないAさんは、ほほえみながら二人の音を聴いている。そんな時間がかなり長く続いたあとにふっとAさんがこう申し出た。こんなありふれた言葉なのに、僕は、一瞬で我が身が固くなったのを感じた。
 「Nさん。ギターちょっと貸して。僕も弾いてみるわ」
 弾きだしたのは、何の変哲もないアルペジオ、分散和音である。単純な基礎練習というだけではなく、ことさらなようにゆっくりしたテンポだ。ぎこちない弾き方とさえ言えるが、これはとにかくAさんのような二十年選手が人に聴かせるような曲でも、感じでもない。あとの二人がまた、この単純なアルペジオを神妙に聴いている。時には、二人交互に演奏者の方に身を乗り出すようにまでして。

 この二人、あるギター教室の四捨五入すれば七十歳になる同門生で、Nさんとは同じ歳、Aさんは一つ上。この早春に発表会の打ち上げ会で知り合ってから、お付き合いが続いてきた方々である。そしてその「事件」は、打ち上げ会の十二日あとに我が家に三人が集まった「ギター遊び兼飲み会」以降しばらくして起こった。Aさんが教室を辞めてしまったのである。この事件の微妙さを部外の方々に分かってもらうのはとても難しいのだが、とにかくやってみよう。
 まず、Aさんが教室の先生に不満を持ち、抗議したらしい。「『アルハンブラ宮殿の思い出』で、必要な指摘をしてくれなかった」と。どうも、僕たち二人の批評がうすうす自覚し始めていた欠点と一致して、『先生が、この年寄りとしてはこんなもんだろうとだけ扱ってきた』と思い至ったようなのだ。ぼくらの関係もナーバスなものになってくる。特に、僕の古いアルペジオ楽譜二枚にショックを受けたとしきりに語られる。定年後先生につく以前、一人習いの昔から、ちっとも上手くならないのでいつも基礎に帰って弾き込んできてぼろぼろになった二枚であって、僕の常用練習ファイルの冒頭に張られたものだ。これのことも含めて、おおむねこんな思いを彼は語っていたかと思う。
 〈習って二十年。アルハンブラをなんとか完成させようと、これだけでも三年。本当に三年!! ちっとも完成していかなかったのはタッチがいい加減だったからだ。練習時間と熱意とでは誰にも負けぬと自負してきたが、それもどうもあやしい。俺のこのギター、これから一体どうしたら良いのだ!〉
 以降の彼はギターのことを僕とは話したくないようだった。今分かるのだが、僕が何気なく口に出した言葉が、ずいぶん彼を傷つけてもいたようだ。「一人で基礎練習をしているらしい」とは、Nさんから聞いたことである。なおまた、この旅行参加を土壇場近くになってきっぱりと決意したのも、NさんとミセスAとの合作らしい。彼女はこの決意を喜んで二人へのおみやげを用意し、前日にへそくりの一部をさりげなく手渡して、持ち金を増やしてくれたとのことだった。Aさんはそんなことまでを話してくれたのである。

 訥々とはしているが、見違えるようにしっかりとしたタッチと思った。僕はなにか目頭が熱くなった。Nさんが激賞しているのが聞こえる。僕も言葉に注意しつつ何かを言ったと思う。この前後、彼自身の心境はどうだったか。帰宅翌日のメールにこうあった。
 「正直言ってお二人の前でギターを弾いた時は、清水の舞台から・・・の心境。緊張感を凌駕した恐怖感。結果、弾き終わって『汗びっしょり』でした。お二人に対する敬意のつもりで弾きました」
 潔いというかなんというか、竹を割ったように見事な人格にうめいてしまった。そして、ギター生活を育んできたその思いの根深さが、僕をも掻き立てたようだった。
 「俺もその思いなら負けんぞ。ぼけても弾き続けてやる」】

  さて、上の随筆は、08年12月19日に書いた作品だ。この3人の付き合いはその後ずっと続き、この旅以来4回目の一泊旅行から昨日帰ってきたばかりである。行く先も期せずして下呂の同じホテル。3人のギターはなお続いている。Nさんは当時よりずい分厚いタッチに変わっていて、ハーモニーも音の繋ぎも美しく弾かれた。Aさんは相変わらずアルハンブラに拘っている。新しい先生の元で長く基礎練習とそれに相応しい曲などをやり直されたとお聞きしたが、そのあと今もまたアルハンブラしかやっていない。ゆっくりだが、当時よりさらにしっかりしたタッチできちんと弾かれていると、僕には見えた。その右指タッチの奏法も、最近世に出てきた新らしいトレモロ奏法だと、すぐに分かった。これを速く弾けるようにできればもう完成というような時点まで着実に積み上げていて、ゴール一歩手前まで来ている。この執念、成果には本当に彼の顔を仰ぎ見るしかなかった。アルハンブラは、老人には一種とても難しい曲なのだ。それをここまで! 僕の方は、去年夏から今も懸命に練習しているある曲の弾き方を例に取れば、退歩しているとも感じさせられたものだった。

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英国で正論、日本では  文科系

2014年01月22日 17時35分35秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 本日の中日新聞夕刊3面に面白い記事があった。大見出しが『ブレア元首相に「逮捕する」』。小さな見出しが『英市民、イラク戦争 責任問う』。ロイターが、要約するとこのように書いたとのこと。家族と食事中の首相に、24歳のバーテンダーが、警察まで同行を求めてこう言ったのだそうだ。「平和に対する罪で逮捕する。罪とは、正当な理由もなくイラク戦争を始めたあなたの決断のことだ」。記事の結びはこうなっていた。『英国にはイラク戦争をめぐるブレア氏の責任を問うため、市民による象徴的な”逮捕”を呼びかける運動があり、過去にも同様の行為が行われたことがある』

 なんせ、嘘の理由で起こされた戦争だ。大方の予想に反して、ブレアが有志国として参戦決断をしたのは、確かに犯罪的だと考えるのだが、どうだろうか。なお、何回も言ってきたように、日本も金を出し、後方支援的に参戦をしたのだが、誰も責任を取っていない。

 

 

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永遠の0の作者の主張    らくせき

2014年01月22日 10時19分29秒 | Weblog

映画・永遠の0がヒット。戦争賛美だという批判もあり、それに答えた原作者のこう言っているとか。

 

「私は『永遠の0』で特攻を断固否定した。

多くの特攻隊員に慕われていると言われている大西瀧治郎中将さえも批判した。

それなのに一部の粘着する連中から

『百田尚樹は特攻を賛美して肯定する軍国主義者とだ(注:原文ママ)』と執拗に非難される。

多くは本を読んでない人だが中には読んだと言う者もいるから唖然とする」

「主人公にあえて『臆病者』『海軍の恥さらし』と言われる人物を選んだのは、

小説で『生きる』ということを描きたかったからです」と説明していた。

当時の航空兵は戦死率が高く、そこで「とにかく生きて帰る」というキャラクターを据えることで

「生きる」ことを問えるのではと考えた、と。

 

私は原作も映画も読んだり見ていないので、意見をさしはさむことはできませんが、

論争の背景には、見る人が、どんな文脈をもって見いるのか?

によって判断が分かれるという問題があると感じています。

それにしても特攻は何度目のブームなんでしょうか?

ブームが起るには、それなりの日本人の心理状態が垣間見えるようにも。

今回はどんな心理なのかな?

その辺も論争の俎上にのせてほしいと感じました。

 

 

 

 

 

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韓国中央日報より     らくせき

2014年01月21日 11時32分52秒 | Weblog

総理の記者会見について、こんなことが書かれていました。

これまで日本の首相記者会見場に「運良く」先着順あるいは抽選を通じ20回余り出席した。
だが、外信記者の質問はいつも1~2人だ。
通常はAP通信とロイターが交代で回している。
韓国人特派員がいくら手を挙げて叫んでも効果はない。
韓国人特派員が質問権を得たのは過去10年間でたった1度。
2010年8月に当時の菅直人首相が朝鮮王室儀軌を韓国に返還するという談話を発表し、
事前に脚本を書いた質問だった。それが最後だ。
日本に特派員を派遣した報道機関の数は韓国もまた、
韓国内の日本の報道機関と同じように1~2位なのにだ。

こういう情報統制もあるんですね。

 

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沖縄名護市選挙は石破さんに一撃でしたね。   らくせき

2014年01月20日 19時12分07秒 | Weblog

余りの時代錯誤の石破さん。

現代の琉球処分は見事な失敗でしたね。

お金で誇りを売らなかった沖縄に敬意を表します。

 

 

 

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義無く、非常識な対米外交   文科系

2014年01月20日 05時33分57秒 | Weblog

  元レバノン大使だった外交官、天木直人ブログに、こんな記事があった。16日のここで批判を書いた谷内正太郎と外務省同期らしいが、その見識はえらい違いだ。

【  米国の不信感を決定づけた安倍側近の大失言 

 きょう1月18日の読売と日経が小さく報じていた。
 萩生田光一自民党総裁特別補佐なる政治家が17日、党本部で講演し、米政府が靖国参拝で失望したことについて、次のように語ったという。
「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。オバマ大統領だから言っている」、と。
 これはそもそも米国政治に関する間違った認識からくる発言であると同時に、米国に対して決して言ってはならない言葉だ。自民党の中には「民主党は反日的で共和党は親日的だ」という間違った思い込みがある。弱者や労働組合に親和的な民主党に比べて保守の共和党は自民党政権に好意的だという単純な決めつけである。大きな誤認だ。

 米国は日本が米国の国益を損なうなら超党派で日本に敵対してくる。安倍首相の靖国参拝に対する強い反発は超党派なのだ。安倍首相の靖国参拝を許すような大統領は米国大統領失格である。なによりも政治家が他国の政党の一方に加担するような発言をすることは民主国家同士ではタブーだ。その上、安倍首相の補佐の言葉であるから、さらに始末が悪い。

 褒められた共和党はさぞかし怒っているだろう。そして、この発言の致命的なところはオバマ政権に対するこの上ない侮辱であるということだ。
 この発言は谷内正太郎日本版NSC事務局長が講演で語った、「オバマ大統領は市民活動家が大統領になったようなものだ」という発言と同じである。すなわちこれが安倍首相の考えなのだ。
 萩生田議員は口が裂けても言ってはならない大暴言を犯した。
 安倍首相はこれで米国から決定的に見放されるだろう・・・  】

 なんと酷い外交かと思う。他国の二大政党の一方に荷担するという非常識。特に、この二つの発言は酷い。
『共和党政権の時代に(首相の靖国参拝について)こんな揚げ足を取ったことはない。オバマ大統領だから言っている』
『オバマ大統領は市民活動家が大統領になったようなものだ』
 これでは、他国の二大政党の一方にあれこれのスピーチで荷担することによって、その国の政治を外からひっかき回すようなものではないか。この非常識! 日本政府の外交は、一体どうなっているのか。ちなみに直近の共和党政府って、ブッシュが嘘の理由でイラク戦争を始めて、日本をそこに巻き込んだ上に、なんのお詫びもなかった政府。日本政府もこの「嘘理由戦争」に大金つぎ込んだのに「汗も血も流せ」紛いのことを言われたのではなかったか。大変な侮辱を受けたのである。それでも外務省が共和党政府に文句の一つも言ったとは、聞いたことがない。自民党は、アメリカ共和党に何か負い目や、借りでもあるのかしら。今の共和党って、極右のボストンティーパーティー一派が動かし始めているのではなかったか。
 こういう態度には、「日本の国益のため」という声が聞こえてきそうだが、なんの大義名分もない方向、やり方だと言いたい。きっと、ロムニーの「オバマは貧乏人のための政治家」という言葉にも事実上賛同しているのだろう。共和党の国際金融・軍事政策に協力・共同としたら、もー怖い怖い! 情け無いし、誤った外交である。多分金儲けだけというのが、動機のように思えるが。

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新聞の片隅に載ったニュースから(131)     大西五郎

2014年01月19日 17時01分36秒 | Weblog

駐米大使 中国に反論 首相靖国参拝で米紙に寄稿(14.1.18 毎日新聞)

  [ワシントン西田進一郎]佐々江賢一郎駐米大使は16日、米紙ワシントン・ポスト(電子版)に寄稿し、中国の崔天凱駐米大使が10日付け同紙で安倍晋三首相の靖国神社参拝を批判したことに対し「(批判は)誤っており、中国の指導者は国際世論を明らかに読み間違えている」と反論した。そのうえで「アジアの大部分、国際社会が懸念しているのは、日本ではなく中国だ」と逆に中国を批判した。

 佐々江氏は「参拝目的は過去への痛切な反省の上に立って恒久平和への誓いを行うこと」と説明し、アジア太平洋地域の平和と安全に対する深刻な共通の懸念は「靖国参拝ではなく、むしろ中国の他に例を見ない軍備増強であり、周辺国に対する軍事的、経済的な威圧だ」と反論した。

 さらに「中国と異なり、日本は戦後、戦闘で一発も弾を撃っていない」と平和国家としての歩みを強調。中国に対し「教条的な半日プロパガンダをやめ、未来志向の関係を構築するため我々と共に努力することを強く期待する」と求めた。

 □□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 大使の反論は説得力に欠けていますね。

安倍首相の靖国参拝については、中国や韓国だけでなくアメリカやEU、インドなど世界中の多くの国から批判されています。それは、安倍首相が「参拝は過去への痛切な反省に立って恒久平和を誓うためだ」と言っても、「ならなぜA級戦犯を祀っている神社に参拝するのだ」「安倍首相は侵略の定義は国際的にも歴史的にも決まっていないと述べ、日本がアジアの国々を侵略したことを認めようとしていない」ということを批判されているのです。大使はA級戦犯のことは避けていますが、過去への痛切な反省、恒久平和を願ってという言葉が信用されていないのです。

第二次大戦後はナチス・ドイツ、イタリアのファシズム、日本の天皇制軍国主義を否定することとを戦勝国と敗戦国が確認することをルールとしてスタートしましたが、安倍首相の一連の言動が戦後のルールを否定していると各国から疑われているのです。

佐々江大使は「日本は戦後、戦闘で一発も弾を撃っていない」といいますが、それは憲法第九条があるからです。しかし安倍首相は憲法九条の改正を目指しています。日本国民の過半数が憲法九条の改正に反対していると見ると、これまでの憲法九条についての政府解釈を変更して集団的自衛権を行使できるようにすることに意を燃やしています。そうなれば、「戦闘で弾を撃つ」ことになり、日本の大使の言説は「虚言」になってしまいます。

駐米大使ばかりでなく中国と日本の駐英大使同士もマスコミを通じて非難しあったりしていますが、中国が領海や領空について強引と云える主張を繰り返し、日本や東南アジアの国々と摩擦を起こしていることについては、国際機構を通じて話し合いによる解決を目指すべきであり、

一方的な非難合戦は好ましくありません。

                                      大西 五郎

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規制の虜の復活(17) 泉田・新潟県知事の正論   文科系

2014年01月19日 01時11分14秒 | 国内政治・経済・社会問題

  18日中日新聞朝刊2面に泉田知事の「再稼働 語るときではない」と見出しした記事が載っている。副題は「東電再建計画 泉田・新潟県知事に聞く」。同系列の東京新聞には同じ記事が載っているかも知れぬが、全国に拡散すべく内容を紹介したい。日本人の討論は、実証論に対して推定論議とか、実証が欠けた他者の論を読めという反論とか、世論で多数だとか、断片的反論とかなどなど、特に右の方々の討論は酷いもの。正論に反対するなら堂々と別の正論を開陳して欲しいもの。そう思いつつ、この正論をご紹介する。

 17日の中日新聞取材に、泉田知事がこのように話している。まず、柏崎刈羽原発の再稼働を盛り込んだ東京電力・新経営再建計画を批判して、
『最大の問題は貸し手責任のある金融機関や、株主が免責されていることだ』
 そりゃそうだろう。普通の会社がこんな事態になったら、まずまちがいなく潰れるしかない。株主も銀行もほぼ全額損してお仕舞いである。何故、東電やその出資者だけにこんな特権が許されるのかという理屈だ。関連してこうも語る。
『再稼働か(電気料金)値上げか』という問題の建て方は誤りだ。『負担すべきなのは、免責されている金融機関や株主だ』。

 さて、泉田氏は以上が納得できないということに加えて、東電再建計画の一角として存在する柏崎刈羽1,5,6,7号機の今年度中順次再稼働にも、こう反対している。
『福島の事故の検証と総括が終わっていない。再稼働の論議をするべき時期ではない』
 これも当然の言い分である。福島の検証、総括がしっかりしなければ、刈羽のことで知事も眠れないというものであろう。例えば、福島事故に地震が果たした役割も理論的には正しく推定さうる資料が漏れ出ているのだが、これの検証もされず不明確なままである。そのより詳しい資料を東電が囲い込んでさえいるである。この資料がちゃんと公表、検討されなければ、刈羽の耐震対策基準も福島と同じなのであるから、県民の不安は解消されはしないのである。東電・規制庁・政府がよってたかって福島の検証を隠しつつ、こういう再建計画を15日「認定」にまでこぎ着けてしまったのは、当事者のまっとうな不安を無視して力で押し通すごり押しと言うしかない。

 なお、この記事末尾はこのようになっていた。
『また、東京都知事選で「脱原発」が争点になることには、「電力の消費地で、生活を維持するためのエネルギー政策をどうするかの議論を深めるいい機会となる」と期待を示した』
 これも当然の言い分と考える。既成原発政策がこれだけ大きい事故を起こした今は、日本中の主権者が先ずじっくりと討論すべき課題である。経産省、原子力規制庁はもちろん、内閣、国会でさえ、国民の代理機関に過ぎないのである。それも、いつまで続くか分からない不安定な代理機関がこの拙速の再稼働。謙虚さがみじんも見られないのはどうしたことか。今の自民党政府がこんなに急いで事を進めるのは、この問題の長期スパンという性格上無責任きわまりないと言いたい。

 何度も言うが、福島の地震原因説の検証などはどんな納得できる資料開陳、説明があったか。地震対策基準については、全国の原発が福島と共通のもののはずである。同じ地震がどこかであれば他の原発が又壊れうるのだし、そんな地震が起こる可能性も日本では極めて高いのである。それに対する納得できる説明は何も無い。規制省庁がまた被規制側の虜になっている既視感のある光景だ。

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「よたよたランナーの手記」(35) 1時間、9.4キロ  文科系

2014年01月18日 20時22分33秒 | 文芸作品

 15日と18日に30分2回ずつジムで走った。
 15日はこう。最初の30分はもう疲れたこと。8.5キロ時以上にはスピードが上げられないのである。それもなんか、15分ほどは息も絶え絶えという感じ。なんか、風邪とか、激しい運動でもやったかなとか、1日を振り返ってみたほど。かろうじて心当たりがないでもなかったが、それにしても?! でも、後半30分は例のマシンに敢えて切り替えて、気持ちよく4.5キロを走り抜いてきた。都合1時間で8.5キロ。

 18日は前回に書いたこの事が実証できた。「09年1年間の最高記録、1時間9.34キロはすぐ抜ける」。

 前半30分はウオームアップ低速に時間がかかっていた後、その後は何気なく、無理なく走って、結果4.6キロ。後半は10キロ時を長めにちょっと頑張って、結果を見たら4.76キロ。計9.36まで届いて、09年から3年ほどのブランク期間も入れたこの5年で、1時間の最長距離となったわけだ。前半の距離がうろ覚えだったから、まー9.4キロとしておこう。それほど調子が良かったというわけでもなかったから、この程度は楽なものということにして。というのも、10キロ時で心拍が147~154ほどにはなったからである。本当は150以内で走りたいし、それもできるはずだ。
 
 急に寒くなったせいか体質の変化か、ウオームアップ低速時間が長く要るようになった。前は5分もかからない体質だったのに、今は10分は必要になったようだ。それで前半が苦しいのだということも今日、分かった。

 このごろ、サイクルツーリングの「名古屋近辺コース」本を改めて見直している。真冬をおしてこれから色々と出かけようとしているのだ。荷物になるコートは無しだから身体が温まるまでの冷たさを考えると走り出しには勇気が要るが、遠足前夜の幼稚園児さながら胸が踊るのである。それほどサイクルツーリングが好きなのだ。ランナーズハイがあるように、いや多分それ以上にファーストランハイ・「この」身体感覚享受が僕にとっては格別なのである。身体を傾けあるいは起こし、脚の踏み込みや腕の引き方を変えるなど、長い時間飽きもせず身体あちこちをたっぷりと楽しめるようにもなっている。踏み込みがちょっと逞しくなったかなとか、ハンドルブレを制する肩の入れ方がまた上手くなったなとか。また、東谷山、小牧山へ行こうかとか、犬山かその西の木曽川河畔公園まで遠出しようかとか、「行く先」の楽しみもあるのだ。今日は気に入った冬景色の前で何回佇むだろうかという楽しみである。

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なんと愚かな「国防」人事!  文科系

2014年01月16日 11時17分31秒 | 国内政治・経済・社会問題

 新設された国家安全保障局の局長に、谷内正太郎氏が着いた。去年新春の中日新聞で、内閣官房参与(元外務次官)として以下のようなインタビューを語った人だ。その末尾のこんな言葉から彼の人格が分かるのだが、こんなイーカゲンな人が国家防衛の中枢?! まるでペテン師のような人格、お人だと思う。こんな人物を内閣の「目玉」新施策の責任者にする?! 日本、安倍内閣って本当にトロイ国、政府だなと思うしかない。

 自民党幹事長は軍事オタクの国防族。近ごろしきりに「国防精神」を上から目線のように説かれている方だが、その思考程度も手に取るように分かるというものだ。こんな人事を敢行したのであるから。

 『集団的自衛権については、自らが攻撃された時は他の国に助けてもらう、その国が攻撃された時は「われ関せず」という態度は責任ある大国としてありえない。集団的自衛権は国家の品格、品性に関わる問題だ。米国も、そのような日本の貢献を期待している』
 谷内氏は「国家の品格、品性」などと語ったが、相手を見て物を言えと言いたい。
 最近の米国というのは、嘘の理由で国連の反対を押し切って有志国だけでイラク戦争を起こした国だ。この戦争で無数の自国、他国の50万人だかを殺し、後になって大統領が『あれが嘘だとは全く知らなかった』とテレビで堂々と泣き言を語った国だ。因みに、我が日本政府・外務省は、嘘の理由に丸め込まれて参戦し、莫大な出費で今問題の国家累積赤字をさらに積み上げることになったのだが、なお「もっと汗も血も流せ」などと侮蔑的言葉まで浴びせられたのだった。こんなふうに二重に踏みにじられた侮辱について、外務省などからその後、何か釈明とか、相手への抗議でも、あったっけ?

 さて、こういう相手に「国家の品格、品性」をもって対せなどとは、馬の耳に念仏、蛙の面にナントカで、一銭つぎ込む価値もないどころか、ペテンに掛けられるのが落ちというもの。谷内さんに尋ねたい。集団的自衛作戦に品格をもって付き合っていく今後に、またしても嘘の理由で戦争を起こされて、日本や世界の若者などが殺されることはないという保証がどこにあるんです? そういう保証をどこで確認できたのです? 当方が品格をもって遇するべきは、品格のある相手でしょう。こんな重大な背信行為国相手に「国家の品格、品性」を国民にお説教とは。貴方のこの言葉、まるで騙りのようなものだ。

 さらに加えるに、こんなトロイ言葉を新聞という公器でもって不特定多数国民に説いて恥じないこの神経! これは、凄く意識して国民にお説教しているのである。これほどアメリカにコケにされてもなお「着いていきます」と応え、「それが品格(婦徳)だ」と子ども(国民)に説く健気妻! 放蕩亭主アメリカにすがりつき続けるどんなアホ妻なのかと、その顔が見たくなった。こんなのが、外務次官! 外務省ってこんなのばかりなのだろう。一時マスコミで騒がれたことだが、ほとんどの国の日本大使館に超高級ワインを山のように揃えて国家の金でただ酒飲んでいると、こういう人格が育つということだろう。それにしても、恥知らずである。 

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